YZF-R6(13S/1JS/2CX)-since 2008-

2008R6

「CATCH THE EXTREME」

デザインが非常に好評だったため大きくは変えていないものの、確かに変わっている五代目R6の13S。

R6比較

見た目としての変更点は

・アッパーカウルの更なるスラント化

・サイドカウルの造形変更

・マフラー形状の変更

・ポジションランプの変更

などなど。

分かりやすい見分け方としてはオデコにあるポジションランプ形状(丸い06、尖ってる08)とアンダーカウルのインテーク(有り06、無し08)かと。

2c0と13sの違い

その他にもサイドカウルやシートカウルも変わっています。まあ早い話が尖ってる方が13S型という事。

13S顔

ただし外見と違って中身は再び大きく手が加えられました。

同形状に見えて新設計となっているフレームも凄いんですが、その中で注目したいのが珍しくもYZF-R1の後追いとして採用された可変機構の電子制御インテークYCC-I。

可変エアファンネル

これは簡単にいうと空気を吸う口(筒)の長さを変える事が出来る可変機構のこと。

どうして長さを変える必要があるのかというと、この筒の長さによって吸気効率が大きく変わるから。

ザックリ言うとエンジンが空気を吸おうと思っても空気にも質量があるからすぐには来てくれない。だから物凄い速さで吸ったり吐いたりする高回転時は筒は短いほうがいっぱい吸えるからありがたい。

YZF-R6カットモデル

でも一方で吸う力が弱く遅い低回転時には長くして滑り台のように筒で空気の流れを加速させた方がありがたい。

このまるでシーソーのようなバランスを改善するために低回転では連結させて長い筒にし、高回転時にはパカッと開いて短い筒にするという良いとこ取りの様な形にしたのがこの電子制御インテークのYCC-Iという話。

補足:自然吸気も過給している~慣性吸気と吸気脈動~

エンジン

つまりR6がこれを採用した理由は超高回転型ながらパワーバンドを広くするためで、合わせてクランクやバルブスプリングやカムチェーンも見直しも入っているんですが

「じゃあ乗りやすくなったのか」

というと残念ながらちょっと違う。

13S内部

あくまでもサーキット(レース)の為にあるのがこのR6。

パワーバンドが広がったと言ってもこの可変吸気がパカッと開くのは13750rpmから・・・つまり広がったというより更に高くなったという表現の方がシックリ来るような内容。

R6の短いエアファンネル

キツすぎるポジションやヤマハの中でもトップの圧縮比である事からも分かる通り

「走りで存在感を示す」

という点に重きを置いてあるバイクという立ち位置はブレないどころか更に研ぎ澄まされたという話。

13S銀

だから正直言って一般人が公道で乗ってもせいぜい直線番長くらいしかR6のエクスタシーを感じることは・・・と思いましたが誰も気付ける

『日常使いで誰で分かるYZF-R6のエクスタシー』

が一つありました。それは排気音です。

WGP50R6

このダウンショートになったR6は純正とは思えないほど良い音を出します。かといって社外ほど下品な音でもない。

騒音規制が実質的に緩和されたことで拘るようになった2018年以降のバイクに負けないくらい調律された本当に良いエキゾーストノートを奏でます。

13Sマフラー

ここらへんはさすがヤマハ。

しかし不運にもそれが祟って経年劣化による音量の増大をカバーできなかったのか2010年モデル(13S後期)ではサイレンサーが延長。

2010R6

と思ったら逆輸入規制(並行輸入自動車審査制度)が厳しくなった事と、やっぱりみんなR1を買っちゃう事からか日本では2010年モデルを最後に逆輸入車の正規取扱(プレスト扱い)が終了という事態に。

キャッチザエクストリーム

そのため2011年からの1JS型と、2014年型からの2CXは正規では入ってきませんでした。

ちなみに型式が違いますが、これは主に仕様地(ECUなど)やカラーリングを区分するマーケティングコードでモデルチェンジがあったわけではありません。

2016R6

ちなみに最終型の2CXではR6のロゴが一足先に新型にも採用されている新しいフォントになっていたりします。

主要諸元
全長/幅/高 2040/705/1100mm
シート高 850mm
車軸距離 1380mm
車体重量 188kg(装)
[189kg(装) ]
燃料消費率
燃料容量 17.3L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 599cc
最高出力 129ps/14500rpm
[124ps/14500rpm]
最高トルク 6.7kg-m/10500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー YTZ10S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR10EK
推奨オイル ヤマルーブ
プレミアム/スポーツ/スタンダードプラス
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.4L
交換時2.4L
フィルター交換時2.6L
スプロケ 前16|後45
チェーン サイズ525|リンク114
車体価格 1,100,000円(税別)
[1,120,000円(税別)]
※プレスト価格
※[]内は13S後期
系譜図
1985FZ600 1985年
FZ600
(2AX/2AY)
1989FZR600 1989年
FZR600
(3HE/4HJ)
1994YZF600R 1994年
YZF600R
(4WE)
1999YZF-R6 1999年
YZF-R6
(5EB)
2001YZF-R6 2001年
YZF-R6
(5MT)
2003YZF-R6 2003年
YZF-R6
(5SL)
2006YZF-R6 2006年
YZF-R6
(2C0)
2008YZF-R6 2008年
YZF-R6
(13S/1JS/2CX)
2017YZF-R6 2017年
YZF-R6
(BN6)

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