CBR1000RR(SC59) -since 2008-

SC59

「ALL THE BEST IN SUPERSPORTS」

後継モデルと言わなければ分からない人も居るのでは・・・と思うほど中も外も大変貌を遂げた三代目CBR1000RRことSC59型。

これでも開発リーダーは先代と同じっていうんだから驚きですよね。

SC59

これが後継に見えないと言われる最大の理由はスラントノーズから脱却したからでしょう。

SSといえば戦闘機のように尖ってて、見るからに風を引き裂いて走りそうに見えるのが当たり前だった。

それなのにショートマフラーにショートテール、そして尖ってないアッパーカウル・・・当時そのルックスに批判が続いたのをよく憶えています。

SC59ダウンショートマフラー

ただこれは徹底した空力とマスの集中化、そして軽量化の末に導き出した形。理詰めの形なんです。

上がSC59で下がSC57です。

CBR1000RRディメンション

素人目で見てもSC59(写真上)がギュッと中心に凝縮されているのが分かると思います。

数字で言うと、血と汗と涙の軽量化を施した先代からエンジン単体で2.5kg、全体で5kgも軽量化となり199kg(装備重量)でクラス最軽量に返り咲きました。

2009CBR1000RR広告

しかし、いま言ったように単に軽量化して軽くなっただけではなくマスの集中化も徹底して行われているので、体感的な軽さは数値以上のモノ。

そしてもう一つ大事なのがフレンドリー&スリムになったポジションと足つき。

このおかげでミドルスポーツツアラーかなと思うほど優しく、また乗りやすいSSに。

ポジション比較

ホンダのバイクというと

「初心者から上級者まで満足させてくれる」

と雑誌のゴマすりでよく言われていますが、このSC59だけは本当にその通り。

初心者に対しては運転しやすい優さ、そして上級者をも満足させる速さ、その両方を持っている。

ちなみに2010年にABSモデル搭載モデルの発売、フライホイールの大径化、クランクシャフトの改良、レンズのクリア化などの微変更が行われています。

SC59正面

ここから先は個人的な小話と思って読んで欲しいんですが・・・RRとしてはコレが正しい姿勢かと思います。

RRの始まりであるCBR900RRも

「とにかく軽く、とにかくコンパクト」

がコンセプトだったから。

これを言うと先代SC57乗りは怒るかもしれませんが、SC57は正直このコンセプトから少し外れていた。

これについては開発経緯の話でも出てたんだけど、キッカケはSSの爆発的なブームとそれに合わせて改定されたレースのレギュレーション。

これによって

「RRでもあるんだけどレースベースのSSでもある」

という難しい立場になったわけです。

そして先代であり初代レースベースでもあったSC57はどちらかと言うとRRというよりSS寄りな異質な存在。

まあだからこそ10年以上経った今でも人を惹き付ける異彩を放ってるんだけどね。

ファイヤーブレードSC59

対してSC59はCBR1000RRはSSである前にRRという判断が下されたわけです。

ユーザーが欲するスーパースポーツではなく、ユーザーの為になるスーパースポーツ。

ファイヤーブレードSC59

「スペックに囚われない、原点回帰のRR」

SC59はそう言えるのではないかと。もともとレースとは無縁だった生い立ちゆえの苦悩ですね。

更に言うと、これは同郷で永遠のライバルであるYZF-R1もそう。

しかしCBR1000RRがレース路線を改めた一方で、YZF-R1は反対にレースの道を突き進む事に。

始まりは同じで睨み合っていたのに、いつの間にか背を向け合うようになった二台・・・っていうドラマや映画によくある展開。

主要諸元
全長/幅/高 2080/680/1130mm
シート高 820mm
車軸距離 1415mm
車体重量 201kg(装)
燃料消費率 24.5km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 17L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 999cc
最高出力 118ps/9500rpm
[178ps/12000rpm]
最高トルク 9.7kg-m/8250rpm
[11.4kg-m/10500rpm]
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後190/50ZR17(73W)
バッテリー YTZ7S
YTZ10S(ABS)
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
IMR9E-9HES
または
VUH27ES
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.7L
交換時2.8L
フィルター交換時3.0L
スプロケ 前16|後41
チェーン サイズ530|リンク116
車体価格 1,390,000円(税込)
※ABS仕様は+10kg&168,200円
※[]内は逆輸入車仕様
系譜図
cbr750rr1990年
CBR750RR
Prototype
SC281992年
CBR900RR
(SC28前期)
sc28-21994年
CBR900RR
(SC28後期)
sc331996年
CBR900RR
(SC33前期)
sc33-21998年
CBR900RR
(SC33後期)
sc442000年
CBR929RR
(SC44)
sc502002年
CBR954RR
(SC50)
sc572004年
CBR1000RR
(SC57前期)
SC57後期2006年
CBR1000RR
(SC57後期)
sc592008年
CBR1000RR
(SC59前期)
sc59後期2012年
CBR1000RR/SP
(SC59後期)
SC772017年
CBR1000RR/SP1/SP2
(SC77)
SC822020年
CBR1000RR/SP
(SC82)

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