GRAND MAJESTY250(5VG) -since 2004-

グラマジェ

先に紹介した5SJと併売する形で登場したグランドマジェスティ250
ベースは欧州向けのMAJESTY400で250までスケールダウンした水冷DOHCエンジンをクラス初のアルミフレームに積んだ大人のマジェスティ。

既にマジェスティ(250)が居たんだけど、若者に人気が出過ぎて本来のターゲットであったハズの30歳オーバーのライダーが離れていっていた。
ホンダのフォルツァに流れていったと言った方が正しいか。

それに歯止めをかけるためにヤマハとしては異例の2モデルラインナップだったんだけど残念ながら歯止めは掛からなかった。
後に400cc版のグランドマジェスティ400も追加したんだけど思惑通りにはいかなかったみたい。

このグランドマジェスティ250は2007年の排ガス規制強化により終了しちゃったんだけど、同エンジンを積んだマグザムが今もなお存続中。

マグザム

ロー&ロングがコンセプトの言ってしまえば現代版フュージョン・・・フォルツァというマジェスティのパクリを出されたからやり返したんじゃないかと邪推してしまう。
ただこっちはグランドマジェスティやフュージョンと違いモロ若者向け。ヤマハはこういうの考えるの上手いな・・・

ヤマハの資料を読む限りグラマジェ250を三代目マジェスティとしている。若者向けをマグザムに託しマジェスティは30歳オーバー向けのビッグスクーターへと原点回帰させる思惑だったのかもしれない。

主要諸元
全長/幅/高 2230/780/1380mm
シート高 750mm
車軸距離 1565mm
車体重量 210kg(装)
燃料消費率 39.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 14.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC単気筒
総排気量 249cc
最高出力 24ps/6500rpm
最高トルク 2.5kg-m/5500rpm
変速機 Vベルト式
タイヤサイズ 前120/80-14(58S)
後150/70-12(64S)
バッテリー GT9B-4
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CPR7EA-9
推奨オイル ヤマルーブ
プレミアム/スポーツ/ベーシック
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.7L
交換時1.5L
フィルター交換時1.7L
スプロケ
Vベルト 5VG-17641-00
[1B7-17641-00※06以降]
車体価格 589,000円(税別)
系譜図
SG01J1995年
マジェスティ(4HC)
SG03J前期2000年
マジェスティ(5GM)
SG03J2002年
マジェスティ/C/ABS(5SJ)
SG15J2004年
グランドマジェスティ(5VG)
SG20J前期2007年
マジェスティ(4D9前期)
SG20J現行2012年
マジェスティ(4D9後期)

MAJESTY250/C/ABS(5SJ) -since 2002-

DT-1

マイナーチェンジと共にABSモデルとカスタムモデルのCが追加された5SJ型。
ご存知の通りこのモデルで1988年のCBR250R(MC17)以来となる年間販売台数二万台越えの大ヒットとなる。更にはマジェスティの対抗馬として登場したフォルツァまでもが二万台突破。

厳密に言うとこの中でもショートスクリーンやメッキバーハンドル等、ビッグスクーター定番のカスタムを施したC型が若者の間で沸々と沸き立っていたカスタムブームを一気に加熱させた。

どれだけこのブームが凄かったかというと、ピークの2005年には販売車種の実に50%をビッグスクーターが占めた。

YP250C

そもそも何故若者を中心としたビッグスクーターブームが起きたのか?
ちなみにビッグスクーターブームが起こる前はトラッカーブームで、発端は木村拓哉さん主演のドラマが事の発端。
じゃあビッグスクーターは何が発端かというと・・・諸説ある。

その一
楽チンで維持費も安い、言わば軽自動車の下位互換

その二
流行に敏感だったトリッカー乗りがビッグスクーターに乗り換えた(ビッグスクーターが売れだすとトリッカーが失速した)

その三
所ジョージさんの「世田谷ベース」という番組で当時マイナーだったビグスク(TMAX)のカスタムが企画&放送された事から

個人的には多分これら複合的要因が重なって最後は「みんな乗ってるから」になったと思うのですが、面白いのは欧州と日本のブームの違い。

というのも実は日本だけでなく欧州でも同年代にビッグスクーターブームは起きました。
ただ上記のようにアメリカンに近いカスタムが日本で流行ったのとは対照的に、欧州では初代マジェスティが国内でプチ成功を収めた40代前後の層への「快適・快速」によるもの。

