1190RX/SX -since 2014-

1190RX

ニューモデルとして出して来たのが1190RXとネイキッドモデルとして1190SX・・・なんですが、2015年にHEROから見限られ再び経営破綻。

1190SX

オークションに掛けられた結果、レアメタル等を扱うAtlantic Metals(アトランティックメタル)のバイク好きCEOが落札し再び復活・・・かと思いきや期日内に資金を用意できず復活ならず。

2016EBR

その後グダグダありつつも三度目のオークションにてLAP(Liquid Asset Partners)というインディアンモーターサイクルも手掛けたコンサルティング会社に買収される事で今度こそ本当に復活。

開発どころではなかったのもあり、基本的には先代1190RSのブラッシュアップモデル。ただ流石エリックというべきかまた独創的な物が一つフロントに追加されています。

1190SX

これはディスクローターとキャリパーピストンへ走行風を積極的に当てることで冷却性を上げ熱ダレを防ぐ装備。

そして今EBRがどうなっているのかというと・・・実は2017年に想定を大幅に下回る経営だった事からまたまた破産し競売に掛けられる事に。

1190SX

しかも今までとは違い、手を差し伸べてくれる企業や投資家が現れなかった為、設備からパーツの一つに至るまでバラ売り。

つまり遂にEBR/Buellという会社は完全に消える事が決まりました。

最後に・・・。

エリックビューエル

「TRILOGY OF TECH(技術のトリオジー)」

マスの集中化×高剛性フレーム×バネ下重量の軽減

これはエリックがバイクを作るに辺りこだわり続けていた理論です。

エリックビューエル

エリックがこう考えるようになったのはまだBuellが発足する前、TZ750でレーサーとして走っていた時代。

エリックはこの時レース中の事故で友人を二人亡くしているんです。この出来事がキッカケでエリックの中にある考えが生まれました。

「バイクは何よりもコントローラブルじゃないといけない」

そして生まれたのが技術のトリオジー。エリックはその考えを、ワンマンと批判されようと、会社が何度破産しようと、結局最後まで貫き通しました。

最後の最後に・・・

XB2の時に

「ビューエルはアメリカよりも欧州の方で人気がある」

と言いましたが、実はアメリカでのビューエルの評価はそんなに高くないんです。

日本車に劣る信頼性、弄りにくい独自構造、度重なる破綻などで不甲斐ないバイクメーカーという認識。この2017年の完全消滅もそれほど話題になっていません。

1190RX

海外メーカーに負けないアメリカのスポーツバイクを作ることに死力を尽くしてきたエリック・ビューエルを惜しむ声が、復活を望む声が、肝心のアメリカから全く聞こえない。

こんな悲しい話は無いです・・・。

※2021年追伸

EBRは2019年から新会社となり2021年から再びビューエルブランドで1190シリーズを展開し始めています・・・が、エリックビューエルさんは関わっていません。

現在はクラウドファンディングで立ち上げたFUELLという電気自動車会社のCTO(最高技術責任者)を務めています。ちなみに2024年にエリックが造った電動バイクが発売予定。

参照:fuel.com(公式)

エンジン:水冷4サイクルDOHC二気筒
排気量:1190cc
最高出力:
185ps/10600rpm
最大トルク:
14kg-m/8200rpm
車両重量:173kg(乾)
※スペックは1190SX

系譜図
エリックビューエル 創業者
Erik Buell
RR1000/1200 1986年
RR1000/1200
RS1200 1989年
RS1200
S2 1994年
S2 Thunderbolt
S1 1996年
S1 Lightning
S3 1996年
S3/T Thunderbolt
M2 1997年
M2 Cyclone
X1 1999年
X1 Lightning
BLAST 2000年
Blast
XB9シリーズ 2003年
XB9R Firerbolt
XB9S Lightning
XB12シリーズ 2004年
XB12R Firerbolt
XB12S Lightning
XB12X ULYSSES
1125シリーズ 2007年
1125R
1125CR
1125シリーズ 2011年
1190RS
1190シリーズ 2015年
1190SX
1190RX

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