CBR400R(NC23) -since 1986-

CBR400R

「MAN & MACHINE INTERACTION」

フルカウルブーム及びレーサーレプリカブームに伴いFからRへとモデルチェンジされたCBR400RのNC23型。

カムギアトレーンの水冷エンジンという非常に贅沢な専用エンジンを奢られ、フレームもアルミツインチューブで乾燥重量165kgという10kg近い軽量化。

NC23エンジン

走行性能に更に磨きがかった・・・んですが見て分かるようにとてもレーサーに見えませんよね。

当時ホンダが推していたフルカバードエアロとよばれるフレームまでも覆うカウルでどちらかというとツアラーっぽい。

NC23カタログ写真

でもこれにはわけがあるんです・・・というのもちょうどこの頃にホンダは

「サーキットはV4、ストリートはL4」

という方針を打ち出したから。

だから今でこそCBRといったらレーサーだけど、当時はストリートスポーツの代名詞にする狙いがあったんです。

NC23

だから性能に反して安定的な乗り味とともに快適なアクセサリーも充実。

先代よりこっちの方がCBR400Fと言ったほうがシックリ来ますよね。

ただ重ねて言いますが当時は如何にレーサーに近いかが大事だった時代だったので、万能というメリットが理解される事はなくわずか数年でモデルチェンジとなりました。

主要諸元
全長/幅/高 2015/685/1095mm
シート高 765mm
車軸距離 1380mm
車体重量 184kg(装)
燃料消費率 43.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 16L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4バルブ四気筒
総排気量 399cc
最高出力 59ps/12500rpm
最高トルク 3.8kg-m/10000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前100/80-17(52H)
後130/70-18(63H)
バッテリー FTX9-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
C9EH-9
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.5L
交換時2.9L
フィルター交換時3.1L
スプロケ 前15|後44
チェーン サイズ525|リンク108
車体価格 669,000円(税込)
系譜図
NC171983年
CBR400F
/ENDURANCE
/FORMULA-3
(NC17)
NC23前期1986年
CBR400R
(NC23)
NC23後期1988年
CBFR40RR
(NC23)
NC291990年
CBR400RR
(NC29)
/CB400F/400X2013年
CBR400R
CB400F
400X
(NC47)
/CB400F/400X2016年
CBR400R
400X
(NC47後期)
/400X(NC56)2019年
CBR400R
400X
(NC56)

CBR400F/ENDURANCE/FORMULA-3(NC17) -since 1983-

NC17

「TUNE-UP WITH CIRCUIT SPIRIT」

盛り上がりを見せていた400ccレースの次世代を担うバイクとして造られたCBR400F。

実質的にCBX400Fの後継モデルでCBX400Fのエンジンをベースにオイルクーラーを装備し、回転数に応じて2バルブと4バルブ切り替え機能。

REVシステム

『REV(Revolution Modulated Valve Control)』

この可変バルブというかバルブ休止システムは今でもHYPER VTECとして受け継がれていますね。

REVのメカニズム

ただCB400の直打式VTECと違ってコッチはロッカーアーム式で二つのバルブを連結させることで4バルブするタイプ。

CBのVTECについてはコッチをどうぞ

この童心をくすぐる機能により空冷ながらクラストップとなる58馬力を叩き出すエンジンになった事で、1984年には年間販売台数24,728台という今では考えられない爆発的な人気となりました。

CBR400Fエンデュランス

ちなみにこれはカウルが解禁になった事から半年遅れで登場した耐久レーサーをイメージさせるCBR400F ENDURANCEというモデル。

更には数ヶ月遅れでカウルが完全解禁となった事を機にフルカウルモデルを限定4,000台で発売。

CBR400FエンデュランスF3

ここで一つ注意しないといけないのが、このモデルは『F-3』とサイドに入っているんですがF3ではありません。

「CBR400FのF3」

と呼ばれるモデルは別にあります。

発売から二年半が経った頃にCBR400F/エンデュランスは

・アルミキャストホイール

・アルミスイングアーム

・一本出し集合管マフラー

・REVのリセッティング

・2kgの軽量化

という大掛かりなマイナーチェンジを行いました。

CBR400Fエンデュランス

その際に、限定5,000台で発売されたのが俗言うF-3こと

「CBR400F FORMULA-3」

と呼ばれるスペシャルモデル。

CBR400Fフォーミュラ3

シングルシートに樹脂レンズ、専用設計のハンドルとジュラルミン製バックステップを採用したモデル。

ただ読まれてる方の中には

「そもそもF3って何」

と思われている方も多いので説明させてもらうと、この頃からTT-F3という全国規模の市販車レースが始まったんです。

レギュレーションは4st400ccか2st250cc。

CBR400FENDURANCE

つまりこのCBR400Fというのはそんな市販車レースに勝つために造られた面が大きいバイクなんです。

主要諸元
全長/幅/高 2035/710/1075mm
[2035/720/1200mm]
{2045/700/1200mm}
シート高 790mm
[790mm]
{780mm}
車軸距離 1390mm
車体重量 191kg(装)
[198]kg(装)
{195}kg(装)
燃料消費率 40.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 18L
エンジン 空冷4サイクルDOHC4バルブ四気筒
総排気量 399cc
最高出力 58ps/12300rpm
最高トルク 3.6kg-m/11000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前100/90-16(54H)
後110/90-18(61H)
バッテリー FTX9-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR8EH-9
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.0L
交換時2.2L
フィルター交換時2.3L
スプロケ 前15|後42
チェーン サイズ525|リンク106
車体価格 539,000円(税込)
[598,000円(税込)]
{615,000円(税込)}
※[]内はエンデュランス
※{}内はフォーミュラ3
※後期モデルは-2kg
系譜図
NC171983年
CBR400F
/ENDURANCE
/FORMULA-3
(NC17)
NC23前期1986年
CBR400R
(NC23)
NC23後期1988年
CBFR40RR
(NC23)
NC291990年
CBR400RR
(NC29)
/CB400F/400X2013年
CBR400R
CB400F
400X
(NC47)
/CB400F/400X2016年
CBR400R
400X
(NC47後期)
/400X(NC56)2019年
CBR400R
400X
(NC56)

