CBR1000RR(SC57) -since 2004-

SC57

「RacingDNAのきらめく結晶」

市販車レースであるSBKが(四気筒750cc→1000ccに)改定された事を機に、フルスケールへと生まれ変わったCBR1000RRのSC57前期型。

SC57コンセプトスケッチ

このモデルからCBR600RRを手がけた福永開発リーダーを筆頭に、MotoGP車両RC211Vを手掛けたメンバーに。

そしてエンジンもフレームも何もかもRC211Vのテクノロジーを詰め込んだ完全新設計のもの。

SC57カタログ

ユニットプロリンクもそうですしHESD(電子制御ステアリングダンパー)もそうで、全部書き出すとキリがない。

カウルも水平に切ってある2ピースが斬新・・・ですが、やはりなんといってもセンターアップマフラーでしょう。

センターアップマフラー

センターアップマフラーのブームを牽引したのは間違いなくRR。本当に綺麗に纏まっている。

MotoGPでも採用し続けているだけのことはあるという事ですね。

RC211VとCBR1000RRのリアビュー

同じくRC211Vからのフィードバックであるユニットプロリンクアピール(シール)もバッチリ。

ちなみにメカニズム的な事でいうと電子制御ステアリングダンパーHESDも捨てがたいですが、コレが一番の目玉。

CBR1000RRユニットプロリンク

ユニットプロリンクっていうのは簡単に言うと、通常ならメインフレームに付けるサスペンションの片方(トップ)をスイングアームに設けている構造。

だからサスペンションもスイングアームと一緒に動く面白い挙動をします。

ユニットプロリンク

そしてもう一つ面白いのがそのメリット。

ユニットプロリンクによる大きなメリットを得るのは、実はスイングアームやサスペンションというよりもメインフレーム。

CBR1000RR

これは要するにメインフレームがサスペンションから来る荷重(負荷)を受け止める必要が無くなるので、フレームの自由度や軽量化が捗るというわけ。

CBR1000RR SC54

「やれることは全てやったレースで勝つためのマシン」

と言うだけの事はある、正にホンダロードスポーツの結晶というわけですね。

主要諸元
全長/幅/高 2025/720/1120mm
シート高 820mm
車軸距離 1410mm
車体重量 210kg(装)
[209kg(装)]
燃料消費率 23.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 18L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 998cc
最高出力 94ps/10000rpm
[172ps/12500rpm]
最高トルク 8.6kg-m/6000rpm
[11.7kg-m/8500rpm]
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後190/50ZR17(73W)
バッテリー YTZ10S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
IMR9E-9HES
または
VUH27ES
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.8L
交換時3.0L
フィルター交換時3.1L
スプロケ 前16|後40
チェーン サイズ530|リンク114
車体価格 1,207,500円(税込)
系譜図
cbr750rr1990年
CBR750RR
Prototype
SC281992年
CBR900RR
(SC28前期)
sc28-21994年
CBR900RR
(SC28後期)
sc331996年
CBR900RR
(SC33前期)
sc33-21998年
CBR900RR
(SC33後期)
sc442000年
CBR929RR
(SC44)
sc502002年
CBR954RR
(SC50)
sc572004年
CBR1000RR
(SC57前期)
SC57後期2006年
CBR1000RR
(SC57後期)
sc592008年
CBR1000RR
(SC59前期)
sc59後期2012年
CBR1000RR/SP
(SC59後期)
SC772017年
CBR1000RR/SP1/SP2
(SC77)
SC822020年
CBR1000RR/SP
(SC82)

