XVS250 DragStar(5KR)-since 2000-

ドラッグスター250 5KR

恐らく和製クルーザーで一番の知名度を誇るであろうドラッグスターシリーズの250モデルとして登場したドラッグスター250。

ビラーゴと何が違うのかというと、キャスター角(フロントフォーク)を3度ほど更に寝かせホイールベースを伸ばし、全高も抑える事でロー&ロングさが強くなりました。更に細かい事を言うとエンジンのフィンやクランクケースカバーを肉厚にしボリュームを増加。

ビラーゴよりも更にクルーザーとしてのルックスに磨きを掛けたというわけです。中でもシリンダーフィンの造形はDSシリーズでは一番ではないかと。

XVS250 DragStar
(19D)
-since 2008-

ドラッグスター250 19D

こちらは2008年からの排ガス規制に対応した19D。

二本出しマフラーだったのが一本に纏められたんですが驚きな事にキャブのまま。SRや兄貴分の400ですらFI化されたのに。オーストラリアのViragoやアメリカのV-Star250との兼ね合いもあるんでしょうね。アッチもミクニキャブです。

クルーザーはあまり詳しくないので何を書けば良いか少し検索してみると、エントリークルーザーとして当然ですが

「DS400とDS250どっちが良いのか」

という永遠の課題ともいえる事についての内容が多い。

両車を比べてみると、意外と数値的な寸法は変わらなかったりします。ただこれはハンドルやウィンカーといった所で決まっているものなので実車見ると分かりますが250はスリムで400はマッチョ。これはフェンダーやカウルなどが排気量が上なだけあって厚みがあるから。

DS4の武器はズバリ重厚さ。クラシックモデルとなるとなおさら重厚になる。(写真左が400、右が250)

ドラッグスター400/250

じゃあ250の武器は何かというと軽薄さ・・・言ってることが矛盾しているように聞こえるかもしれないけどコレがDS250の武器。

クルーザーはその見た目通り、重く大きい事から取り回しが大変なのが当たり前。街乗りでクルーザーをあまり見かけないのはこういう理由もあるからなんだけど、250はビラーゴの後継なだけあってパワーこそ無いけど乾燥重量で159kgとクルーザーでは最軽量の類。

これが無理ならもうクルーザーは無理と言えるくらい軽い。そのためか250cc層だけでなく、女性クルーザー層にも非常に人気が高いようですね。

ドラッグスター250

DS250は乗ってる時も降りた時もクルーザーとは思えないくらいヒョイヒョイ動かせる。

“非日常性”が強く求められるクルーザーにおいて気兼ねなく毎日乗れる「日常系クルーザー」なのがXVS250DragStar。

主要諸元
全長/幅/高 2320/915/1075mm
[2320/935/1070mm]
シート高 670mm
車軸距離 1530mm
車体重量 159kg(乾)
[160kg(乾) ]
燃料消費率 55.0km/L
[51.0km/L]
※定地走行テスト値
燃料容量 11.0L
エンジン 空冷4サイクルOHC2気筒
総排気量 248cc
最高出力 23ps/8000rpm
[20ps/8000rpm]
最高トルク 2.2kg-m/6000rpm
[1.9kg-m/6000rpm]
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前80/100-18(47P)
後130/90-15(66P)
バッテリー YTZ7S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR6HSA
または
U20FSR-U
推奨オイル ヤマルーブプレミアム
または
スポーツ
または
スタンダードプラス
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.8L
交換時1.4L
フィルター交換時1.6L
スプロケ 前20|後56
チェーン サイズ428|リンク146
車体価格 499,000円(税別)
[577,500円(税別)]
※[]内は19D型
系譜図
XV250ビラーゴ1988年
XV250/SPECIAL
Virago
(3DM)
SRV2501992年
SRV250/S
(4DN)
ルネッサ1996年
RENAISSA
(4DN)
ドラッグスター2502000年
XVS250 DragStar
(5KR/19D)

【関連車種】
Shadow400の系譜DragStar400の系譜インクラ/ブルバ400の系譜REBEL250の系譜

SRV250 Renaissa(4DN)-since 1996-

SRX250ルネッサ

SRV250の派生モデルになるSRV250ルネッサ。「ルネッサ(復興・再生)」という何としてでもSRの様に定着させたいというストレートなネーミングがプラス。

ブリティッシュカフェレーサーの様なSRV250が上品過ぎて敬遠されていると判断したのか、ポジションを少し前傾にし黒基調でシートカウルを一体とした事でちょいワル感が出ているイタリアンカフェレーサーのようなモデル。

ホイールリムもアルミからスチールに変更され、バフ仕上げも止めたおかげでSRV250よりも5万円も安い39万9000円になったんですが・・・何が駄目だったんでしょうね。

