1125R -since 2008-

1125R

ROTAXに作らせた146馬力を発揮する狭角75度水冷エンジンを積んだ第三世代水冷ビューエルの1125R。

1125エンジン

リムマウントディスクローターやXブレードフレームなど基本的な思想はXBシリーズと同じ。ただスイングアーム内にオイルを貯めるタイプではありません。

1125フレーム

相変わらずサスペンションはフレームマウントですが、エンジンを非常にコンパクトにできたことでスイングアーム長を大きく取りコーナリング性能を高めています。

昨今(特に日本)のスーパースポーツに通ずるところがありますね。

1125

そしてこちらは一年遅れで登場したネイキッドモデルの1125CR。

ビューエル1125CR

中々なマッスル感。

ちなみに両サイドにあるふっくらしたカバーは横に持ってきたラジエーターの為の整流カバー。狙いはもちろん全長を縮めるため。

1125CR正面

相変わらずバランサーは付いていないので空冷モデルほどでは無いにしろ振動は健在。

しかし何よりも水冷化に対しビューエル界では大きな波紋が広がりました。

何故水冷にしたのかといえばレースで勝つためでしょう。

ビューエルXB-RR

もともとビューエルはXBRRというXBをベースに150馬力までチューニングされたエンジンとカーボンカウルのマシンで参戦していました。

しかしやはり空冷OHVでは並み居るSS相手には勝てなかった・・・エリックも分かっていたのか、このXBRRでレースをする裏で並列して1125Rとレースマシン1125RRの開発が進んでいたというわけ。

ビューエル1125RR

これがその1125RR。当時エリックがノリノリで紹介していました。

そして見事スーパーバイク全米選手権プライベータークラスで勝ったんです。RR1000で苦汁を飲まされてから20年後の事。

ビューエル1125RR

アメリカのレースで、アメリカのバイクメーカーが勝つ。これは本当に全米が泣きました・・・が、1125R/CRは日本には入ってきていません。

というのも記憶に新しいリーマンショックによる世界不況で親会社だったハーレーの業績が悪化。そのため経営の合理化としてBUELLの生産・取扱を止めるという判断が下されたんです。

V-ROD

一説ではV-RODの水冷エンジンを使うことをエリックが拒否し、ROTAXエンジンを採用という背任行為が理由とも言われています。

ただ同時にMVアグスタも手放しているので、その線は薄いと。

EBR11125

1125R発売から一年足らずの出来事で、ちょうど日本国内の為にデモランまで済ませ発売寸前まで来ていた矢先の話。

あまりにも急なことでエリックの肩を落とした報告動画が印象的でしたが、ビューエルで働いてる人もこの動画を見て始めて知った人も多かったとか。

正に天国から地獄ですね。

エンジン:水冷4サイクルDOHC二気筒
排気量:1125cc
最高出力:
146ps/9800rpm
最大トルク:
10.5kg-m/8300rpm
車両重量:170kg(乾)
※スペックは1125R

系譜図
エリックビューエル 創業者
Erik Buell
RR1000/1200 1986年
RR1000/1200
RS1200 1989年
RS1200
S2 1994年
S2 Thunderbolt
S1 1996年
S1 Lightning
S3 1996年
S3/T Thunderbolt
M2 1997年
M2 Cyclone
X1 1999年
X1 Lightning
BLAST 2000年
Blast
XB9シリーズ 2003年
XB9R Firerbolt
XB9S Lightning
XB12シリーズ 2004年
XB12R Firerbolt
XB12S Lightning
XB12X ULYSSES
1125シリーズ 2007年
1125R
1125CR
1125シリーズ 2011年
1190RS
1190シリーズ 2015年
1190SX
1190RX

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