CBR954RR(SC50) -since 2002-

SC50

「SPORTS MAXIMUM」

再び二年でフルモデルチェンジされた六代目FireBladeことCBR954RRのSC50型。

ちなみに前ページの最後に書いた流れは変わらず、このモデルも海外ではCBR900RRまたはFireBladeで通っています。

CBR954RRファイヤーブレード

ただ面白いことに型式分けがメジャーではない海外のWikipediaでも

『SC28(1992)~SC33(1994)~中略~SC50(2002)』

と、この系譜の様にキッチリ記載されています。

それだけRRが向こうの人達に与えた衝撃は大きかったという事ですね。

話をCBR954RRに戻すと、まずヘッドライトが物凄く尖りました。

CBR954RRタイガーアイ

若干ヒールさを増したタイガーアイの最終型ですね。

更にエンジンの方もボアを1mm拡大し954ccにしただけでなく、ピストンもクランク見直し軽量化。

954_NSR_rear

合わせられるフレームも改良版セミピボットレスフレームで剛性を最適化し、スイングアームもプレス形成の新開発。

もちろんホイールやオイルクーラー、フルチタンエキゾースト&サイレンサーなどRRとしては譲れない軽量化も行われFireBlade史上最軽量の170kgに。

そしてもう一つ大事なのが、このCBR954RRは生みの親でありミスターFireBladeである馬場さんが手がけた最後のRRである事。

SC50b

理由は単純に定年退職。

元々研究所の上司から

「お前にしか出来ないから定年までお前がやれ」

と命じられていたそうで、本当にその通りとなったわけですね。

実験畑の人間が開発リーダーになるだけでも異例なのに、七代に渡って開発リーダーを務めるのも異例な事。

だから馬場さんが開発リーダーを務めたのは、後にも先にもこのFireBladeだけ。

954_NSR

そんな馬場さんがこだわり続けたのは(今さらですが)軽量化。

先代のCBR929RRの開発において、車体担当だった永椎さんがプロトタイプを組み上げたら想定よりも500g重かったそう。

500gくらい別にいいだろう・・・と軽い気持ちでその事を報告したら

「その500gがライダーには大事なんだ馬鹿者」

と説教されたと言うほど軽量化に並々ならぬ信念を持っていた。

しかしそれほど軽量化へのこだわりを持っていた馬場さんが、重くなるにも関わらず初代から954まで採用し続けたのがコレ。

ヒンジ付きリアシート

ヒンジ付きのリアシートです。

デカール一枚に至るまで軽くするために創意工夫を凝らしていた事を考えると、普通なら真っ先に削られそうな機能。しかしCBR900RRから954RRまで一貫して採用し続けました。

それはこれこそ馬場さん考えるRRのアイデンティティだったから。

馬場技師

「RRは”公道で”いい汗をかくためのバイク」

主役はRRではなくライダーであるという事です。

ライダーに公道で楽しく使ってもらい、楽しくコントロールしてほしい。

初代から重ねられたモデルチェンジも全て

「良い汗をかいたな」

と乗り終わった時に言ってもらうための改良に徹したものでした。

主要諸元
全長/幅/高 2025/680/1135mm
シート高 820mm
車軸距離 1405mm
車体重量 193kg(装)
燃料消費率 23.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 18L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 954cc
最高出力 91ps/10500rpm
[151ps/11250rpm]
最高トルク 8.9kg-m/5500rpm
[10.7kg-m/9500rpm]
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後190/50ZR17(73W)
バッテリー YTZ10S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
IMR8C 9H/IMR9C 9H
または
VUH24D/VUH27D
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量4.0L
交換時3.5L
フィルター交換時3.7L
スプロケ 前16|後41
チェーン サイズ530|リンク108
車体価格 1,050,000円(税込)
系譜図
cbr750rr1990年
CBR750RR
Prototype
SC281992年
CBR900RR
(SC28前期)
sc28-21994年
CBR900RR
(SC28後期)
sc331996年
CBR900RR
(SC33前期)
sc33-21998年
CBR900RR
(SC33後期)
sc442000年
CBR929RR
(SC44)
sc502002年
CBR954RR
(SC50)
sc572004年
CBR1000RR
(SC57前期)
SC57後期2006年
CBR1000RR
(SC57後期)
sc592008年
CBR1000RR
(SC59前期)
sc59後期2012年
CBR1000RR/SP
(SC59後期)
SC772017年
CBR1000RR/SP1/SP2
(SC77)
SC822020年
CBR1000RR/SP
(SC82)