CBR250RR(MC51) -since 2017-

CBR250RR

恐らく2016年もっとも話題を集めたバイクな2017年式CBR250RR(MC51)。

ホンダ、ことさらCBR250の歴史というのは基本的に後出しジャンケンなんですが、ここまで仕込んできた後出しジャンケンは初めてだと思います。主要市場であるアジアでのロードレースであるアジア世界選手権(AP250)の為の車両という事もあったからでしょうね。

今更かと言われるかもしれませんが、ちょっと読者置いてけぼり感があるのでなるべく説明主体で書いていきます。既にバイクに魅了されてる人ならそれでもいいのかもしれないけど、250って免許もまだな人も見るでしょうから。そういう未来のライダーを増やすために始めたのに本末転倒ですよ。

すいません話を戻します。

2017CBR250RR

まず何といってもそのルックス。

デザイナーの方はワルキューレルーン(SC54)などをデザインされた方のようですが、フレーム設計段階から携わり今までに無いくらいデザインに予算を掛けたと言ってます。実際デザインにお金かけてる感がヒシヒシと伝わってきますもんね。

CBR250RRヘッドライト

4眼といっていいのかな。ハイビームでは両端のヘッドライトが追加で点灯、上の方の2つはポジションランプ兼ウィンカー。ちなみに全部LEDという贅沢っぷり。

CBRシリーズで一番カッコいいんじゃない。末っ子が一番カッコいいって兄ちゃん達は立つ瀬ない気がしますが。

CBR250RR日本仕様ウィンカー

ただ日本仕様はウィンカーが別に設けられるようです・・・ちょっと残念。

そんなデザインに一番お金かけたという新型CBR250RRだけど、その割には内部もRRと名乗るだけの物はあります。

CBR250RRエンジン

上までよく回る主流の二気筒180度クランクの新設計エンジンは250二気筒としてはクラス一のビッグボアショートストロークエンジン(62.0*41.4)という潔い割り切り。

もちろんエンジンに合わてフレームも形式こそダイヤモンドトラスフレームのままだけど新設計。

CBR250RRガルアーム

更にスイングアームなんだけどアルミってだけでも凄いのに旧CBR250RR以来となるガルアームです。250でガルアーム再びですよ。

今時の子はガルアームっていっても分からないか。ガルアームっていうのはスイングアーム(リアタイヤを掴んでるフレーム)が”への字”に曲がってるのをカモメの片翼に見立てた事からガルアームと言います。

ガルアーム

これによってどんなメリットがあるのかというと、マフラーレイアウトの自由度が増すわけです。

長男坊のCBR1000RRなんかもそうだけどダウンショートマフラー(短いマフラー)のバイクはだいたいこういう形になってます。マフラーを可能な限り重心(エンジン)に近づける為にスイングアームが避けてるんですね。

マフラー内部構造

マフラーの中身は当然ながら複室式。昨今の純正マフラーはみんなこんな感じです。排気ってマフラーの中で彷徨ったりしてるんですよ知ってました?

何でかっていうと排圧を抑える為なんですが、まあこんな話はいいか。純正マフラーが重いのにはちゃんと理由があるんです。

面白いのが吸気レイアウト。

インテーク

これはラムエア・・・と思いきや、そうじゃなくて吸気の流れを整える機能でラムエア(走行風で空気を圧縮する過給機能)ではないみたい。

まあどちらにしろ効果がハッキリ分かるのはサーキットの長いストレートくらいじゃないかな・・・逆に言えばサーキット走行というかレースを考えてる人にとっては結構大事なんだけどね。

個人的に一番驚きだったのがクラス初となるスロットルバイワイヤの採用。250で採用してくるとは思わなかったです。

スロットルバイワイヤシステム

・・・なんて説明すればいいかな。普通アクセルっていうのはアクセルから伸びたワイヤーが直接エンジン(スロットルバルブ)に繋がってて、捻れば捻るだけエンジンがその通りに回る。

それに対してスロットルバイワイヤシステムっていうのはライダーがアクセルを捻っても直接には繋がってなくて、アクセル開度が電気信号に変換されECU(エンジンコントロールユニット)に繋がってる。そしてワイヤーの動きを感知してECUがエンジンを回してる。

何でこういう事をするかというと、こうすることで(言い方が悪いけど)どんなに下手くそなアクセルワークをしてもギクシャクしないようにECUによる補正ができるというわけ。電スロとかとも言われてますね。

スロットルバイワイヤにはもう一つ、副産物的のようなメリットがあります。それはモード切り替え機能。

メーターまわり

「パワフルモード」「スタンダードモード」「タンデムモード」の3つのモードから特性を選べます。

これはいま話した通り直接ライダーがエンジンを動かすわけじゃなくてECUが補正をかけて動かすから可能なわけです。

そして何が驚きってこの機能は大型で最近メジャーになりだした機能だから。大型バイクでもモード切替機能の付いたスロットルバイワイヤの車種なんて大体2010年モデル以降からでまだ付いてないモデルもあるくらいなのに。

