YZF-R1(45B/1KB後期/2SG)-since 2012-

12YZF-R1

「至高のコーナーリングへ」

三年ぶりのモデルチェンジというか型式が変わらない事からもマイナーチェンジなんだろうけど大きく変わってる六代目の45B型(国内仕様)と1KB~2SG型(カナダ仕様)

「逆輸入車は2014年から2SGに型式変わってるじゃん」

と突っ込まれそうなので説明しておくと、型式が変わっているのは年次改良などが入ったというわけではなく単純に型式コード(機種コード)が足りなくなったから。

このR1で例えるなら逆車の型式は1KB。その型式にカラーコードの一文字が加わります。

ブルーイッシュホワイトカクテルなら1KBG、ブラックメタリックXなら1KBD、これは仕様地によって分かれていて1~9その次はA~Zという流れ。

ブラックメタリックX

しかしこのR1の場合、2009年から五年近く色んな色を出した為にカラーコードが不足してしまった。

日本では2013年のビビッドレッドカクテル1の1KBYが最期。Yという文字が付いてる通り後はZしか残ってないわけです。

Zがどこの国のどのカラーリングなのかは分かりませんでしたが、要するにカラーコードが枯渇してしまったから型式を改めたという特に深い意味は無い形式変更なわけです。

まあ詳しくは

『車名に続く記号(型式)について~認定型式と通称型式~』

をどうぞ。

話を戻します・・・

2014年式R1

このR1で一番のアピールポイントは7段階のTCS(トラクション・コントロール・システム)の採用です。

トラコンっていうのはタイヤの空転を抑える装置で、要するにスリップダウンを防いでくれる安全装置の事。

2014YZF-R1

車の方では既にメジャーですが、バイクの場合は前輪と後輪で常に回転数が違ってくるので一般的な車のように

「大きく滑ったからトラコン発動」

なんて悠長な事をやってたら手遅れだったりします。

だからバイクの場合は0.005秒間隔で常にタイヤの回転数を図っており、それこそ怪しくなったら発動する予測型。だから車と違って段階調整が付いてる。

2012YZF-R1

他にもフレームの横剛性を更に落とす事でコーナーリングでのトラクション感の向上を始めとした各部の見直し、そしてマッピング見直しによる燃費と低速トルクの改善などが入ったんですが、SS人気が下火になり始めた事もあってか価格は据え置きでした。

09-12比較

パッと見で分かる通り外見もシャープさが増してハンサム顔に。今風のLEDアイラインが入ってます。

ただこのモデルで一番の驚きであり、一番の激震であり、一番のドラマが詰まっているのはトラコンでもLEDポジションでもなくトップブリッジ。

トップブリッジ

見るからに凄いのが伝わってくるYZR-M1とソックリな大胆な肉抜き加工されているアルミ鋳造製ハンドルクラウン。

これは見た目だけでなくハンドリングを更に鋭く研ぎ澄ませる為にある肉抜きなんですが、それは言い換えるとハンドリングに大きな影響力を持つ重要な部分でもある。

そしてこれを担当したのは平野さんという方なんですが、造っても造ってもダメ出しの嵐だった。ダメ出しというのはテストライダーから『悪(要改善)』という評価を貰ってしまう事。

2014年式YZF-R1リア

何度作り直しても駄目で仕舞いには先代のままになりつつあった中で平野さんが最後の最後に

「もうこれ駄目だったら辞職しよう」

と考えて造った物を出したらテストライダーからやっと『良』の評価を獲得して採用されることになった。

ついつい見た目だけで判断しがちですか、この大胆に肉抜きされたトップブリッジはそんな試行錯誤の末というか塊な物なんです。

2014年式YZF-R1カタログ

YZF-R1というのはヤマハにとっても特別と公言されているんですが、そんなYZF-R1の開発となると良く言えば花形ですが同時に血気迫る凄まじいものがあるんでしょうね。

そしてこの代といえばもう一つ紹介しないといけないのがWGP50周年記念車。

国内仕様120台、逆輸入仕様30台という06のSPより少ない限定車。予約開始5分で売り切れたそうです。

WGP50周年R1

スピードブロックを知る世代にはどストライクだろうし、レースに興味がない人から見てもカッコイイ配色だから人気も頷けますね。

主要諸元
全長/幅/高 2070/715/1130mm
シート高 835mm
車軸距離 1415mm
車体重量 212kg(装)
[206kg(装) ]
燃料消費率 25.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 18.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 998cc
最高出力 145ps/11000rpm
[182ps/12500rpm]
最高トルク 10.0kg-m/10000rpm
[11.7kg-m/10000rpm]
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後190/55ZR17(75W)
バッテリー YTZ10S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
LMAR9E-J
推奨オイル ヤマルーブ
プレミアム/スポーツ/スタンダードプラス
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量4.58L
交換時3.73L
フィルター交換時3.93L
スプロケ 前17|リア47
チェーン サイズ530|リンク120
車体価格 1,350,000円(税別)
[1,590,000円(税別)]
※[]内はプレスト取扱い車両
系譜図
fz750 1985年
FZ750
(1FM)
fzr1000 1987年
FZR1000
(3GM/3LK/3LG)
yzf1000r 1996年
YZF1000R Thunder Ace
(4SV)
4xv 1998年
YZF-R1
(4XV)
5jj 2000年
YZF-R1
(5JJ)
5pw 2002年
YZF-R1
(5PW)
5vy 2004年
YZF-R1
(5VY前期)
5vy後期 2006年
YZF-R1
(5VY後期/4B1)
4C8 2007年
YZF-R1
(4C8)
14b 2009年
YZF-R1
(14B~1KB/45B)
2012YZF-R1 2012年
YZF-R1
(45B/1KB/2SG)
2015YZF-R1 2015年
YZF-R1/M
(2CR/2KS/BX4)
2019YZF-R1 2019年
YZF-R1/M
(B3L/4BS)

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