簡単に言うとSSとツアラーの間の子の様なのがメガスポーツ。
枠に囚われない排気量無制限のフラッグシップ的な立ち位置。
日本の独壇場というかスズキとカワサキの独壇場。
【特徴】
SSほどでは無いにしろ前傾姿勢で防風性&安定性&防振性もツアラーに次ぐものを持ってる。
良く言えばSSとツアラーの良い所どり、悪く言えばどちらも中途半端なバイク。
【歴史】
ツアラー系でも言ってるけど日本のツアラーの歴史が浅いのはメガスポーツというジャンルが早々に生まれたからと言えるかと。
世界最速の系譜を読んでもらえるとわかるんだけど、日本メーカーは大型バイクを作り出すとすぐに
「モアパワー・モア最高速」
へとシフトしていった。
これは消費者がカタログスペックを強く求め続けた結果でもあり、他社よりに抜きん出る最も効率的な方法だったから。それこそ、世界初の直四を積んだCB750FOURだって当時としてはメガスポーツです。もちろんZ1も。
GSX1100Sカタナだってそうだし、今やツアラーとなったFJR1300のご先祖FJ1100だって当時はメガスポーツ。
とにかくリッターバイクはほとんどがメガスポーツでした。
ただ当時はまだメガスポーツなんてジャンルはなく、各社とも各々が思うフラッグシップマシンを出す状態。
そんな中で今のメガスポーツの方向性を決定づけたバイクといえばやっぱり1990年に出たZZR1100
147馬力で圧倒的な速さを誇り、業界はZZR一色に包まれました。カワサキも生産が追いつかないと嬉しい悲鳴を上げるほど。
10年以上にわたってロングセラーとなりました。
そしてもう一車種。
それは1998年に出たスズキ GSX1300R HAYABUSA
ここらへんになると比較的新しいので記憶に新しい人も多いんでは無いんでしょうか?
ついに大台の時速300kmを超えた初めてのバイクということで世界最速の市販車としてギネスにも登録されました。
そりゃもうこれまた業界は隼一色でファイヤーブレードやR1といったカテゴリが違うバイクだろうがハヤブサとどっちが速いのか比較される始末。
ちなみにハヤブサが出た時はメガスポーツではなくアルティメットスポーツとかウルトラスポーツとか色んな呼び方がありました。メガスポーツと明確にジャンル分けされだしたのは本当にここ数年。
この二車種によって”メガスポーツ=フルカウルで高馬力なバイク”という認識が広まりました。
面白いのは今やメガスポーツ界のパイオニアであるZZR1100もHAYABUSAも発売当初は総スカンで鳴かず飛ばずだったこと。
ZZRは外見が地味すぎると叩かれ、HAYABUSAは形が気持ち悪いし漢字がダサいと叩かれました。
しかし両車とも他を寄せ付けないとんでもないポテンシャルを持っていることがジワジワ広まり出したかと思うとあっという間に大ヒット車へ。
それからは皆さんご存知の様にメガスポーツはHAYABUSAとZX-14Rの二強が続いています。
「何故ホンダやヤマハは追走しないのか」
と思う人も多いかもしれません。
この事についてホンダもヤマハも沈黙を守っていて、それっぽいニュアンスすら出しません。
推測ですが、恐らく世間に対するスタンス。
スーパースポーツは「サーキットで遊ぶためのマシン」という言い訳が立ちますが、メガスポーツになるとそれが立ちません。
ご存知の様に300km/h規制が出来たのも危険すぎるという世論から来たもの。世界シェアNo.1のホンダはそれを見て考え手を引いたんでしょうね。ホンダは業界一位という立場を理解していて、責任という言葉をよく口にしています。
これは不確実な情報ですが、CBR1100XXの後継車も開発は進んでいたらしいのです。しかし世論の批判で300km/h規制が生まれたことで将来性も無くなったという事でお蔵入り。
ヤマハも同じ様な考えだと思います。
メガスポーツとも言えるVMAXがそれまでのモデルから一気に二倍近い値段になり、ディーラー管理でガチガチという高いハードルを設けたのも、暴走行為を誰でも簡単に出来ないようにするためではないかと思います。
3ない運動というトラウマ級の過去を二度と起こさせたく無いんでしょうね。
まあしかしメガスポーツを止めたからじゃあ大丈夫かって言われたらそんなことないと思うんですけどね・・・
該当車種
などなど