FZ1FAZER(3C3) -since 2006-

FZ1FAZER

R1のエンジンを使っているということはR1と運命共同体なわけで、R1がモデルチェンジする度にFZS1000もモデルチェンジの噂が絶えなかったけど、R1が五代目に差し掛かろうとする頃になってモデルチェンジ。

開発コンセプトは「MONOLITE」~様々なパーツを組み合わせて一つの塊にするという造語~

先代は2001年のR1の5JJベースだったのに対し、2004年の四代目R1の5VYというクラス1のショートストロークエンジンを搭載。それを待望のアルミ製ダイヤモンドフレームに積んで、倒立サスやR1と同じ軽量5本スポークホイールを採用。

そしてR1が5バルブを諦めたのに対し現役で5バルブ。ヤマハはどんだけ5バルブにこだわるんだ・・・

FZ1北米仕様

FZ1&FAZERのデザインコンセプト「獰猛なR1」で、デザインにおいて一番気をつけた事は「隙間を作らない事」
インジェクションやタンク下、ラジエーター裏などに向こう側が見えるような隙間があると貧弱に見えてしまう。(90年前後の古いキャブ車や小型車が正にそう)

だから隙間を作らないためにダイヤモンドフレームはタンクを鷲掴みしたような形でFI周りを隠し、タンク形状も前方が盛り上がった特殊な形でヘッド周りを隠し、ラジエーターサイドカバーも干渉しないギリギリを沿った形の物にしてラジエーター周りを隠した。

FZ1コンセプト

デビュー当時ちょっと話題になった独特なヘキサゴンマフラーはマスの集中化とバンク角を取るために考えだされた画期的なマフラー形状だとヤマハは自慢してる。けど、その割にはFZ1以外に採用されていないような・・・

そんなこだわりの中でも一番アッパレなのはエキゾーストパイプ。

エキパイ

一番と四番のエキゾーストパイプが先代と比べ大きく湾曲している。これも上記と同じく凝縮感、肉厚感、骨太感を出すために行った演出。
コストが嵩むだろうに細部の細かい造形まで手を抜かず、全体を綺麗に纏める辺りはさすがデザインのヤマハと言われる所為だね。整備泣かせとも言えるけど。

主要諸元
全長/幅/高 2140/770/1205mm
シート高 815mm
車軸距離 1460mm
車体重量 199kg(乾)
燃料消費率
燃料容量 18.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 998cc
最高出力 150ps/10000rpm
最高トルク 10.8kg-m/8000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後190/50ZR17(73W)
バッテリー YTZ14S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR9EK
推奨オイル ヤマルーブ
プレミアム/スポーツ/スタンダードプラス
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.7L
交換時2.9L
フィルター交換時3.1L
スプロケ 前17|リア45
チェーン サイズ530|リンク122
車体価格 1,050,000円(税別)
※プレスト価格
系譜図
FZS1000 2001年
FZS1000FAZER
(5LV)
FZ1フェーザー 2006年
FZ1 FAZER
(3C3)
FZ1 2006年
FZ1
(2D1)
ZRX1200R前期 2008年
FZ1/FAZER
国内仕様
(2D1/1EC&3C3/1CA/2DV)

FZ1(2D1) -since 2006-

FZ1

FZS1000FAZERからFZ1FAZERにフルモデルチェンジしたことを気に、トレンドであった二眼ビキニカウルを取り払い流行の異型ヘッドライトを付けたFZ1が登場した。一般的に「FZ1-N」「Nモデル」「FZ1無印」とか言われている。

ちょっとややこしいのが、日本でFZ1と言えばこのネイキッドモデル、FZ1 FAZERと言えばハーフカウルの付いたモデルを言う。ちなみに欧州でもそう。
でもこれが北米(アメリカやカナダ)になるとFZ1がハーフカウルの付いた日本で言うFAZERになる。
で、向こうにFAZERと名のつくFZ1は無い。つまり日本でいうFZ1は無い。だから北米仕様を引っ張ってきてたヤマハの逆輸入車代理店のプレストはFZ1(北米仕様)をFZ1 FAZERとして売ってた。

