CBR1100XX(SC35中期)-since 1999-

SC35中期

「the perfect blend」

発売から三年が経った頃マイナーチェンジを行ったSC35の中期モデル。

・ラムエアの吸気口のメッシュ形状の変更

・HISS(イモビライザー)の採用

・タンク容量+2L

・ラジエーターレイアウト変更

・マフラー変更

・テールライトの変更

などなど結構色々変わっています。

SC35メーター

ただ一番大きいのはやはりFIの採用とセッティングの見直しで、中低速でのトルクに厚みを持たせつつアクセルレスポンスをより柔らかくした事でしょうね。

2000CBR1100XX

少し中身の話をするとCBR1100XXはCBR900RRを模範にしたと言われています。

ツインスパーフレームや前傾が強くなったエンジンなどカウルを剥くとRRに非常に近いことがわかります。

CBR1100XXとCBR900RR

フューチャー10を実現させる為に軽量化やハンドリングにも拘って設計していく上で、900RRにて培われた技術を貪欲に取り入れた結果だそうです。

「じゃあ900RRの1100版なのか」

というとそれはまた別になる。

分かりやすいのが先にも挙げたエンジンのバランサー。

バランサーというのはエンジンが生む振動を消すためにあるんですが、直四の場合はこれが一本だと完全には消せず完全に消すには二本のバランサーが必要になります。

CBR1100XXエンジン

だからCBR1100XXはホンダとしては初となる二軸(二本)バランサーを装着しました・・・が凄いのは単に二軸バランサーを入れている事ではない。

凄いのは

「二軸バランサーを入れつつも”敢えて”バランスを少し崩した」

という事です。

何故そのような事をしたのかというと、理由は2つあります。

スーパーブラックバードエンジン透視図

エンジンにバランサーを入れるということはエンジン内部の部品や構造が複雑になる。複雑になるということは信頼性や耐久性に問題が出てくる。実際に試作機では満足がいく耐久性を出せなかった。

しかし信頼性や耐久性を犠牲にするのは最高性能ではないとして、それまで進めていたエンジンを全て破棄。一から強度・限界値を最も高く出来るレイアウトのエンジンを再設計。

その際にバランサーを少しズラす事になったんです。つまり耐久性を持たせるために敢えてズラしている。

CBR1100XXスーパーブラックバード

そしてもう一つがフューチャー10にも上げられてる

『上質な振動』

です。

これどういう事かというと、バランサーで振動を完全に消したエンジンを試作した所あまりにもジェントルすぎたから。かといってバランサーを入れないとガサツさという雑味が生まれる。

そこで耐久性を取るために生じたズレを活用し不快に感じない心地よく高揚できる程度の縦の振動だけを残すようにした。

1999CBR1100XX

「今までにない最高性能」

というのは数値だけでなくこういった部分にまで至っているということです。

【余談】

スペックのみならず耐久性や限界値まで徹底して作られたエンジンだった為か、これをベースにホンダがターボ化したエンジンを作っていたのをご存知でしょうか。

F-12

「AquaTrax F-12 -Since2002-」

いわゆる水上オートバイといわれるやつで、ストロークを5mm伸ばし1235ccとしたエンジンにIHIのターボチャージャーを積んだモデル。

この頃の水上オートバイはまだまだ2stが主流だったようですが、水上でも打倒2stなんですね。

主要諸元
全長/幅/高 2160/720/1170mm
シート高 810mm
車軸距離 1485mm
車体重量 255kg(装)
燃料消費率
燃料容量 24L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 1137cc
最高出力 164ps/9500rpm
最高トルク 13.0kg-m/7500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー FTX12-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR8EHVX-9
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量4.6L
交換時3.8L
フィルター交換時3.9L
スプロケ 前17|後44
チェーン サイズ530|リンク110
車体価格
※国内正規販売なしのため
系譜図
SC211987年
CBR1000F
(SC21)
sc241989年
CBR1000F
(SC24)
sc311993年
CBR1000F
(SC31)
sc351996年
CBR1100XX
(SC35前期)
sc35-21999年
CBR1100XX
(SC35中期)
X111999年
X11
(SC42)
sc35-32001年
CBR1100XX
(SC35後期)

CBR1100XX(SC35)-since 1996-

SC35

「The World’s Greatest Super Sport」

CBR1000Fの後継モデルとして登場する・・・筈だったCBR1100XX SUPER BLACKBIRDのSC35前期。

というのは当初はCBR1000Fベースで進む予定だったから。しかしそれではツアラーの延長線上で、真のリッタースポーツは作れないとしてそれまでの計画を白紙にし一から造ることに。

開発目標「フューチャー10」~

(1) 見てわかる性能の高さ=高性能が瞬時に感じられるデザイン

(2) 誇りを持てる造り=使うほど磨き込むほどに愛着が持てるような丁寧な造り込み

(3) 感動を生む加速=“鋭い”を上回る、感動を与える加速

(4) 俊敏なハンドリング=ミドルクラスのバイクに匹敵するコントロールしやすいハンドリング

(5) 安心して楽しめる高速性能=周囲の景色を楽しみながら高速走行が可能な安定感

(6) 信頼の制動性能=高速マシンにふさわしい制動力があり、コントロールしやすいこと

(7) 上質な振動性能=いかなる回転域でも上質な振動フィーリング

(8) ふたり乗りが楽しめる居住性=パッセンジャーをつらいふたり乗りの我慢から解放

(9) 安心の夜間走行=夜間走行においても最高性能を十分に楽しめる明るいヘッドライト

(10) 世界最速=バイク史上最速。

CBR1100XXのXXというアルファベットはホンダにとって究極を表すXモデル(CBXなど)の更に究極だからXX、究極の究極という意味です。

ちなみにスーパーブラックバードというのは米軍の超音速偵察機SR71通称ブラックバードが由来。

CBR1100XX表紙

もちろん本物ではないのでカタチが若干違うそうですが、何故これから名前を取ったのかというと航空機好きの設計メンバーが

「これはまるでブラックバードだ・・・」

と言い出した事がきっかけ。

CBR1100XXのフューチャー10の一つである

「見てわかる性能の高さ」

という狙いに合致するとして採用されました。

1998CBR1000F

ちなみにその航空機好きの設計メンバーというのはホンダの鈴木さんでお馴染み鈴木哲夫さん。

「もう高回転高出力の時代じゃない・・・」

と仰って軽く炎上された方です。

この方CBR1100XXの開発に関わっていたんですよ。2stの倍回る非常識な超高回転エンジンのVT250Fの開発責任者でもありました。そんな人が言ったと知ると少し考えされますね。というかその通りな時代になったわけですが。

