「スーパー・タクト」
初のフルモデルチェンジとなった三代目タクトことAF09型。キャッチコピーでスーパーと言っていた事からスーパータクト、略してスパタクという愛称で呼ばれています。
今回のモデルチェンジは騒音や排ガス規制を機にしたモデルチェンジになるんですが、ホンダを代表するスクーターなだけあり規制対応させつつ馬力を更に1馬力上げて5.0馬力と、走りが更に軽快になりました。
ちなみに鍵付きグローブボックスを標準装備したのもこの代から。
グレードは当初タクトとタクトフルマーク(上の写真)の2グレード展開でしたが、半年後にはこれも追加で再登場。
そう、先代に引き続き再登場となったクレージュ・タクト。
先代で爆発的な人気が出たことから今回は限定ではなく通常販売モデル。
しかもピンクとブルーの2バージョン展開しつつ、晩年の1985年にはオシャレなシートまで加わったツートンまで販売。
補足をするとスパタクシリーズはこの時に吸排気見直しで馬力を更に0.4馬力上げて5.4馬力とするマイナーチェンジを行っており、この2トンカラーのクレージュもそのマイチェン後のモデルになります。
そんな女性から非常に高い人気があるクレージュ・タクトをレギュラー化した影響で、素のスパタクはイメージが少し変わりました。
それまでタクトは女性をメインにしつつも中性的なイメージ戦略だったんですが、素のスパタクでは俳優の根津甚八さんを起用し、かなりダンディズムあふれるイメージに。
カタログを見れば一目瞭然ですね。
ちなみにこの代のタクトには、もう少し紹介しないといけないモデルがあります。一つはスパタクがマイチェンした翌年の1986年に出たトラッドエディションと呼ばれるモデル。
チェック柄シートでオシャレになったタクト。ちなみに写真はありませんが、紺色バージョンもありました。
そしてもう一つが同年に実質的な後継として出たタクトフルマークS。
前後大型キャリアと専用メーター、さらにワイドタイヤを履いたヘビーデューティ志向ながら純白を纏っているモデルになります。
ここまでは全てAF09型になるんですが、一方でそれらと同年のデビューでも型式が違うのはタクトアイビーと呼ばれるモデル。
このモデルだけ型式はAF13で、厳密にいうとアイビーはタクト亜種みたいなモデル。というのもこれ4stなんです。
ホンダはボーカル/AF04型とタクティ/AB19型というイタリアン系4stスクーターをタクトとは別に出していたんですが、それの後継としてタクトのプラットフォームを流用しつつ、スタイリッシュなデザインで登場したのが4st版タクトことタクトアイビー。
恐らく1983年に終戦となったHY戦争で膨れ上がった資産を整理する一環なのと、フェンダーまで一体となったスラントノーズタイプが若者の間で人気となっていた事から造られたモデルだったと思われます。
主要諸元
全長/幅/高 | 1585/625/965mm [1959/625/965mm] {1600/625/950mm} |
シート高 | – |
車軸距離 | 1130mm {1135mm} |
車体重量 |
52kg(乾) |
燃料消費率 | 90.0km/L {78.3km/L} ※30km/h走行テスト値 |
燃料容量 | 4.0L |
エンジン | 空冷2サイクル単気筒 |
総排気量 | 49cc |
最高出力 | 5.0ps/6000rpm (5.4ps/6500rpm) [5.4ps/6500rpm] |
最高トルク | 0.62g-m/5500rpm [フルマークS:0.62kgm/6000rpm] |
変速機 | 無段階変速機(Vマチック) |
タイヤサイズ | 前後2.75-10-2PR {フルマークS:80/90-10-34J} |
バッテリー | YT4L-12 |
プラグ ※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価 |
BP6HSA |
推奨オイル | ウルトラ2スーパー |
オイル容量 ※ゲージ確認を忘れずに |
0.8L |
Vベルト | 23100-GA7-701 |
車体価格 | 125,000円 (129,000円) [135,000円] {145,000円} ※()内は85年モデル以降 ※[]内はフルマーク ※{}内はフルマークS |