これはインテーク(吸気の通路)を縮めるためでもあったのかもね。

インテークマニホールド

フライバイワイヤのもう一つのメリットとして、スロットルバルブを二枚ではなく一枚で制御する事でインテークを短くすることが出来る。短くすると空気の流れが速くなるからエンジンの充填効率を上げられる。要するに馬力を上げられるという事。

クラス初のEURO4(2016年からの厳しい環境規制)に対応しつつ、クラストップの38.7馬力を発揮させる為のスロットルバイワイヤでもあったと思います。凄いですよね旧250RR後期モデルとほぼ変わらないんだから。二気筒な分コッチの方が乗りやすいだろうし。

ちなみに青い空気の流れはエアインジェクションといって、燃えそこなったHCやCOをエキゾーストパイプ内で再燃焼させたり酸素と結合させて無害にするためにフレッシュエアを吹く機能。

あと肝心のポジションもハンドルがトップブリッジの下というスーパースポーツと同じマウントなので結構スポーツ寄り。人によっては程よい前傾かもね。

CBR250RR足付き

シート高も790mmとクラスにしては高めなんだけどシートが絞ってあるし、何より軽いからそこまで問題じゃないでしょう。

さて・・・最初にも言いましたがCBR250は基本的に後出しジャンケンなんですが、流石にここまでしてくると卑怯と言いたくなる気がしないでもないですね。

CBR250RR赤

少し大人の事情を話すと、ホンダがここまで本腰を入れたのはアジアのマーケットを睨んでのこと。生産国であるインドネシアやタイなどにおいてホンダとヤマハは両社合わせて90%近いシェアを持っており、熾烈なシェア争いをしています。原付一種の提携をした日本とは大違いですが、それも当然な話。

ホンダ二輪の2015年度世界販売台数は約1700万台でそのうち1500万台はアジア。いかにアジア市場が重要か分かると思います。ちなみに日本は・・・・・・18万台。欧州は19万台、北米は28万台です。

そして(YZF-R25の系譜でも言ったので省きますが)アジアは経済発展とともに所得が上がってきた事から、生活の足でしかなかった二輪車に嗜好性が求められるようになってきている。つまりこのCBR250RRが出たのはそんな二輪車に嗜好性を求めるアジアの人たちの為に作られたバイクでもあるわけです。向こうの人達にとってはこれが日本でいう大型バイク的な存在。

CBR250RR後ろ

これは我々バイク先進国にとっても非常に喜ばしいことで、日本の100倍近い市場であるアジアで売れる(台数が出る)からこそメーカーもこんなバイクが作れるんです。

あの倒立サス嫌いのホンダが、あのカタログスペック嫌いのホンダが背に腹は代えられないとここまでやってるんですから。アジアのおこぼれ万歳です。

これは日本だけじゃなく欧州もそう。でも可哀想なことに欧州では

「欧州へのCBR250RRの発売予定は(今のところ)無い」

って公式の回答があったせいで声にならない悲鳴を上げています。多分あとから300モデルが出るとは思いますがね。

CBR250RRデザイン

まあそんな事情はどうでもいいか。

話を戻すというか締めようと思うんですが、CBR250RRはネットの反響それにサイトへのリクエストが多い事から凄く注目されているのが伝わってきます。デザインもルックスも申し分ないですから当然といえば当然です。

もし「新型CBR250RRが買いか?」と問われば間違いなく買いだと答えます・・・

CBR250RRフェイス

・・・・・・答えますが、それはあくまでも既にバイクに熱中している人、250にハマっている人ならの話。

いくらタイ製だとはいえ長々と説明した通り結構なコストが掛かってる様なのでいいお値段になると思います。一番怖いのはCBR250RRを見てせっかくバイクに興味を持った若者やエントリー層が、車体価格を見て諦める事。

仮に65万円だとしたら乗り出し価格で70万、免許代も合わせると85万円ほど。YZF-R25やNinja250(55万円)でも高いという声が多い中で65万円はとてもじゃないけど無理でしょう。フルローンという手もありますが。

主要諸元
全長/幅/高 2065/725/1095mm
シート高 790mm
車軸距離 1390mm
車体重量 165kg(装)
[167kg(装)]
燃料消費率 26.7km/L
※WMTCモード値
燃料容量 14L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4バルブ二気筒
総排気量 249cc
最高出力 38ps/12500rpm
最高トルク 2.3kg-m/11000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前110/70R17(54H)
後140/70R17(66H)
バッテリー YTZ7S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
C9EH-9
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量2.4L
交換時1.9L
フィルター交換時2.1L
スプロケ 前14|後41
チェーン サイズ520|リンク112
車体価格 756,000円(税別)
[806,760円(税別)]
※[]内はABS仕様
系譜図
MC141986年
CBR250FOUR
(MC14)
MC171987年
CBR250R
(MC17)
MC191988年
CBR250R
(MC19)
MC221990年
CBR250RR
(MC22)
MC231991年
JADE
(MC23)
MC311996年
HONET
(MC31)
MC412011年
CBR250R
(MC41)
MC41後期2014年
CBR250R
(MC41後期)
MC432014年
CB250F
(MC43)
2017CBR250RR2017年
CBR250RR
(MC51)
CB250R/MC522018年
CB250R
(MC52)

CBR250R(MC41後期) -since 2014-

2014年式CBR250R

MC41の後期モデルとなる2014年からのCBR250R。

外見が大きく変化し前期モデルがCBRというよりどちらかといえばVFRだったのに対して如何にもCBRなデザインに変わりました。カウル形状が変更された事で足つき性も改善してます。

