暴走族にもルーツがある

暴走族文化の確立

暴走族ってご存知かと思います。

80年代から90年代にピークを迎えたんですが、警察が撲滅に乗り出したおかげか今ではだいぶ見なくなりましたね。

というか最近では交通ルールを守る旧車會というのが基本だそうで・・・まあそんな事より皆さん暴走族っていうと

「反社会的なバイク集団」

というイメージがあるかと思いますが、そんな暴走族もスーパースポーツやトレールと同じ様にルーツはあります。

暴走行為

暴走族が誕生したとされるのは1970年代頃の事でそれまでは

『カミナリ族』

というのが一般的でした。暴走族の前身と言われているんですが趣向は少し違っていて、速さや爆音を満喫したり性能を自慢するのが主な集団。

暴走族というよりもルーレット族に近い形ですね。まあこれはこれで当時は社会問題になっていました。

カミナリ族

今でこそ笑えるマッハ乗りという車体の上で水平になる乗り方を大真面目にやっていたのもこの頃。

これは最高速アタックをするのに最も適した姿勢という事が世界中に広まっていたから。だから実はこういう乗り方が流行ったのは日本だけじゃなかったりします。

ではカミナリ族ではなく暴走族になるキッカケが何だったのかというと最初は1960年代後半。

当時の日本は

『一家に一台(乗用車)』

というモータリゼーションが起こっていた頃で都心は既に渋滞が日常茶飯事になっていたんですが、その事に一番困っていたのが報道機関を始めとしたメディアでした。

この頃はまだネットなどが無い時代なので現地取材で調達した写真や動画なども東京の本社まで直接運ぶしかなかったんですが、乗用車の普及による渋滞で迅速な調達が難しくなってしまったんですね・・・そこで目をつけられたのが渋滞に強いバイク。

プレスライダーの求人

『プレスライダー(エクスプレスライダー)』

といって取材をした記者やその現物を迅速に運ぶ現代でいう超特急バイク便みたいな職業が重宝されるようになった。

プレスライダーの特徴

・フロントには社旗

・すり抜けのためハンドルや肘を絞る

・飛ばすので風防装備(※既にイギリスでロケットカウルが誕生していたが当時の日本では不認可だった)

という暴走族に通ずる装備を備えているのが特徴。

もちろん事故はご法度だったんですがハッキリ言って道路交通法は無視に近い運転で、先にも言ったようにモータリゼーションによって事故が急増していた交通戦争時代を駆け抜けていた。