MAXIスクーター

日本がショートスクリーンやメッキパーツやロンスイ等のカスタム系なのに対し、防風性の高いロングスクリーンやハンドルカバー&ヒーターやキャリアボックスなど完全な実用主義。(まあ向こうでも日本風なカスタムをする流行も少しあったみたいだけど)

文化の違いか環境の違いかは分かりませんが同じバイクでこうも対極的なのは考え深い物がありますね。

主要諸元
全長/幅/高 2140/770/1350mm
シート高 700mm
車軸距離 1535mm
車体重量 166kg(装)
[178kg(装)]
燃料消費率 41.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 12.0L
エンジン 水冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 249cc
最高出力 21ps/6500rpm
最高トルク 2.4kg-m/5500rpm
変速機 Vベルト式
タイヤサイズ 前110/90-12(64L)
後130/70-12(62L)
バッテリー GT9B-4
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
DR8EA
推奨オイル ヤマルーブ
プレミアム/スポーツ/ベーシック
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.4L
交換時1.2L
スプロケ
Vベルト 5CG-17641-00
車体価格 559,000円(税別)
[599,000円(税別)]
※[]内はABSモデル
系譜図
SG01J1995年
マジェスティ(4HC)
SG03J前期2000年
マジェスティ(5GM)
SG03J2002年
マジェスティ/C/ABS(5SJ)
SG15J2004年
グランドマジェスティ(5VG)
SG20J前期2007年
マジェスティ(4D9前期)
SG20J現行2012年
マジェスティ(4D9後期)

MAJESTY250(5GM) -since 1999-

5GM

記憶に新しい一大ビッグスクーターブームを引き起こした二代目の通称SG03

全てが新設計でスポーツ性が向上し、メットインスペースも量販車初となるフルフェイスタイプが二個収容可能な大容量に。

ビッグスクーターといえばガラパゴス的な印象を持つ人も居るかもしれないけどそれは大間違いで欧州でも大好評。

ちなみに日本では「ビッグスクーター」ですが欧州では「MAXI SCOOTER」や「MAXI ROLLER」と呼ばれています。

主要諸元
全長/幅/高 2140/780/1350mm
シート高 700mm
車軸距離 1535mm
車体重量 168kg(装)
燃料消費率 41.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 12.0L
エンジン 水冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 249cc
最高出力 21ps/6500rpm
最高トルク 2.4kg-m/5500rpm
変速機 Vベルト式
タイヤサイズ 前110/90-12(64L)
後130/70-12(62L)
バッテリー GT7B-4
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
DR8EA
推奨オイル ヤマルーブ
プレミアム/スポーツ/ベーシック
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.4L
交換時1.2L
スプロケ
Vベルト 5CG-17641-00
車体価格 549,000円(税別)
[599,000円(税別)]
※[]内はABSモデル
系譜図
SG01J 1995年
マジェスティ
(4HC)
SG03J前期 2000年
マジェスティ
(5GM)
SG03J 2002年
マジェスティ/C/ABS
(5SJ)
SG15J 2004年
グランドマジェスティ
(5VG)
SG20J前期 2007年
マジェスティ
(4D9前期)
SG20J現行 2012年
マジェスティ
(4D9後期)
SG01J 1995年
マジェスティ
(4HC)
SG03J前期 2000年
マジェスティ
(5GM)
SG03J 2002年
マジェスティ/C/ABS
(5SJ)
SG15J 2004年
グランドマジェスティ
(5VG)
SG20J前期 2007年
マジェスティ
(4D9前期)
SG20J現行 2012年
マジェスティ
(4D9後期)

MAJESTY/SV/ABS(4HC)-since 1995-

初代マジェスティ250

マジェスティの初代モデルになる4HC型。

当時ビッグスクーターというカテゴリは存在せず、似たようなバイクといえば86年に出たユッタリマッタリがコンセプトのフュージョンくらいだった。

そんな中で出たマジェスティは高剛性フレームにハイパワーなエンジンという走りを意識したモデル。そしてそれを覆うエアロデザイン。

それまでのビッグスクーターのデカくて遅くて野暮ったいという概念を覆し、快適かつ快速なバイクとして国内軽二輪部門(~249cc)では売上第一位の年間一万台、世界累計では10万台という販売台数を記録。