中身の方も吸気の見直しで1kw(1.36馬力)パワーアップしたものの、その分値段も5万円ほど上がって遂に50万円に。

それでこのデザインの変貌についてなんですが、これは日欧のユーザーを取り込もうとした意図かと思われます。

MC41コンセプトデザイン

というのもMC41はグローバルモデルという事でデザインに関しては欧州とアジアでそれぞれ案を持ち寄って日本で取りまとめるという形が取られたんですが

・ツアラーデザイン(上品さ)を求めるアジア

・スポーツデザイン(過激さ)を求める欧州

真っ二つな意見だったとの事。

結局ツアラー(上品)デザインになったのはアジアの方が主要マーケットということからでしょう。

そして後期で先スーパースポーツライクなデザインになったのはアジアでの需要が満たされた事で、今度は日欧向けに切り替えたという事ではないかと。

CBR300R

ちなみに日本や東南アジア向けの250とは別にオーストラリアやA2免許の欧州や何でもござれなアメリカ向けの300があります。

ところでこのMC41をいま改めて見て思ったんですが、よくよく考えて見ると

「4st単気筒250で29馬力」

というのは中々なパワー。ホンダの市販車としては1983年のGB250の30馬力に次ぐパワーで、全体で見てもかなり上の方。

この事があまり注目されたり語られたりしないのはやはりマルチ(馬力)至上主義が250にも根強いという事か・・・シングルスポーツが廃れたのもそういうことか。

ちなみに前期型で書きそびれたのですがCBR250R Dream CUPって知ってますか。

ドリームカップ

ホンダのHRC主催で毎年全国19ヵ所のサーキット場で行われている

『安全性、平等性、低コスト』

を基本規則としたレース。チュートリアルの福田さんが紹介してたりしたので知ってる人も多いですかね。

CBR250Rレース

CBR250Rのみでビギナー向けのBクラスとエキスパート向けのEクラスがあります。

改造範囲も厳しく制限されており最高速はせいぜい160km/hくらいなんですが年を追うごとに非常に盛り上がっています。

CBR250Rマルケスとペドロサ

年末に行われる全国大会ビギナークラス決勝ではホンダのMotoGPライダーでチャンピオンのマルケスとペドロサもゲスト参戦するほど。

決勝の全国大会にもなるとプロレベルの人達が犇めき合っていますが、腕に自信のある方は是非どうぞ。

主要諸元
全長/幅/高 2035/720/1120mm
シート高 780mm
車軸距離 1380mm
車体重量 161kg(装)
[164kg(装)]
燃料消費率 32.1km/L
※WMTCモード値
燃料容量 13L
エンジン 水冷4サイクルDOHC単気筒
総排気量 249cc
最高出力 29ps/9000rpm
最高トルク 2.3kg-m/7500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前110/70-17(54S)
後140/70-17(66S)
バッテリー YTX7L-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
SIMR8A9
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.8L
交換時1.4L
フィルター交換時1.5L
スプロケ 前14|後36
チェーン サイズ520|リンク108
車体価格 464,400円(税込)
[515,160円](税込)
※[]内はABS仕様
系譜図
MC141986年
CBR250FOUR
(MC14)
MC171987年
CBR250R
(MC17)
MC191988年
CBR250R
(MC19)
MC221990年
CBR250RR
(MC22)
MC231991年
JADE
(MC23)
MC311996年
HONET
(MC31)
MC412011年
CBR250R
(MC41)
MC41後期2014年
CBR250R
(MC41後期)
MC432014年
CB250F
(MC43)
2017CBR250RR2017年
CBR250RR
(MC51)
CB250R/MC522018年
CB250R
(MC52)

CBR250R(MC41前期) -since 2011-

MC41

「Sport Quarter for One World CBR250R」

・日常で気軽に使えるとともに、操る楽しさを体感できること
・走りの楽しさと低燃費を兼ね備えること
・取り回しに優れた車体サイズで、フルカウルを装備し、スポーツバイクを所有する喜びを満たすこと

2011CBR250R

タイ生産で一から開発&製造される事になった新世代CBR。今にして思えばCBR系というよりVFR系なデザインですね。

この件については後期で話すとして、このモデルの最大の売りはコストパフォーマンスにあります。敷居を下げエントリー層へ振り向いてもらうため無印で45万、ホンダ自慢のC-ABS搭載型でも50万を切る驚異的な安さ。

2013CBR250R

と言うとただの安物バイクに聞こえてしまいそうですが、天下のホンダが安かろう悪かろうを作るハズもなくホンダらしく新しい試みが入っています。

その中でも特徴的なのがやっぱりエンジン。

新型エンジン

徹底的なフリクションロスの軽減を念頭に設計されているのですが、特徴としては二輪車としては初となるローラーロッカーアーム式DOHCを採用していること。

これによりフリクションロスを大幅に減らすことに成功・・・って言っても難しい話なので簡単に説明すると一般的なバルブ駆動方式(燃焼室の扉)はなにかといえば直打式です。

直打式

おにぎりみたいな形をしたカムが直接バルブを押して開く方式ですね。そのためダイレクト方式とも呼ばれます。

それに対してCBR250Rが採用している

『ロッカーアーム式』

は簡単に言うとカムが押すのはバルブではなく文字通りアームでそのアームがバルブを押すテコの原理を利用したもの。

ローラーロッカーアーム式

ダイレクト式の場合バルブを押すためのカムとバルブが密着していないといけないんですが、DOHC(カムシャフトが二本)はSOHC(カムシャフトが一本)に比べて正確なバルブ開閉が出来る事から高回転に出来る一方で、隣り合わせで二本も積まないといけないからぶつからないようにカム同士を離さないといけない。

そんなカムに対してバルブを合わせようと思ったらこれまた必然的にバルブに角度を付けないといけなくなる。そうすると結果的に燃焼時の表面積が大きくなってしまうという問題が生まれる。