そんな姿を見た若者が憧れを懐き、スタイルを真似事をするようになったのが暴走族の始まりと言われています。

とは言うものの今ひとつピンときてない人も多いんじゃないでしょうか・・・何故なら族車らしい派手さが無いから。

族車

・ネイキッドベース

・チョッパーハンドル

・背もたれ付き三段シート

・突き上がったマフラー

・日章旗や旭日旗の外装や服装

というイメージを持たれる方が多いかと思いますが、明らかにプレスライダーからは少し外れているというか行き過ぎている感じがありますよね。

これは1970年に放送されたある映画の影響と言われています。

イージーライダー

『イージーライダー』

低予算の映画だったにも関わらず全米で大ヒットし、日本でも大反響を呼びアメリカンブームを巻き起こした自由を求めて宛のない旅をする超有名な映画。

アメリカ内で起こっていた若者間での社会への反発と現実を描いた一言で言うならば

「反体制映画」

と言えるものなんですが、その劇中で反体制として自由を謳歌する存在だったキャプテン・アメリカのバイクがこれ。

キャプテン・アメリカ号

FLをベースにチョッパースタイルにしたキャプテン・アメリカ号。

映画のヒットに伴いチョッパー(切った貼ったカスタム)という当時まだそこまで有名ではなかった文化を世界に知らしめることになったバイクなんですが・・・よく見てみると

暴走族カスタムのルーツ

そう、暴走族お決まりのスタイルに非常に酷似している。

暴走族のスタイル

つまり族車というのはプレスライダーという土台の上にイージーライダーによるチョッパースタイルが加わったのがルーツ。

確固たる証拠と呼べるものは無いのであくまでも説でしかないんですが、こうして1970年代半ばに確立したのが

『反社会を表現するスタイル』

であり

暴走族

それが集団化したのが

『暴走族』

というお話でした。

2st最後の技術革新は4st化だった -同爆とビッグバンエンジン-

ビッグバンエンジンとは

ビッグバンエンジン、同爆エンジンという言葉を聞いたことが有ると思います。

今でこそ同義語として広まっていますが最初は違ったのでそこら辺を含め長々と書いていきます。

これは半世紀以上の歴史を持っていた2st四気筒500ccのトップレースWGP500(現MotoGP)で広まった用語です。

WGP500

同爆というのは文字通り二気筒を同時に点火する事。

スズキのスクエア4でいえば1番と3番、2番と4番が同時に点火する事で、ヤマハも取り入れていました。

しかしここで注意しなくてはいけないのは同爆がメジャーだったWGP500というのは360°で完了する2ストロークだという事。

二気筒エンジン

つまり一般的な4st直列四気筒と同じ等間隔で、叫び声の様に伸びていくスクリーマーエンジンなわけです。

4stがメジャーになった現代では

『同爆=ビッグバン』

という認識になっているようですが。

ZX-RRビッグバン

ちなみにこれは4st直列四気筒だったZX-RRのビッグバンエンジン。

じゃあ

「本来のビッグバンって何」

って話ですが、ビッグバンエンジンを最初に生み出したのはホンダなのでホンダを主体に進めます。

その頃のホンダはV4だったのですが同爆は採用しておらず点火タイミングは90度間隔でした。

90度間隔V4

フェラーリなどのV8と同じく超スクリーマーエンジン。

アクセルを捻れば間髪入れずロケットの様に加速するモーターのようなエンジンだった・・・

1989NSR500

・・・だったんですが、実はホンダは問題を抱えていた。

年々上がっていくパワー(180馬力オーバー)にタイヤが耐えきれずスリップを起こしやすくなっていたんです。

しかもそれはあろうことか180°等間隔の同爆エンジンを積んでいたヤマハやスズキよりも顕著だった。

エンジン

そこでホンダは

「エンジンに原因があるんじゃないか」

となった。

という事で翌年の1990年はヤマハやスズキと同じ同爆(180°等間隔)にしたNSR500を投入・・・すると狙い通り問題が改善。

1990NSR500

ここで

「出力特性を見直せばスリップしない」

という事に気付いたわけです。

※正確に言うとそう訴えてきたHRC監督の吉村さんが正しい事が証明された。

Racers, Vol. 27: Rothmans NSR, Part 3より

そうして誕生したのがWGP500晩年において圧倒的な速さを誇ったエンジン。

『ビッグバンエンジン』

です。

ビッグバンエンジン

同爆だけでなく不等間隔位相同爆(近接同爆)になっているのが本来のビッグバン。

ちなみに何故ビッグバンエンジンというのかというと、等間隔ではない事からくる低音が聞いた排気音を海外メディアの記者が

「まるでビッグバンみたいなエンジン音だ」

と称した事から。

しかしながら何故これほど極端な近接にしたのかというとビッグバンエンジンが生まれる3年前の1989年の八耐。

RVFとドゥーハン

今ひとつNSR500に乗れてなかったレーサーのドゥーハンを招集し4stのRVFに乗せたら凄く速かった。

これがビッグバンエンジンを生み出すヒントになったんです。

理由はザックリ言って主に二つ。

一つはVFRの方で話したと思いますが、RVFのV4/360°クランクはタイヤに優しい出力特性だったから。

1989NSR500とRVFの出力特性

タイヤを落ち着かせる間隔が大きいからグリップが稼げてスリップに強い。

誰もがタイヤが滑ったら無意識にパッとアクセルを戻すと思うんですが、それを物凄い速さでやってる様な感じです。

そしてもう一つはトルク変動が分かりやすいから。

NSR500とRVFのトルク変動

これ難しい話なんですが、早い話がタイヤと同じ様にライダーにも余裕が生まれるということ。

RVFなら

『トントン、ト、ト、ト、ト』

と上がっていくけど90°等間隔のNSR500は

『ト…トン…トトトトトトン』

と上がり出したら凄い速さ(間隔)だから狙った所に持っていくのが難しい。これがスリップを招く。

この『タイヤいたわりゾーン』と『緩やかなトルク変動』を得るためにあんな極端な近接にした。

つまりビッグバンエンジンというのは・・・

ビッグバンと360クランク

「4stの様な扱いやすさを持ったエンジン」

という事なんです。

それを武器にドゥーハンは怪我が完治した94年からWGP500を三連覇しました。

ミックドゥーハン

ここで少し補足しておくと

「でもドゥーハンは97年からスクリーマーを選んだじゃん」

と当時のWGP500を知っている人は思うでしょう。

実はドゥーハンはスリップをも武器にするテクニックと電子制御の進歩でスクリーマーでもビッグバンと変わらないタイムで走れるようになっていた。

1989NSR500

だから”敢えて”同爆スクリーマー(180°等間隔)を唯一選んだ。

これは追随するようにビッグバン(位相同爆)一色となったライバルたちに

「やっぱりスクリーマーの方が良いのでは」

と心理戦を仕掛けるのが狙いだったそう。

1997NSR500ビッグバンエンジン

現代のクロスプレーンやV4と同じく

「音は濁ってて遅そうなのに何故か速い」

というビッグバンの特徴を逆手に取ったわけです。

最晩年こそ電制の進歩でピークパワーが稼げる同爆スクリーマーが再び主体となりましたが、この技術革新は4stとなった現代のMotoGPでも応用されています。

ホンダWGP

それにしてもWGP500という半世紀以上の歴史を持つ2st最高峰レースで生まれた最後の革新技術が

「4stの様な2st」

というのは何とも面白い話ですね。

1988年度401cc~車種別販売台数TOP10

※逆輸入車は入っていません

第十位
VS750Intruder(-Since1985-)
販売台数727台

VS750

第九位
FZX750(-Since1989-)
販売台数740台

FZX750

>>FZX750の系譜

第八位
GPX750R(-Since1986-)
販売台数880台

GPX750R

>>GPZ750Rの系譜

第七位
V45 MAGNA(-Since1987-)
販売台数907台

マグナ750

第六位
XV750Virago(-Since1984-)
販売台数914台

XV750

第五位
CBX750F(-Since1983-)
販売台数1,076台

CBX750F

>>CBX750Fの系譜

第四位
SRX-6(-Since1988-)
販売台数1,756台

SRX600

>>SRXの系譜

第三位
GSX-R750(-Since1985-)
販売台数1,750台

GSX-R750

>>GSX-R750の系譜

第二位
CBR750スーパーエアロ(-Since1987-)
販売台数1,846台

CBR750

第一位
FZR750(-Since1988-)
販売台数1,881台

FZR750

参照:当時の月刊オートバイより

バイクに関する色んな都道府県ランキング

日本地図

自分の県が何の項目で何位くらいなのか?
面積や人口もあるので一概には言えないのですが、話のネタにでもなれば幸いです。

※データは年間のものですが、平成25年度のソースだったり24年度のソースだったりとバラバラです。ご了承下さい。

バイク保有台数(全国平均76,843台)

~トップ5~

1位 東京都 479,901台
2位 神奈川県 304,796台
3位 大阪府 235,710台
4位 愛知県 201,365台
5位 埼玉県 195,508台

7位 兵庫県 157,743台|8位 福岡県 145,914台|9位 千葉県 141,960台

10位 北海道 138,065台|11位 静岡県 129,326台|12位 茨城県 86,326台

~これより平均以下~

13位 広島県 76,397台|14位 京都府 69,292台|15位 栃木県 69,755台

16位 長野県 68,687台|17位 群馬県 65,242台|18位 宮城県 64,821台

19位 福島県 58,959台|20位 新潟県 57,655台|21位 沖縄県 54,100台

22位 三重県 50,892台|23位 岡山県 50,584台|24位 岐阜県 50,163台

25位 鹿児島県 47,450台|26位 長崎県 43,766台|27位 熊本県 38,683台

28位 滋賀県 35,585台|29位 宮崎県 35,424台|30位 愛媛県 34,698台

31位 山口県 32,518台|32位 和歌山県 30,998台|33位 奈良県 30,655台

34位 岩手県 30,652台|35位 山梨県 29,940台|36位 大分県 26,720台

37位 青森県 26,415台|38位 香川県 26,233台|39位 山形県 25,123台

40位 富山県 21,841台|41位 秋田県 21,741台|42位 佐賀県 21,407台

~ワースト5~

43位 石川県 21,385台
44位 徳島県 19,149台
45位 福井県 15,168台
46位 島根県 12,101台
47位 鳥取県 9,942台

※自動車検査登録情報協会「都道府県別・車種別自動車保有台数(平成26年3月末)」

バイク販売店舗数(全国平均157店)

~トップ5~

1位 大阪府 541店
2位 東京都 537店
3位 神奈川県 432店
4位 福岡県 356店
6位 兵庫県&埼玉県 336店

7位 愛知県 332店|8位 静岡県 294店|9位 千葉県 283店

10位 広島県 236店|11位 京都府 233店|12位 鹿児島県 174店

13位 茨城県 167店|14位 新潟県 164店

~これより平均以下~

15位 熊本県 150店|16位 北海道 149店|18位 栃木県&愛媛県 139店

19位 和歌山県 136店|21位 長野県&宮城県 130店|22位 福島県 126店

23位 長崎県 124店|24位 岡山県 117店|25位 群馬県 112店

26位 三重県 104店|27位 沖縄県104店|28位 高知県 98店

29位 大分県 95店|30位 奈良県 94店|31位 宮崎県 90店

32位 岐阜県 88店|34位 山口県&山梨県 85店|35位 滋賀県 76店

36位 岩手県 74店|37位 山形県 70店|38位 香川県 69店

39位 青森県 68店|40位 佐賀県 54店|41位 徳島県 51店|42位 石川県 45店

~ワースト5~

43位 島根県 41店
44位 秋田県 37店
45位 富山県 34店
46位 鳥取県 27店
47位 福井県 17店

※総務省統計局「2012年経済センサス活動調査」

バイク・スクーター普及率(全国平均15.9%)

