「A Legend in Its Time」
四年目にして早々とモデルチェンジとなったZZR1100後期型の通称D型。
目立った変更としては
・フレーム改良
・ローター径アップ
・リアタイヤ180/55化
・ラムエアダクトのデュアル化
・デザインのブラッシュアップ
・細部の不具合潰し
【1995年モデル】
・騒音規制対応マフラー
・スプロケ丁数の変更
・サスペンションの変更
・キャブレターの変更
・ミッションの改良
【1998年モデル】
・触媒入りマフラー
【2001年モデル】
・メーターが320km/hから280km/hに
などなど改良は多岐にわたっています。
ところでZZRというと上の写真を見てもらうと分かる通り
「ZZR」「ZZ-R」
と2パターンの書き方があるんですが、実はこれどちらも正解。仕様地や年度によってバラバラなんです。
ただ2000年ごろから”ZZR”で統一するようにしたよう。だからZZR1100はZZ-Rでもいいんでしょうけどね。
あと発音の方ですが
「ゼットゼットアール」「ズィーズィーアール」
と色んな呼ばれ方をされていますが、カワサキの開発者はズィーズィーアールと言っていたのでズィーズィーアールと読むほうが混乱が少ないかと思います。
さてZZR1100は日本のみならず世界的に認められていたんですが、じゃあなんでZZRはそんなに評価されたのか当時を知らない方も多いと思うので少しお話を。
ZZR1100はどうしても
「最高速が凄かったバイク」
という紹介やイメージが先行してしまうんですが、人気となった秘訣は実はそこじゃないんです。
人気となった理由はスラントノーズやウイングのようなテールカウルなどエアロダイナミクスを更に進化させた他にない空気を醸し出しているカウルデザインだったのも勿論あるんですが、一番は
「圧倒的なパワーなのに軽快感があったから」
なんですね。
これは当時としてはコンパクトに纏めた車体と前後17インチによるもので、ZZRがすごく評価されのは実はこのハンドリングなんです。
でもこれ偶然じゃないんですよ。これこそが開発陣がZZR1100開発で非常に大事にしたこと。
何故ならZZR1100は
『カワサキが考えるスーパースポーツ』
というのがコンセプトだったから。
直線番長だけではなくツーリングでも、街乗りでも、峠でも、サーキットでも、どんなシチュエーションでも敵なしといえるバイクこそがスーパースポーツという考え。
だからこそハンドリングに凄くこだわったんです。
これはデザイン担当の青木さんを始めZZRに関わった人みんなが口を酸っぱくして何度も言ってる大事なこと。
そのコンセプトをまざまざと示したのがこのD型。
多くの改良をしたにも関わらずC型から馬力は1馬力も上がっていないんです。理由はもちろんトップスピードだけがコンセプトじゃないから。
元祖最高速バイクというイメージが先行しがちですが正しくは
『カワサキ流スーパースポーツ』
というのがZZR1100のコンセプトであり、絶賛された部分でもありました。
主要諸元
全長/幅/高 | 2165/730/1205mm |
シート高 | 780mm |
車軸距離 | 1480mm |
車体重量 | 233kg(乾) |
燃料消費率 | – |
燃料容量 | 24.0L |
エンジン | 水冷4サイクルDOHC4気筒 |
総排気量 | 1052cc |
最高出力 | 147ps/10500rpm |
最高トルク | 11.2kg-m/8500rpm |
変速機 | 常時噛合式6速リターン |
タイヤサイズ | 前120/70ZR17(58W) 後180/55ZR17(73W) |
バッテリー | YTX14-BS |
プラグ | CR9E |
推奨オイル | カワサキ純正オイル または MA適合品SAE10W-40 |
オイル容量 | 全容量4.0L 交換時3.2L フィルター交換時3.5L |
スプロケ | 前17|後44 |
チェーン | サイズ530|リンク110 |
車体価格 | – |