「GET UP. AND GO.」
ヤマハ初の四気筒モデルになるXS1100。※型式は欧州モデル
排気量から見ても分かる通り海外向け専用モデルで、向こうではXSイレブンと呼ばれています。
当時ヤマハはフラッグシップとしてGX750という三気筒のバイクGX750を出していたんですが、このXS1100はその延長線上で考えられたモデル。
「三気筒で750、もう一気筒追加で1000」
という狙いだったわけです。
では何故1100になったのかというと、既にZ1000を始めとしたリッターが登場していたから。
だから+100ccのイレブンで行く必要があると営業からの要望があったことでボアを広げ1100となった。
車体の方はGX750と同じシャフトドライブなど延長線上にある形なんですが
「じゃあXJ1100とGX750は似ているのか」
というとコレが全く違う。
三気筒と四気筒という違いも勿論ありますが、GX750がとにかくスポーツだったのに対しXS1100は徹底的に振動を消すことを念頭に置かれました。
例えばこのエンジン。
・クランクシャフト
・レイシャフト
・メインシャフト
・カウンターシャフト
・ミドルシャフト
の五軸レイアウトを採用しています。
これは一次駆動をサイレントチェーンにして静音性を上げたかった事と、メンテナンスフリーになるシャフトドライブを採用するため。
そしてもう一つ大きな違いがエンジンマウント。
GX750はエンジンをリジットマウントにして剛性を稼いでいたのに対し、XS1100は全面ラバーマウント。
つまりXS1100は既存のリッタークラスがとにかく馬力だったのに対し、快適性を追求したリッターだったんです。
その振動の少なさは特に北米で評価され、アメリカの大手バイクメディアであるサイクルワールドの年間ベスト10にも選ばれるほどでした。
これはそのクルーザー版になるXS1100Specialです。
ちなみにこれは余談なんですが、ヤマハは三気筒のGX750を造ったあと四気筒ではなく水平対向六気筒で行く予定でした。
静寂性とスペシャル感を考えた場合、水平対向六気筒のほうが都合が良い。極端な話3+3でGX750のエンジン技術を転用できると考えていたんでしょうね。
ただパテントの関係と、技術的な関係から四気筒に改められXS1100が誕生した。もしもこのとき水平対向六気筒を選んでいたら今のヤマハはどうなっていたでしょうね。
主要諸元
全長/幅/高 | 2260/920/1175mm |
シート高 | 800mm |
車軸距離 | 1545mm |
車体重量 | 274kg(装) |
燃料消費率 | – |
燃料容量 | 20.0L |
エンジン | 空冷4サイクルDOHC四気筒 |
総排気量 | 1101cc |
最高出力 | 96ps/8000rpm |
最高トルク | 9.19kg-m/6500rpm |
変速機 | 常時噛合式6速リターン |
タイヤサイズ | 前3.50-19-4PR 後4.50-17-4PR |
バッテリー | GM18Z-3A |
プラグ ※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価 |
BP6ES |
推奨オイル | ヤマルーブ SAE 20W/40 または SAE 10W/30 |
オイル容量 ※ゲージ確認を忘れずに |
全容量4.0L 交換時3.0L フィルター交換時3.5L |
スプロケ | – |
チェーン | – |
車体価格 | – ※国内正規販売なしのため |