~トップ5~

1位 和歌山県 42.1%
2位 愛媛県 31.9%
3位 京都府 26.9%
4位 高知県 24.6%
5位 奈良県 24.2%

6位 広島県 23.5%|7位 長崎県22.2%|9位 香川県&山梨県 21.6%|

10位 徳島県 20.9%|11位 鹿児島県 20.4%|12位 滋賀県 18.9%|

13位 静岡県 18.8%|15位 熊本県&岡山県 18.6%|

16位 兵庫県 18.4%|17位 大阪府 18.3%|18位 三重県 18.2%|

19位 神奈川県 17.3%|20位 大分県 16.7%

~これより平均以下~

21位 沖縄県 15.6%|22位 新潟県 14.5%|23位 栃木県 14.3%

24位 長野県 14.1%|25位 宮城県 13.9%|26位 宮崎県 13.4%

27位 岩手県 13.3%|30位 島根県&福岡県&佐賀県 13.2%

31位 山口県 13.0%|32位 山形県 12.9%|33位 千葉県 12.0%

36位 石川県&茨城県&埼玉県 11.7%|37位 福島県 11.6%|38位 愛知県 10.6%

39位 鳥取県 9.7%|41位 東京都&群馬県 9.4%|42位 福井県 8.0%

~ワースト5~

43位 秋田県 7.9%
45位 岐阜県&青森県 7.7%
46位 富山県 7.1%
47位 北海道 5.5%

※総務省統計局「平成21年全国消費実態調査」

二輪免許所持率(全国平均2.54%)

~ベスト5~

1位 東京都 4.17%
2位 神奈川県 3.54%
3位 静岡県 3.44%
4位 沖縄県 3.39%
5位 栃木県 3.34%

6位 山梨県 3.27%|7位 群馬県 3.09%|8位 長野県 3.04%

9位 京都府 2.83%|10位 福岡県 2.82%|11位 鹿児島県 2.778%

12位 兵庫県 2.7734%|13位 大阪府 2.7731%|14位 長崎県 2.74%

15位 福島県 2.735%|16位 埼玉県 2.734%|17位 和歌山県 2.69%

18位 愛知県 2.67%|19位 宮崎県 2.64%|20位 高知県 2.59%|21位 宮城県 2.57%|

22位 三重県 2.55%|23位 岡山県 2.54%|24位 広島県 2.455%|

25位 香川県 2.451%|26位 佐賀県 2.37%

~これより平均以下~

27位 愛媛県 2.357%|28位 滋賀県 2.356%|29位 千葉県 2.32%

30位 北海道 2.30%|31位 徳島県 2.29%|32位 岐阜県 2.23%

33位 大分県 2.12%|34位 山口県 2.10%|35位 奈良県 2.09%

36位 岩手県 2.06%|37位 茨城県 2.049%|38位 熊本県 2.048%

39位 山形県 2.00%|40位 富山県 1.87%|41位 秋田県 1.81%|42位 石川県 1.74%

~ワースト5~

43位 福井県 1.729%
44位 新潟県 1.727%
45位 青森県 1.64%
46位 鳥取県 1.532%
47位 島根県 1.531%

※年輪 様より

二輪車盗難件数(全国平均1265台)

~ワースト5~

1位 大阪府  7,648件
2位 福岡県  6,399件
3位 神奈川県 5,838件
4位 東京都  5,023件
5位 兵庫県  4,889件

6位 埼玉県 4,096件|7位 愛知県 3,366件|8位 千葉県 3,051件

9位 京都府 2,219件|10位 茨城県 1,624件|11位 岡山県 1,465件

~これより平均以下~

12位 静岡県 1,049件|13位 広島県 1,080件|14位 愛媛県 932件

15位 沖縄県 883件|16位 三重県 845件|17位 山梨県 819件

18位 熊本県 783件|19位 奈良県 729件|20位 岐阜県 711件

21位 群馬県 586件|22位 滋賀県 573件|23位 香川県 484件

24位 宮城県 455件|25位 和歌山県 429件|26位 栃木県 413件

27位 北海道 370件|28位 大分県 363件|29位 鹿児島県 347件

30位 高知県 253件|31位 山口県 230件|32位 佐賀県 203件

33位 長野県 174件|34位 宮崎県 166件|35位 福島県 162件

36位 長崎県 150件|37位 新潟県 124件|38位 徳島県 108件

39位 石川県 95件|40位 福井県 89件|41位 富山県 71件|42位 山形県 46件

~ベスト5~

43位 岩手県 39件
44位 鳥取県 34件
45位 島根県 22件
46位 青森県 21件
47位 秋田県 13件

※警視庁「平成25年の犯罪情勢」

バッテリー上がりは結果であり原因ではない

バッテリー系トラブル

エンジンをかけようとセルを押すも回らなかったら誰もがバッテリーが駄目になったと考えると思います。

エンジン始動する際にキュルキュルキュルと電気の力を使ってエンジン(クランク)を回すために使うセルモーターですが、これは非常に電力が必要なので最もバッテリー負荷が掛かり、バッテリーが弱っていた場合は真っ先に動作しなくなる部分です。

セルモーター

セルモーターは長く掛けるなと言われるのは長時間使うとモーターが焼けるから。

バッテリー交換というのはその容易さからライトバルブ交換と並んで自分でする整備の筆頭ではないでしょうか。バッテリーくらい自分で変えろとか言われたりしますしね。

しかしその手軽さ故に軽く考えていると後で高くつく事になる落とし穴があります。何故ならバッテリー上がりはあくまでも結果であり原因とは限らないから。

何が言いたいのか分かる人は恐らく経験のある人でしょう。何を言ってるのか分からない人は拙い文章ですが後で無駄な出費や時間を取られない為にも読まれる事をオススメします。

そもそもバッテリーというのはあくまでもバイクが発電した電力を蓄える貯蔵庫のようなもので、発電はバッテリーではなく充電装置と呼ばれている別の部品が担っています。

ザックリ簡単に説明すると3つで説明できます。

【ジェネレーター/ステーターコイル】

ジェネレーター

主にクランクの脇に付いていて一緒に回り発電するのが役目・・・大体クランクの左側に付いてて中にはステーターコイルと呼ばれる物が入ってます。

エンジンの回転数が上がれば上がるほど当然ながらジェネレーターも回転数が上がるので発電量が増えます。

【レギュレーター/レクチファイア】

レギュレーターレクチファイア

ジェネレーターが発電した電気を整えバッテリーを含む各部に送るのが役目・・・熱に弱いくせにものすごく熱くなるので注意。

【バッテリー】

バイク用バッテリー

レギュレーターによって整えられた電気を蓄えるのが役目。

信頼性も値段も高いことで知られるバッテリーメーカーのGSユアサさんですが2017年で100周年だそうです。ホンダより老舗とは・・・ちなみにGSユアサと台湾ユアサは無関係なのでご注意ください。

流れ的には

【ジェネレーター】

【レギュレーター】

【バッテリーを始めとした各部】

【エンジン(ジェネレーター)】

以下略

という流れです。なんだかこう書くと永久機関のような気がしますね。ガソリン使ってるから全然永久機関じゃないですが。

冗談はさておき問題はここからで、もしもジェネレーターやレギュレーターが壊れたらどうなるのかというと・・・

ジェネレーターが故障した場合

発電しないジェネレーター

整える電気が来ないレギュレーター

吸われる一方のバッテリー

バッテリー上がり(スッカラカン)