では肝心のCBR1100XXの開発責任者は山中勲さんです。

ホンダでバイクの開発がしたくてホンダに入るもカブのスイッチを取り付けるライン工からスタートし、CB750FやVF750~VFR750F、GL1500などの開発責任者や車体責任者を歴任された方。ホンダの方で手記も書かれています。

山中勲さん

>>熱き心で夢を創らん(http://www.honda.co.jp/motor-roots/) ※現在リンク切れ

だいぶ話がそれました。

ZZR1100を皮切りに始まったリッタースポーツ競争が加熱し、時速300km/hを超えるのも時間の問題だと彼方此方で言われていた時代。

そんな中でずっと沈黙していたホンダが出したリッターオーバースーパースポーツという事で、否が応でも最高速ばかりが注目されてしまったのですが、フューチャー10に書かれている通りCBR1100XXは最高速だけを目指したバイクではない。

CBR1100XX透視図

「全ての面で速くて、楽しくて、かっこいい」

を目指して作られた文字通りスーパーなバイクなんです。

主要諸元
全長/幅/高 2160/720/1170mm
シート高 810mm
車軸距離 1485mm
車体重量 255kg(装)
燃料消費率
燃料容量 24L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 1137cc
最高出力 165ps/9500rpm
最高トルク 12.1kg-m/7500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー FTX12-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR8EHVX-9
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量4.6L
交換時3.8L
フィルター交換時3.9L
スプロケ 前17|後44
チェーン サイズ530|リンク110
車体価格
※国内正規販売なしのため
系譜図
SC211987年
CBR1000F
(SC21)
sc241989年
CBR1000F
(SC24)
sc311993年
CBR1000F
(SC31)
sc351996年
CBR1100XX
(SC35前期)
sc35-21999年
CBR1100XX
(SC35中期)
X111999年
X11
(SC42)
sc35-32001年
CBR1100XX
(SC35後期)

CBR1000F(SC31)-since 1993-

1993CBR1000F

「ヒューマンフィッティング」

三代目CBR1000FのSC31。

1990年に750cc上限が解除された事もありこのモデルから国内仕様も用意されるようになりました。

大きな変更点はコンビブレーキD-CBS(Dual Combined Brake System)の採用です。

コンビブレーキの仕組み

前後どちらかのブレーキを掛けると、掛けていない方のブレーキ(前を効かせると後にも、後を効かせると前にも)ブレーキを効かせる機能。

コンビブレーキの説明

仕組みとしてはリアブレーキはブレーキラインが途中から二つに別れ、一方がフロント(フロントキャリパーの真ん中のピストン)に繋がっている。だからリアブレーキを踏むとフロントブレーキも少し掛かるというわけ。

そしてフロントはちょっとややこしくて、フロントブレーキレバーを握るとまずフロントブレーキが掛かります。そしてブレーキが効いてくると左側のキャリパーの上にリンクを介して付いているメカニカルサーボ機能(もう一つのマスターシリンダーの様な物)を押す。

コンビブレーキサーボ

するとそれが再び液圧を発生させてリアブレーキキャリパーを押すというわけ。

この機能は後のブラバやVFR、更にはスクーターのリードに至るまで色んなバイクに採用されていくようになるわけですが、勝手に前後のブレーキが掛けられる事から余計なお世話だと思う人も多かったですね。

ホンダが何をしたかったのかというと、最大の狙いは理想的な前・後制動力配分をする事で制動力を上げること。そして余り知られていませんが転倒防止の狙いもあります。

というのもコンビブレーキは限界を越えたブレーキやパニックブレーキを起こした際にリアからロックするように調整されています。

SC31リアビュー

つまりフロントのロックによる転倒を防ぐため。そう考えると一概に余計な機能とは言えなくもないかと。

さて、この頃はZZR1100という147馬力の怪物が登場し巷を賑わせていました。

そんな中で国内規制に合わせた93馬力・・・逆車でも135馬力なCBR1000Fでは人気が出ないのも無理ない話。国内仕様が出る前も並列輸入されていたから特段新鮮味があったわけでもなかったですから。

sc31カタログ写真

ただまあ良い方に捉えると、最初から最後までスポーツツアラーとしてモデルチェンジしようともブレること無く貫いたバイクでもあります。

CBR-Fシリーズには600もあったわけですが、アッチは年を追う毎にレース需要が出てきたことから初期コンセプトからどんどん離れてスポーツ寄りに変わっていきました。その結果がF4iでありそれが成功したわけですが開発者は初期コンセプトから離れていく事に戸惑っていたそうです。

一方でこの1000はレースとは全く関係ない世界(当時はナナハン)に居たから最後までFコンセプトのスポーツツアラーに徹したまま。

CBR1000Fカタログ写真

そのおかげか後継のCBR1100XXが発売された後も特性の違う別のバイクで被らないという事から日欧では数年併売されていました。

主要諸元
全長/幅/高 2235/740/1215mm
シート高 780mm
車軸距離 1490mm
車体重量 271kg(装)
燃料消費率 22.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 22L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 998cc
最高出力 93ps/9000rpm
[135ps/9500rpm]
最高トルク 8.7kg-m/6000prm
[1.5kg-m/8000rpm]
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70R17(58V)
後170/60R17(72V)
バッテリー FB14L-B2
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
DPR8EA-9
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量4.5L
交換時3.6L
フィルター交換時3.8L
スプロケ 前17|後41
チェーン サイズ530|リンク数120
車体価格 950,000円
※[]内はEU仕様
系譜図
SC211987年
CBR1000F
(SC21)
sc241989年
CBR1000F
(SC24)
sc311993年
CBR1000F
(SC31)
sc351996年
CBR1100XX
(SC35前期)
sc35-21999年
CBR1100XX
(SC35中期)
X111999年
X11
(SC42)
sc35-32001年
CBR1100XX
(SC35後期)

CBR1000F(SC24)-since 1989-

1989CBR1000F

若干のスラントノーズ化とシート形状の変更、ラジアルタイヤの標準装着とサスペンションの見直し、5馬力アップと見た目も中身もスポーティさが増した二型のSC24。

とはいうもののCBR1000Fはあくまでもツアラーに大きく舵を取っているスポーツツアラー。

sc24サイド

ちなみにライトの上に付いているダクトはキャブに外気を送るためのダイレクトエアインダクションシステムでラムエアではありません。

そしてこのモデルからホンダがフルカバードカウルと同様に推していた「Hurricane」というペットネームが国内外問わず付かなくなりました。

sc24カタログ写真

本当に短命なペットネームでしたね。

主要諸元
全長/幅/高 2235/740/1200mm
シート高 780mm
車軸距離 1490mm
車体重量 264kg(装)
燃料消費率
燃料容量 24L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 998cc
最高出力 132ps/8600rpm
最高トルク 8.36kg-m/6500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17
後170/60ZR17
バッテリー
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量4.5L
交換時3.6L
フィルター交換時3.8L
スプロケ
チェーン
車体価格
※国内正規販売なしのため
系譜図
SC211987年
CBR1000F
(SC21)
sc241989年
CBR1000F
(SC24)
sc311993年
CBR1000F
(SC31)
sc351996年
CBR1100XX
(SC35前期)
sc35-21999年
CBR1100XX
(SC35中期)
X111999年
X11
(SC42)
sc35-32001年
CBR1100XX
(SC35後期)