新型エンジン

対してロッカーアーム式はダイレクト式と同様にカムは離れてるんだけどアームが内側に伸びてるからバルブの角度を小さく出来る、効率と省スペースに貢献できるという話。

しかしCBR250Rはそんなロッカーアーム式から更に一歩進んだ”ローラー”ロッカーアーム式によるもの。

いま説明した通りダイレクト式もロッカーアーム式もカムが押すことに変わりはない。くるくる回るカムの山で”ニュル”っと押されるのがバルブかアームかの違い。

しかし”ローラーロッカーアーム”は文字通りローラー(ニードルベアリング)がカムに押される部分についています。つまり

「ニュル」

ではなく

「クルッ」

と押されるわけです。

CRF250のカム

何故それが良いのかというと”ニュル”っていうのは擦れ合う事によって生まれる抵抗の”摺動抵抗”でこの場合はカムとロッカーアーム、それに対しローラーロッカーアームというのはカムの動きに対しローラーが回って受け止めるからクルっと回る”転がり抵抗”になるわけです。

抵抗が少ないのは当然ながら転がり抵抗の方で、これがローラーロッカーアームのメリット。

現状ではこれ以上のフリクションロスの軽減となる動弁方式は開発されていない事から四輪車ではこのローラーロッカーが主流になっています。

「じゃあなんでバイクは直打式が多いんだ」

っていう痛いところを突かれると、このローラーロッカーアーム式というのは文字通り直打式に対しローラーという物を抱えていることから重くなり、高速(高回転)になるとカムの動き(回転)についていけなくなる問題が出てくる。

だから回転数が自動車に比べ高いバイクではロッカーアーム式より直打式が多いというわけ。

「ローラーロッカーアームだめじゃん」

と思いきやそうじゃないのがCBR250Rの凄い所。

CBR250Rメーター

CBR250Rはローラーロッカーアームを採用していながらビッグボアで10000rpm以上も、とてもシングルのローラーロッカーアームとは思えないほど軽く回る。

これはボアストローク比が実はCBR1000RRの一気筒分と全く同じショートストロークだという事。まさにクオーターCBRなわけですが、それをローラーロッカーアームで可能にしたのがCBR250Rの凄い所なんですね。

ちなみにあまりにビッグボア過ぎると社内でも反対にあったそうですが、CBRと名付けるからにはという理由で採用。だからこそ単気筒にしては結構上の方で頑張るエンジンになってる。

CBR250R(MC41)

CBR250R/MC41に興味を持った人の多くは(長く色んなバイクを遊び尽くした達人も居ると思いますが)、バイク歴が浅い人や初心者が大半なのでこんな話をしてもチンプンカンプンかと思います。

まあ別にそれでいいと思います。大事なのは

「ガンガン回るのに低燃費(平均燃費32km/L)」

ということですから。

※2012年の250cc部門トップセールスを記録

主要諸元
全長/幅/高 2035/720/1125mm
シート高 780mm
車軸距離 1380mm
車体重量 161kg(装)
[165kg(装)]
燃料消費率 49.2km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 13L
エンジン 水冷4サイクルDOHC単気筒
総排気量 249cc
最高出力 27ps/8500rpm
最高トルク 2.3kg-m/7000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前110/70-17(54S)
後140/70-17(66S)
バッテリー YTX7L-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
SIMR8A9
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.8L
交換時1.4L
フィルター交換時1.5L
スプロケ 前14|後38
チェーン サイズ520|リンク108
車体価格 449,400円(税込)
[499,800円](税込)
※[]内はABS仕様
系譜図
MC141986年
CBR250FOUR
(MC14)
MC171987年
CBR250R
(MC17)
MC191988年
CBR250R
(MC19)
MC221990年
CBR250RR
(MC22)
MC231991年
JADE
(MC23)
MC311996年
HONET
(MC31)
MC412011年
CBR250R
(MC41)
MC41後期2014年
CBR250R
(MC41後期)
MC432014年
CB250F
(MC43)
2017CBR250RR2017年
CBR250RR
(MC51)
CB250R/MC522018年
CB250R
(MC52)

CBR250RR(MC22) -since 1990-

MC22

「高次元ヒューマンフィッティング&スーパーレスポンス・クォーター」

今でも250ccのバイクの話になると話題になるどころか復活したことでまた話に挙がってるCBR250RRのMC22型。

・吸気/排気系を再設計
・カムリフト量を縮小
・コンロッド周りの強度アップ
・圧縮比を0.5アップ
・VP型フラットバルブキャブ
・点火システムの見直し
・LCGフレーム
・110/70R17のラジアルタイヤを標準化
・8本スポークホイール
・タンデムシートをヒンジ型に変更
・Φ276のダブルディスクブレーキ化
・オールアルミサイレンサー

などなど

MC22カタログ写真

先代にあたるMC19のレプリカ色を更に強めたモデルでCBR400RRと同じ

『ヒューマンフィッティング』

というコンセプトを掲げて並ぶ形になったんですが、この両者は似て非なるモデルというか性格は全く違います。

400はバリバリのレーサー指向だったのに対し250は柔らかめの足に低いフレーム剛性とシート高というこう見えて非常にフレンドリーなんですね。あくまでも当時としてはの話ですが。

ニダボ

「ホンダの4st四気筒カムギアトレーン250ccレプリカ」

ということで凄いカリカリなイメージが先行しがちなんですが、400がサーキットでのフィッティングを大事にしたのに対し250は日常使いへのフィッティングを大事にした形。

その象徴ともいえるのがCBR400RRと同じく採用されたフレームにあります。意外とこの事を語ってる人は少ない印象なんですが250RR(と400後期)はLCG(Low Center of Gravity:低重心)フレームという独特なフレームをしています。