セルが回らない

レギュレーターが故障した場合

発電するジェネレーター

ちゃんと整えないレギュレーター

整ってない電圧を浴び続けるバッテリー

バッテリー上がり(過充電またはスッカラカン)

セルが回らない

このように非常に厄介な事にジェネレーターの故障でもレギュレーターの故障でも出て来る症状は全部バッテリー上がり。

JAFの出動理由の第一位が「バッテリー上がり」なのはご存知かと思いますが、これは自動車だけでなくバイクでもそうです。これは単に出先でバッテリーが寿命を迎える人が多いからではありません。

ジャフ

バッテリー上がりの原因はジェネレーターやレギュレーターの故障なのに、勝手にバッテリーが原因だと決めつけ

“バッテリー交換や再充電だけして走りに行く”

という行為をしてしまう人が多いから。

バッテリー系トラブル

新品や充電済のバッテリーは蓄えられているので、ジェネレーターが壊れていようがレギュレーターが壊れていようがバッテリーが力尽きるまで走れてしまう。

結果として出先でバッテリーが力尽きロードサービスのお世話になるっていう失敗をする。そしてまたバッテリーの再充電や交換をして走りだし、同じ目にあってやっと原因が他にあるんじゃないかと気付く。お金も時間も勿体無い行為です。

JAF出動理由第一位の「バッテリー上がり」というのは、何もバッテリーの寿命だけではなくこういったパターンも含まれているということ。クーラーなど快適装備満載の自動車と違い多くの電力を必要としないバイクの場合むしろコッチの方が多いかもしれない。

電装系トラブル

じゃあどうやってバッテリーの問題なのかレギュレーターやジェネレーターの問題なのかを見分けるのかって話ですが、まず起こりがちな症状を見てみましょう。

【レギュレーター故障時】

・ライトバルブがすぐ切れる

・バッテリーが膨らんでる

・メーター(針の動きなど)がおかしい

・異臭がする

等が挙げられます。

これはレギュレーターが故障すると電圧のコントロールが効かなくなるので、簡単にいうと質の悪い電気が駆け巡る事になるから。

その結果、ライトバルブが切れたり、バッテリーが駄目になったり、カプラを溶かしたりする。最悪の場合ほかの部分までヤラれます。

【ジェネレーター故障時】

・エンジンの掛かりや吹け上がりが悪い

・ファンやメーターなど一部が作動しない

・焼けた臭いがする

等が挙げられます。

ジェネレーターが故障するということは発電されていないということなので慢性的な電力不足に陥ってる状況。

もしも心当たりがある人は要注意です・・・というかそのままだと近い将来ロードサービスにお世話になること間違い無しです。

しかしこれらの症状が必ずしも現れるとは限らないのがこれまた悲しい現実。

だからこそ後で泣きを見ない為にも”セルが回らないor弱々しい”となったら、バッテリーが原因だと決めつけず本当にバッテリーの寿命なのかを確認するようにしましょう。

素人でも簡易ではありますが調べる方法はあります。

テスター

ただそれにはテスター(電子測定器)が必要になります。

ホームセンターに行けば1500円くらいで買えるのでついでの時にでも買われる事をオススメします。無駄な時間と出費が増やすことを考えたら安いと思いますので。

あと当然ながらセルを掛けられないほど弱ったバッテリーではテストできないので新しいバッテリーもしくは充電されたバッテリーが必要です。

充電はガソリンスタンドやバイク屋に持って行けばやってくれる所が多いですが、これを機に買うのもいいかもしれません。

バッテリー充電器

過充電防止機能が付いてる物が一般的ではありますが、長時間の繋ぎっぱなしは過充電を招き更に悪くしてしまう恐れがあるので気をつけましょう。

お高い充電器は更にサルフェーション除去機能も付いていたりします・・・サルフェーションっていうのは硫酸鉛のことです。

バイクでメジャーな鉛バッテリーの中には鉛と硫酸が入っているんですが、放電をするとこれが硫酸鉛という電気を通さない結晶となり電極板に張り付いていく。しかもこいつらお互いにくっつきやすい性質を持ってます。

サルフェーション

しっかりした充電が出来ていれば再び分解されるんですが、そのままにしておくとドンドン出来てドンドン電極板を覆っていき最後には充電出来なくなってしまう。

大量の電力を使うセル始動による短距離の走行が良くないと言われることや、一度上がったバッテリーは寿命が縮むと言われるのは過放電でこのサルフェーションが大量に発生してしまうから。

つまりこの憎きサルフェーションを除去してくれる機能が付いてるハイスペック充電器なら蘇生率も高いと思われるのですが費用対効果は・・・無理してまで買うほどではないかと。

長くなってスイマセン。

肝心の原因を調べる方法

用意するものは電圧計とある程度元気なバッテリー(再充電時は一時間ほど寝かせること)を積んだ愛車だけです。

【第一段階】

バイクのキーをONにした(エンジンは掛けない)状態で10秒ほど待って電圧を安定させた後、テスターをDC20またはDCV20に合わせバッテリーターミナル(バッテリーのプラスとマイナス)にそれぞれテスターを当てる。

※ プラス(赤い方)の扱いには十分注意しましょう。

・数値(電圧)が12.5~13V付近を指している場合

バッテリーOK→第二段階へ

※この数値は車種により若干違います、特にヤマハ車は高い場合が多いので注意

・11Vなど数値が低い

バッテリーNG→再充電しても低い場合は要バッテリー交換

・16Vなどかなり高い(無いとは思いますが)

バッテリーNG→要バッテリー交換

※バッテリーOKなのにセルが回らない場合はセルモーターの故障が疑われます

※キルスイッチも忘れず確認を

【第二段階】

エンジンを掛けて回転数を5000rpmまで上げる。

※第一段階で計った数値を仮に13.0Vとした場合

・14Vなど+1.0V前後で推移する

正常→バッテリー上がりの原因はバッテリー劣化

・12.5Vなど数値が下がっていく

電圧不足→レギュレーターもしくはジェネレーターの故障で充電できていない

・回転数に応じて16V~と青天井で跳ね上がっていく

電圧異常→レギュレーターの故障で過充電を起こしている

です。

電圧が高すぎる場合はほぼレギュレーターの故障。

電圧が低いなどの異常が見受けられた場合はジェネレーターの可能性もありますがジェネレーターはそう簡単には壊れません。

スーパースポーツ

ただ軽量化第一のスーパースポーツなどは設計の無理が祟っているのか、ジェネレーターが壊れやすかったりする持病を持っている場合もあります。

ありがちなのはステーターコイルに巻かれているエナメル線の焼けやショート。

マスツーリング

あとジェネレーター側に大きな転倒歴がある人も一応注意を。

ただそれらを除くと基本的に故障するのはレギュレーターです。風当たりのいい場所にヒートシンク付きで配置されているのを見ると分かる通りレギュレーターは余分な電力を熱に換えるのもお仕事なので凄く熱くなります。