FZ1フルパワー

さらに言うなら、つまり日本に正規逆輸入車のFZ1-Nは一台も無い事になる。※レッドバロン等の並列物なら手に入る。

FZ1はFAZERと比べ若干さらに高回転よりにセッティングされてて

「ガッツリ前乗り、グラブバーなんて要らない!」

って感じのアグレッシブモデル。

FZ1-N

ところで唐突ですがFZ1(ひいてはFAZER)と言えばスポーツネイキッド・スポーツツアラーというイメージが先行してません?
でも実は結構どころか本気なくらいカリカリなスポーツ寄りのネイキッドなんですよ。(逆輸入車の場合ですけどね)

FAZERを発端にZ1000等で欧州にもネイキッド(欧州ではエクストリームというカテゴリ名)の火が付いて各社充実して来てるけど、トップパフォーマーは今だにFZ1とFAZER。

FZ1-N

R1のエンジンを低速寄りにしたとはいえSSのエンジン故にライバル勢と比べると低速が弱く高回転が伸びるエンジン。
足つき性より旋回性を取った高い重心とシート高。
ネイキッドとは思えないガチガチなR1と同じ左右分担減衰力発生方式のサスペンションと高剛性フレーム。
マスの集中化の為に短い前後幅と実はそこまで防風性が良くない小型のビキニカウル。

ヤマハらしく小綺麗なデザインで見慣れちゃってるけど、6年経った今でもスーパーネイキッドの頂に居るバイクなんですよFZ1って。

主要諸元
全長/幅/高 2140/770/1205mm
シート高 815mm
車軸距離 1460mm
車体重量 194kg(乾)
燃料消費率
燃料容量 18.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 998cc
最高出力 150ps/10000rpm
最高トルク 10.8kg-m/8000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後190/50ZR17(73W)
バッテリー YTZ14S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR9EK
推奨オイル ヤマルーブ
プレミアム/スポーツ/スタンダードプラス
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.7L
交換時2.9L
フィルター交換時3.1L
スプロケ 前17|リア45
チェーン サイズ530|リンク122
車体価格
※国内正規販売なしのため
系譜図
FZS1000 2001年
FZS1000FAZER
(5LV)
FZ1フェーザー 2006年
FZ1 FAZER
(3C3)
FZ1 2006年
FZ1
(2D1)
ZRX1200R前期 2008年
FZ1/FAZER
国内仕様
(2D1/1EC&3C3/1CA/2DV)

FZS1000FAZER(5LV/1C2) -since 2001-

FZS1000

史上最強の『普通のバイク』・・・なんて的を得たキャッチコピーなんだろう。

98年にR1で世界でセンセーショナルを巻き起こしたのは有名で、数年は各社R1を追い掛けてた。そんな中でヤマハが何してたかというとこの隠し球を作ってた。
R1で一気にトレンドとなったツリ目二眼のハーフカウルを付けたネイキッドFZS1000FAZER(北米ではこの頃からFZ1で売ってた。)

FZS1000S

よくフェザー、フェザーと言われるけど正しい読みは「フェザー」じゃなくて「フェーザー」もしくは「フェイザー」
まあでもFAZERって単語はヤマハの造語で、ヤマハ自身はフェザーでもフェーザーでもどっちでも構わないみたい。(と思ってましたがやっぱりフェーザーが正しいようです。)

FZS1000カタログ写真

当時のネイキッドはスペック命な欧州人にとってニッチな部門で、ハイスペックなバーハンバイク欲しくても無かったから、SSのカウルを剥いでバーハンにするのが流行りだしてた。それに目付けた欧州ヤマハからの要請が始まり。
エンジン以外にもR1の物と思わせる使い回しが見て取れる点から、R1のコストを分散させたかった意図が汲み取れますね。

しかしこれは言い換えるとローコストハイパフォーマンス。

この読みが当たりイギリスを中心に欧州で年間10000台を売り上げる大ヒット。各社がR1に対抗出来るSSを躍起になって作ってる中でこの成功だからヤマハは笑いが止まらなかっただろうなあ。

FZS1000FAZER

もちろん低速寄りにデチューンしてる。それでもネイキッドで143馬力は圧巻の一言。ただちょっと納得行かないのはオーソドックスな鉄のダブルクレードルフレーム。

コストカットで正立にするのもスイングアームを棒状の物にするのも分かるけど、モノサスなのにダブルクレードルフレームって重くなるし、レイアウトがモロに初代バンディットのGSF1200と被ってる。ただコッチは纏まって見える不思議。