CBR1000F(SC21)-since 1987-

1987CBR1000F

ホンダ初の水冷リッター直四になるCBR1000F。

ホンダのフラッグシップモデルとして登場した「Fコンセプト」の始まりでもあります。

ただこの頃はまだ国内750cc規制があったので、国内の方は750cc版であるCBR750Fが用意され、この1000は欧米メイン。国内での正規販売はされませんでした。

SC21

ホンダが推していたフレームまでをも隠すフルカバードカウルが時代を感じさせますね。

ちなみにFコンセプトとは、ツーリングからサーキット走行までこなせるオールラウンドスポーツとして1987年に発足したコンセプトの事です。

1987CBR1000F

余談ですが、後にこのCBR1000Fの為に開発された新設計の水冷エンジンを見たデザイナーが

「せっかくの造形なのにカウルで隠すなんて勿体ないなあ」

とエンジンを魅せるタイプのバイクを自己満足で描いた事がキッカケで生まれたのが

CB1000SF参考出展

今も有名なCB1000SFだったりします。

主要諸元
全長/幅/高 2245/725/1185mm
シート高 780mm
車軸距離 1490mm
車体重量 248kg(装)
燃料消費率
燃料容量 24L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 998cc
最高出力 132ps/9500rpm
最高トルク 10.5kg-m/8000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ
バッテリー
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
スプロケ
チェーン
車体価格
※国内正規販売なしのため
系譜図
SC211987年
CBR1000F
(SC21)
sc241989年
CBR1000F
(SC24)
sc311993年
CBR1000F
(SC31)
sc351996年
CBR1100XX
(SC35前期)
sc35-21999年
CBR1100XX
(SC35中期)
X111999年
X11
(SC42)
sc35-32001年
CBR1100XX
(SC35後期)

CBR1000RR-R/SP(SC82)-since 2020-

SC82

「“Total Control” for the Track」

大きく生まれ変わり名前もRがもう一つ付いてCBR1000RR-RとなったSC82型。

・RC213V-Sと同じ81mmボア
・新設計のフィンガーフォロワー
・チタンコンロッド
・セミカムギアトレイン
・218馬力
・フレーム新設計
・5軸IMUから6軸IMUへ
・キーレス
・タービュレーター(ウィングレット)
・アクラポビッチマフラー
・bremboリアキャリパー
・ユニットプロリンクの廃止
・電子ステアリングダンパー
・SHOWA製ビッグピストンフォーク&バランスフリーリアサス

【以下はCBR1000RR-R SP】
・上下対応クイックシフター※素モデルはOP
・リチウムイオンバッテリー
・バランス取りピストン&コンロッド
・OHLINS製第2世代電子制御式前後サス
・bremboフロントキャリパー

などなど。

ノーマルが242万円でSPが278.3万円なんですが、初年度の内約は8割がSPで年間計画台数800台も早々に越えたとの事。※二輪車新聞より

そんな何もかも変わって大人気なCBR1000RR-Rですが、まずエンジンについて話すと一言で言うならばビッグボア化と慣性重量の削減によるパワーアップ。

ピストン

MotoGPでも上限に定められているRC213Vと同径の81mmボアになったピストンと合わせて拡大されたバルブ。

そしてもはや説明不要のチタンコンロッドにギアを一枚挟むセミカムギアトレインとフィンガーフォロワー駆動などなど。

セミカムギアトレイン

セミカムギアトレインは上の写真のままでチェーンの長さを抑えることで遠心力を抑える事と、クランクの振動をタイミングギアで受け止めてチェーンを暴れさせないようにする事によるフリクションロスが狙い。

フィンガーフォロワーはZX-10Rでも話したと思うのですが、ザックリ言うと開閉するバルブに付ける部品を減らし軽量化することでより高回転化を可能にするもの。

ただCBR1000RR-R/SC82型の面白いのは他所と違ってそのフィンガーフォロワーのセットが内側に付いている事。

フィンガーフォロワー

逆につけた理由はコンパクト化とのことですがセミカムギアトレインによるカムの逆回転化もあったのかなと。

他にもスターターをクランクではなくクラッチ経由で回す(始動する)ようにした事から、ボアが大きくなったにも関わらずサイズは小さくなっています。

それにしてもこれで日本メーカーのリッターSS全部がフィンガーフォロワーになりましたね。

ただこのSC82のエンジンはもう一つ面白い事があります。それはウォータージャケットが2階建てになったこと。

ビルドインボトムバイパス

ラジエーターで冷やされた冷却水はまず2階側の通路を通って一番熱くなるシリンダー上部の熱を奪うと、今度はホースで戻るのではなく下部を通って戻る。

CBR1000RR-R冷却方式

要するに昔の風呂釜にあった追い焚きの逆バージョンみたいなものですね。

これの狙いは戻りのホースを無くすことやコールドスタート時のブローバイや排ガス対策もだけど

CBR1000RR-Rの温度変化

『エンジン全体の温度を一定に保ち、熱による歪みを減らす』

というのが公式としての狙い。2階建てというよりホースのビルドイン化と言ったほうがいいかな。

これらの変更により217.6馬力という国産トップのスペックを叩き出したわけですね。LPLの石川さんも簡単にこのスペックは抜けないだろうと自信を持って仰っていました。

ただパワーだけではなく車体の方も大きく変わっていて、まずダウンフォースを稼ぐ羽根が付いたのが特徴。これはダウンフォースを稼ぐためにあるもので、恐ろしいのがこれ付けてもなおクラス最小な空気抵抗値となる0.270を叩き出していること。

CBR1000RR-Rのウィングレット

それで思い出したんですが羽根もそうですけど最近この空力に悪そうな逆スラントノーズ顔が流行っているじゃないですか。

これライトの存在感を消すトレンドデザインだと思っていたんですが、従来のすくい上げるように尖ったスラントノーズだと250km/hオーバーなどハイスピード域になると揚力といって持ち上げてしまう流れが発生する事が近年になって分かったんだとか。

CBR1000RR-Rの正面

でもトンネルなど圧縮された空気による衝撃音(空気鉄砲)を防ぐのも大事なのでそう単純にはいかない・・・っていう新幹線の方で小耳に挟んだ話。

ロールなどもあるバイクには当てはまらないかもしれないですね。テキトーな事を言ってすいません。

話を戻すと他にもユニットプロリンクが廃止されました。

ユニットプロリンクというのはスイングアームまでで動作を完結させる技術で詳しくは前のモデルを読んで欲しいんですが、これはメインフレームに自由度を与える(スイングアームからの伝わる負担を軽減する)事が狙い。ただ一方でスイングアームで完結してしまう事からバネ下が重くなってしまう一長一短な部分もあった。