その熱でパンクしちゃうわけです。あまりの壊れやすさから消耗品とも言われてたり・・・にしては高いですけどね。

ちなみにジェネレーターかレギュレーターか故障の原因をテスターでハッキリさせるにはエンジンからの電圧を測る必要があります。

ジェネレーターかレギュレーターかのチェック

もしもここの時点で電圧がおかしかったからジェネレーター(発電)の故障。

反対に正常だったレギュレーター(制御)の故障という事になる。

ただこれは少し難易度が高いのでソコら辺はバイク屋に任せるとして大事なのは最後にもう一度言いますが

「バッテリー上がりは結果であり原因ではない」

という事です。

マスツーリング

セルが回らなかったり弱々しかったらレギュレーターやジェネレーターも少しでいいから疑ってみる事。

楽しい思い出を作るはずのツーリングが苦い思い出にならない為にもです。

何故か出なかった大きなモトコンポ

モトコンポ

「今にして思えばあれ良かった」

というバイクあるあるの典型的な原付であるモトコンポですが、ホンダ社内でもそう考える人が多いのか思想を受け継いだモデルはチラホラありました。

ラクーンコンポ

『ラクーンコンポ/ステップコンポ』

1998年と2001年に出たステップワゴンに積める折りたたみ式電動自転車で一応モトコンポの後継といえば後継。

ステップコンポ

『コンパクト&原付』から『ミニバン&電動自転車』になってる辺りに凄く時代の変化を感じますが残念ながら人気は出ず。

次に登場したのは少し経った2011年の東京モーターショーに出展されたEV原付のこれ。

モーターコンポ

『MOTOR COMPO』

コンセプトモデルですが何処からどう見てもモトコンポ。

縦置き

しかもなんと縦置きにも対応。

まあここらへんは有名なので知ってる人も多いかと思いますが、今回の主題であるモトコンポはこれらではなく別のモデル。

今回ご紹介するのは2010年に製作されたこのバイク。

ベンチコンポ

『BENCHBOX』

二輪史上もっとも大容量の60リットル以上という(スーツケースや登山バッグ並の)収納スペースを持つモデルで、ご覧の通りスタンドを掛ければベンチにもなる。外見から判断してパワーユニットは恐らくPCXがベースだから125ccでしょうか。

1960年に設立された本田技術研究所

このモデルは2010年に本田技術研究所(ホンダ製品の開発を行う所)の創設50周年を記念して開催された『G50』という新商品企画大会の作品で投票の結果グランプリに輝いたコンペ作品。※THE DREAM MAKERSより

ところが残念な事に上記写真の様にプロトタイプの製作までは行ったものの何故か商品化されなかった。

もったいないですね・・・って言うと

「いやまあコンペモデルだし」

と思われるかもしれませんが、これは本来なら市販化されてもおかしくないハズだった。そう言い切れる理由は四輪部門にあります。

このコンペ大会では四輪部門も併催されており

四輪部門グランプリ

『ゆるすぽ』

というコンセプトがグランプリに輝いたんですがこれ知ってる人も多いかと・・・そうです。

これを機に市販化計画がスタートし2014年に

S660

『S660』

として登場する事になった。

S660が誕生したのはこのG50が始まりで、それだけこのコンペ大会は市販車に直結していた。

にも関わらず同じく二輪部門でグランプリに選ばれた大きなモトコンポの方は何故か市販化されなかった。

荷物が全く積めない四輪モデルは市販化された一方で、もの凄く荷物が積める二輪モデルは市販されなかったという皮肉。

ベンチボックス

『積めて椅子にもなるバイク』

という発想の逆転のようなモトコンポの思想はもちろん、コンペが始まりという生い立ちまでも受け継いでいたベンチボックス。

人々の生活を豊かにする事が基本理念であるホンダらしい作品なのに・・・惜しい。

右側にある理由と左側にある理由

シンメトリー

バイクというのはシンメトリー(左右対称)に見えて実はアシンメトリー(左右非対称)に出来ています。

最も分かりやすいのがマフラーで、基本的にマフラーは右側にあるのが一般的ですよね。

これは騒音規制の測定時にチェーンなどが発するメカニカルノイズをなるべく拾わないようにするためと、マスの集中化やバンク角の確保のためにマフラーは出来るだけ車体に寄せたいから。

リアアームクリアランス

車体に寄せようとなった時に、チェーンやシャフトなどのドライブラインがあると車体に寄せられない。だからドライブラインとマフラーは左右に振り分けられる様になっている。

これは最終的に真ん中に出ているセンターアップマフラーでもそう。

センターアップマフラーのクリアランス

必ずと言っていいほどチェーンとは逆の右側を沿わせるよう設計されています。

ちなみに二本出しマフラーも一見シンメトリーに見えるけどよく見てみると・・・

二本出しマフラーのリアアームクリアランス

このように左右のクリアランスは同じではないので、シンメトリーに見せるため右側を少し離して付けていたりします。

でもこれでは説明不足かと。

「それなら左右反対でもいいのでは」

と思いますよね。

これは簡単な話で、バイクを押す時は左側から押すから。

左から押すのに左に熱いマフラーがあったら火傷する危険性が高まるし、何よりチェーンの比じゃない大きさだから身体を寄せないといけない押し引きの時に邪魔になる。だからマフラーが右側となっているんです。

自転車のチェーン位置

ちなみに似た形の自転車ではバイクを作っているヤマハですらチェーンはバイクと反対に右側が基本。

これは自転車にはマフラーが無く、邪魔になるのはチェーンだけだから。

話をバイクに戻すと、その弊害と言うべきか一本出しマフラーのカタログ写真はマフラーのある右側から撮ったものがほとんどです。

CB400SS

反対に左側から撮ったジャケット写真というのは意外と少ない。これは左側はマフラーが無いぶん絵的に寂しいから。

そしてこれはオーナーが撮る愛車の写真も同様の傾向があります。

アングル

大体こんな3パターン。

左側からのアングルはボリューム満点な二本出しマフラーじゃないとなかなかサマにならない。

二本出しマフラーのリアアングル

ただし実際は二本出しマフラーのオーナーですら、この左後ろ45度の十八番アングルではなく右側から撮った写真ばかりなのが現実。

その理由はこれまた左右非対称に付いている物・・・サイドスタンドが原因です。

サイドスタンド

サイドスタンドは必ずと言っていいほど左側についているので、停めると左に傾く。

そして左に傾いている物を左から綺麗に撮るのは難しい。反対に右側なら自然と胸を張っているように見えて綺麗に撮れるから、右側からばかり撮ってしまう。

これが次のお題。

ゼファー1100RS

「何故サイドスタンドは左側なのか」

という事。

左側通行だからと思っている人が居ますが違います。右側通行の国もサイドスタンドは左側にあるのが基本。

これには乗馬の歴史が関係しています。

乗馬

馬に乗る時はどの国でも左側から乗るように教わります。

これは乗馬の際に外側の手綱と馬を引き寄せる必要があり、当然ながら利き手で外側を引き寄せた方が引き寄せやすいから。

そして右利きの人が圧倒的に多いから左から乗るというのが常識となった。

これは

「右コーナーが苦手な理由|バイク豆知識」

でも話した軸足も関係しています。

鐙

右利きが多いということは軸足は左が多いとも言えるわけで、先ず足を入れて踏ん張る鐙(あぶみ)に軸足の左を入れ、利き足の右で大きく跨ぐのが跨ぎやすいから。

ただしこの左側から乗るスタイルは英国式と言われ、日本は右側から乗っていたとされています。

武士

これは絵巻物などから

「甲冑や刀の影響で平安時代からそうだった」

という説が有力なんですが、20年ほど前に姫塚古墳(千葉県)から発掘された馬型埴輪を復元したところ、右の鐙(あぶみ)の方が足を引っ掛けやすいように長くなっていた事から

