「Love at first ride」
XJシリーズ最大排気量モデルとなるXJ900。
同じエンジンのまま650から750とスケールアップし遂に900となったわけですが、実は当初の予定では750までのハズでした。
しかし欧州市場から
「もっと排気量があるライトウェイトを」
という声が多くなり853ccにまで拡大し登場したのがこのXJ900。
結果的に853ccに出来たものの、もともと750までしか想定していなかったエンジンという事で技術的な問題が山積でした。
だからXJシリーズを担当してきた水谷さんも排気量を上げろという社命に対し最初は
「無理、出来ません」
と断ったそう。
しかし社命には逆らえず、コンロッドボルトを上締めにしてスペースを稼ぐなどあの手この手で問題をクリアし排気量アップに成功。
ちなみに上の写真はカウル付きのXJ900Fです。
しかし市場とは無情なもので、これで一件落着かと思いきや再びすぐに
「もっと排気量を上げろ」
という要望が。
また水谷さんは頭を抱え、結局シリンダーライナー(ピストンが触れる燃焼室内壁の筒)の製法を変更し650時代の半分以下の厚さにする事で1984年にはなんとか891ccにまで拡大。
そんな苦労の甲斐あってかXJ900は欧州の定番へと成長。
後継に当たるXJ900Diversionに至っては敵なしのロングセラーとなりました。
主要諸元
全長/幅/高 | 2190/735/1240mm |
シート高 | 790mm |
車軸距離 | 1480mm |
車体重量 | 242kg(装) |
燃料消費率 | – |
燃料容量 | 22.0L |
エンジン | 空冷4サイクルDOHC四気筒 |
総排気量 | 853cc |
最高出力 | 70ps/9000rpm |
最高トルク | 6.2kg-m/7000rpm |
変速機 | 常時噛合式5速リターン |
タイヤサイズ | 前100/90R18 後120/90R18 |
バッテリー | YB14L |
プラグ ※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価 |
BPR8ES |
推奨オイル | SAE 20W-40 |
オイル容量 ※ゲージ確認を忘れずに |
全容量3.8L 交換時2.5L フィルター交換時2.8L |
スプロケ | – |
チェーン | – |
車体価格 | – ※国内正規販売なしのため ※スペックはXJ900SECA |