YZF-R1(14B~1KB/45B)-since 2009-

09YZF-R1

「Ultimate Cornering Master 1000」

六代目となるYZF-R1の45B型。

ツリ目デュアルライトから出目金の様な丸目プロジェクターへと大変貌を遂げました。

09R1

当時は賛否両論でしたけど、いま改めて見ると結構クセになるというと味がある顔ですね。

そもそもR1はGKデザインという超エリートデザイン会社が代々手掛けているだけあって、見る角度によって表情が変わるバイクだけどこの型はR1の中でも一番表情豊かモデルじゃないかなと思います。

09R1黒

それより中身の話ですが、この代の最大の変更点は何と言ってもmotoGP直系技術の

『クロスプレーン型クランクシャフト』

にあります・・・が、不等間隔爆発については

『クロスプレーン(不等間隔爆発)だと何が良いのか|バイク豆知識』

で長々と書いていますので申し訳ありませんが割愛させてもらいます。そちらをどうぞ。

クロス

ただ付け加えるなら不等間隔爆発を採用するかはヤマハの社内でも意見が真っ二つで非常に揉めたそう。フラットプレーン(一般的な直四)特有のモーターの様に回る官能的なエンジンが好きという人は多いですからね。

ただし

「YZF-R1のコンセプトはコーナーリングにあり」

ということで、それにはフラットプレーンよりもクロスプレーンにしたほうが理があるという事で採用。

・・・がしかし、いざ作ろうと思っても理解はしてるのに上手くいかない机上の空論状態に。

そこで不等間隔爆発の実績もノウハウも積んでいた元ネタでもあるMotoGPのYZR-M1陣営に見て盗むと言わんばかりに出向き、技術やノウハウを学ぶ事で製品化にこぎ着けたそうです。

YZR-M1

「レーサーから技術をスライドさせるだけでいいのでは」

と思いますが、実はレース部門と市販車部門というのはヤマハに限らず皆が思っているほど横の繋がりはない。実際歴代のR1開発においてMotoGPのYZR-M1陣が加わった事はこれまで一度も無いんです。

クロスプレーン

M1はM1として、R1はR1として完全に分かれてそれぞれ進化してる・・・いや、していた。

それがこの代になって遂にMotoGPの技術、YZR-M1の血が入りクロスプレーンという形で実現された。だからもうこれはスーパースポーツというよりレーサーレプリカとも言えるモデルになったわけです。

2010年型

もちろん変わってるのはクロスプレーンだけではなく

・1mmのビックボア化
・新設計フレーム
・左右独立分担減衰力発生方式フロントフォーク
・2WAY式リアショック
・2タイプフットレストポジション
・マグネシウムシートフレーム
・D-MODE(出力モード切替)

などなど何気に足回りも大幅に進化。

R1カタログ写真

そして言われないと分からないんですが、見た目に大きく寄与する隠しボルト主体の留めになっています。空気抵抗を減らすというSSらしい狙いでもあります。

もう一つ説明しておかないといけないのがこの代から国内仕様が発売されたこと。

国内仕様

翌2010年からプレストが逆輸入車を扱うようになったんですが、それでも国内仕様と海外仕様での比率的には2:1と国内仕様が人気でした。

理由としては

・国内仕様でも145馬力(初代R1並)
・価格が14万円ほど安い
・サービスの安心感

などが考えられるんですが、カラーリングの要素も大きいかと。

というのも国内仕様には鮮やかなマゼンタカラーのフレームとホワイトボディが綺麗なブルーイッシュホワイトカクテル1、またの名を

『キュベレイカラー』

と言われているカラーが用意されたから。

YZF-R1ブルーイッシュホワイトカクテル

このカラーリングをご存知の方、そしてこれに惚れた方も多いのではないでしょうか。

ちなみに国内仕様ではこれが一番人気カラー(四割弱)だったんですが、実はこのカラーリング当初は採用されない予定でした。理由は生産に大きな負担を強いるから。

当たり前ですがカラーリングを増やすとそれだけコスト増になる問題がある中で外装だけでなくフレームまで別の色で用意。ましてワンオフでもないけど大量生産も望めない微妙な車種でそれをやるというのは通常ありえない話。

じゃあなんでこうやって実現したのかというと

「どうしてもこのカラーリングを出したい」

とプロジェクトリーダー兼フレーム設計のエキスパートだった西田さんが色んな部署に懇願して回ったから。※別冊モーターサイクルNo.395より

キュベレイカラー

だからこそ実現できたのがこのカラーリングというわけ。

この代の国内仕様だけ青、黒、そして白と甲乙つけがたい3色ものカラーリングが大盤振る舞いのように用意されたのもそれが理由。

2009年のカラーリング

よりどりみどりとはまさにこの事・・・ってこれはシーマだった。

主要諸元
全長/幅/高 2070/715/1130mm
シート高 835mm
車軸距離 1415mm
車体重量 212kg(装)
[206kg(装) ]
燃料消費率 19.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 18.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 998cc
最高出力 145ps/11000rpm
[182ps/12500rpm]
最高トルク 10.0kg-m/10000rpm
[11.8kg-m/10000rpm]
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後190/55ZR17(75W)
バッテリー YTZ10S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
LMAR9E-J
推奨オイル ヤマルーブ
プレミアム/スポーツ/スタンダードプラス
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量4.58L
交換時3.73L
フィルター交換時3.93L
スプロケ 前17|リア47
チェーン サイズ530|リンク120
車体価格 1,350,000円(税別)
[1,490,000円(税別)]
※[]内はプレスト取扱い車両
系譜図
fz750 1985年
FZ750
(1FM)
fzr1000 1987年
FZR1000
(3GM/3LK/3LG)
yzf1000r 1996年
YZF1000R Thunder Ace
(4SV)
4xv 1998年
YZF-R1
(4XV)
5jj 2000年
YZF-R1
(5JJ)
5pw 2002年
YZF-R1
(5PW)
5vy 2004年
YZF-R1
(5VY前期)
5vy後期 2006年
YZF-R1
(5VY後期/4B1)
4C8 2007年
YZF-R1
(4C8)
14b 2009年
YZF-R1
(14B~1KB/45B)
2012YZF-R1 2012年
YZF-R1
(45B/1KB/2SG)
2015YZF-R1 2015年
YZF-R1/M
(2CR/2KS/BX4)
2019YZF-R1 2019年
YZF-R1/M
(B3L/4BS)

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