馬型埴輪

「古墳時代から右乗りだった」

という説もある。

更に言うと文献で馬形埴輪の後部には女性が乗れる様に横向きの土台が付いていたとのこと・・・つまり

C100カタログ写真

”耳をすませば”などでも有名なこの嫁入りタンデムは古墳時代からあった文化だった可能性がある。

ただ明治に入り廃刀令が布告され、甲冑も刀も身に着けなくなった事から日本も左から乗るようになりました。

話をバイクに戻すと、要するにサイドスタンドが左側に付いていて左に傾くようになっているのは、乗馬の流れを受けているから。

TY50

これは断定出来るような物証が無いので、あくまでも説ですが現時点でこれより有力な説は出てきていません。

最後にもう一つ左右非対称なもの・・・それは右側に付いているリアブレーキペダルと、左側に付いているシフトペダル。

シンメトリーサイド

1940年頃まではシフトチェンジといえば車と同じように手でノブを操作するハンドシフトがメジャーでした。

しかし1950年代に入ると広く普及し始めた事でレースやスポーツが盛んになり、ハンドルから手を離す必要があるハンドシフトは危険な上にタイムロスになるという事でフットシフトに移行。

当然ながら前例がないので

「右シフト派のイギリス組vs左シフト派のドイツ組」

という形で二分化しました。

では一体どうして左シフトが主流になったのかというと、実はこれ日本メーカーの影響なんです。

日本メーカー

ホンダを筆頭に日本メーカーはイギリス式を模範としていたメグロを除き、左シフト&右リアブレーキを採用していた。

そしてレースで猛威を奮ったことで高性能の代名詞が英国車ではなく日本車に変わり人気が出た事と、模範されるようになった事から、左シフト派が圧倒的なシェアと支持を獲得し、右シフト派は廃れていったというわけ。

どうして日本メーカーが左シフト派だったのかについてはハッキリしていませんが

「左足を着くのに左足でブレーキをしていたら忙しくて危ないから」

という説が有力です。

「カブがそうだったから」

という説もあります。

最後に

左側通行

マフラーが乗り降りしない側にあるから火傷の恐れもない。

サイドスタンドで歩道側に傾いてくれるから安全に乗り降り出来る。

フットブレーキが右だから余裕を持って左足を付ける。

このように左右非対称になっている部分には理由があるわけですが、車のように右ハンドル左ハンドルといった作りわけが無いバイクは日本メーカーの成功もあって

カットモデル

「左側通行に便利な非対称構造をしている」

と言えるわけです。

ちなみにイギリス以外の欧州も昔は右側通行ではなく左側通行でした。

ではどうして左側通行から右側通行へ変わってしまったのかというと・・・

ナポレオン

「この人が左利きだったから」

と言われています。

アライヘルメットの商品名の意味

初代RX-7

今年で創立73周年を迎える日本を代表するヘルメットメーカーのアライ。

様々なヘルメットを作っていますが、主にオンロードバイク向け商品についてフラッグシップモデルのRX-7を始め

「何故そういう名前なのか」

ということを知っている人は自身も含め居ないのでは無いかと思い、アライさんに確認しました。結果は下記のとおりです。

※ただし記憶が曖昧な部分やその時のインスピレーションなどもあるとの事です。

RX-7

アライRX-7

R=当時のフラッグシップモデル

X=当時のフルフェイスモデル

7=帽体の窓加工治具の型番

※フラッグシップであると同時に1970年から続く最古株モデル

ラパイド(RAPIDE)

アライラパイド

フランス語のRapide(速い)が語源

XD

アライXD

開発コード名称をそのまま使用

SZ

アライSZ

S=スタイリッシュ

Z=ジェット型の社内モデルコード

VZ

アライVZ

V:Vシールド(VAS-Z)搭載の意味

Z:ジェット型の社内モデルコード

CT-Z

アライCZ

CT:クルーズツーリングの意味

Z:ジェット型の社内モデルコード

ASTRO(アストロ)

アライastro

英語で星または天体の意味・・・という単純な話ではないので最後に持ってきました。これを説明するにはアライの歴史から話さないといけないのでザックリですが説明。

アライはもともと新井唯一郎氏が営んでいた『新井帽子』という帽子屋が始まり。官公庁や軍事用の帽子や装備を作っている会社だったのですが、WW2敗戦と同時にその仕事も無くなり、代わりに建設用のヘルメット(日本初)を作り売ることを生業としていました。

そしてその息子である新井廣武氏も働いていたのですが、そんな彼が大好きだったのが他ならぬバイク。

しかしそれで終わらないのが流石というか

「この乗り物は転倒したら頭が危ないな」

と気づき、まだ義務化されていない時代だったにも関わらず自分の為にバイク用ヘルメットを作成。もちろん日本のバイク史では初の試み。

そしてその安全性を確認し、戦後復興で増えつつあったバイク乗りにも届けたいという思いから売り出したのがアライヘルメットの始まりになります。

アライastro

しかし今でこそプレミアムヘルメットメーカーの代表格であるアライですが、最初から世間に認められていたわけではなかった。

当時の一流ヘルメットメーカーといえばアメリカの『BELL』で、BELLのヘルメットが30,000円で売っていたのに対し、アライは8,000円程度。そのためか今では考えられない話ですが、アライのヘルメットにBELLのステッカーを貼っていたりする人が当たり前に居た。

「一体どうやったら認めてもらえるのか」

と考えた末、アライは1977年に渡米し、アメリカ最大のレース場であるデイトナなどに足を運び、レーサーに自社のヘルメットを使ってもらうよう契約の懇願をして回った。世界レースで使われればその性能と安全性を認めてもらえると考えたわけですね。

ところがよく知らないメーカーのヘルメットの話を聞いてくれるライダーなどそう居らず。当然と言えば当然な話なんです・・・が、ただ一人だけテッドプーディ(ted boody)という当時若干18歳のライダーがフィット感の良さと新井氏の情熱から契約。

アライとテッドプーディ

するとそのテッドプーディが翌1978年のAMAフラットダートレースにてプライベーターながらトップチェッカーという大金星を上げ

「あいつが被っているヘルメットは何処の物だ」

と話題となり、アライの名が世界に広まるキッカケとなったわけですが、そのレースがヒューストンにあるアストロドーム近接会場だった事から、アストロという名前の製品を作ったという話。

補足するとこのレースをキッカケにアライヘルメットを選ぶ国際レーサーが増え、アライもそれに応える製品を作り続けた事で結果となりレーサー御用達のプレミアムヘルメットメーカーへと駆け上がる事となりました。

アライのポリシー

ちなみに余談ですが、アライを有名するキッカケを作ったテッドプーディ氏は、その後ホンダのサイドワインダーことRS750Dの開発に関わる事となり、こちらでも多大な貢献をした歴史があったりします。