主要諸元
全長/幅/高 2125/765/1190mm
シート高 820mm
車軸距離 1450mm
車体重量 231kg(装)
燃料消費率
燃料容量 21.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 998cc
最高出力 143ps/10000rpm
最高トルク 10.8kg-m/7500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17
後180/55ZR17
バッテリー GT14B-4
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR9E
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.7L
交換時2.8L
フィルター交換時3.0L
スプロケ 前16|リア44
チェーン サイズ530|リンク116
車体価格 980,000円(税別)
※プレスト価格
系譜図
FZS1000 2001年
FZS1000FAZER
(5LV)
FZ1フェーザー 2006年
FZ1 FAZER
(3C3)
FZ1 2006年
FZ1
(2D1)
ZRX1200R前期 2008年
FZ1/FAZER
国内仕様
(2D1/1EC&3C3/1CA/2DV)

DS4/DSC4(35C)-since 2010-

現行ドラスタ

2008年の排ガス規制で一年ほどのブランクが生まれたもののFI化によって復活した現行の35C

クロームメッキパーツを各部に採用、メーター一新、タンデムフットレスト位置の変更、マフラー形状の変更などで大きな変更点は無い。

さらに2014年には小変更とともに5万円の値下げを敢行しました。
値段が高いって声が多かったですもんね・・・まあ国内専用だし作りは大型だから仕方ない面もあるけど。

2014年式DS

実はドラッグスターの今後について開発者の方が語っていたんだけど、ドラッグスターもSRやセローの様に「変えてはいけないデザイン」だと言っていました。

言われてみればドラッグスターは「弄りにくい」とクルーザーとしては結構致命的な事を言われてたりするけど、ソレは裏を返せば完成しているという事。
ただドラッグスターはセローやSRと比べるとまだ歴史が浅い(二車種が長すぎるだけで全体で見ると長い方なんだけどね)

それに市場が右肩上がりだったSRやセローとは違って右肩下がりな時代。
そんな厳しい中で日本専用であるガラパゴスクルーザーのDS4/DSC4がどれだけ愛され続けるのか見ものですね。

主要諸元
全長/幅/高 2340/840/1065mm
[2450/930/1110mm]
シート高 660mm
[710mm]
車軸距離 1610mm
[1625mm]
車体重量 234kg(装)
[247kg(装) ]
燃料消費率 39.0km/L
[37.0km/L]
※定地走行テスト値
燃料容量 15L
エンジン 空冷4サイクルOHC2気筒
総排気量 399cc
最高出力 30ps/7500rpm
最高トルク 3.2kg-m/6250rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前100/90-19(57S)
後170/80-15(77S)
[前130/90-16(67S)
後170/80-15(77S)]
バッテリー YTZ10S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
DPR7EA-9
推奨オイル ヤマルーブプレミアム
または
スポーツ
または
スタンダードプラス
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.2L
交換時2.6L
フィルター交換時2.8L
スプロケ
チェーン
車体価格 774,000円(税別)
[812,000円(税別)]
※[]内はクラシック
系譜図
XV400スペシャル1983年
XV400Special
(26M)
XV400ビラーゴ1987年
XV400Virago
(2NT)
4TR1996年
XVS400
DragStar/Classic
(4TR)
5KP2000年
XVS400
DragStar/Classic
(5KP)
35C2010年
XVS400
DragStar/Classic
(35C)

【関連車種】
Shadow400の系譜インクラ/ブルバ400の系譜REBEL250の系譜DragStar250の系譜

DS4/DSC4(5KP)-since 2000-

二代目ドラッグスター400

不動の人気を誇っていたドラッグスターは2000年にマイナーチェンジ。

燃料計を追加した薄型の電気式メーターにヘッドライトやフットレストやハンドルなどの造形が変更されました。

電気式メーター

ところで話しが変わりますが皆さんはドラッグスターといえば何ccのドラッグスターを思い浮かべますか?

代表的なのは250、400、1100ですね。どれもドラッグスターですし1100に至っては先祖まで遡ると400より歴史が長いです。
じゃあ何故400のドラッグスターを取り上げたかというと、250や1100(今は950か)が欧米を考慮しないといけないのに対し、400は「日本専用モデル」だから。まあ売れ筋でもあるわけですが。

日本専用というのは多大なメリットが有るんです。それが見て取れる部分の一つがスイングアーム。
先に紹介したカンチレバー式サスペンションなんですが採用してるのは実は400だけ。(北米向けV-STAR650もでしたゴメンナサイ)