4HCカタログ

ただ、このヒットを支えたのはヤマハの読み通り30歳オーバーのライダー達のセカンドバイク的な立ち位置で、後に訪れるビッグスクーターブームはまた別の話。

二年後には前後ディスクブレーキを採用したSV、さらにその一年後にはこのクラスとしては珍しくABS仕様のモデルが登場。

実は毎年のように細かいマイナーチェンジを繰り返していたんですよ。

主要諸元
全長/幅/高 2110/765/1330mm
シート高 700mm
車軸距離 1500mm
車体重量 147kg(乾)
燃料消費率 41.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 11.0L
エンジン 水冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 249cc
最高出力 21ps/6500rpm
最高トルク 2.4kg-m/5500rpm
変速機 Vベルト式
タイヤサイズ 前110/90-12
後130/90-12
バッテリー GT7B-4
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
DR8EA
推奨オイル ヤマルーブ
プレミアム/スポーツ/ベーシック
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.4L
交換時1.2L
スプロケ
Vベルト 4HC-17641-00
車体価格 479,000円(税別)
系譜図
SG01J1995年
マジェスティ(4HC)
SG03J前期2000年
マジェスティ(5GM)
SG03J2002年
マジェスティ/C/ABS(5SJ)
SG15J2004年
グランドマジェスティ(5VG)
SG20J前期2007年
マジェスティ(4D9前期)
SG20J現行2012年
マジェスティ(4D9後期)

XJ6/D/DF(20S/36B/36C/36D/1CW/1DG)-since 2009-

XJ6N

開発コンセプト「気軽に操れるプレジャースポーツ」
市街地でのフィット感を重視して設計されたモデル。

先述してたけど欧州では90年代にロングセラーとなったXJ600&900Sディバージョンがあった。(日本にも入ってきてたけど不人気過ぎて覚えてる人はそんなに居ないと思う)

XJ900Sディバージョン

規制も相まって空冷だった古いエンジンが通用しなくなったのでFZ6をその後継としてきたんだけど、低速寄りにデチューンしたとはいえ元がSSのエンジンだからそれでも高回転型エンジンに変わりはなかった。

そこでFZ6よりさらに低速寄りにデチューンし、過度な装飾や品質を取っ払ってコストも抑えたのがXJ6。肩肘張らずに街乗りからツーリングまで何でも御座れのオールラウンダー600。でもまあ欧州でにおいてA2免許向けというのが本音だろう。

※欧州のバイク事情&免許制度についてザックリ説明

ヨーロッパ免許制度

日本では排気量によって免許区分がされてるけど、欧州では馬力で区分される。
だから向こうの人はバイクの免許を取っても二年間はハイパワーなバイクには乗れない(A2免許という)ようになってる。最近話題のCBR500RやNC700Xなんかが出たのもその制度に対応するため。
日本の免許で例えるならAMは原付・A1は小型二輪・A2が普通自動二輪の初心者・Aが限定解除といったところ。

だからメーカーもA2で乗れるバイクにはちゃんとA2で乗れますよとこんな感じでアピールしてる。

A2ライセンス

さらに向こうでは保険料が馬力毎に段階設定されていて100馬力overになると保険料だけで年30万を超えるとか何とか・・・

話を戻してXJ6には、ネイキッドの無印・ハーフカウルのディバージョン・フルカウルのディバージョン Fと3バージョンがある。

XJ6ディバージョン
XJ6DF

それにしてもヤマハなのに一つ目バイクって珍しいですよね。一眼フェイスと言えばスズキの専売特許だったと思うんですけど、最近じゃホンダも一眼が増えてきたし。R1から始まった二眼もいい加減飽きられてきたのかな?