ユニットプロリンクの廃止

そこで今回はサスペンションのアッパー側を一般的なフレーム・・・ではなくエンジン後部に付ける形に変更。

これでメインフレームの自由度を確保しつつバネ下の重量を抑えたんだろうと思います。ちなみにこの手法もRCVと全く同じなんだとか。

最後にオマケといってはなんですがマフラー。

アクラポビッチ

アクラポビッチ社との共同開発品がグレード問わず標準搭載という大盤振る舞い。

エキパイの端には排気バルブが付いており中低速では一般的な複室式マフラーとして、高回転になるとバルブが開いてストレートタイプになる形。

CBR1000RRの排気フロー

公式資料が少し間違っているようなので勝手ながら継ぎ接ぎしてわかりやすくした図がこれ。右の赤い蓋が排気バルブです。

低回転域では大排気量特有の少し籠り気味な低音が効いた音で、一定回転数になると社外のストレートチタンみたいな乾いた音になるという事ですね。

アクラポビッチ

それでなんでこんな立派なマフラーを付けたのかという話なんですがオートバイ2020/1月号インタビューによると

「変なマフラーを付けてほしくなかったから」

という考えからだそう。

恐らくエンジンが超々高回転型で初めてピークパワーを発揮するものになり中低速のトルクが無くなっているため、シンプルなストレートタイプが主流である社外マフラーだと抜けが良すぎて背圧を稼げず乗れたものじゃなくなるからかと。もちろん倫理的な意味合いもあるんでしょうけどね。

変更点が多すぎるのでもう最後にしますがラムエアをどストレートで持ってくるためにキーシリンダーを廃止しキーレス化しスイッチ周りも一新。

CBR1000RR-Rのハンドルスイッチ

これで制御を選択するわけですが

MODE:3ライディングモード

P:パワーコントロール1~5

T:トルクコントロール0~9

W:ウィリーコントロール0~3

EB:エンブレコントロール1~3

S:電サスコントロールA1~3|M1~3(SPのみ)

CBR1000RR-Rのメーター

・レーススタートモード(6000~9000rpm制御)

・電子ステダンコントロール1~3

・クイックシフター上下共に1~3(SPのみでノーマルはOP)

・ABSコントロール1~2

などなど選択肢が多すぎ。まあモード選ぶだけで後は勝手にやってくれるから細かいことを気にしないなら良いんですが。

【余計な余談】

ここまでの変更点や名前にRがもう一つ追加された事や

『“Total Control” for the Track』

と従来のコンセプトにTrackの文字が付いた事からも分かる通りCBR1000RR-Rは完璧なトラック志向になりました。なんでこうなったかというと

「レースが強く関係している」

と思われます。

というのも日本国内のスーパースポーツレースである全日本ロードレース選手権というのは

・JSB1000(改造範囲が大きい市販車リッタークラス)

・J-GP2(改造範囲が大きい市販車600クラス)

・ST600(範囲が狭い市販車600クラス)

・J-GP3(4st250ccレーサーで行われるクラス)

と別れていました。下の図はそれを怒られそうなくらい簡易に表したものです。

CBR1000RR-Rの温度変化

それで国内トップレースにあたるJSB1000はワークスが犇めき合う何でもあり状態で鈴鹿八耐を見据えたものになっていたんですが、一方でその600版にあたるJ-GP2というクラスは

『ロードレース世界選手権Moto2(中排気量版MotoGP)』

に繋っていた。いまMotoGPで活躍中の中上さんもこのサクセスロードを歩んでいます。

中上さん

しかしホンダが2018年をもってMoto2へのエンジン(CBR600RRの直列四気筒)供給の契約が終わり、代わりにトライアンフの三気筒765ccという日本には存在しない規格になりました。

これによりJ-GP2とMoto2の関係性が切れていまい

「J-GP2で勝ってMoto2へ」

というサクセスロードが無くなってしまったんですね。ワイルドカード(推薦枠)の資格も失ってしまいました。

CBR1000RR-Rの温度変化

つまりJ-GP2が世界と繋がっていないレースになってしまったというわけ。

これはいかんという事で日本のレースを取り仕切るMFJが2019年をもってJ-GP2を廃止し、2020年から新たに

『ST1000』

というレースを開催する事に。文字からも読み取れるように市販の1000SSをベースに改造範囲を狭くして窓口を広げたクラス。

ST1000

そしてレギュレーションをアジア版のASB1000や鈴鹿八耐のSST(スーパーストッククラス)と合わせ、ECUなど簡易な変更だけで相互に参戦できる体制にしたんです。

ここで重要となるのが

「ストックレースはノーマルの地力が勝敗を大きく左右する」

という事・・・そう、つまりCBR1000RR-R/SC82はこの新しくなった局面を狙って出された面があるという事。

ただもう一つあるというか、どちらかというとこっちのほうが大きい理由。

ホンダは2019年までJSB1000にワークス参戦したのですが、2020年から舞台をその世界版であるSBKに移すことになったんです。

SBKにワークス参戦

ホンダが世界最速市販車を決めるSBKにワークス参戦するのは実に18年ぶり。VTR1000SPでキレて撤退したとき以来の事です。

そして世界レースのSBKは実は国内レースのJSB1000よりレギュレーション(改造範囲)が厳しい。

だからこそ世界最速を死守する事に全力でまさかのデザインそのままというセールス度外視な緑色のやつとか、それ市販車じゃなくてMotoGPマシンだろと言いたくなる赤色のやつとか値段が飛び抜けたマシンが誕生しているわけですが、それと同じ様にこのCBR1000RR-R/SC82というモデルも

CBR1000RR-R SP

『自分達が世界最速を勝ち取るために造ったマシン』

というわけ。まさにマシンだけでなく状況もVTR1000SPの再来なんです。

このレースの話を読んで

「RR-Rは凄いから興味あるけどレース話には興味ないっす」

って思った人も多いと思います・・・でも敢えてしました。なんでってこれ恐らく一般人には乗れたもんじゃないから。

CBR1000RR-R俯瞰

このモデルは公道メインで稀にサーキット程度のエンジョイ層が楽しめるように造ってない。ラップタイムの短縮やレースで勝つことなど上を目指して走っている

『スリックタイヤしか履かない様なガチ勢』

が楽しめるように造ってる。

実際にそういう人たちは長々と話してきたこれらの事にも詳しいから発売を待たずに予約という形で既に取り合いを起こしてるようですし、開発総責任者の石川さんも初心者向きではないと各紙のインタビューで正直に答えています。

