「スタイリッシュ・スプリンター」
ヤマハの原付を代表するジョグ。
その記念すべき初代がこの1983年に登場したCE50E/27V型。
当時はHY戦争が終戦した直後だったのですが、ファミリーバイク需要はまだまだ高かった事もあり発売された忘れ形見の様な原付。
しかしながら今でも名前が残っている通り、このモデルが市場に与えたインパクトはそれはそれは強烈でした。
まず第一に上げられるのがライトウェイトスポーツと呼べる原付だった事。
馬力こそ4.5psと決して高いとはいえなかったものの、かわりにコンパクトな車体とハイテン鋼管フレームによって車重はわずか49kg。
更にセル始動に加え二輪初のオートチョーク&CDI点火で走りは十分・・・十分というか
・荷重がリア寄り
・ショートホイールベース
・とにかく軽い
という事から簡単にウィリーする。
今の原付の間隔でアクセルを捻ると十人中十人が引っくり返る。
まさに『ピーターパン気分』を味わえるわけです・・・というのは冗談ですが、正にスプリンターの様な原付だったジョグはターゲットだった若者を中心に非常に人気が出ました。
ただし、人気が出たのは走りの部分だけではありません。
100km/Lという超低燃費もそうですが、それ以上に衝撃的だったのが見た目・・・と言っても当時を知らない人は分からない。
それはボディ一体型となったフロントフェンダーです。
「別に珍しくないのでは」
と今でこそ思いますが、当時としては非常に斬新だった。
珍しくないと思えるのはこのジョグが多大な影響を与え、デファクトスタンダードにまでしたからなんです。
その特徴的なフェンダーがクチバシに見える事から
「ペリカンジョグ」
という愛称で今も呼ばれています。
※1984/48F|60km/h規制
※1985/1HH|メーター一新
※1986/1KX|エンジン見直し
※1986/1RN|ピレリタイヤのSP
※1986/2EX|エンジン見直しで5.3馬力に
主要諸元
全長/幅/高 | 1555/605/965mm |
シート高 | 690mm |
車軸距離 | 1075mm |
車体重量 | 49kg(乾) |
燃料消費率 | 100.0km/L ※定地走行テスト値 |
燃料容量 | 3.0L |
エンジン | 空冷2サイクル単気筒 |
総排気量 | 49cc |
最高出力 | 4.5ps/7000rpm |
最高トルク | 0.54kg-m/5500rpm |
変速機 | Vベルト式 |
タイヤサイズ | 前後2.75-10-2PR |
バッテリー | YB4L-B または FB4L-B |
プラグ ※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価 |
BP4HS/BP5HS/BP6HS または W14FPL/W16FP/W20FP |
推奨オイル | ヤマハ純正スーパーオイル |
オイル容量 ※ゲージ確認を忘れずに |
0.8L |
スプロケ | – |
Vベルト | 23Y-17641-00 |
車体価格 | 99,000円(税別) ※スペックは27V |
1984年のリミッター付き赤メタリックに乗っていました。35km/hから40km/hの間はスムーズで振動が全くなくて実に快適でした。
小回りが効く小さなボディで街中どこでも停められて便利でした。