Address125(DT11A)-since 2017-

2017年式アドレス125

「Stylish Scooter」

V125の後釜として登場したアドレス125。若干大柄になりVの文字が無くなりました。

Vがどういう意味だったのかスズキから正確なアナウンスはありませんが、系譜から見るに上位グレードを表す意味だったのかと。

そんなアドレス125の装備面を見ると目立った変更点といえば次世代低燃費エンジンSEPと前後アルミホイールを装備したこと。

2017年式ADDRESS125

その代わりV125Sに付いていたデジタル時計も省略と少し寂しい変更もあるんだけど、税込みで221,400円という安さを考えるに文句は言えませんね。

V125ベーシックより20,000円以上安く、ADDRESS110と16,200円しか変わらないんですよ・・・こうなるともう110買う人は居ないのではなかろうか。

ただまあ正直に言うと

2017年式アドレス黒

「アジア臭が強い」

という印象・・・を持たれた方が多いかと思います。

しかし注意して見てみると、(失礼ながら)こう見えてかなり国内偏重と取れる箇所が節々にあります。

一つはホイールサイズ。

アドレス125サイド

ホイールが鉄からアルミにグレードアップされたわけですが、サイズが

フロント:90/90-12|リア:100/90-10

と昨今のアジアスクーターとしては非常に小さい。リアに至ってはV125から変わらず。

フロントホイール

ホイールサイズが小さいと荒れた路面が苦手になります。だから路面の舗装がまだ行き届いていないアジアでは最低でも14インチが基本。欧州もこの傾向。

なのにアドレス125は12/10インチとかなり小さいサイズ。これは荒れた路面への対応を捨て、小さい事のメリットである小回りや取り回しの良さを取ってるから。

つまりこのアドレス125は完全に中国や台湾、それに日本といった極東がメインの原付二種ということ。

アドレス

110がインドネシア生産なのに対し、125は中国なのもその為かと。

もう一つ。

これが意外で驚いたんですが、スペックシートを見るとアドレス125は中国や台湾向けモデル、インドで売っている同型エンジンモデルよりも圧縮比が上げられているんです。

2017年式ADDRESS125

向こうはSEPエンジンでも9.6/1程。ちなみに先代V125も同じ程度。

圧縮比を上げると簡単に言うと仕事量が増える。だから上で言った同型よりも0.7馬力ほど高い。

圧縮比

しかし大事なのは圧縮比を上げたにも関わらず、馬力が思ったほど上がっていない(先代比-0.5馬力)という事。

これは厳しくなった排ガス規制に対応する面もありますが、実用域トルクを取った面もあるかと思います。スズキは最近クルマの方で圧縮比を上げて実用トルクを稼ぐモデルチェンジが多いんですよ。

日本はオクタン価管理が行き届いているからなのか理由は定かではありませんが、日本モデルだけわざわざ圧縮比を上げる調整をスズキはしているわけです。

ちなみに圧縮比は上げすぎると熱くなって自然発火(ノッキング)を起こしてしまうのですが、ここまで上げる事ができたのは勿論SEPエンジンだったから。

2017年式ADDRESS125

公式では類似エンジン(110のエンジン)と書かれていますが、恐らくほぼ形は同じ。そして注目してほしいのはガソリンを吹くインジェクターの位置(赤丸)です。

このSEPエンジンはインジェクターがシリンダーに直付けされギリギリまで吸気バルブに近い位置に置かれてる。

FIの位置

いわゆるポート噴射というやつで、吹いた燃料を壁に付着させる事なく燃焼室まで届ける事が出来る。

ちゃんと届くということは燃料の無駄を無くす事はもちろん、ガソリンによる冷却効果も上がるし、ギリギリまで混合しないことで空気の流入量も増えるので圧縮比や燃焼効率を上げられるという話。

また車の話になりますが最近スズキのCMで

「デュアルジェットエンジン」

デュアルジェットエンジン

って言ってるの聞いたことありませんか。アレと同じ仕組みです。

ただ車の場合は4バルブ(吸気2バルブ)でそれぞれのポートにFIが付いてる形。

2017年式DT11A

だからアドレスのエンジンは差し詰め”シングルジェットエンジン”といった所でしょうか。

いやSEP(SUZUKI ECO PERFORMANCE)なんですけどね。

【関連車種】
PCXの系譜LEADの系譜CYGNUSの系譜TRICITYの系譜

主要諸元
全長/幅/高 1900/685/1135mm
シート高 745mm
[760mm]
車軸距離 1285mm
車体重量 109kg(装)
燃料消費率 51.0km/L
※WMTCモード値
燃料容量 6.0L
エンジン 空冷4サイクルSOHC単気筒
総排気量 124cc
最高出力 9.4ps/7000rpm
最高トルク 1.0kg-m/6000rpm
変速機 Vベルト
タイヤサイズ 前90/90-12(44J)
後100/90-10(56J)
バッテリー FTX7A-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CPR7EA-9
または
U22EPR9
推奨オイル スズキ純正オイル
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量0.8L
交換時0.65L
ベルト 27601-10K00
車体価格 205,000円(税別)
[210,000円(税別)]
※[]内はフラットシート
系譜図
アドレス501987年
Address50/チューン(CA1CA/B)
アドレスV501990年
Address V50/Vチューン(CA1FA)
アドレスV1001991年
Address V100/S(CE11A/CE13A)
アドレス110

1998年
Address110(CF11A)

アドレスV125/G規制前モデル2005年
Address V125/G(CF46A K5~K7)
アドレスV125規制後モデル2009年
Address V125/G(CF4EA K9~)
アドレスV125S2010年
Address V125/S/SS(CF4EA/CF4MA L0~)
2015アドレス1102015年
Address110(CE47A)
2017アドレス1252017年
Address125(DT11A)

「Address125(DT11A)-since 2017-」への1件のフィードバック

  1. 2022年に店頭在庫の黒を一目ぼれして購入、2024年3月で15700km走りました。通常50-65km/hで走ると燃費50-52km/Lでとてもお得かつストレスなく走れます。黒の塗装に青紫のメタリック粉末が混ぜてありカラーきれいです。難点はシート下収納スペースがフルフェイスひとつ入れたらキチキチになること。GIVIの40Lリアケースつけてやっとレインウエアなど収納できました。折り畳み式コンビニフック、500mlペットボトル収納スペースふたつも便利。ACソケットは別付けで約一万円かかりましたが便利です。

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