CBR929RR(SC44) -since 2000-

SC44

「LIGHT, FANTASTIC」

一年前倒しで発売となった第二世代となった五代目FireBladeのCBR929RRことSC44型。

これは前年にモロ被りで永遠のライバルとなるYZF-R1が登場したから。

エンジンをビックボア/ショートストローク化し、929ccとしたことで馬力も一気に上がって152馬力に。

更にFIの採用、そして先代で話したフロントホイールの17インチ化。

他にも倒立フロントフォーク、液晶メーター、チタンエキゾーストなどなど・・・三眼タイガーアイも相まって一気に現代的なモデルへと変貌しました。

CBR929RRフェイス

その中でも大きな変更点がメインフレームをセミピボットレスフレームにしたこと。

ピボットレスというのはその名の通りスイングアームを取り付けるピボットが無いフレームの事。

CBR929RRピボットレス

「じゃあスイングアームは何処につけるんだ」

って話ですが、スイングアームはエンジンに直接付けます。

ただしCBR929RRは一風変わっていて、エンジンに付けた上にブラケットでピボット部を補強(剛性確保)をしている。

CBR929

だからあんまりピボットレスに見えないし、ホンダ自身もセミピボットレスフレームと言っています。

ピボットレスにすることによるメリットは主に

「フレームの下半分が不要になる事による大幅な軽量化」

正にRRの為に生まれたような技術ですね。

これによりCBR929RRは更に軽くなって乾燥重量で僅か170kgに。

CBR929RR

少し話を脱線させると『FireBlade』という有名なネームは本来は欧州向けのみに与えられた名前です。

どうしてそんな名前を付けたのかというと

「900という(リッター未満である)数字を全面に出したくない」

という理由から。

だからカタログでもFireBladeという名前を大きく打ち出していた。

SC28カタログ

ところが年を追うごとに”FireBlade”よりも”CBR900RR”の方が大きくなり、排気量が大きく上がったこのCBR929RRも

『CBR900RR FireBlade』

として発売しました。

CBR929RR

これが何故かと言うと

『CBR900RR』

という名前がホンダのスーパースポーツの証として広く知れ渡ったから。

”隠したかった名前が予想を反する人気でブランド化してしまった”

というわけです。

主要諸元
全長/幅/高 2040/685/1135mm
シート高 820mm
車軸距離 1405mm
車体重量 198kg(装)
燃料消費率
燃料容量 18L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 929cc
最高出力 148ps/11000rpm
最高トルク 10.3kg-m/9000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後190/50ZR17(73W)
バッテリー YTZ10S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
IMR9C-9H
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量4.0L
交換時3.5L
フィルター交換時3.7L
スプロケ 前16|後41
チェーン サイズ530|リンク108
車体価格 不明
※国内正規販売なし
系譜図
cbr750rr1990年
CBR750RR
Prototype
SC281992年
CBR900RR
(SC28前期)
sc28-21994年
CBR900RR
(SC28後期)
sc331996年
CBR900RR
(SC33前期)
sc33-21998年
CBR900RR
(SC33後期)
sc442000年
CBR929RR
(SC44)
sc502002年
CBR954RR
(SC50)
sc572004年
CBR1000RR
(SC57前期)
SC57後期2006年
CBR1000RR
(SC57後期)
sc592008年
CBR1000RR
(SC59前期)
sc59後期2012年
CBR1000RR/SP
(SC59後期)
SC772017年
CBR1000RR/SP1/SP2
(SC77)
SC822020年
CBR1000RR/SP
(SC82)