参照&ご協力:株式会社アライヘルメットhttp://www.tedboody.com

加速でリアは沈まない~アンチスクワット~

アンチスクワットとは

「アンチスクワット」

ライディングに詳しい方なら誰もが知る用語、一方で全く聞いたこと無い人や耳にしたことがあるくらいの人が大半かと思います。

検索しても力学を学んでいる人間じゃないと分からない様な解説ばかりですね。なのでココでは怒られそうなくらい簡単に自己解釈も交えて説明したいと思います。

二次旋回

アンチスクワットというのは文字通り、リアを潜り込ませない(スクワットさせない)為の技術で、コーナリングと密接に関係しています。

何故ならこれが上手く働くと速く確実に安定して曲がれるから。

速い人はみんな理屈であれ体感であれ知っています。

その前に(サイト内でも言っていますが)バイクはアクセルを開けて加速してもリアサスペンションは沈みません。あれはフロントフォークが伸びリアタイヤが潰れているんです。

加速しても沈まない

当たり前ですがバイクは後輪が地面を蹴って前に進みます。前に進むということは前に押す力が働いているという事。

しかしバイクの場合、車と違って後輪がそのまま車体を押しているわけではなくスイングアームを介してピボットというスイングアームの付け根を押しているのが基本です。

ピボットの場所

加速でリアサスが沈んでしまうということは前に押す力が上下の力としてサスペンションが吸収しているという事。これではちゃんと前に進まなくなってしまう。

じゃあ何故リアサスが沈まないのかというと見なくてはいけないのが

「ドライブ~ピボット~ドリブン」

の三点です。

アンチスクワット効果

アクセルを開けると

ドライブスプロケット(青)が回る

ドリブン(赤)をチェーンを介して回す

タイヤが回る

ピボット(緑)を前に押す

というわけですが注目して欲しいのは

アンチスクワットのズレ

『押す”赤”』と『押される”緑”』が直線上に並んでいないという事。

つまり押す力は真正面ではなくザックリ言ってこういう風に働くわけです。

力の向き

なぜアクセルを開けてもリアサスが沈まずフロントフォークが伸びるのか何となく分かると思います。

要するに頭を持ち上げようとする上方向への力が少し働くわけですね。

これが分かれば後は簡単。曲がる時も同じです。

アンチスクワットの効果

スイングアームが車体を押し上げようとする事から地面に押し付ける力(踏ん張ってトラクションが増す力)が働き、車体が安定し速く曲がれる。

アンチスクワットなので伸びるというより縮むのを抑えると言ったほうが正確でしょうか。

では逆にアンチスクワットが働かない場合はどういう場合かというとリア(赤)がピボット(緑)よりも沈んでいた場合。

押す方向に注目して下さい。

アンチスクワットにならない場合

力はこういう風に働くわけです。

押し上げる力ではなく押し下げる力になりスクワットさせる力が働く。アンチリフトですね。

こう描くと分かりやすいでしょうか。

アンチスクワットの例

フロントブレーキだけを掛けた状態でアクセルを開ければ”ピョコ”っとお尻が上がる感覚を体感できます。

目視したいならシャシダイナモ動画を見れば分かると思います。

ドライブ~ピボット~ドリブンが『への字』になる事で効果を発揮するアンチスクワットですが、この『への字』の角度(スイングアームのタレ角)が大きいほどアンチスクワット効果は強くなります。

アンチスクワットアングル

専門用語でアンチスクワットアングルと言います。

大昔のバイクはレーサーでも基本的にへの字にはなっておらず一直線上でした。まっすぐ前を押すほうが良いに決まってると考えていたから。

アンチスクワットストレート

でもそのかわりアンチスクワットが働かないからコーナーは本当に遅かった。

それがコーナーでもガンガン開けられるアンチスクワットレイアウト(初出はAGUSTAかな)の登場で変わっていったわけです。

今では排気量問わず大なり小なりアンチスクワット効果を狙ったレイアウトが当たり前。そこで欠かせない部品となったのが長いチェーンスライダー(紫)。

チェーンスライダー

スイングアームの付け根であるピボット(緑)を持ち上げて角度を付ける様になった為に、チェーン(チェーンライン)がスイングアームにゴリゴリ当たるようになったんですね。

チェーンの干渉

・・・ただし

「アンチスクワットが強いバイクほど速い」

というわけでも無いのがアンチスクワットの難しい所。

アンチスクワットの狙い

アクセルを開けてもアンチスクワット効果でリアサスは沈まずフロントが伸びると最初に言いましたが、これは言い換えるとアンチスクワットが効くとフロント接地が弱くなるんです。

アンチスクワット効果でトラクションが増しグイグイ押してくるリア、反比例するようにトラクションが薄まるフロント。

力の向き

結果としてアンチスクワットが働きすぎるとプッシュアンダー(前輪が逃げて膨らむ現象)を起こしやすくなる。アクセルに対する車体の反応が過敏になり過ぎる、簡単にギクシャクする等のデメリットもあります。

つまり

『良い塩梅のアンチスクワット』

でないといけないわけですが、まあそれが難しい話。何故なら伸び縮みするサスペンションと呼ばれる物が付いているから。

サスペンション

サスが伸び縮みするということはスイングアームも上下するわけなので当然アンチスクワットアングルも変わってくる。

・人が乗った時

・曲がる時

・ブレーキをかけた時

・アクセルを開けた時

などなど

中でも大きく影響する要素の一つとして人が乗った時。

体重差

人が乗るとリアサスが縮むわけですが体重が40kgの人と100kgの人では沈む量が違うのは当たり前。

「プリロードだけでも合わせましょう、スポーツ走行時は強めましょう」

というのはこのアンチスクワット(アンチスクワットアングル)の為でもあるわけです。

そしてもう一つは曲がる時で、これがアンチスクワットを非常に難解な物にしている原因。

リアサスはコーナーで沈みますが、この時の沈み込む量は

・速度

・バンク角

・R

・荷重

・スキル

・ジオメトリー

などなどなど本当に様々な要素で変わる。タイヤやチェーンの摩耗具合でも変わります。

つまりアンチスクワット効果(アングル)を一定に保つことは不可能なんですが、その変化を緩やかにしてアンチスクワットの効果を広く緩やかにする事は可能。

どうすればいいか・・・

スーパースポーツのレイアウト

「スイングアームを伸ばしてピボットとドリブンの長さを稼げばいい」

コーナリングスピード第一であるスーパースポーツなどがエンジンの全長を縮めつつ、ホイールベースを伸ばすこと無く可能な限りスイングアームを長く取るのはこれが狙い。

スイングアームの長さ

こうしてアンチスクワットアングルの変化を緩やかにし、広範囲で狙ったアンチスクワットを利用しているんです。

そのため一部のモデルでは更にピボット調節機能が付いていたりもします。

可変式ピボット

それだけピボットというのは重要な部分だということです。

バイクの車体というのはレバーやペダルといった保安部品を除くと稼働部はヘッドパイプとピボットだけですからね。

アンチスクワットについて漠然とでも理解できたでしょうか。

要するに

AMAレース

「アクセルを開ければアンチスクワット効果で更に曲がれる」

これを分かれば『立ち上がりだけ速い人』から『本当に速い人』への仲間入りをする日もそう遠くない・・・かも知れない。

まあ頭で理解するのと実際に出来るかは別ですからね、言うは易く行うは難しです。

エアバッグの効果は7パーセント

MotoGPのエアバッグ

ライダーが致命傷を負ってしまう原因はバイクと自分ではなく相手や路面構造物との”打撃”によるもので、自身の運動エネルギーがそのまま跳ね返ってくる形になるから致命傷を負ってしまう。