MC22フレーム

パッと見ただけでも普通のツインスパーフレームと形が少し違うことがわかると思いますが、これの狙いは前と中と後ろそれぞれの剛性を変えることで最適な剛性を作り出すこと。

LCGフレーム

そしてもう一つは名前の通り車体の重心を下げることで切り返しの軽さなどを狙ったもの・・・なんですが、実はCBR250RRは400ほど重心を下げていないんです。

これはオリャと極限まで責め際のハンドリングの良さよりも、重心をライダーに寄せることで日常など何気ない普段遣いでも素直にコーナリングにするため。

CBR250RR FireBlade

ある意味ではRRやFireBladeという言葉が先に立ち一人歩きしてしまった事で他のRRやNSRと同じようにカリカリのレプリカというイメージを持たれてる事が多い250RRのMC22だけど、中身はスペック競争が激化していたレプリカブームの真っ只中で最も我々一般ライダーに寄り添った優しいRRだったんですよ。

まあ市販車4st250ccレースでも頭一つ抜きん出た速さを持っていたのも事実ですけどね。

主要諸元
全長/幅/高 1975/675/1080mm
シート高 725mm
車軸距離 1345mm
車体重量 157kg(装)
燃料消費率 40.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 13L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4バルブ四気筒
総排気量 249cc
最高出力 45ps/15000rpm
[40ps/14500rpm]
最高トルク 2.5kg-m/12000rpm
[2.4kg-m/11500rpm]
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前110/70R17(54H)
後140/70R17(63H)
バッテリー FTX7L-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR9EH-9
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量2.7L
交換時2.2L
フィルター交換時2.4L
スプロケ 前17|後52
チェーン サイズ428|リンク134
車体価格 599,000円(税別)
※[]内は94年モデル以降

年次改良

※94年モデル
・40馬力自主規制
・バルブタイミングやマフラーの変更で中低速よりに変更

系譜図
MC141986年
CBR250FOUR
(MC14)
MC171987年
CBR250R
(MC17)
MC191988年
CBR250R
(MC19)
MC221990年
CBR250RR
(MC22)
MC231991年
JADE
(MC23)
MC311996年
HONET
(MC31)
MC412011年
CBR250R
(MC41)
MC41後期2014年
CBR250R
(MC41後期)
MC432014年
CB250F
(MC43)
2017CBR250RR2017年
CBR250RR
(MC51)
CB250R/MC522018年
CB250R
(MC52)

CBR250R(MC19) -since 1988-

CBR250R

CBR250の中で恐らく一番不遇だったハリケーン二号ことCBR250RのMC19。

というのもフロントディスクがシングルに変更されたから。先代で話した通り、250もトリプルディスクがステータスどころかもはや当たり前になっていた中でのシングル化。

CBR250Rカタログ写真

ホンダから言わせればパワーと車重のバランスから見てもシングルで十二分な動作性能があり、逆にダブルだとバネ下重量増加のデメリットが大きいからというんだろうけど、ライダーにとっては気持ちの良いものではなかったんだね。

とはいうものの、エアロフォルムだった一号からレプリカ(スーパースポーツ)なデザインへ変わったことでハートを射抜かれた人が多いのも事実。

MC19

ただ少し悲しいことに二年後のモデルチェンジで今でも語られるニダボでお馴染みCBR250RR(MC22)が登場。

見た目はほぼ変わらないまま目立つ変更点といえばさっき言ったトリプルディスク化。こうなってしまうとMC19の立場は無いも同然。年間販売台数2万台という記録を樹立した87年のCBR250R(MC17)、今でも語られるほどの人気を誇った90年のCBR250RR(MC22)。MC19はその狭間に埋もれてしまったちょっと可哀想なCBR250R。

MC19カタログ写真

※注意 1988~89のCBR250R(MC19)は発火の危険性があります

MC19は燃料ホースとホースのジョイントが経年劣化に弱くガソリンが漏れて(エンジン熱で気化し燃料ポンプの接点火花で)発火しやすいという問題を抱えています。

一度対策品「フューエルチューブセット:16955-KY1-315」が発売されましたが現在は欠品。

それらの問題を知らずに乗り続け全焼させてしまうという事故が今も跡を絶ちません。その事を重々頭に入れておいて下さい。

またオーナーの方も乗り出したときにガソリンの匂いがしたら高確率で漏れてるので絶対にそのまま乗らない事。貴重なハリケーンがファイヤーストームになってしまうのでご注意を。

主要諸元
全長/幅/高 2020/685/1075mm
シート高 720mm
車軸距離 1365mm
車体重量 154kg(装)
燃料消費率 41.5km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 13L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4バルブ四気筒
総排気量 249cc
最高出力 45ps/15000rpm
最高トルク 2.6kg-m/10500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前100/80R17(52H)
後140/70R17(66H)
バッテリー YTX7L
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR9EH-9
推奨オイル Honda純正ウルトラGP
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量2.7L
交換時2.2L
フィルター交換時2.4L
スプロケ 前17|後54
チェーン サイズ428|リンク136
車体価格 589,000円(税別)
系譜図
MC141986年
CBR250FOUR
(MC14)
MC171987年
CBR250R
(MC17)
MC191988年
CBR250R
(MC19)
MC221990年
CBR250RR
(MC22)
MC231991年
JADE
(MC23)
MC311996年
HONET
(MC31)
MC412011年
CBR250R
(MC41)
MC41後期2014年
CBR250R
(MC41後期)
MC432014年
CB250F
(MC43)
2017CBR250RR2017年
CBR250RR
(MC51)
CB250R/MC522018年
CB250R
(MC52)

