モデルチェンジされZG1400C型(CONCOURS14はD型)となった二代目1400GTR。
一番の大きな変更点はKTRC(カワサキ トラクション コントロール)を採用したこと。実はカワサキで一番最初にトラクションコントロールシステムを採用したのはこの1400GTRだったりします。
前後のホイールに元々備え付けられていたABSセンサーで回転速度のズレを監視し大幅にズレた場合、燃料をカットしてリアタイヤを落ち着かせるというシステム。
ABSもコレを機に進化してK-ACT(Kawasaki Advanced Coactive-braking Technology)に。これはホンダの前後連動式C-ABSに近い仕組みで前後どちらかのABSが作動した場合バランスを崩さないようにロックしていない方のブレーキを自動で掛ける仕組み。ソレが今回から配分を変えられる様になりました。
面白いのがフューエルエコノミーアシスタントモードという機能。
6000rpm以下、スロットル開度30%以下、160km/h以下のみで使用可能な低燃費走行モードでバイクでは1400GTRにしか付いていません。
これはマッピングを希薄燃焼に切り替える事で燃費を向上させる機能。大陸横断スーパースポーツならではの機能ですね。
2015年にはマイナーチェンジのが入って1400GTRもCONCOURS14も型式をZG1400Eに統一。
シート形状など細部の見直しが入っているんですが、一番大きいのは電動スクリーンに通風口が付いたこと。
あんまり目立たないんですがグランドツアラーとして見た場合、これが有ると無しでは大違いなんです。
FJRの系譜でも話したので詳しい説明は省きますが、スクリーンというのは防風性を取れば取るほどメーターとライダーの間に負圧が発生してしまう。
負圧が発生するということはライダーが気づかぬ内に身体を前方に引っ張られてしまう。短距離ならそうでもないけど何日も掛けて長距離を走る場合これが結構疲労に繋がる。だから通風口を付けスクリーンからも空気を取り入れる事でその負圧を消しているというわけ。
そしてもう一つ副産物的なメリットがあります。それは風が入ってくるこということ。
風を防ぐためのスクリーンなのに風が入ってるなんて本末転倒のように聞こえますが、防風性が非常に高いバイクだと話が変わってくるんです。
防風性が高いということは、それだけ風を浴びることが無いので停車している時と近い状態になる。これで困るのが夏。走り出しても風を浴びれないので炎天下の元に座ってる状態になり下手をすると熱中症になる。
バイクの場合はヘルメットを被るのでまだ良いですがそれでも暑いものは暑い。ヘルメットのシールドを開けてもジャケットのチャックを開いても防風性が高すぎてそれほど風を浴びれない。
だからこうやって敢えて正面から風を吹き込ませることが出来る通風口があるというのは負圧もそうですが非常にありがたい装備だったりするんです。
余談ですが、1400GTR(CONCOURS14)は白バイとしてカリフォルニア州などアメリカを中心に世界で採用されていたります。こんなバイクに追われたら逃げる気も失せますね。
写真はそのカリフォルニア州で話題のトランプ大統領を警護するシーン。1400GTR(CONCOURS14)もメイドインジャパンなんですけどね・・・。
主要諸元
全長/幅/高 | 2230/790/1345~1465mm |
シート高 | 815mm |
車軸距離 | 1520mm |
車体重量 | 304kg(装) [305kg(装)] |
燃料消費率 | – |
燃料容量 | 22.0L |
エンジン | 水冷4サイクルDOHC4気筒 |
総排気量 | 1352cc |
最高出力 | 150ps/8000rpm [155ps/8800rpm] |
最高トルク | 13.9kg-m/6200rpm |
変速機 | 常時噛合式6速リターン |
タイヤサイズ | 前120/70ZR17(58W) 後190/50ZR17(73W) |
バッテリー | FTZ14-BS |
プラグ | CR9EIA-9 |
推奨オイル | カワサキ純正オイルR4/S4 または MA適合品SAE10W-40 |
オイル容量 | 全容量4.7L 交換時4.0L フィルター交換時4.4L |
スプロケ | – |
チェーン | – |
車体価格 | 1,600,000円(税別) ※スペックはマレーシア仕様 ※[]内は2016以降のABSモデル(ZG1400E) |