どちらにしろ直四でこのルックスで724,500円~ってのは安いですよね。

主要諸元
全長/幅/高 2120/770/1085mm
[2120/770/1210mm]
{2120/770/1185mm}
シート高 785mm
車軸距離 1440mm
車体重量 205kg(装)
[211kg(装) ]
{215kg(装) }
燃料消費率
燃料容量 17.3L
エンジン 水冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 600cc
最高出力 78ps/10000rpm
最高トルク 6.1kg-m/8500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後160/60ZR17(69W)
バッテリー GT12B-4
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR9E
推奨オイル ヤマルーブ
プレミアム/スポーツ/スタンダードプラス
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.4L
交換時2.5L
フィルター交換時2.8L
スプロケ 前16|リア46
チェーン サイズ520|リンク118
車体価格 690,000円(税別)
[750,000円(税別)]
{790,500円(税別)}
※プレスト価格
※[]内はDiversion(36C)
※{}内はDiversion F(1CW)
※ABS(36B/36D/1DG)は+5kg&50,000円
系譜図
FZS6001998年
FZS600 FAZER
(5DM/5RT)
FZ62004年
FZ6-N/R
(1B3/5VX)
FZ6S22006年
FZ6-N S2
(13B/5S5)
FZ6FAZER S2
(5S2/4S8)
XJ6/FZ6R2009年
XJ6N/D/F
(20S/36B/36C/36D/1CW/1DG)
FZ8/FAZER82011年
FZ8
(39P/59P)
FAZER8
(42P/1BD)

FZ6&FAZER S2(13B/5S5&5S2/4S8) -since 2006-

XJ6N-S2

2年が経った頃にS2に変更。S2とはSPEC2という意味。

主要市場である欧州で2006年に免許制度が改定され、免許を取得してから2年以内は34馬力以下のバイクしか乗れなくなってしまった。
エントリーモデルとして人気だったFZ6にとってこれは死活問題。そこでヤマハが取った手段は34馬力のFZ6の投入だった。600ccの直四で34馬力・・・どんなのか気になるがそのモデルを無印とし、フルパワーの98馬力をSPEC2へバージョンアップして併売。

ちなみにフルパワーの98馬力にも意味があって、欧州では98馬力を超えると保険料が跳ね上がるんですねー。更にヤマハとしては数少ないABSも追加。

実はカウルもS2と無印では違ってたりする。SPEC2はよりアグレッシブでスポーティなイメージを出すために小型カウルに変更、足回りも強化された。

上がS2で下が無印の34馬力版。

S2違い

よくよく考えるとセンターアップマフラーのフェーザーって600だけなんですよね。今はもうXJ6とFZ8にバトンタッチしてFZ6自体は無くなってしまった。
でもトップの画像を見てもらえれば分かるけど、海外では和名:XJ6Diversion FをFZ6Rとして売っている。
それだけFZ6というネームブランドが海外では確立しているんでしょうね。欧州のCB的な。

主要諸元
全長/幅/高 2095/755/1085mm
[2095/750/1210mm]
シート高 795mm
車軸距離 1440mm
車体重量 180kg(乾)
[186kg(乾) ]
燃料消費率
燃料容量 19.4L
エンジン 水冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 600cc
最高出力 98ps/12000rpm
最高トルク 6.4kg-m/10000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー GT12B-4
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR9EK
推奨オイル ヤマルーブ
SAE 10W-30から20W-40まで
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.4L
交換時2.5L
フィルター交換時2.8L
スプロケ 前16|リア46
チェーン サイズ530|リンク118
車体価格 810,000円(税別)
[840,000円(税別)]
※プレスト価格
※[]内はFAZER(5S2)
※ABSモデル(5S5/4S8)は+5kg&50,000円
系譜図
FZS6001998年
FZS600 FAZER
(5DM/5RT)
FZ62004年
FZ6-N/R
(1B3/5VX)
FZ6S22006年
FZ6-N S2
(13B/5S5)
FZ6FAZER S2
(5S2/4S8)
XJ6/FZ6R2009年
XJ6N/D/F
(20S/36B/36C/36D/1CW/1DG)
FZ8/FAZER82011年
FZ8
(39P/59P)
FAZER8
(42P/1BD)

FZ8&FAZER8(39P/59P&42P/1BD) -since 2011-

FZ8

開発コンセプト「Best active middle sports」
ベースはFZ1だから本来ならFZ1の方に載せるべきなんだろうけど、FZ6の後釜的な立ち位置なのでコッチに載せようかと。