壁紙

RRではなくRR-Rとなった理由もここにあると個人的に考えます。

CBR1000RR-RはCBR1000RRの進化版というよりも

「RRのRaceモデル」

と言ったほうが合ってるかと。

なんかSC82の紹介で先代SC77や先々代SC59を担ぎ出して悪く言ってる記事をチラホラ見かけて悲しくなったのですが、一般人なら間違いなくあっちの方が乗りやすいし楽しいし速い。

あっちのほうがRRらしいとさえ思います。それくらいこのCBR1000RR-R/SC82は従来のコンセプトから大きく外れている。

CBR1000RR-Rのポジション

比較的優しいポジションも売りだったものがここまでコンパクトになっている事を見れば伝わるかと。シートもとペラッペラで+10mmも高くなったので跨って絶句する人も居ると思う。

そしてこれも見て欲しい。

CBR1000RR-Rパワーカーブ

戦闘力が増したのは公道はおろかサーキットでも相当な手慣れじゃないと活かせない域だけでそれ以下の領域では先代よりも低いんです。まるで2stみたいな急勾配のパワーカーブ。

ただ誤解しないで欲しいんですが別に

「RR-Rはダメだ」

とか

「初心者は買うな」

とか言いたいわけじゃないですよ。これらの思惑、バックグラウンドを知ってほしいという事。

CBR1000RR-R SP

「これは凄いRRという単純なモノじゃないんだよ、18年ぶりのホンダのワガママなんだよ」

という話。

しつこいですがこれ本当に最後のワークスマシンだったVTR1000SP

『自分達が勝つためだけに造ったマシン』

の再来。

ファイヤーブレード

もともとCBR1000RRはそんなVTR1000SPの後釜として2004年に据えられたんですが、ホンダはCBR1000RRでの世界レースへのワークス参戦は過去一度もしませんでした。

これはVTR1000SPの役割が終わった際にV4のRVFに戻らなかった事にも繋っていて、HRCでVTR1000SPWのLPLだった鈴木さんいわく

「V4は構造が難解でプライベーターが付いてこれない」

という背景があったから。※RACERS41より

つまりV4のRVFではなくL4のCBR1000RRを後釜に据えて自分達は沈黙を守り続けていたのは

「プライベーターなどレースの裾を広げる役割を担わせたマシンだったから」

というわけ・・・だったんですが、今回それが18年目にして遂に破られた。

ホンダCBR1000RR-R

自分達が勝つために造った従来のコンセプトも裾の広さもヘッタクレもない

『初めての大人げないRR』

になったんです。

EVの流れが迫っている昨今、1959年のCB92から続いてきたガソリンエンジンによるスーパーバイクレースにホンダが本気で挑むのはこれが最後になる可能性も十二分にある。もしかすると最後の花を飾るつもりなのかもしれない。

そう考えると乗らず飾ってレースを応援という選択肢も大いに”アリ”かと。

主要諸元
全長/幅/高 2100/745/1140mm
シート高 830mm
車軸距離 1455mm
車体重量 201kg(装)
燃料消費率 16.0km/L
※WMTCモード値
燃料容量 16.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 999cc
最高出力 218ps/14500rpm
最高トルク 11.5kg-m/12500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後200/55ZR17(78W)
バッテリー YTZ7S
[HY85S]
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
SILMAR10C95
推奨オイル Honda純正 ウルトラG1
SAE10W-30
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量4.0L
交換時2.8L
フィルター交換時3.0L
スプロケ 前16|後43
チェーン サイズ525|リンク
車体価格 2,420,000円(税込)
[2,783,000円(税込)]
※[]内はSP
系譜図
cbr750rr1990年
CBR750RR
Prototype
SC281992年
CBR900RR
(SC28前期)
sc28-21994年
CBR900RR
(SC28後期)
sc331996年
CBR900RR
(SC33前期)
sc33-21998年
CBR900RR
(SC33後期)
sc442000年
CBR929RR
(SC44)
sc502002年
CBR954RR
(SC50)
sc572004年
CBR1000RR
(SC57前期)
SC57後期2006年
CBR1000RR
(SC57後期)
sc592008年
CBR1000RR
(SC59前期)
sc59後期2012年
CBR1000RR/SP
(SC59後期)
SC772017年
CBR1000RR/SP1/SP2
(SC77)
SC822020年
CBR1000RR/SP
(SC82)

【関連車種】
VTR1000F/SPの系譜YZF-R1の系譜GSX-R1000の系譜ZX-10Rの系譜SuperBikeの系譜

CBR1000RR/SP/SP2(SC77) -since 2017-

2017CBR1000RR

「Next Stage Total Control」

再び5年ぶりのモデルチェンジとなったCBR1000RRのSC77型。

「やっと」と言うべきか「遂に」と言うべきかCBR1000RRも完全な電子制御化が行われました。

慣性測定ユニット(縦横垂直の加速度とヨーとローの5軸IMU)を搭載し

・9段階トラクションコントロールシステム

・ウィリーコントロール

・IMUと連動したコーナリングABS

・走行特性を変更できるパワーセレクター

・セレクタブルエンジンブレーキ

などなどを完備。

セレクタブルエンジンブレーキというのはスロットルバルブを少し開いてエンブレを緩和する機能。

エンブレの仕組み

エンブレについては

「エンジンブレーキの仕組みとデメリット|バイクのはてな」

をどうぞ。

CBR1000RR無印

ところでCBR1000RRは

「モデルチェンジは2017年だろう」

と2015年頃から既に言われていました。

それはEURO4(2016年度規制)も要因の一つですが、市販車レースSBKのレギュレーション(ルール)が理由。

SC59SBK仕様

もともとSBKは電子制御スロットルじゃないといけなかったんだけど、CBR1000RRはホンダがSBKに消極的な事もあって後付の電子スロットルでなんとかしていた。

しかしそれが

”2017年からは後付も禁止”

となったわけです。

これは改造範囲を狭くして予算の多いチーム(ワークスなど)が圧倒的に有利になる状況を防ぎたいという運営の狙い。

SC77とニッキー・ヘイデン

だから2017年にモデルチェンジだろうと言われていた。

ワークス参戦していないとはいえ、欧州の現地法人やパートナー企業は参戦していて、切り捨てるわけには行きませんからね。

スロットルバイワイヤ

このスロットル・バイ・ワイヤ(電子制御スロットル)にはそんな背景があるわけです。

しかしコレはモデルチェンジのごく一部。

10年ぶりのフルモデルチェンジという事でフルLEDになったことも目につきますが、一番はエンジン。

SC77のバルブとピストン

カムシャフトの見直しによるバルブタイミングとリフト量の見直しで750rpm高回転化、更に圧縮比を大きく上げた事で13馬力アップ。

SC77リアビュー

ちなみに足回りはバランスフリーユニットがLiteという簡易式だったものから正式なバランスフリーユニットになり、ホイールデ ザインも改められ100gの軽量化。

そして先代からあった一人乗り仕様のSPモデルも継続して登場。

SC77 SP1

・前後OHLINSの電子制御サスペンション

・Bremboキャリパー(フロントのみ)

