GPZ900R(ZX900A)-since1984-

GPZ900R

「新世代スーパースポーツ Ninja」

元祖ニンジャでお馴染みGPZ900R/ZX900A。

Ninjaと名付けられたキッカケは米カワサキの提案によるもので向こうではNinja900という愛称でした。

Ninja900カタログ

ネーミングの経緯については

『Ninja』と名乗るようになった理由|バイク豆知識

をどうぞ。

そんなGPZ900Rですがコンセプトは『次世代のZ』というもの。

・高出力、コンパクト、軽量で圧倒的な走行性能を発揮すること

・事業性目標(採算性)を厳守すること

これらの目標を掲げ開発が始まったわけですが、そんな開発におけるメンバーのポリシーの一つが

「迷ったら新しい技術を取る」

というもので意欲の塊の様な設計だったことから開発期間も実に5年と通常の倍以上を掛けて造られました。

それが如実に表れているのがフロント16インチやバックボーンフレームもそうですが何よりも水冷エンジン。

GPZ900Rエンジン

水冷化だけでなくカムチェーンがセンターではなくサイドに来ているサイドカムチェーンレイアウトに。

これ今でこそ珍しくもなんともないんですが当時はF1くらいで参考になるようなデータがなく設計に相当な苦労されたそう。

「どうしてサイドカムチェーンが良いのか」

と言うと、吸気の流れがセンターカムチェーン(トンネル)に邪魔されずストレートになることで流速が増す事と、壁と軸受を実質的に一つ減らせる事からエンジンのコンパクト軽量化に繋がるわけです。

GPZ900Rチラシ

まさに

「高出力を得るための新しい要素」

という事を表している部分。

苦労して造られた時代先取りエンジンだっただけありZRX1200DAEGまで長く使われる事になったんですが、実は最初は水冷直四ではありませんでした。

検討段階ではV型を始めとしたありとあらゆるエンジンが検討され、その中で有力候補として開発されたのは空冷2バルブ直列六気筒エンジン。

直列六気筒GPZ900R

Z1300のノウハウを活かしたモデルで完成の域にまで来ていたものの

・コストの兼ね合い

・コンパクトに出来ない

・紳士過ぎる(振動がない)

などの理由でお蔵入りとなり空冷四気筒で再開発される事に。

そしてそこから更に

「空冷よりも水冷の方がパワーを出せる」

という再三に渡るやり直しの末この形になった背景があります。

もしも直列六気筒エンジンになっていたらどうなっていたんでしょうね・・・設計していた山田さんもアレも良かったと悔やまれていました。

でももしもそのままスムーズに進んでいたらこんなカウル付きのデザインにはならなかったでしょうね。

ニンジャ900

ちなみにその直列六気筒も900ccで、最後に形となったこのGPZ900Rの水冷直列四気筒も908cc。

既に時代は空冷イレブン時代と言われリッターオーバーが当たり前だった時代で、カワサキ自身もGPz1100というバイクを出して対抗していたにも関わらず900という何故か寸足らずの排気量。

この『9』という数字は最初から決められた事で、理由はパワーウェイトレシオのバランスなどもありますがプロジェクトリーダーの稲村さんいわく

「Z1(900Super4)からの縁起物だから」

という理由もあったそう。※RIDE70にて

しかし何度も言いますが当時は既にリッターオーバーの時代だったので市場では最初は総スカン。正直カワサキも焦った事と思います。

そんな状況を好転させたのが有名ですがトムクルーズ主演の映画トップガン。

トップガンGPZ900R

ですが・・・実はカワサキはブランドイメージを損なう恐れがあるとしてタイアップの許可を出さなかったそう。

だからロゴやエンブレムが外されシールがベタベタと貼られていたわけですが、最大の特徴であるカワサキ初の特徴的なカウルなどはほぼそのままだったからGPZ900Rだと丸わかりで

