「クラスを超えたインパクティブネイキッドロードスポーツ」
ジェイドの後継として1996年に登場し若者に絶大な人気を誇ったホーネット/MC31型。
レーサーレプリカブームの後を担った直4ネイキッド勢として2007年まで発売された非常に長寿モデルだった事もあり、最近までよく見かけてはいたんですがそれも昔の話で今ではプレミアが付くように。
そんなホーネットはこう見えてCB400SFやCB1000SFと同じ
『PROJECT BIG-1』
の流れで開発された一台だったりします。
エンジンは先代にあたるJADEに続きCBR250RRをベースに中低速に改良した突き抜けるのようなカムギアトレインのDOHC四気筒。
ボディの方はアップマフラーに加えて
Fタイヤ:130/70R16
Rタイヤ:180/55R17
という大型バイク並というかCBR900RRと同じ極太タイヤ。このタイヤに惚れ・・・このタイヤに泣いた若者は数知れず。
※銘柄が少なくタイヤ代も高い
まあでもそのおかげでこれだけの迫力を出せている訳なので・・・。
本当にPROJECT BIG-1の流れを受け継いでいるのか少し疑問に思うほど変わっているホーネットなんですが、変わっているのはタイヤだけではなく隠されているフレームもそう。
王道である囲い込むようなダブルクレードルフレームではなく背骨が一本通っているようなバックボーンタイプで、サスペンションもモノサスになっています。
「バックボーンにカムギア四気筒ってRC161みたいだ」
・・・と言ってもわからない人が多いと思うので簡単に説明すると、RC161はWGP250(世界最高峰レース250部門)でホンダが初めて表彰台に上がった250ファクトリーマシンの事。
こうやって見るとホーネットってRC161と色んな意味で通ずるものを持ってたんですね。時代の進化って凄い。
話が脱線したので戻しますが、ホーネットがホーネットたる所以も実はこのフレームによるものが大きい。
ホーネットといえばどうしても先に話した通り極太タイヤのイメージが先行しがちなんですが、ホーネット特有のグラマラスなボディはこの見えないフレームによって可能になっているんです。
ホーネットは
「楽しいライディングの中に、インパクトのある迫力を」
という2つを掛け合わせた欲張りな開発テーマでした。
楽しいライディングの方はいま話した通りBIG-1というよりネイキッドらしさより、カムギア直4にバックボーンフレームとモノサスというRC161に通ずる部分で表現。
でもそれだけなら何もスズメバチに例えなくてもいい気がしますよね・・・そこで出てくるのが車名です。
「なんでホーネット(スズメバチ)なのか」
という名前の由来にも繋がるのがもう一つのテーマであるインパクトのある迫力。
ホーネットはスズメバチの太い上半身と下半身を持ちつつも腰がキュッとくびれている
『ボン・キュッ・ボン(死語)』
というボディラインを表現しているんです。どうしてタンクが張り出しているんだと悔やむオーナーも多いと思いますがそれもこれが理由。
その意図を共有するために普通ならまず描かれないトップビューアングルのコンセプトスケッチまで用意されました。
ホーネットの特徴に貢献しているのはバックボーンフレームという根拠はこれ。
太いタイヤを履いている事が特徴ではなく、太いタンクタイヤとスリムな腰が織りなす
「スズメバチのようなグラマラスボディ」
というのがホーネットの特徴であり、これが出来たのは一本柱のようなバックボーンフレームだったからという話。
主要諸元
全長/幅/高 | 2045/740/1055mm |
シート高 | 760mm [745mm] |
車軸距離 | 1415mm |
車体重量 | 166kg(装) |
燃料消費率 | 32.0km/L ※定地走行テスト値 |
燃料容量 | 16L |
エンジン | 水冷4サイクルDOHC4バルブ四気筒 |
総排気量 | 249cc |
最高出力 | 40ps/13000rpm |
最高トルク | 2.4kg-m/11000rpm |
変速機 | 常時噛合式6速リターン |
タイヤサイズ | 前130/70ZR16(61W) 後180/55ZR17(73W) |
バッテリー | YTX7L-BS [YTZ7S] |
プラグ ※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価 |
CR8EH-9 |
推奨オイル | Honda純正ウルトラG1(10W-30) |
オイル容量 ※ゲージ確認を忘れずに |
全容量2.7L 交換時2.2L フィルター交換時2.4L |
スプロケ | 前14|後45 |
チェーン | サイズ520|リンク110 |
車体価格 | 464,400円(税別) [529,000円(税別)] ※[]内は2003年以降モデル |
年次改良
1998年
エンブレム変更と荷掛けフックの採用
1998年
排ガス規制に伴いエアインジェクションと触媒を採用
2003年
メッキミラー
サスペンション変更
シート形状変更(シート高-15mm)
タンクエンブレムをWINGマークへ
2005年
マルチリフレクターヘッドライトの採用