
「森の法則を知っている」
三代目のセローこと4JG型。
・フロントサスのメタル変更で作動性向上
・ステアリングのベアリング変更
・シフトタッチ向上
などの改良が加わり、新たにWモデルが併売する形で登場しました。

走行性能を向上させたモデルで
・60W/55Wの大容量ヘッドライト
・リアをディスクブレーキ化
・アンダーブラケットをバフ仕上げのアルミに
・フートレスト部のフレームにアルミ製プロテクター採用
・別体サブタンク付きリアサスペンション
などの変更が加わっています。

ちなみにWの意味は
・SEROW ”W”ORLD
・”W”ilderness(森林地帯)
・”W”oods riding
・走りの幅が”W”ideに
という四つのコンセプトワードから。

特に走りの幅がワイドと言っている通り、これはセロー人気の高まりとともに必ずしも林道初心者だけでだけでなく、通勤に使う人や比較的上級者までもセローに乗るようになったのが大きな理由。
なんでもヤマハの社員もセローで通勤する人がとっても多いんだとか。

1995年には
・クラッチワイヤー変更
・シート着座面幅30mm増
・フートレスト踏面前後幅拡大
・ブレーキフィーリング向上の改良。
更にアルミ製ハンドルや前後ゴールドリムなどの特別仕様なども相次いて販売されました。
合わせて紹介になりますが1997年には四代目セローことSEROW225WE(4JG6~)へとマイナーチェンジし一本化。

・キャブレター口径変更(34mm→31mm)
・クランクマスアップ
・リアチューブレス
・異径2ポットフロントキャリパー
・新エアスクープ
・新シート
などなどの改良が加わったわけですが、一番の変更は燃料タンクが8.8Lから10Lへアップした事。

これもユーザーからの強い要望によるものなんですが、車体設計だった石塚さんは相当苦労されたそうです。
というのもセローは
「とにかく低く・細く・軽く」
が命なわけで、ガソリン容量を上げるというのは本当に厳しいから。
単純に膨らませるとタンクは重心よりも上の方にあるので重量以上に体感で重くなってしまうんです。ガソリン残量によって(体感的な)軽さが全く違うのはバイク乗りなら誰が知ってる事と思います。

そこで車体設計だった石塚さんはタンクの下の方(重心に近い方)を膨らませるアイディアを思いつき、スペースが無くなってしまったコックは別体式にすることで何とかして1.2L増やすことに成功。
もちろん市場からの要望なので大好評でした。
セローについて開発者の方々が
「ユーザーと共に育っていったバイク」
と言われているのはこういう所なんでしょうね。
主要諸元
全長/幅/高 | 2070/800/1160mm |
シート高 | 810mm |
車軸距離 | 1350mm |
車体重量 | 106kg(乾) |
燃料消費率 | 60km/L ※定地走行テスト値 |
燃料容量 | 8.8L {10.0L} |
エンジン | 空冷4サイクルSOHC単気筒 |
総排気量 | 223cc |
最高出力 | 20ps/8000rpm |
最高トルク | 1.9kg-m/7000rpm |
変速機 | 常時噛合式6速リターン |
タイヤサイズ | 前2.75-21-4PR 後120/80-18(62P) {前2.75-21(45P)} |
バッテリー | GTX7L-BS {GT6B-3} |
プラグ ※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価 |
DR8EA |
推奨オイル | ヤマハ純正エフェロ SJ/SG/SF (10W-30から10W-40) |
オイル容量 ※ゲージ確認を忘れずに |
全容量1.3L 交換時1.0L フィルター交換時1.1L |
スプロケ | 前15|リア45 |
チェーン | サイズ428|リンク120 |
車体価格 | 349,000円(税別) [369,000円(税別)] {379,000円(税別)} ※[]内はSEROW225W ※{}内はSEROW225WE |