カンチレバー式にすると低高&低重心に出来るというクルーザーとしてはとても大きいメリットがあるんだけど、ストローク量を稼ぎにくいデメリットがある。

カンチレバー式

他にも「ハンドリングが優れている」とか「取り回しが素直で乗りやすい」等と言われる要因は日本だけ、国内ライダーだけを考えればよかったから出来た事。

ドラッグスター400が国内においてずっと一番人気な理由はこういう見えない要因が大きいんだと思います。

主要諸元
全長/幅/高 2340/840/1060mm
[2450/930/1105mm]
シート高 660mm
[712mm]
車軸距離 1610mm
[1625]
車体重量 225kg(装)
[240kg(装) ]
燃料消費率 43.0km/L
[39.0km/L]
※定地走行テスト値
燃料容量 15L
エンジン 空冷4サイクルOHC2気筒
総排気量 399cc
最高出力 32ps/7500rpm
最高トルク 3.3kg-m/6000rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前100/90-19(57S)
後170/80-15(77S)
[前130/90-16(67S)
後170/80-15(77S)]
バッテリー GT12B-4
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
DPR7EA-9
推奨オイル ヤマルーブプレミアム
または
スポーツ
または
スタンダードプラス
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.2L
交換時2.6L
フィルター交換時2.8L
スプロケ
チェーン
車体価格 649,000円(税別)
[669,000円(税別)]
※[]内はクラシック
系譜図
XV400スペシャル1983年
XV400Special
(26M)
XV400ビラーゴ1987年
XV400Virago
(2NT)
4TR1996年
XVS400
DragStar/Classic
(4TR)
5KP2000年
XVS400
DragStar/Classic
(5KP)
35C2010年
XVS400
DragStar/Classic
(35C)

DS4/DSC4(4TR)-since 1996-

初代ドラッグスター400

そんなスティードに全て掻っ攫われたヤマハだったけど直ぐ反撃とはならなかった。

今にして思うとそれはビラーゴの延長線上ではなく、全てをリファインした新しいオリジナルのクルーザー「ドラッグスター」の設計に取り掛かっていたからだと思う。

クルーザー層は結構細かい造形などを見る目が厳しい。それに応える為にはスティードを模しただけのアメリカンではなく自分たちが思うアメリカンを妥協無く作ったんだろう。
(歴史から見ても追っかけ車種というのは大体3年以内に出るが、DS4はスティード登場から8年も後だしね)

一新された空冷エンジンに専用のロー&ロングフレームで既に完成の域にあるルックス。
さらに目を引いたのが先代ビラーゴとは全く違う剥き出し状態のシャフトドライブとリジッドサスに見えるカンチレバー式スイングアーム(これはスティードが初出だけど)

DS4

勿論それだけでなく見た目も拘り、空冷Vツインの鼓動にも拘り、排気音にも拘った。その甲斐あってドラッグスターはデビューと同時に大ヒット。

晩年にはワイドタイヤや大型ヘッドライトなどを装備したクラシックが登場しました。

ちなみにドラッグスターの名前の由来はドラッグレースから来てます。でもドラッグが薬物を連想させるからと欧米では使われてません。

平和な日本だから付けれた名前なんだなあ。

主要諸元
全長/幅/高 2340/840/1060mm
[2450/930/1105mm]
シート高 660mm
[712mm]
車軸距離 1610mm
[1625mm]
車体重量 225kg(装)
[240kg(装) ]
燃料消費率 43.0km/L
[39.0km/L]
※定地走行テスト値
燃料容量 15L
エンジン 空冷4サイクルOHC2気筒
総排気量 399cc
最高出力 32ps/7500rpm
最高トルク 3.3kg-m/6000rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前100/90-19(57S)
後170/80-15(77S)
[前130/90-16(67S)
後170/80-15(77S)]
バッテリー GT12B-4
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
DPR7EA-9
推奨オイル ヤマルーブプレミアム
または
スポーツ
または
スタンダードプラス
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.2L
交換時2.6L
フィルター交換時2.8L
スプロケ
チェーン
車体価格 649,000円(税別)
[669,000円(税別)]
※[]内はクラシック
系譜図
XV400スペシャル1983年
XV400Special
(26M)
XV400ビラーゴ1987年
XV400Virago
(2NT)
4TR1996年
XVS400
DragStar/Classic
(4TR)
5KP2000年
XVS400
DragStar/Classic
(5KP)
35C2010年
XVS400
DragStar/Classic
(35C)