CBR900RR(SC33後期) -since 1998-

SC33後期

「EVEN MORE FIREPOWER」

大きく並んでいるRRの文字とスラントノーズ化したタイガーアイが印象的な四代目RRことSC33後期モデル。

FireBladeとしては最後のキャブ仕様であり、最後のそばかすアッパーであり、最後の正立モデルであり、最後のフロント16インチ。

1998CBR900RR

エンジンにはRVF/RC45と同じアルミスリーブシリンダーを採用した他、フレームもキャブやブレーキも何もかも、約80%ものパーツを見直して改良。

そのおかげで先代(前期)の懐の広さは残しつつ、エキスパートも満足できる走りに。

1999CBR900RRリア

ここまでが第一世代RRいわゆるCBR900RR世代となるわけですが、追ってこられた方は分かる通り900RRと偏に言っても四代ものモデルがあるわけです。

そんな900RR世代を象徴するものといえばやっぱり”16インチのフロントホイール”でしょう。

16インチ

というのもCBR900RRが誕生した頃には今と同じように17インチが主流でした。フロント16インチが多かったのは80年代前半頃まで。

にも関わらずCBR900RRは16インチをチョイスし、採用し続けたわけです。

1998ファイヤーブレード

何故16インチにしたのか簡単に説明すると、フロントホイールを小径にすると操舵がとっても軽くなるんです・・・が、この”軽さ”が良くもあり悪くもあった。

「ハンドリングが軽く機敏」

と捉える人もいれば

「空を切っているようで怖い」

と捉える人もいた。

SC33カタログ写真

結局コレは捉え方次第というか、スキル次第というか、個人差が大きい。

ただ

「CBR900RRはトリッキー」

という声があったのもこれが主な理由。

これについては開発リーダーの馬場さんもモデルチェンジの度に17インチにするか相当悩んでいたそうですが

「ファンtoライド、操る喜びを味わえるのは16インチ」

という事で16インチを”敢えて”採用し、続けたというわけ。

ちなみにこのモデルにはアッパーカウルの裏に、そんな馬場さんのメッセージとサインが掘られています。

馬場忠雄サイン

”FOR THE PEOPLE WHO WANT TO KNOW THE MEANING OF LIGHT WEIGHT.”

「ライトウェイトの意味を知りたい人達のために」

主要諸元
全長/幅/高 2030/685/1115mm
シート高 800mm
車軸距離 1405mm
車体重量 200kg(装)
燃料消費率 23.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 18L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 918cc
最高出力 128ps/10500rpm
最高トルク 9.3kg-m/8500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前130/70ZR16(61W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー FTX9-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR9EH-9
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量4.4L
交換時3.5L
フィルター交換時3.6L
スプロケ 前16|後42
チェーン サイズ525|リンク108
車体価格 不明
※国内正規販売なし
系譜図
cbr750rr1990年
CBR750RR
Prototype
SC281992年
CBR900RR
(SC28前期)
sc28-21994年
CBR900RR
(SC28後期)
sc331996年
CBR900RR
(SC33前期)
sc33-21998年
CBR900RR
(SC33後期)
sc442000年
CBR929RR
(SC44)
sc502002年
CBR954RR
(SC50)
sc572004年
CBR1000RR
(SC57前期)
SC57後期2006年
CBR1000RR
(SC57後期)
sc592008年
CBR1000RR
(SC59前期)
sc59後期2012年
CBR1000RR/SP
(SC59後期)
SC772017年
CBR1000RR/SP1/SP2
(SC77)
SC822020年
CBR1000RR/SP
(SC82)