・チタンフューエルタンク

・アルマイト加工フレーム

・リチウム電池バッテリー(※)

・シフトアップ/ダウン両対応クイックシフター(※)

※ノーマルにもOPで容易

と、なっている豪華装備版で2,462,400円(税込)。

CBR1000RRフレーム

そして恐らく一番人気であろうトリコロールカラーもSPのみという、トリコ好きにとっては地団駄を踏みたくなるような展開。

CBR1000RR SP1 SP2

限定500台だったもう一つのSP2グレードは更に専用ピストンにバルブ径を拡大した専用エンジンヘッド、マルケジーニホイール等を採用し3,024,000円(税込)。

これがこの代のホモロゲーショングレードで、レースキットもこのSP2とレースベース車両のみ。

CBR1000RR SP2

・・・少し小話をさせてもらうと、RRに限らず最近は電子制御サスが当たり前になってきたわけですが、実はこれ肝心のSBKでは使用禁止となっているもの。

だからワークスだろうとレースでは取っ払って従来のアナログ式(といっても専用の高級品)を付けて走る。

2018CBR1000RRW

これは2018年参戦予定のCBR1000RRW(ワークスのW)鈴鹿八耐仕様。

少し話を脱線すると10年ぶりにワークス参戦する事となりました。

自分の庭(鈴鹿サーキット)で圧倒的な速さで連勝し、今年も勝てば史上初の同一チーム四連覇となるヤマハワークスYZF-R1を阻止すべく立ち上がったわけです。

八耐2018

HRCとヤマハファクトリー、そしてCBR1000RRとYZF-R1。

「永遠のライバル社が永遠のライバル車でガチンコ対決」

これは見るしかないですね。※7/26(木)~7/29(日)

>>鈴鹿8耐特設サイトはコチラ

話を戻すとSC77はレースベースもエンジンこそSP2仕様なんだけどサスペンションは電子制御ではなく無印と同じもの。

SC77レースベース

「じゃあなんで電子制御サスなんて入れるのよ」

って話なんですが・・・コレについて正確な答えを見つける事は出来ませんでした。すいません。

リアまわり

プレミアム化してお金持ちに売る為なのか。

もしかしたらOHLINSとの取引(電子制御のデータを集めたい)かもしれません。

というのも、いま普及しているOHLINSの電子制御サスというのは、正直言ってまだまだ途上な感じを否めないから。

電子制御サスペンションというと一見トラックで真価を発揮する様に思いますよね・・・でも実際はまだそうでもないんです。

オーリンズスマートEC

このOHLINSの電子制御サスペンションというのは、IMU(慣性センサー)の情報をメインにSCU(サスペンションコントロールユニット)がダンパー(サスの伸縮)を制御するタイプ。

要するに電子制御と言ってもサスペンションの動き自体を見て制御しているわけではなく、横滑り防止などで活用されているIMU(慣性センサー)の情報をメインに制御している。

そして制御もサーボモーターな事もあり、トラックなどの激しい緩急を繰り返す用途では主にエキスパート層から

「思ったように動いてくれない」

という声がチラホラ聞かれ、自動制御を切っている人が意外と多い。

SC77電子制御サスペンション

もちろんコレでタイムが縮まったという人も居ます。

SC77型に付いているのはホンダと共同開発した最新型なので性能は向上していますし、ソフトウェアアップデートもあるので年を追うごとに進化してるんですけどね。

「じゃあ電子制御サスのSPじゃなくていいか」

と思うのはちょっと早計です。

SC77上から見た図

「俺に電子制御サスなんて豚に真珠だ」

と言ってる人をよく見ますが、実はそういう人の方が恩恵を受けるんです。

公道はトラックほど緩急が大きくないものの、場所や環境で路面状況は刻一刻と変わる。そして何より一般人が一般用途でサスペンションのセッティングを出し、状況によって変えるなんてまず無理な話。

でも電子制御サスペンションならプリロード(初期荷重)だけ合わせておけば、後はモードやゲージを選ぶだけでダンパー(サスの伸縮)は自動調節でやってくれて、最高の乗り心地と操る喜びを味わえる。

SC77上から

タイムアタックとは無縁な人、セッティングが面倒くさいと感じるズボラな人。

そういう人こそ電子制御サスペンションのSPを買ったほうが幸せになれる・・・かもしれない。

まあ高いですし、クラッチ要らずのクイックシフターも相まって

「人を下手糞にする装備」

とも言われていますけどね。

主要諸元
全長/幅/高 2065/720/1125mm
シート高 820mm
車軸距離 1405mm
車体重量 196kg(装)
[195kg(装)]
{194kg(装)}
燃料消費率 24.5km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 17L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 999cc
最高出力 192ps/13000rpm
最高トルク 11.6kg-m/11000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後190/50ZR17(73W)
バッテリー YTZ7S
HY93(SP/SP2)
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
IMR9E-9HES
または
VUH27ES
{SILMAR10C9S}
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.4L
交換時2.7L
フィルター交換時2.7L
スプロケ 前16|後43
チェーン サイズ525|リンク116
車体価格 2,014,200円(税込)
[2,046,600円(税込)]
{2,462,400円(税込)}
※[]内はSP1モデル
※{}内はSP2モデル
※18年モデルから180km/hリミッター無しとの事
系譜図
cbr750rr1990年
CBR750RR
Prototype
SC281992年
CBR900RR
(SC28前期)
sc28-21994年
CBR900RR
(SC28後期)
sc331996年
CBR900RR
(SC33前期)
sc33-21998年
CBR900RR
(SC33後期)
sc442000年
CBR929RR
(SC44)
sc502002年
CBR954RR
(SC50)
sc572004年
CBR1000RR
(SC57前期)
SC57後期2006年
CBR1000RR
(SC57後期)
sc592008年
CBR1000RR
(SC59前期)
sc59後期2012年
CBR1000RR/SP
(SC59後期)
SC772017年
CBR1000RR/SP1/SP2
(SC77)
SC822020年
CBR1000RR/SP
(SC82)