XV400Virago(2NT)-since 1987-

XV400ビラーゴ

XV400SPの反省からクルーザー専用に割り切って作ったのがXV400ビラーゴ。
エンジンは先代の物をそのまま受け継ぐものの「ロー&ロング」をコンセプトに極太タイヤを履いた元祖和製クルーザー。

実は先代のXV400SPもそうなんだけどこの400はオマケ(と言ったら失礼だけど)で欧州向け(XV535Virago)が本命。
欧州人の好みに作っただけありスマッシュヒット。535の愛称で親しまれてました。

XV535ビラーゴ

欧州は平均車速が日本やアメリカより高い。
その欧州の感覚であり思想をそのまま400ccに持ち込んだんだけど、更に高回転気味で日本人からするとクルーザーとは呼べないスポーティな味付けのエンジンだった。

綺麗な冷却フィンを纏った空冷Vツインエンジンは賞賛されたんだけどね。

そんな探り探りだった状態からビラーゴの成功と失敗を学び、一番最初に正解に辿り着いたのがドラッグスター・・・じゃなくてスティードでした。

400VLS

ロー&ロングは勿論のこと、水冷でありながら装飾の為に冷却フィンを加え、更にローパワー。
過去の失敗から導き出されたユーザーの求めるクルーザーの正解です。

「これを待っていたんだ!」

と言わんばかりの大ヒットとなりました。

主要諸元
全長/幅/高 2225/725/1055mm
[2225/800/1115mm]
シート高 700mm
車軸距離 1520mm
車体重量 178kg(乾)
燃料消費率 43.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 8.6L
エンジン 空冷4サイクルOHC2気筒
総排気量 399cc
最高出力 40ps/8500rpm
最高トルク 3.5kg-m/7000rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前3.00S19-4PR
後140/90-15(70S)
バッテリー YB12AL-A2
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
BP7ES
{BPR7ES}
※{}内は90以降モデル
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.2L
交換時2.6L
フィルター交換時2.8L
スプロケ
チェーン
車体価格 519,000円(税別)
※[]内はプルバックハンドル(2NU)
系譜図
XV400スペシャル1983年
XV400Special
(26M)
XV400ビラーゴ1987年
XV400Virago
(2NT)
4TR1996年
XVS400
DragStar/Classic
(4TR)
5KP2000年
XVS400
DragStar/Classic
(5KP)
35C2010年
XVS400
DragStar/Classic
(35C)

XV400Special(26M)-since 1983-

xv400special

XV1100の弟分であるXV750の弟分としてデビューしたXV400SP

元となったバイクがネイキッドだったこともあってご覧のとおりネイキッドっぽくもありクルーザーっぽくもある所謂「ナンチャッテアメリカン」の時代ですね。和製クルーザーの創生期。

別の車種の系譜でも言った記憶がありますが、当時の日本メーカーはまだ
「どんなクルーザーが売れるのか?どれだけの需要が見込めるのか?」
探り探りな段階でした。

結論から言うと「中型で乗れるクルーザー」の潜在需要はメーカーの予想を遥かに超える数がいました。当時はまだ大型免許が簡単に取れない限定解除の時代だったしね。

ただ厳密に言えばユーザーが求めていたのはクルーザーというよりはアメリカン。

ところが上で言ったとおりヤマハを始め全メーカーが用意したバイクは全てが”ネイキッドベースの中型で乗れるクルーザー”という状態。

レーサーレプリカブームに巷が熱くなっていた片隅でクルーザー層はモヤモヤしてた・・・そんな時代です。

このVツインが今も続くドラッグスターのエンジンのベースです。似ても似つかないけどドラスタのお爺ちゃん。

主要諸元
全長/幅/高 2140/825/1155mm
シート高 745mm
車軸距離 1410mm
車体重量 173kg(乾)
燃料消費率 43.3km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 11.0L
エンジン 空冷4サイクルOHC2気筒
総排気量 399cc
最高出力 40ps/8500rpm
最高トルク 3.5kg-m/7000rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前3.00S19-4PR
後140/90-16(67S)
バッテリー FB12A-A
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
BP7ES
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.0L
スプロケ
チェーン
車体価格 473,000円(税別)
系譜図
XV400スペシャル1983年
XV400Special
(26M)
XV400ビラーゴ1987年
XV400Virago
(2NT)
4TR1996年
XVS400
DragStar/Classic
(4TR)
5KP2000年
XVS400
DragStar/Classic
(5KP)
35C2010年
XVS400
DragStar/Classic
(35C)
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