CBR900RR(SC33前期) -since 1996-

SC33

「THE CUTTING EDGE」

縦にRRと刻まれているのが特徴の三代目900RRのSC33型。

エンジンのボアを1mm拡大した事で排気量が893ccから918ccとなり4馬力アップしました。

他にも

・エキパイのステンレス化

・ジェネレーターの小型化

・前後サスペンションの見直し

・ローギアード化

などなどの見直し&軽量化で、既に軽いのに更に2kg軽量化で乾燥重量183kgという徹底してブレないモデルチェンジ。

96CBR900RR

そんな中でも特筆すべきは剛性を見直し作り直されたフレーム。

これの狙いは簡単に言うと懐を広くするため。

もともとCBR900RRは多くの人に受け入れてもらう為のバイクというより

SC33リア

「素晴らしいハンドリングを味わいたいorホンダはつまらない」

といった、どちらかと言うとエキスパート向けに造られた過敏なバイクでした。

しかし評判の良さから顧客層が拡大。そうすると今度は

「CBR900RRはトリッキー過ぎる」

という声が聞こえるようになってきた。

SC33フロント

このSC33型はそういった人達の声に応えたモデルチェンジ。

そのためフレームだけでなくアクセルレスポンス等も見直され全体的に角が落とされたマイルドFireBlade。

主要諸元
全長/幅/高 2040/685/1135mm
シート高 800mm
車軸距離 1405mm
車体重量 183kg(乾)
燃料消費率
燃料容量 18L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 918cc
最高出力 128ps/10500rpm
最高トルク 9.3kg-m/8500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前130/70ZR16(61W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー FTX9-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR9EH-9
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量4.4L
交換時3.5L
フィルター交換時3.6L
スプロケ 前16|後42
チェーン サイズ525|リンク108
車体価格 不明
※国内正規販売なし
系譜図
cbr750rr1990年
CBR750RR
Prototype
SC281992年
CBR900RR
(SC28前期)
sc28-21994年
CBR900RR
(SC28後期)
sc331996年
CBR900RR
(SC33前期)
sc33-21998年
CBR900RR
(SC33後期)
sc442000年
CBR929RR
(SC44)
sc502002年
CBR954RR
(SC50)
sc572004年
CBR1000RR
(SC57前期)
SC57後期2006年
CBR1000RR
(SC57後期)
sc592008年
CBR1000RR
(SC59前期)
sc59後期2012年
CBR1000RR/SP
(SC59後期)
SC772017年
CBR1000RR/SP1/SP2
(SC77)
SC822020年
CBR1000RR/SP
(SC82)

CBR900RR(SC28後期) -since 1994-

SC28後期

「IT’S HOT」

わずか二年でモデルチェンジとなったSC28の後期型。

丸目二眼だったヘッドライトが一枚ものカバーに収めたタイガーアイになったのが最大の特徴です。

タイガーアイ

更に追加されたカラーリングもアーバンタイガーという熱いタイガー推し。

欧州向けCBR1000RR(SC59後期)で復刻されたのを見ても好評だったんでしょうね。

営業や市場の要求をほぼ蹴って造ったにも関わらず本人も驚くほどのヒットを飛ばしたCBR900RRだったんですが、皮肉な事に人気車種となった事で

「二人乗りをもっと快適に、長距離をもっと楽に」

と、要求は更に酷くなってしまったそう。

1994CBR900RR

で、実際どういう変更をしたのかというと、フロントフォークに圧縮側アジャスタの追加。

そしてカウルステーのアルミ化や、マグネシウムヘッドカバーなどなど。

タイガーアイにした理由もそうですが

SC28カタログ

「フロント周りを軽くしてハンドリングを更に向上させる」

というRRコンセプトに愚直なまでに真っ直ぐなモデルチェンジでした。

主要諸元
全長/幅/高 2040/685/1135mm
シート高 800mm
車軸距離 1405mm
車体重量 185kg(乾)
燃料消費率
燃料容量 18L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 893cc
最高出力 124ps/10500rpm
最高トルク 9.0kg-m/8500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前130/70ZR16(61W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー FTX9-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR9EH-9
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
スプロケ 前16|後42
チェーン サイズ525|リンク108
車体価格 不明
※国内正規販売なし
系譜図
cbr750rr1990年
CBR750RR
Prototype
SC281992年
CBR900RR
(SC28前期)
sc28-21994年
CBR900RR
(SC28後期)
sc331996年
CBR900RR
(SC33前期)
sc33-21998年
CBR900RR
(SC33後期)
sc442000年
CBR929RR
(SC44)
sc502002年
CBR954RR
(SC50)
sc572004年
CBR1000RR
(SC57前期)
SC57後期2006年
CBR1000RR
(SC57後期)
sc592008年
CBR1000RR
(SC59前期)
sc59後期2012年
CBR1000RR/SP
(SC59後期)
SC772017年
CBR1000RR/SP1/SP2
(SC77)
SC822020年
CBR1000RR/SP
(SC82)