CBR250R(MC17) -since 1987-

MC17

時代はレプリカ全盛期なので当然というか必然というか、僅か一年でモデルチェンジというか追加されたRモデルのCBR250R
具体的にはHurricaneというペットネームが付き、フルカウルにセパレートシート、エンジンにも手直しが入っている。

ホンダはこの頃CBRに”ハリケーン”というペットネームを付けてました。結局は定着せず僅か数年で無くなりました。定着してたら今頃はCBR-RR SUPER HURRICANEとかになってたのかな・・・

そんなハリケーンですが一番反響があったのはリアのディスク化。

MC17カタログ

何故このリアのディスク化が大事かというとCBR250FOURに対し
「何でリアがドラムなんだ!リアがドラムなんてスポーツバイクじゃない!」
って声が相次いだから。

当時はバイクブームもあって毎年のように装備が豪華になっていってて、この頃は前後ディスクブレーキ(リアと合わせてトリプルディスク)がスポーツバイクのステータスになっていたからドラムは受け入れられなかったですね。

CBR250R

ついでに車名もFからRにしてスポーツ色を強める戦略に。

CBR250Rという車名はこれが最初になります。結果としてこれが年間販売台数二万台を超える大ヒットとなり、並み居る強豪を抑え販売台数トップに輝きました。

250で年間販売台数二万台という記録を持つ車種は2000年代半ばにピークを迎えたビッグスクーターブームを巻き起こしたフォルツァとマジェスティとこのハリケーンだけです。

主要諸元
全長/幅/高 2000/680/1120mm
シート高 720mm
車軸距離 1365mm
車体重量 155kg(装)
燃料消費率 48.5km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 14L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4バルブ四気筒
総排気量 249cc
最高出力 45ps/15000rpm
最高トルク 2.6kg-m/10500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前100/80R17(52H)
後130/70R17(62H)
バッテリー FTX9-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
C8EH9
推奨オイル Honda純正ウルトラGP
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量2.7L
交換時2.2L
フィルター交換時2.4L
スプロケ 前14|後44
チェーン サイズ520|リンク108
車体価格 549,000円(税別)
系譜図
MC141986年
CBR250FOUR
(MC14)
MC171987年
CBR250R
(MC17)
MC191988年
CBR250R
(MC19)
MC221990年
CBR250RR
(MC22)
MC231991年
JADE
(MC23)
MC311996年
HONET
(MC31)
MC412011年
CBR250R
(MC41)
MC41後期2014年
CBR250R
(MC41後期)
MC432014年
CB250F
(MC43)
2017CBR250RR2017年
CBR250RR
(MC51)
CB250R/MC522018年
CB250R
(MC52)

CBR250FOUR(MC14) -since 1986-

MC14

「メカマックス」
ホンダの市販250としては初の四気筒モデルとして登場したCBR250FOURは初っ端からアルミツインチューブフレームにフロントダブルディスクブレーキと四気筒250の第一号にも関わらずフル装備状態。

カタログで”メカマックス”または”呼吸する精密機械”と謳っているのはこういうことから。

いきなり話が脱線するけど市販車の括りを取っ払うとホンダが初めて作った250四気筒はマン島レース250部門に出るために作られたレーサーRC160。

RC160

CBR250FOURが生まれる20年以上前の1959年に作られた空冷DOHCで35ps/13000rpm・・・ハイすいません。

話を戻して・・・この頃のホンダの250といえば「2stに勝てる4st」としてお馴染みのVT250F(VTRのご先祖様)でした。250部門で年間販売台数トップを取るほどの人気で名実ともに文句なしの250。

それなのに何故こんなバイクを出したのかというと、1985年に市販車初の250四気筒として出てたスズキGS250FW、そしてその後に出て大ヒットとなったヤマハFZ250PHAZERの存在です。

fz250

それが本田宗一郎の耳に入り、自社の技術者達に対し

「ヤマハに先を超されてるじゃないか!」

と大激怒したのがことの発端。まあ要するに後追いですね。

CBR250FOUR

つまりもう既にライバル達が居る状況だったからいきなりフル装備、そしてコスト高な事から今ではRC213V-Sという2000万円バイクでしか味わえないホンダの十八番カムギアトレーンを積んだというわけ。

カムギアトレーンっていうのはエンジンのカムバルブ(吸排気のドア)をチェーンではなく歯車で回す方式のこと。

凄くお金かかっただけにMC14Eエンジンは、このあと20年間脈々と継がれていくことになるわけです。

CBR250FOURスペシャルエディション

ただ思ったほど販売台数が伸びなかったのか僅か三ヶ月で専用色とオプションだったアンダーカウルを装備したスペシャルエディションを追加しました。

その名もスペシャルメカマックス・・・ってそのまんまですね。

主要諸元
全長/幅/高 2000/685/1120mm
シート高 750mm
車軸距離 1370mm
車体重量 153kg(装)
燃料消費率 48.2km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 14L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4バルブ四気筒
総排気量 249cc
最高出力 45ps/15000rpm
最高トルク 2.6kg-m/10500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前100/80R17(52H)
後130/70R17(62H)
バッテリー FTX9-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
C9EH-9
推奨オイル Honda純正ウルトラGP
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量2.7L
交換時2.2L
フィルター交換時2.4L
スプロケ 前14|後43
チェーン サイズ520|リンク108
車体価格 549,000円(税別)
系譜図
MC141986年
CBR250FOUR
(MC14)
MC171987年
CBR250R
(MC17)
MC191988年
CBR250R
(MC19)
MC221990年
CBR250RR
(MC22)
MC231991年
JADE
(MC23)
MC311996年
HONET
(MC31)
MC412011年
CBR250R
(MC41)
MC41後期2014年
CBR250R
(MC41後期)
MC432014年
CB250F
(MC43)
2017CBR250RR2017年
CBR250RR
(MC51)
CB250R/MC522018年
CB250R
(MC52)