CBR1000RR/SP(SC59後期) -since 2012-

SC59後期

「究極の操る喜び」

五年ぶりとなるモデルチェンジが行われたSC59の後期型。

このモデルチェンジでちょうどRR生誕20周年を迎えたわけですが、それを記念してかコンセプトだけでなくカラーリングまで原点回帰。

SC28とSC59

変更点は社外顔負けな12本スポークホイール、フロントフォークをBPF(ビッグピストンフォーク)、二輪初となるSHOWA自慢のバランス・フリー式サスなど足回りの強化がメイン。

sc59足回り

驚きなのはこれだけの装備を加えながらお値段据え置きだった事。

モデルライフが長くなって開発費や減価償却費が浮いたんでしょうかね。なお公式なスペックは1kg増加のみでその他に変更はありません。

この代で取り上げるとしたら間違いなくプロライダーが揃って絶賛しているバランスフリーサスペンション・・・なんですが、たしかZX-10Rの系譜かなにかで書いたのでそっちを読んでいただくとして、この代ではホイールについて少しお話を。

12本スポークホイール

マルケジーニも顔負けなほどスポークが細くなったんですが、実はこのホイール先代の三本スポークより軽くなっているどころか重くなっている。

SC59ホイール

何故重くなっているのかというと、ホイール重量の大部分を占める箇所はスポークではなくリム(外径)だから。

いくらスポークが細くなろうともサイズが同じ(120/70R17|190/50/R17)なら重さに大した差は生まれない。

そしてRRの場合はスポークを3本から12本に増やした分だけ少し重くなってしまったというわけ。

SC59レプソルカラー

どうしてそんな事をしたのかというと”しなり”です。

アルミのフレームがしなるようにアルミホイールのリムも走行中の負荷でしなったりする。

フレームの場合は箇所によって太くしたり細くしたり加工出来るけど、ホイールは丸じゃないと駄目な上に回転するのでそう簡単にはいかない。

スポーク数の違い

問題となるのがスポークとスポークの間の剛性が低い部分。

これを改善するために12本スポークにして剛性の均一化を図ったというわけ。

SC59後期壁紙

これの狙いは

「操る喜び」

を更に高みへと持っていくため・・・まあ見た目の為もあると後で暴露していましたが。

ちなみに下のカラーは系譜を辿ってもらえると分かる、懐かしきアーバンタイガーカラー。

CBR1000RRアーバンタイガー

ただこれは欧州向けのみ。

2014年にはステップを10mm後方へ下げ、若干スポーティなポジションとなりました。

そしてそれと同時に出されたのがRR史上初となる一人乗り仕様のSP(スペシャルモデル)です。

SC59SP

ABS仕様をベースにBrembo(フロントのみ)と前後オーリンズを装着し、シートフレームはアルミダイキャスト製。

シングルシートカウルも材質の違う専用品でグラム単位で軽量&強度化。

SC59SPの装備

ピストン&コンロッドも選別品の100%当たりエンジンという事で、カタログスペックも無印より少しアップ・・・という至れり尽くせりなモデル。

このSPモデルが市販車レースSBKのベース(ホモロゲ)という立ち位置になるんですが、専用の鍛造トップブリッジとステアリングステムを採用している事から見ても謳い文句どおり

SC59SP壁紙

「”更なる”操る喜び」

を目指したグレードでもあります。203万円(税込)と決して安くはないですが。

cbr1000rr_repsol_sp

ちなみにこのレプソルカラーバージョンは期間限定。

最後に・・・ファイヤーブレードの生みの親である馬場さんが現役時代に仰っていた言葉があります。

「軽くする事が至上命題だが、技術者の自己満足な軽量化をしてはいけない。」

ユーザーの為になる軽量化をしろよって意味ですね。

CBR1000RR

そしてこのCBR1000RRのSC59

「とっても軽い」

というカタログスペックにも現れている特徴ではなく

「乗りやすい」

と言う人が多い。

これこそSC59がSSである前にRRであり、馬場さんの教え

「自己満足ではない軽量化」

を忠実に守っている証ではないかと。

主要諸元
全長/幅/高 2075/680/1135mm
シート高 820mm
車軸距離 1415mm
車体重量 202kg(装)
{211kg(装)}
燃料消費率 24.5km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 17L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 999cc
最高出力 118ps/9500rpm
[178ps/12000rpm]
{180ps/12250rpm}
最高トルク 9.7kg-m/8250rpm
[11.4kg-m/10500rpm]
{11.6kg-m/10500rpm}
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後190/50ZR17(73W)
バッテリー YTZ7S
YTZ10S(ABS/SP)
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
IMR9E-9HES
または
VUH27ES
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.7L
交換時2.8L
フィルター交換時3.0L
スプロケ 前16|後41
チェーン サイズ530|リンク116
車体価格 1,396,500円(税込)
{1,974,000(税込)}
※ABS仕様は+10kg&168,00円
※[]内は逆輸入車仕様
※{}内はSP/逆輸入車仕様
系譜図
cbr750rr1990年
CBR750RR
Prototype
SC281992年
CBR900RR
(SC28前期)
sc28-21994年
CBR900RR
(SC28後期)
sc331996年
CBR900RR
(SC33前期)
sc33-21998年
CBR900RR
(SC33後期)
sc442000年
CBR929RR
(SC44)
sc502002年
CBR954RR
(SC50)
sc572004年
CBR1000RR
(SC57前期)
SC57後期2006年
CBR1000RR
(SC57後期)
sc592008年
CBR1000RR
(SC59前期)
sc59後期2012年
CBR1000RR/SP
(SC59後期)
SC772017年
CBR1000RR/SP1/SP2
(SC77)
SC822020年
CBR1000RR/SP
(SC82)