つまりその運動エネルギーを吸収させるものがライダーと物の間にあれば被害を低減出来る。そこで有効なのがエアバッグなんです・・・が、バイクは構造上なかなか難しくGOLDWINGなど一部の大型クルーザーなどだけに留まっているのが実情。

GL1800エアバッグ

その代わりに発展してきているのがウェアに内蔵するタイプの着るエアバッグで、バイクとピンで繋いでライダーがバイクから離れ外れると作動する仕組みのものや、最近ではジャイロや加速度センサーを内蔵したワイヤレスのものまで登場しています。

エアバッグ入りウェア

どうしてここにきて急にエアバッグの話をするのかというとレース界でも当たり前になりつつあるから。

MotoGPなど世界最高峰レースで既に採用されているのはご存知の方も多いかと思いますが、2020年からMFJ(国内正規レース全て)でも18歳未満のレーサーにはエアバッグが義務付けられるようになりました。

MotoGPのエアバッグ

理由はもちろん安全性を更に上げることが出来るからですね。

「でも実際エアバッグってどれくらいの効果があるの」

と疑問に思ってる人も多いかと・・・そこで参考になるであろうデータが

鈴鹿サーキットにおける安全対策と救急体制

という書誌のエアバックに関する項目。それによるとエアバックの有無による違いはこう。

エアバック作動別負傷部位発生率

エアバッグを装着し作動した人は『頭部、顔面、頸部、頚椎』を負傷する確率が7%下がっている。

顕著なのが頭部で、これは恐らく首を守るエアバッグによって構造物に直接頭をぶつける機会が減ったからではないかと思います。

7%というとそれほど大きくない印象をうけるかもしれませんが大事なのは部位で、胸部を含めた

『頭部、顔面、頸部、頚椎』

というエアバッグが軽減している箇所は致命傷となる原因の約9割を占める非常に大事な部位なんです。

つまりたった7%だけど

「エアバッグを装着すると致命傷を負う可能性が高い部位の負傷を半減させる」

とも言えるわけ。そう考えると決して低い数値ではないかと。

ちなみにこれはサーキット走行での話なので、ライダーは簡単に破れないプロテクター入りレザー素材に全身を包んだうえ胸部プロテクターと脊椎パッドの装着をしている。

レーシングギア

だからもっと言うとエアバッグは

「フル装備の人すら致命傷を負う確率を半減させる」

とも言える。

ストリートでの検証は残念ながら無いのですが、それを考慮したとしても効果的な安全装備ではないかと思います。

【長い余談】

もはや付けない理由は無いエアバッグですが、付けたくても厳しいのが現実かと。

「コストが高い」

っていう背に腹は考えられない問題があるからですね。

2020年時点で国内に流通しているメジャーなエアバッグウェアとしては

・DAINESE/D-Air

・Alpinestars/tech-Air

があります・・・が、エアバッグ付きジャケットなどは安くても20万円以上、レーシングスーツともなると30万円以上もする。

お金を持っている人はそれを買えば済む話ですが、そんな額をポンと出せるわけないのが正直な所かと。ただウェアメーカーもそこらへんを考えて最近では使い勝手やコスパを考慮した物を出し始めている。

そこで使い勝手が良さそうな物を幾つか紹介したいと思います。

【DAINESE SMART JACKET】

レーシングギア

こちらはダイネーゼのスマートジャケットというメッシュタイプのウェアで

・加速度センサー×3

・ジャイロセンサー×3

・GPS

を内蔵した無線型。

4時間のUSB充電により26時間の連続使用が可能。重量は1.8kgで保証は一年。

保護部位は『胸・背中・首』でプロテクション効果はバックプロテクターの7個分に相当するそう。

レーシングギア

このモデルの最大のメリットはインナーとしてはもちろんアウターとしても使えること。それこそスーツの上からでもイケるので普段遣いにはもってこい。

ただ別にステマと言うかセールスで書いてるわけではないので難点をあげると

・修理に工賃25,000円とエアバッグ代が必要
・海外製で在庫とアフターが不明瞭

などの問題点というか懸念点もある。

【Alpinestars Tech-Air5(日本国内は年内販売予定)】

テックエアー5

アルパインスターズは20万円ほどするエアバッグインナーと10万円ほどするそれに対応したアウターを購入する必要があったのですが、2020年に組み合わせ自由のインナーメッシュ型エアバッグとして出したのがこのテックエアー5。

・加速度センサー×3
・ジャイロセンサー×3

を内蔵している脊椎パッド付き無線型で、4時間のUSB充電により30時間の仕様が可能。

テックエアー5

保護部位は『背中・胸・肩・上腕部・わき腹』と非常に広範囲でプロテクション効果はバックプロテクター18個分に相当。

損傷がない場合2回まで連続使用が可能。重量については非公開なので不明なものの軽量化されているとの事。

難点としては

・タイトなジャケットはNG(胸部に5cmの隙間が必要)
・修理費が不明(旧モデルの修理費は500ユーロ)
・海外製で在庫とアフターが不明瞭

など。

ガッチリガードしたいって人向けですね。人気があるのか海外でも品切れ状態が続いている模様。

※注意点

ダイネーゼもアルパインスターズもこれらは公道用でサーキットなどの走行には非推奨。そっち方面で使うならRモデルを買ってくれという感じ。

もう一つは個人輸入や中古を選ぶと少し安く購入する事が可能ですが、原則として修理は受け付けてもらえませんので国内正規店で買いましょう。

>DAINESE D-Air公式

>Alpinestars Tech-Air公式

さて、2つほど使い勝手が良さそうなエアバッグウェアを紹介したんですが

「インナー/アウターで10万円か・・・」

と思ってしまうのが正直な感想かと。

コミネさん何とかしてくれと叫びたくなるんですが、そんな庶民派にオススメなのが無限電光が出しているhit-airというエアバッグ。

【無限電光 ヒットエアー】

レーシングギア

これは従来のウェアやスーツの上から着るというより付けるハーネスタイプ。

動作は車体と繋いだ線が抜けると作動する充電が要らないけど少し面倒に感じるかもしれない旧来のワイヤー式。

ワイヤー式エアバッグ

なんでこれが庶民派にオススメかというとズバリ安いから。

商品単体でも5万円前後(タイプによる)で、加えて嬉しいのが

「自分で修理する事が可能」

という点。

損傷が無い場合に限りますがエアバッグを畳んで1500円程度のガスボンベを再装着すればまた使えるというランニングコストのやすさ。

ヒットエアーのジョイント

コードは電話の受話器に付いてるような伸縮型で乗り降りで引っ張ってしまう程度では抜けないようになっているんですが、これなら万が一誤動作させても財布も痛くない。

MFJ(レース)に登録されているモデルもあるうえに白バイ隊員も付けてたりします。

難点としては

・ワイヤーの煩わしさ
・付け忘れがある
・見た目がゴツくなる

など。

無限電光 hit-air公式

最後に個人的な事を言わせてもらうと現時点(2020年時点)ではヒットエアーがベストとは言わないまでもベターじゃないかと思います。ツーリングやサーキットなど、長時間走行がメインでそれほど頻度が高くないライダーが”プラスαの”安全装備として使う分には許容範囲だと思うので検討されてみるのも良いかと。