YZF-R1の系譜

YZF-R1(4C8)-since 2007-

4C8

開発コンセプト「fastest&Highest Status Super Sport」
サーキットでの最速性能とコントロール性、および一般道での最高性能とコーナリング性能を兼ね備えた性能を持つ。

アスリートの肉体美をイメージしたと言ってるように歴代R1の中では筋骨隆々なイメージのちょっと変わったデザイン。

今も続くヤマハカウルデザインの特徴であるレイヤードカウル(カウルが何枚も重なってる様に見える)の始まりでもあります。ちなみにこのR1からデザイナーが2015年モデルまで担当している新しい方に変わりました。

エンジン

このR1最大の特徴はヤマハにとって伝家の宝刀であり伝統だった5バルブを捨てさって4バルブになった事。

コレには事情があって、この頃のSSカテゴリーは一番スペック競争が加熱していた時期。

先代(5VY)もSBK(スーパーバイク選手権)を視野に入れ大幅なパワーアップをしたんだけど、それでも絶対的な速さで他社に引けを取り、レースユース側から不満の声が上がっていた。当然ながらコレはレースが盛んな欧米などの先進国の売上にも影響する。

08r1

「絶対的な速さを身につけるにはパワーを上げるしかない」

そうなった時に5バルブを捨てるしか道は無かったんでしょうね。ヤマハは4バルブ化を排ガス規制に対応するためと言ってるけど、理由はそれだけじゃないんだろうなと思います。

4C8

5バルブのメリットは吸気口の面積を大きく取れる事で、強制的に空気をエンジンに送り込むターボなどを考えてもらえれば分かる通り、吸気を増やせるというのはそれだけパワーを増やせる。だから吸気3本・排気2本の5バルブ。

そしてもう一つはバルブを2本ではなく3本に分割することで1本あたりの慣性重量(重さ)を減らせ高回転にできる。これらが5バルブの主なメリットでした。

 

しかし加工技術の進歩で高性能車のバルブにはチタン製の硬く圧倒的に軽い材質の物が使われる様に。こうなるともうバルブの重さを何とかするためというメリットは無くなります。実際R1もこのモデルからチタンバルブに変わっています。

4C8カットモデル

そしてもう一つは吸気の流れ。

バルブが3本ということは1本辺りの大きさは小さいわけですが、ここで思い出して欲しいのは「エンジンカーボンを"溜める走り"と"除去する走り"」で少し紹介したベンチュリ効果(大きいストロー、大きいストロー効果)です。

R1がクラス一のビッグボアに出来たのは5バルブによる小さいストロー効果で低回転域がカバー出来ていたから。ただしそれはあくまでも中低回転域までの話で、空気の流速が音速を超える高回転になると小さいストローが詰まるという足枷になってしまう。我々一般人にとっては十分な速さでもレースになるとそれによって生まれる馬力差が問題だったというわけです。

ロッシがYZR-M1の開発テストにおいて5バルブではなく4バルブを選んだのもこういう理由からかと。あくまでも推測ですが。

表紙

ただ5バルブを諦めるほどの英断をしただけあって他にもYCC-T(ヤマハ電子制御スロットル)やYCC-I(可変式エアファンネル)、6potキャリパー、スリッパークラッチを採用。4バルブになったエンジンは最高出力179馬力と見事に市販SSとしてはトップのパフォーマンスを記録する事となりました。

4C8壁紙

トップとなるスペックや筋骨隆々なルックス、太くなったスイングアームから見ても堅く鋭いイメージが連想される4C8だけど、実はこう見えて5VYより更にフレーム剛性が落とされ靭やかR1になってたりします。

エンジン:水冷4サイクルDOHC4気筒
排気量:998cc
最高出力:180ps/12500rpm
最大トルク:11.5kg-m/10000rpm
車両重量:177kg(乾)

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系譜図

fz750 1985年
FZ750(1FM)
fzr1000 1987年
FZR1000(3GM/3LK/3LG)
yzf1000r 1996年
YZF1000R Thunder Ace(4SV)
4xv 1998年
YZF-R1(4XV)
5jj 2000年
YZF-R1(5JJ)
5pw 2002年
YZF-R1(5PW)
5vy 2004年
YZF-R1(5VY前期)
5vy後期 2006年
YZF-R1(5VY後期)
4C8 2007年
YZF-R1(4C8)
14b 2009年
YZF-R1(14B~1KB/45B)
2012YZF-R1 2012年
YZF-R1(45B/1KB/2SG)
2015YZF-R1 2015年
YZF-R1/M(2CR/2KS)

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