CBR900RR(SC28前期) -since 1992-

初代CBR900RR

「TOTAL CONTROL」

今もホンダのスーパースポーツとしてあり続けるCBR1000RRの始祖となるCBR900RRのSC28型。

先に言ったように

「誰でも本当に楽しめる大型スポーツを造れないだろうか」

という所から始まったプロジェクトでナナハンという規格を捨てる事から再スタート。

そして誰でも楽しめるマシンコントロールに仕上げるには何よりも軽さだという事で

「185kgを切る1クラス下の乾燥重量」

という具体的な目標を立てて開発。

1992CBR900RR

そして完成したのは600かと思うほどコンパクトな車体に、寸足らずな893ccで馬力も140馬力超えが当たり前だった時代に124馬力しかないバイクでした。

この排気量と馬力になったのは

・コントロールして楽しめる馬力

・軽量ボディで耐えられる上限

がここだったから。

このCBR900RRの開発は営業との格闘が多くあったバイクです。

というのも、この頃は日本のみならず世界中で

「デカくてナンボ、ハイパワーでナンボ」

という声が溢れていたから。

だから営業も

「1200ccで150馬力」

という要求を行なっていた。

それなのに

”900ccで124馬力の小さなバイクを造る”

なんて言われたら反対するのも当然な話。

SC28

「せめてリッターにしてくれ」

と言われるも、上記で書いた通りこれ以上のスケールアップは重量増に繋がるとして拒否。

SC28フレーム

他にも例えばフロントフォーク。

CBR900RRのフロントフォークはカウルを剥かないと倒立に見える正立フォークを採用しています。

これは2ピース構造だからそう見えるわけですが、当時はちょうど倒立サスが流行っていた時期でもあった。

2ピースフロントフォーク

だから

「倒立の様に見せかけたナンチャッテ倒立サス」

と揶揄されたりしたけど、本当はそうでなく一番軽く良好なハンドリングに出来るのが正立2ピースだったから採用しているんです。

なんでもモトクロッサーCRの倒立フォークをわざわざ逆さまに加工して付けた事からヒントを得たんだとか。

もちろんこれも営業から倒立にしてくれと懇願されたものの

「倒立は重くて操舵慣性が増えるから駄目」

と理屈で拒否。

何故こんな勝手が通ったのかというと、この企画は研究所から提案されたものである事、そしてプロジェクトリーダーが市販車評価をする偉い人だったから。

馬場忠雄さん

馬場忠雄(ばば ただお)さんです。馬場Bladeなど名前を聞いたことがある人も多いと思います。

少し馬場さんの話をすると、馬場さんは工業高校を出てホンダに入社し生産部門へ配属されるわけですが

「研究所(開発部門)で仕事がしたい」

と猛勉強&猛アピールした事で研究所勤務への道を獲得した人。ブラバの山中さんと同じ流れですね。

ただ『馬場技師』という敬称が広まっている事からエンジニアとして認知されていますが、実は馬場さんは開発部門のエンジニアというよりも実験部門のいわゆる”テストライダー”の方で大いに活躍された方。