CBR1100XX(SC35後期)-since 2001-

SC35後期

「High-End Super Sports」

強化された排ガス規制に対応するため馬力を152馬力に落とされた最終型のCBR1100XX/SC35後期モデル。

その分リアウィンカーの形状やデジタルメーターへ変更などで質感をアップさせています。

デジタルメーター

そしてもう一つ大きな変更点がこのモデルから国内仕様が追加された事。

100馬力&180km/hリミッターが付いていますが、遮蔽板とマフラーを変えてECUをゴニョゴニョするとセミフルパワー化。

セミというのはカム形状(プロフィール)が国内と輸出仕様で違うというお約束があるから。

CBR1100XX前後

CBR1100XXは2002年にレスポンス改良という年次改良をしたのを最後に2007年の排ガス規制をもって生産終了となりました。

よくよく考えるとリッターオーバーのCBRって後にも先にもこのCBR1100XXだけなんですよね。

ブラバの愛称で親しまれ、いわゆるメガスポ黄金期の一台として今でも再販や後継を望む声は少なくありません・・・が、まあ出ないでしょう。

というのもCBRシリーズのトップを張っているCBR1000RRは”レースでも使う車両”という言い訳が立つ。しかしレースに使えるわけでもないのにレース車両よりもパワーのあるCBR1100XXというのは一般社会から見て良いものには映らないから。

ホンダは業界最大手として社会的責任を過剰なほど持っている非常に厳しいメーカーですから。

国内仕様カタログ

そもそも後継云々の前に、まずホンダからこんなバイクが出たことが奇跡なんですけどね。

これまでホンダから出たとモンスターバイクといえばRC30/RC45/RC51やNR750、RC213V-Sなどレースで使う車両か高額なコレクション的な物しかなかった。

それに対してCBR1100XXは大型バイクとしては常識的な価格(税別110万円)で誰もが買おうと思えば買えるスーパーなバイク。

どうしてこんなバイクが許されたのかと言えば間違いなく開発責任者でありホンダを支え続けた山中さんだったから。そしてそんな山中さんのエンジニアとして最後の仕事、最後の華だったからでしょう。

CBR1100XXコンセプトスケッチ

納得のいくバイクが出来ないと二度もプロジェクトをやり直し、発表時期の大幅な遅れが許されたのも山中さんだったから。

「誰もが買える価格帯」

という取り決めも山中さんの強い意向によるものです。

スーパーブラックバードカタログ

数々の名車を生み出してきた山中さんにとってCBR1100XXがどれだけ強い思いで作られたかが分かる部分があります。

山中さんはCBR1100XXを造られた後に、カブのスイッチを作っていた浜松製作所に戻られ定年退職されました。そしてその後は浜松でバイクカフェをオープンされたのですが、そのカフェの名が・・・

コーヒー ブラックバード

「コーヒー・ブラックバード(http://blackbird147.blog.fc2.com/)」

名前の由来はもちろん最後に開発されたバイクCBR1100XX SUPER BLACKBIRDから。

美味しいコーヒーと共にバイクの深い話も出来るのでバイクライダーの方も大歓迎との事です。大人数で行かれる際はご迷惑にならないように注意してください。

以下は備忘録

Q1. CBR1100XX SUPER BLACKBIRDのコンセプトは?

A1. とにかく楽しいバイクに仕上げることが目標だった。250km/hで風景を楽しむことを念頭に開発した。

Q2. ZZR1100はやはりライバルだった?

A2. 簡潔に答えると「Yes」。ブラバのコンセプトに一番近いバイクがZZR1100だった。ZZR1100が持つネガな部分を徹底的に排除したバイクが理想だった。

Q3. ブラックバード開発で一番苦労した点は?

A3.とにかく軽量化が一番難しかった。特に2軸バランサーによる重量増加の解消が難しかった。しかしZZR1100は振動がネックとなっていたため、2軸バランサーの採用は絶対に外せなかった。

Q4. GSX1300R HAYABUSAが発表された時どう思ったか?

A4. 特に対抗意識は持たなかった。自分の開発したバイクこそ最高のバイクだと確信していた。

Q5. ご自身が携わり続けたV4の可能性はあったか?

A5. 簡潔に答えると「No」。CBR1000Fの後継機としての開発がスタートのため直列4気筒がベースとなった。結局ほとんどを作り直す羽目にはなったが。

Q6. 後継機は開発したかった?

A6. 簡潔に答えると「Yes」。しかし理想のバイクのさらに上を行くバイクの開発はかなりの手探りになったと思う。

主要諸元
全長/幅/高 2160/720/1200mm
シート高 810mm
車軸距離 1490mm
車体重量 256kg(装)
燃料消費率 21.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 24L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 1137cc
最高出力 100ps/8500rpm
[164ps/9500rpm]
最高トルク 10.0kg-m/6500rpm
[12.1kg-m/7500rpm]
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー FTZ12S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
IMR9C-9H
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量4.6L
交換時3.8L
フィルター交換時3.9L
スプロケ 前17|後44
チェーン サイズ530|リンク110
車体価格 1,100,000円(税別)
系譜図
SC211987年
CBR1000F
(SC21)
sc241989年
CBR1000F
(SC24)
sc311993年
CBR1000F
(SC31)
sc351996年
CBR1100XX
(SC35前期)
sc35-21999年
CBR1100XX
(SC35中期)
X111999年
X11
(SC42)
sc35-32001年
CBR1100XX
(SC35後期)

【関連車種】
FJR1300の系譜HAYABUSAの系譜ZX-14R/GTRの系譜