「あのバイク格好いい」

と世界中で話題となり、映画を見た後バイク屋に駆け込む人が大量に出た。

この結果GPZ900Rは世界中に認知される事となったわけですが、これはあくまでも大ヒットとなるキッカケです。

GPZ900Rライムグリーン

映画によって初めて寸足らずというだけで見向きもされなかった状況から、多くの人にビッグバイクとして見てもらえる様になった。

そしたら115馬力で最高速247km/hという世界最速はもちろんの事、ダイヤモンドフレームやフロント16インチが織りなすコーナリング性の素晴らしさなどトータル性能の高さに舌を巻くジャーナリストやライダーで溢れかえり、また口コミでも凄いバイクだと広まったことで大ヒットとなったわけです。

戦闘機とGPZ900R

もちろん性能に負けないほどのインパクトを持った戦闘機がイメージのデザインも人気の理由。

特にこのデザインへの評価は高く、車体設計だった藤井さんが人気に応えようと改良点を聞き込みに出たら何処に聞いても

「見た目だけは絶対に変えないでくれ」

と念を押される始末。

KAWASAKIGPZ900R

そんなもんだから

85年後期型:ヘッド改良

88年型:ディスクローター、カムテンショナー

89年型:キャブヒーター(英のみ)

90年型:AVDS廃止、ブレーキキャリパー、F17インチ化

91年型:国内仕様の販売開始

93年型:キャブヒーター(国内仕様)

99年型:前後サス、6ポットキャリパー、ラジアルタイヤ

02年型:KCA(エアインジェクション)

03年型:ファイナルエディション

と長きに渡り数々の改良が加えられたものの見た目は最後まで変わらず。

GPZ900Rファイナル

それでも人気は一向に衰えることはなく、終わってみれば約20年に渡って計80,000台生産という異例のロングセラーを記録。

GPZ900Rは『新世代Z』であると同時に『元祖Ninja』でもある保守と革新その両方を成し遂げた20世紀を代表する名車でした。

主要諸元
全長/幅/高 2200/750/1215mm
A4~:2200/750/1215mm
A7~:2220/730/1220mm
A11~:2220/740/1220mm
シート高 790mm
車軸距離 1495mm
A7~:1500mm
[1500mm]
車体重量 228kg(乾)
A7~:234kg(乾)
[234kg(乾)]
燃料消費率
燃料容量 22.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 908cc
最高出力 115ps/9500rpm
A7~:108ps/9500rpm
[86ps/9000rpm]
最高トルク 8.7kg-m/8500rpm
A7~:8.5kg-m/8500rpm
[7.3kg-m/6500rpm]
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ

前120/80V16|後130/80V18
A7~:前120/70V17|後150/70V18
[前120/70R17(58H)|後150/70-18(70H)]

バッテリー YB14L-A2
プラグ DR9EA
[DR8ES
または
X27ESR-U]
推奨オイル カワサキ純正オイル
または
MA適合品SAE10W-40
オイル容量 全容量4.0L
交換時2.7L
フィルター交換時3.0L
スプロケ 前17|後49
[前17|後47]
チェーン サイズ525|リンク110
車体価格 ※[]内は国内仕様
系譜図
gpz900r 1984年
GPZ900R
(ZX900A)
gpz1000rx 1986年
GPZ1000RX
(ZX1000A)
zx-10 1988年
ZX-10
(ZX1000B)
zzr1100 1990年
ZZR1100/ZX-11
(ZX1100C)
zzr1100 1993年
ZZR1100/ZX-11
(ZX1100D)
ZX-12R 2000年
ZX-12R
(ZX1200A/B)
zzr1200 2002年
ZZR1200
(ZX1200C)
zzr1400 2006年
ZZR1400/ZX-14
(ZX1400A/B)
1400GTR ZG1400A 2008年
1400GTR
CONCOURS14
(ZG1400A/B)
zx-14 2008年
ZZR1400/ZX-14
(ZX1400C/D)
ZG1400C/E 2010年
1400GTR ABS
CONCOURS14
(ZG1400C/D/E)
ZX-14R 2012年
ZX-14R
(ZX1400E)

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