「SEROW is SEROW」
250となった六代目セローことSEROW250/DG11J型。
DG11Jというのは認定型式で通称型式でいうと3C51~3C55まで。分かりにくいので認定型式を書いています。
新フレーム及び高性能軽量サスペンション、スーパーローも廃止され若干オンロード寄りになりました。
何故250にしたのかというと、これまた理由が二つあります。
一つは開発チームいわく
「225は先代でほぼ完成してしまった」
という事。20年近い改良の積み重ねの賜物ですね。
そしてもう一つは
「多目的に使う人が増えた」
という事。
多目的というのは要するに公道をメインに使う人が増えてきたという事。
これらの理由から250へのスケールアップが決まったわけです。
で、これが出た時
「250なんてセローじゃない」
って声が多く聞かれました。
225がセローの証だったから無理もない話ではありますが、実はそれ開発でも言われていたんです。
この250セローからプロジェクトリーダーは車体設計を担当していた石塚さんになったんですが、土台となるプロトタイプを造って社内の色んな人間に試乗してもらったところ
「こんなのセローじゃない」
という声が多く返ってきた・・・理由はもちろん250化による重量増が原因。
オーナーを始めとしたセローファンのセローに対する思い入れに負けずとも劣らないほどヤマハの中にもセローに思い入れがある人が多かったわけですね。
だから石塚さんを始めとした開発チームは250でもセローだと認めてもらうために必死になって開発。
例えばセロー250からメーターはデジタルになりましたが、これ新しいからデジタルにしたわけじゃないんですよ。メーターケーブルなどを省略できて軽量化になるからデジタルメーターにしたんです。
これ自体は僅か800gの軽量化にしかならないんですが、操舵周りなので体感的な軽さは800g以上ある。
他にもフロントフォークの材質を高強度なものにし肉薄化する事で500gの軽量化など徹底的なマスの集中化をよる軽快感を出すために、ひと目では分かりにくい部分まで様々な部分をプロトタイプから大幅に見直し。
そのおかげで車重は僅か+4kgに留まり、軽快感は先代以上に向上。
「セローじゃない」
と言っていた並々ならぬセロー愛を持つ社内の人間を納得させるセローが完成したわけです。
ちなみにこのモデルからワンランク上の塗装を施したSモデルが追加。
これはその中の一つ・・・ちょっと森とは友だちになれそうにないカラーリングですね。
主要諸元
全長/幅/高 | 2100/805/1160mm |
シート高 | 830mm |
車軸距離 | 1360mm |
車体重量 | 126kg(装) |
燃料消費率 | 45.0km/L ※定地走行テスト値 |
燃料容量 | 9.8L |
エンジン | 空冷4サイクルSOHC単気筒 |
総排気量 | 249cc |
最高出力 | 21ps/7500rpm |
最高トルク | 2.1kg-m/6500rpm |
変速機 | 常時噛合式5速リターン |
タイヤサイズ | 前2.75-21(45P) 後120/80-18(62P) |
バッテリー | YTZ7S |
プラグ ※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価 |
DR7EA |
推奨オイル | エフェロ プレミアム/スポーツ/ベーシック |
オイル容量 ※ゲージ確認を忘れずに |
全容量1.4L 交換時1.2L フィルター交換時1.3L |
スプロケ | 前15|リア48 |
チェーン | サイズ428|リンク128 |
車体価格 | 440,000円(税別) |