エンジン・フレーム共にFZ1ベースなんだけどコッチはFZ1にはない他社とは違いリニア制御ABSという優秀な無段階ABSモデルもラインナップ。

FZ1より設計が新しいから当たり前というか比べるのは酷な話だけど、FZ1でネガだった部分も見直されたりして共通部品が多い中にも、地味に部品がFZ8専用になって改善されてたりする。(あくまでもFZ1の弟分で値段も抑えてるから少しコストカットは見受けられるけどね)

ハーフカウルの付いたモデルは名前が今までとちょっと変わってFAZER8になった。

FAZER8

実はこのハーフカウルの付いたFAZER8って北米では売ってないんですね。無印のネイキッドは売ってます。その代わりFZ1が無くてFZ1FAZERが売ってる。何とも不思議なラインナップ・・・

在り来りだけど総括としてはXJ6とFZ1の間でちょっとFZ1寄りなただのスケールダウンじゃないFAZERという感じかな?でも日本にはあんまり入ってきてないんですよね。

ご存知の方も多いと思いますが、今のFZ1とR1のエンジンは別物です。いやもうエンジンだけに留まらずFZSの頃から比べると共通点は少ないです。
アレだけ売りにしていた5バルブも今じゃFZ1とTDM900だけで、FZ1ベースのFZ8ですら4バルブ。これがどういう事を言うのかというと・・・

FZ1

「もしかしてFZ1ってフェード・アウトしちゃうんじゃないの?」

とちょっと思ってしまうわけです。

2016年から125cc以上のバイクのABS義務化が始まります。XJ6やFZ8はそれに先立ってABSを搭載してきたわけですけどFZ1は一向に装着しないんですよね。

しかも欧州では車体価格や保険料の関係からFZ1よりFZ8の方が売れてる。もしかしたらFZ8がFZシリーズのトップモデルになる日は遠くないかも知れないですね。

WPG50周年記念モデル

というかWGP50thモデルがFZ1じゃなくFZ8だった時点でそういうことですよね。

※2016年追伸

FZ1/FZ1FAZERは欧州では義務化に合わせABSを装着したモデルがありましたが、相変わらず日本では未発売。

そしてFZ8が次のヤマハネイキッドの主役と予想しましたが、結果は御存知の通りMTがヤマハの新しいネイキッドシリーズに。誤記に加え全く予想が当たってなくてお恥ずかしい限りです。

ヤマハも放置しているFZシリーズ今後どうなるんでしょうね・・・

主要諸元
全長/幅/高 2140/770/1065mm
[2140/770/1225mm]
シート高 815mm
車軸距離 1460mm
車体重量 211kg(装)
[215kg(装) ]
燃料消費率
燃料容量 17.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 779cc
最高出力 106ps/10000rpm
最高トルク 8.4kg-m/8000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー YTZ10S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR9E
推奨オイル ヤマルーブ
SAE 10W-30から20W-50まで
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.8L
交換時2.9L
フィルター交換時3.1L
スプロケ 前16|リア46
チェーン サイズ525|リンク122
車体価格 860,000円(税別)
[910,000円(税別)]
※プレスト価格
※[]内はFAZER8
※ABSモデル(59P/1BD)は+5kg&50,000円
系譜図
FZS6001998年
FZS600 FAZER
(5DM/5RT)
FZ62004年
FZ6-N/R
(1B3/5VX)
FZ6S22006年
FZ6-N S2
(13B/5S5)
FZ6FAZER S2
(5S2/4S8)
XJ6/FZ6R2009年
XJ6N/D/F
(20S/36B/36C/36D/1CW/1DG)
FZ8/FAZER82011年
FZ8
(39P/59P)
FAZER8
(42P/1BD)

【関連車種】
CB650F/CBR650Fの系譜GSX-S750の系譜Ninja650/Z650の系譜空冷MONSTERの系譜

FZ6-N/R(1B3/5VX) -since 2004-

FZ6N

開発コンセプト「Next Generation Fazer」

日本でフェーザーと言えばFZ1だけど、メインの欧州でフェーザーと言えば600。年号を辿ると分かるけどFZ6の派生がFZ1という立ち位置になる。

向こうは125cc以上の排気量制限が無いから日本で例えるなら欧州のCB400SFといった所かな。

特筆すべきはヤマハの十八番であるCFアルミダイキャスト技術で作られたフレームだろう。R1やR6のスイングアームなどに使われている製法で、簡単に言うと大きい物も鋳造で作る事が出来る技術。

