「Stylish Scooter」
V125の後釜として登場したアドレス125。若干大柄になりVの文字が無くなりました。
Vがどういう意味だったのかスズキから正確なアナウンスはありませんが、系譜から見るに上位グレードを表す意味だったのかと。
そんなアドレス125の装備面を見ると目立った変更点といえば次世代低燃費エンジンSEPと前後アルミホイールを装備したこと。
その代わりV125Sに付いていたデジタル時計も省略と少し寂しい変更もあるんだけど、税込みで221,400円という安さを考えるに文句は言えませんね。
V125ベーシックより20,000円以上安く、ADDRESS110と16,200円しか変わらないんですよ・・・こうなるともう110買う人は居ないのではなかろうか。
ただまあ正直に言うと
「アジア臭が強い」
という印象・・・を持たれた方が多いかと思います。
しかし注意して見てみると、(失礼ながら)こう見えてかなり国内偏重と取れる箇所が節々にあります。
一つはホイールサイズ。
ホイールが鉄からアルミにグレードアップされたわけですが、サイズが
フロント:90/90-12|リア:100/90-10
と昨今のアジアスクーターとしては非常に小さい。リアに至ってはV125から変わらず。
ホイールサイズが小さいと荒れた路面が苦手になります。だから路面の舗装がまだ行き届いていないアジアでは最低でも14インチが基本。欧州もこの傾向。
なのにアドレス125は12/10インチとかなり小さいサイズ。これは荒れた路面への対応を捨て、小さい事のメリットである小回りや取り回しの良さを取ってるから。
つまりこのアドレス125は完全に中国や台湾、それに日本といった極東がメインの原付二種ということ。
110がインドネシア生産なのに対し、125は中国なのもその為かと。
もう一つ。
これが意外で驚いたんですが、スペックシートを見るとアドレス125は中国や台湾向けモデル、インドで売っている同型エンジンモデルよりも圧縮比が上げられているんです。
向こうはSEPエンジンでも9.6/1程。ちなみに先代V125も同じ程度。
圧縮比を上げると簡単に言うと仕事量が増える。だから上で言った同型よりも0.7馬力ほど高い。
しかし大事なのは圧縮比を上げたにも関わらず、馬力が思ったほど上がっていない(先代比-0.5馬力)という事。
これは厳しくなった排ガス規制に対応する面もありますが、実用域トルクを取った面もあるかと思います。スズキは最近クルマの方で圧縮比を上げて実用トルクを稼ぐモデルチェンジが多いんですよ。
日本はオクタン価管理が行き届いているからなのか理由は定かではありませんが、日本モデルだけわざわざ圧縮比を上げる調整をスズキはしているわけです。
ちなみに圧縮比は上げすぎると熱くなって自然発火(ノッキング)を起こしてしまうのですが、ここまで上げる事ができたのは勿論SEPエンジンだったから。
公式では類似エンジン(110のエンジン)と書かれていますが、恐らくほぼ形は同じ。そして注目してほしいのはガソリンを吹くインジェクターの位置(赤丸)です。
このSEPエンジンはインジェクターがシリンダーに直付けされギリギリまで吸気バルブに近い位置に置かれてる。
いわゆるポート噴射というやつで、吹いた燃料を壁に付着させる事なく燃焼室まで届ける事が出来る。
ちゃんと届くということは燃料の無駄を無くす事はもちろん、ガソリンによる冷却効果も上がるし、ギリギリまで混合しないことで空気の流入量も増えるので圧縮比や燃焼効率を上げられるという話。
また車の話になりますが最近スズキのCMで
「デュアルジェットエンジン」
って言ってるの聞いたことありませんか。アレと同じ仕組みです。
ただ車の場合は4バルブ(吸気2バルブ)でそれぞれのポートにFIが付いてる形。
だからアドレスのエンジンは差し詰め”シングルジェットエンジン”といった所でしょうか。
いやSEP(SUZUKI ECO PERFORMANCE)なんですけどね。
【関連車種】
PCXの系譜|LEADの系譜|CYGNUSの系譜|TRICITYの系譜
主要諸元
全長/幅/高 | 1900/685/1135mm |
シート高 | 745mm [760mm] |
車軸距離 | 1285mm |
車体重量 | 109kg(装) |
燃料消費率 | 51.0km/L ※WMTCモード値 |
燃料容量 | 6.0L |
エンジン | 空冷4サイクルSOHC単気筒 |
総排気量 | 124cc |
最高出力 | 9.4ps/7000rpm |
最高トルク | 1.0kg-m/6000rpm |
変速機 | Vベルト |
タイヤサイズ | 前90/90-12(44J) 後100/90-10(56J) |
バッテリー | FTX7A-BS |
プラグ ※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価 |
CPR7EA-9 または U22EPR9 |
推奨オイル | スズキ純正オイル エクスター |
オイル容量 ※ゲージ確認を忘れずに |
全容量0.8L 交換時0.65L |
ベルト | 27601-10K00 |
車体価格 | 205,000円(税別) [210,000円(税別)] ※[]内はフラットシート |
2022年に店頭在庫の黒を一目ぼれして購入、2024年3月で15700km走りました。通常50-65km/hで走ると燃費50-52km/Lでとてもお得かつストレスなく走れます。黒の塗装に青紫のメタリック粉末が混ぜてありカラーきれいです。難点はシート下収納スペースがフルフェイスひとつ入れたらキチキチになること。GIVIの40Lリアケースつけてやっとレインウエアなど収納できました。折り畳み式コンビニフック、500mlペットボトル収納スペースふたつも便利。ACソケットは別付けで約一万円かかりましたが便利です。
自分はこちらのモデルを発売したての2017年に購入し、6年半乗り続けています。最近シートにイタズラなのかは分かりませんが、鍵のような強い物で線が入っており、そのうちの一本に亀裂が入って座るたびに広がってスポンジが見えるようになってしまったため、一応同色の黒い補強テープをしていますが、見栄えが悪いのでカバーをしたいのです。しかし2りんかんなどに行って対応車種の中にアドレス125のあった3Lサイズのカバーを買っても小さくて全く合いません。型番は何で調べたらネット通販などで返品しないで購入できるのでしょうか?シートは全長90cm弱ですよね?