あまり知られていませんが

『全日本125ccクラスチャンピオン』

『鈴鹿10間耐久レース125cc部門チャンピオン』

といったタイトルを獲得しているほどのレース大好き凄腕ライダーなんですよ。

だから上で言った”市販車評価”というのも、要するにハンドリングや乗り味など”味見”の事。

CBR900RRと馬場さん

80年頃からその最終評価を任されるようになったわけですが、これは

「ホンダのバイクはよく出来ているけど面白くない」

という市場からの声が大きくなっていたから。

この事からテストライダー&レーサーであり開発者でもあった馬場さんが適任だと抜擢され、そのイメージを払拭する事に尽力していたわけです。

そして長いこと市販車の最終評価をしていた中で芽生えたのが

「安定志向なビッグバイクではなく、運転が楽しいビッグスポーツを造りたい」

という考え。

1992年CBR900RR

これがFireBladeプロジェクトの始まり。

最終的には営業にも実際に乗ってもらう事で自分たちのコンセプトを理解してもらったそう。

そんな市場が求めるスペックを完全に無視する形で登場したCBR900RRでしたが

「NSRの900cc版だ」

とハンドリングが大絶賛され、販売台数2万台を超える大ヒットとなりました。

馬場さんの考えを世界が認めた瞬間であるわけですが、馬場さんも正直ここまで売れるとは思っていなかったそう。

最後に纏めると

このCBR900RRというハンドリングが素晴らしいバイクが生まれたのは、営業側ではなく開発側の提案により生まれたプロジェクトだったから。

SC28

そして馬場さんという実験畑のテストライダー出身者が開発リーダーを務めるという前代未聞プロジェクトだったから・・・というわけです。

主要諸元
全長/幅/高 2030/685/1115mm
シート高 800mm
車軸距離 1405mm
車体重量 185kg(乾)
燃料消費率
燃料容量 18L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 893cc
最高出力 124ps/10500rpm
最高トルク 9.0kg-m/8500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前130/70ZR16(61W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー FTX9-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR9EH-9
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
スプロケ 前16|後42
チェーン サイズ530|リンク108
車体価格 不明
※国内正規販売なし
系譜図
cbr750rr1990年
CBR750RR
Prototype
SC281992年
CBR900RR
(SC28前期)
sc28-21994年
CBR900RR
(SC28後期)
sc331996年
CBR900RR
(SC33前期)
sc33-21998年
CBR900RR
(SC33後期)
sc442000年
CBR929RR
(SC44)
sc502002年
CBR954RR
(SC50)
sc572004年
CBR1000RR
(SC57前期)
SC57後期2006年
CBR1000RR
(SC57後期)
sc592008年
CBR1000RR
(SC59前期)
sc59後期2012年
CBR1000RR/SP
(SC59後期)
SC772017年
CBR1000RR/SP1/SP2
(SC77)
SC822020年
CBR1000RR/SP
(SC82)

CBR750RR Prototype -since 1990-

cbr750rr

「打倒RVF」

CBR1000RRの系譜を辿ると行き着くのがこのCBR750RR。

多分知ってる人はそんなに居ないと思います。何故ならこれは市販されることは無かったから。

当時ホンダのフラッグシップスーパースポーツといえば誰もが認めるVFR750R(RC30)がありました。

RC30

他とは比べ物にならない速さを持った初代SBK(市販車世界レース)王者のバイクです。

しかし車体価格が高価な事と、レース前提な造りである事から一般人とは無縁のバイクだった。

そこで

「もっと誰でも本当に楽しめるスポーツバイクを造れないだろうか」

となって考案されたのがCBR750RR・・・だったんですが、VFRと排気量&カテゴリがバッティングする事、そして

「レースユースじゃないからナナハンに拘る必要はないよね」

という事で企画は再度練り直される事に。

ナナハンRRというありそうでなかったけど・・・本当はあったバイク。

主要諸元

※プロトタイプのため不明

系譜図
cbr750rr1990年
CBR750RR
Prototype
SC281992年
CBR900RR
(SC28前期)
sc28-21994年
CBR900RR
(SC28後期)
sc331996年
CBR900RR
(SC33前期)
sc33-21998年
CBR900RR
(SC33後期)
sc442000年
CBR929RR
(SC44)
sc502002年
CBR954RR
(SC50)
sc572004年
CBR1000RR
(SC57前期)
SC57後期2006年
CBR1000RR
(SC57後期)
sc592008年
CBR1000RR
(SC59前期)
sc59後期2012年
CBR1000RR/SP
(SC59後期)
SC772017年
CBR1000RR/SP1/SP2
(SC77)
SC822020年
CBR1000RR/SP
(SC82)