R1やR6などのフラッグシップモデルでさえスイングアーム止まりな製法なんだけど、FZ6はなんとメインフレームをアルミダイキャストで作ってる。

CFアルミ ダイキャストフレーム

溶接跡の無い綺麗なダイヤモンドフレームが実に美しい。
このメインフレームをアルミダイキャストで作っているバイクは当時としてはこのFZ6とTMAXだけ。ちなみにTMAXも欧州では既に五万台以上売れてる超売れ筋モデル。

主要諸元
全長/幅/高 2095/755/1085mm
[2095/750/1215mm]
シート高 795mm
車軸距離 1440mm
車体重量 200kg(装)
[207kg(装) ]
燃料消費率
燃料容量 19.4L
エンジン 水冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 600cc
最高出力 98ps/12000rpm
最高トルク 6.44kg-m/10000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー GT12B-4
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR9EK
推奨オイル ヤマルーブ
SAE 10W-30から20W-40まで
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.4L
交換時2.5L
フィルター交換時2.8L
スプロケ 前16|リア46
チェーン サイズ530|リンク118
車体価格 800,000円(税別)
[830,000円(税別)]
※プレスト価格
※[]内はFAZER(5VX)
系譜図
FZS6001998年
FZS600 FAZER
(5DM/5RT)
FZ62004年
FZ6-N/R
(1B3/5VX)
FZ6S22006年
FZ6-N S2
(13B/5S5)
FZ6FAZER S2
(5S2/4S8)
XJ6/FZ6R2009年
XJ6N/D/F
(20S/36B/36C/36D/1CW/1DG)
FZ8/FAZER82011年
FZ8
(39P/59P)
FAZER8
(42P/1BD)

FZS600FAZER(5DM/5RT) -since 1998-

FZS600FAZER

日本に限って言えばFZ400の方がピンとくる人が多いと思うFZS600FAZER(欧州名FZ-S600 FAZER)はFZ400の逆車的な存在の元祖FAZER
フェーザーの元祖は85年のFZ250フェーザーでは・・・と思うかもしれないけどアッチは「PHAZER」なんです。

エンジンは先代の物を引き継いだ物で、欧州ではこの位のミドルバイクが今も昔も非常に人気があった。

XJ900

日本ではあまり馴染みのない空冷のXJ600DまたはXJ900(ディバージョンモデル)が80年台後半からロングセラーの大ヒットを続けてて、その後釜を引き継ぐ意図もありました。

というのもFZS600果てはFZ6はヨーロッパヤマハの発案なんですよ。とはいってもこっちはよりスポーツ寄りで95馬力と性能は相当なモノ。

FZ-S600

2000年(5RT)にマイナーチェンジが入り現代的なフェーザー顔に。

残念ながらボディもエンジンも同じ国内向けのFZ400は続きませんでした。

何故欧州だけなのかといえばFZS600は欧州を中心に三年ほどで累計8.3万台も売れた大ヒット車だからです。

主要諸元
全長/幅/高 2080/710/1180mm
[2080/710/1170mm]
シート高 790mm
車軸距離 1415mm
車体重量 210kg(装)
[214kg(装) ]
燃料消費率
燃料容量 18.0L
[22.0L]
エンジン 水冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 599cc
最高出力 78ps/10000rpm
最高トルク 6.1kg-m/8500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前110/70ZR17(54W)
後160/60ZR17(69W)
バッテリー GT12B-4
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR7E/CR8E/CR9E
または
U22ESR-N/U24ESR-N/U27ESR-N
推奨オイル ヤマルーブ
SAE 10W-30から20W-50まで
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.5L
交換時2.5L
フィルター交換時2.7L
スプロケ 前15|リア48
チェーン サイズ530|リンク110
車体価格
※国内正規販売なしのため
※[]内は後期モデル(5RT)
系譜図
FZS6001998年
FZS600 FAZER
(5DM/5RT)
FZ62004年
FZ6-N/R
(1B3/5VX)
FZ6S22006年
FZ6-N S2
(13B/5S5)
FZ6FAZER S2
(5S2/4S8)
XJ6/FZ6R2009年
XJ6N/D/F
(20S/36B/36C/36D/1CW/1DG)
FZ8/FAZER82011年
FZ8
(39P/59P)
FAZER8
(42P/1BD)