CBR1000RR(SC59) -since 2008-

SC59

「ALL THE BEST IN SUPERSPORTS」

後継モデルと言わなければ分からない人も居るのでは・・・と思うほど中も外も大変貌を遂げた三代目CBR1000RRことSC59型。

これでも開発リーダーは先代と同じっていうんだから驚きですよね。

SC59

これが後継に見えないと言われる最大の理由はスラントノーズから脱却したからでしょう。

SSといえば戦闘機のように尖ってて、見るからに風を引き裂いて走りそうに見えるのが当たり前だった。

それなのにショートマフラーにショートテール、そして尖ってないアッパーカウル・・・当時そのルックスに批判が続いたのをよく憶えています。

SC59ダウンショートマフラー

ただこれは徹底した空力とマスの集中化、そして軽量化の末に導き出した形。理詰めの形なんです。

上がSC59で下がSC57です。

CBR1000RRディメンション

素人目で見てもSC59(写真上)がギュッと中心に凝縮されているのが分かると思います。

数字で言うと、血と汗と涙の軽量化を施した先代からエンジン単体で2.5kg、全体で5kgも軽量化となり199kg(装備重量)でクラス最軽量に返り咲きました。

2009CBR1000RR広告

しかし、いま言ったように単に軽量化して軽くなっただけではなくマスの集中化も徹底して行われているので、体感的な軽さは数値以上のモノ。

そしてもう一つ大事なのがフレンドリー&スリムになったポジションと足つき。

このおかげでミドルスポーツツアラーかなと思うほど優しく、また乗りやすいSSに。

ポジション比較

ホンダのバイクというと

「初心者から上級者まで満足させてくれる」

と雑誌のゴマすりでよく言われていますが、このSC59だけは本当にその通り。

初心者に対しては運転しやすい優さ、そして上級者をも満足させる速さ、その両方を持っている。

ちなみに2010年にABSモデル搭載モデルの発売、フライホイールの大径化、クランクシャフトの改良、レンズのクリア化などの微変更が行われています。

SC59正面

ここから先は個人的な小話と思って読んで欲しいんですが・・・RRとしてはコレが正しい姿勢かと思います。

RRの始まりであるCBR900RRも

「とにかく軽く、とにかくコンパクト」

がコンセプトだったから。

これを言うと先代SC57乗りは怒るかもしれませんが、SC57は正直このコンセプトから少し外れていた。

これについては開発経緯の話でも出てたんだけど、キッカケはSSの爆発的なブームとそれに合わせて改定されたレースのレギュレーション。

これによって

「RRでもあるんだけどレースベースのSSでもある」

という難しい立場になったわけです。

そして先代であり初代レースベースでもあったSC57はどちらかと言うとRRというよりSS寄りな異質な存在。

まあだからこそ10年以上経った今でも人を惹き付ける異彩を放ってるんだけどね。

ファイヤーブレードSC59

対してSC59はCBR1000RRはSSである前にRRという判断が下されたわけです。

ユーザーが欲するスーパースポーツではなく、ユーザーの為になるスーパースポーツ。

ファイヤーブレードSC59

「スペックに囚われない、原点回帰のRR」

SC59はそう言えるのではないかと。もともとレースとは無縁だった生い立ちゆえの苦悩ですね。

更に言うと、これは同郷で永遠のライバルであるYZF-R1もそう。

しかしCBR1000RRがレース路線を改めた一方で、YZF-R1は反対にレースの道を突き進む事に。

始まりは同じで睨み合っていたのに、いつの間にか背を向け合うようになった二台・・・っていうドラマや映画によくある展開。

主要諸元
全長/幅/高 2080/680/1130mm
シート高 820mm
車軸距離 1415mm
車体重量 201kg(装)
燃料消費率 24.5km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 17L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 999cc
最高出力 118ps/9500rpm
[178ps/12000rpm]
最高トルク 9.7kg-m/8250rpm
[11.4kg-m/10500rpm]
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後190/50ZR17(73W)
バッテリー YTZ7S
YTZ10S(ABS)
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
IMR9E-9HES
または
VUH27ES
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.7L
交換時2.8L
フィルター交換時3.0L
スプロケ 前16|後41
チェーン サイズ530|リンク116
車体価格 1,390,000円(税込)
※ABS仕様は+10kg&168,200円
※[]内は逆輸入車仕様
系譜図
cbr750rr1990年
CBR750RR
Prototype
SC281992年
CBR900RR
(SC28前期)
sc28-21994年
CBR900RR
(SC28後期)
sc331996年
CBR900RR
(SC33前期)
sc33-21998年
CBR900RR
(SC33後期)
sc442000年
CBR929RR
(SC44)
sc502002年
CBR954RR
(SC50)
sc572004年
CBR1000RR
(SC57前期)
SC57後期2006年
CBR1000RR
(SC57後期)
sc592008年
CBR1000RR
(SC59前期)
sc59後期2012年
CBR1000RR/SP
(SC59後期)
SC772017年
CBR1000RR/SP1/SP2
(SC77)
SC822020年
CBR1000RR/SP
(SC82)

CBR1000RR(SC57後期) -since 2006-

SC57後期

「TIGHT AGGRESSIVE CLEAR-CUT」

先代からの基本コンセプトは引き継ぎつつ、6割以上もの部品を見直すモデルチェンジが行われたSC57の後期モデル。

見直しの狙いは主にクラッチ周りと軽量化で約4kgも軽量化されているワケですが、これがまた凄い。

ジェネレーターカバーのマグネシウム化というコスト増による軽量化だけに留まらず、ラジエーターホース径を1mm削って700g軽量化をしたり、ECUを小型なものにして100g軽量化などなど。

SC57後期のエンジン部品

細かい部分を細かくグラム単位で見直した末に達成した血と汗と涙の-4kgというわけ。

この見直しはカウルも例外ではなく、空気抵抗と重量を減らすために表面積を削る改良が加わっています。

SC57後期のエンジン部品

スラントノーズの最終形でありセンターアップマフラーの最終形でもある為か、今でも非常に人気が高いですね。

まあ確かに10年以上前のバイクには見えないし、血と汗と涙の熟成&軽量化が図られたモデルだから当然といえば当然。

が、しかし・・・うるさい人はこう思っていたハズ。

SC57レプソルカラー

「なんでセンターアップマフラーなんだ」

と。

センターアップマフラーというのは重量増にも、マスの集中化にも逆行する要素。ましてライトウェイト第一主義のCBR-RRにとっては水と油とも言える。

SC57後期フロント

この突いて欲しくない疑問について、まさかの公式で行われていた。

センターアップマフラーを採用した理由、それは・・・

sc57後期トリコロールカラー

「カッコいいから。」

という至極単純な理由でした。

いや確かにそうだ。カッコいいもんね。

2006CBR1000RR

カッコいいって大事。

主要諸元
全長/幅/高 2030/720/1120mm
シート高 820mm
車軸距離 1410mm
車体重量 206kg(装)
[205kg(装)]
燃料消費率 23.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 18L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 998cc
最高出力 94ps/10000rpm
[172ps/12500rpm]
最高トルク 8.6kg-m/6000rpm
[11.7kg-m/8500rpm]
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後190/50ZR17(73W)
バッテリー YTZ10S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
IMR9E-9HES
または
VUH27ES
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.8L
交換時3.0L
フィルター交換時3.1L
スプロケ 前16|後40
チェーン サイズ530|リンク114
車体価格 1,239,000円(税込)
系譜図
cbr750rr1990年
CBR750RR
Prototype
SC281992年
CBR900RR
(SC28前期)
sc28-21994年
CBR900RR
(SC28後期)
sc331996年
CBR900RR
(SC33前期)
sc33-21998年
CBR900RR
(SC33後期)
sc442000年
CBR929RR
(SC44)
sc502002年
CBR954RR
(SC50)
sc572004年
CBR1000RR
(SC57前期)
SC57後期2006年
CBR1000RR
(SC57後期)
sc592008年
CBR1000RR
(SC59前期)
sc59後期2012年
CBR1000RR/SP
(SC59後期)
SC772017年
CBR1000RR/SP1/SP2
(SC77)
SC822020年
CBR1000RR/SP
(SC82)