FZ1&FAZER(2D1/1EC&3C3/1CA/2DV)-since 2008-

国内仕様FZ1

「1:1(ワン・バイ・ワン)」

実は2006年にフルモデルチェンジして2007年に逆車取扱終了となってしまったFZ1とFAZER。つまり一年しか正規逆輸入車が入ってきていない。

流石にデビューしたてのホヤホヤ新設計なもんだから国内仕様が出ることは大方の予想がついてた。しかも自主馬力規制が撤廃された年だから何馬力になるのかという期待もあった。
でも蓋を開けてみたら何とビックリ自主規制の100馬力どころか94馬力しかない。

FZ1F

これについてヤマハの弁解を個人的に解釈すると
欧州ではアクセルを捻った以上の加速する感覚が好まれる。でも日本ではそういう環境がなく低速がメイン。
そういう環境だとデメリットが多いから低速での扱いやすさを優先した。捻ったら捻った分だけリニアに加速する順応なレスポンス。

それが「1:1(ワン・バイ・ワン)」

テンプレートの様な謳い文句に正直ただ規制で骨抜きにしただけなんじゃないかと思ってた。
でも翌年に国内仕様のR1が145馬力という初代R1なみの馬力で規制をクリアし登場したことを考えると、言い訳ではなく本当に馬力よりも乗り易さを優先・・・したんだろうけど、突っ込みどころがある。

YSP限定カラー

まず第一の突っ込み所としてサスペンションがタダでさえ硬すぎると評判である逆車セッティングのままだということ。
アウトバーンも余裕で走れると謳っている強靭な足だが日本にそんな道は無いし、むしろ飛び跳ねまくって乗り易さもクソも無い話。
国内の公道向けなら少しくらい柔らかくセッティングして出してくれてもバチは当たらないでしょうに・・・(勿論自分で調整は出来る。)
フレームも150馬力に耐えられる高剛性だから尚の事。オマケに元はエクストリームバイクなのでシートも結構固め。

FZ1エンジン

そして二点目は単純に上が無いエンジン特性。
これは国内仕様全般でFZ1に限った話じゃないんだけど、本当に高回転域が回るだけで加速しない。ある意味で不思議な感覚。

FZ1のエンジンは前も言ったけど、SSの中でも最もショートストロークで高回転が美味しいR1のエンジンなんだから高回転が無くなったら元も子もない。

でも幸いな事にFZ1は一昔前の国内仕様の様に配線や吸気口などをチョチョイとするだけで簡単にセミフルパワー位にはなるみたい。(細部が違うのでフルパワーの150馬力まではいかない)
150馬力の逆車は正規で扱ってないのでレッドバロンや並列輸入取扱店などでしか買えない。

国内仕様は逆車より安く、一昔前みたいに国内と逆車どっちも味わえるというメリットがあるし、逆車より乗り易くもあるから悩ましい選択ですね。

主要諸元
全長/幅/高2140/770/1060mm [2140/770/1205mm]
シート高815mm
車軸距離1460mm
車体重量219kg(装) [225kg(装) ]
燃料消費率21.0km/L
※定置走行テスト値
燃料容量18.0L
エンジン水冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量998cc
最高出力94ps/9500rpm
{94ps/9000rpm}
最高トルク8.2kg-m/7500rpm
変速機常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ前120/70ZR17(58W)
後190/50ZR17(73W)
バッテリーYTZ14S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR9EK
{CR9E}
推奨オイルヤマルーブ
プレミアム/スポーツ/スタンダードプラス
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.7L
交換時2.9L
フィルター交換時3.1L
スプロケ前17|リア45
チェーンサイズ530|リンク122
車体価格997,500円(税別)
[1,050,000円(税別)]
※価格は08モデル
※[]内はFZ1FAZER
※{}内は2012年以降モデル(1EC/2DV)
系譜図
FZS1000 2001年
FZS1000FAZER
(5LV)
FZ1フェーザー 2006年
FZ1 FAZER
(3C3)
FZ1 2006年
FZ1
(2D1)
ZRX1200R前期 2008年
FZ1/FAZER
国内仕様
(2D1/1EC&3C3/1CA/2DV)

【関連車種】
VTR1000の系譜GSX-S1000/Fの系譜Z1000/Ninja1000の系譜