RENAISSAカタログ

本家のSRV250もそうですが、ネオレトロが流行っている今なら間違いなく人気が出ると思いますが・・・SRが成功していてSRVやホンダのVRXが駄目だったのを見るとやっぱりVツインが馴染めない、好きになれない人が多かったという事かな。

今となってはVツインスポーツってホンダのVTRとスズキのSVだけですしね。フルラインナップメーカーとしては扱いに困る(流用しづらい)エンジンというのもあると思いますが。

そういえば2007年のモーターショーで出展され話題になったXS-V1 Sakuraを覚えておいででしょうか。

XS-V1さくら

このバイクのテーマは「日本の美」で、結果的にds250として市販化されたわけですが、どこからどう見てもコレはSRVじゃないかなと思うわけです。

名前だって”S”aku”R”aなんだし絶対そうに違いない・・・もう10年経ちますけど。

主要諸元
全長/幅/高 2060/685/1050mm
シート高 770mm
車軸距離 1390mm
車体重量 142kg(乾)
燃料消費率 55.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 11.0L
エンジン 空冷4サイクルOHC2気筒
総排気量 248cc
最高出力 27ps/8500rpm
最高トルク 2.5kg-m/6500rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前90/90-18(51S)
後110/90-18(61S)
バッテリー YTX7A-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR7HSA
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量2.0L
交換時1.6L
フィルター交換時1.8L
スプロケ 前15|後45
チェーン サイズ520|リンク106
車体価格 399,000円(税別)
系譜図
XV250ビラーゴ1988年
XV250/SPECIAL
Virago
(3DM)
SRV2501992年
SRV250/S
(4DN)
ルネッサ1996年
RENAISSA
(4DN)
ドラッグスター2502000年
XVS250 DragStar
(5KR/19D)

SRV250/S(4DN)-since 1992-

SRV250

トラディショナルVツインネイキッドのSRV250。カフェレーサースタイルの全く新しいネイキッド。

250cc本格クルーザーのビラーゴ、そして今でいうネオレトロなこのSRV250と、立て続けに新しいジャンルの250を出してきたのは250の需要の多さや広さをヤマハが再認識したからなんですが、このSRV250はただ焼き増ししただけではなく、先に出ていたビラーゴ250のエンジンをベースにしつつも、クランク・ピストン・コンロッドや吸排気を変更しレスポンスを向上。更にエンジンブロックの造形まで変更し各部バフ仕上げという非常に贅沢な250。

Vツインなのに車名に”Single Roadsports”の略であるはずのSRという名前がついているのは、SRの様に長く愛されるバイクになって欲しいという想いを込めて。

SRV250カタログ

「ライダーとは、他人の話には乗らず、自分の思い入れに乗る人種である」

なんてカッコいいキャッチが入っていますが、SRV250は併売していたビラーゴそっちのけで大々的に広告を打たれました。ヤマハがいかにSRV250に賭けていたかが分かりますね。

ヤマハがSRV250で目指したのは、毎日の通勤からちょっとしたツーリングまで軽快にリーンウィズでスポーツを楽に楽しめるバイク。

SRV250S

バフがけされたカバーなどの外見だけでなく、剛性が高すぎないクレードルフレーム、落ち着きのあるハンドリングを生む18インチホイール、Vツインのスリムさを活かした軽い寝かし込み、そしてパルス感を楽しめる狭角Vツインエンジン。

飾って良し、乗って良し、弄ってよし。250の強みを存分に奮った大人の250でした・・・。

が、残念ながら人気は出ず。

SRV250Sカタログ写真

翌年にはシートとステムベアリングに変更が入ったほか、サブタンク付きリアサスペンションやローハンドル、バイザーに塗り分けタンクとメッキが施されたSモデルが、ビジネスマン向けにセンタースタンドとリアキャリアが付いたTモデルが追加されました。

主要諸元
全長/幅/高 2095/720/1055mm
[2095/720/1105mm]
シート高 760mm
車軸距離 1390mm
車体重量 144kg(乾)
[146kg(乾) ]
燃料消費率 56.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 13.0L
エンジン 空冷4サイクルOHC2気筒
総排気量 248cc
最高出力 27ps/8500rpm
最高トルク 2.5kg-m/6500rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前90/90-18(51S)
後110/90-18(61S)
バッテリー YTX7A-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR7HSA
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量2.0L
交換時1.6L
フィルター交換時1.8L
スプロケ 前15|後45
チェーン サイズ520|リンク106
車体価格 449,000円(税別)
[479,000円(税別)]
※[]内はSモデル
系譜図
XV250ビラーゴ1988年
XV250/SPECIAL
Virago
(3DM)
SRV2501992年
SRV250/S
(4DN)
ルネッサ1996年
RENAISSA
(4DN)
ドラッグスター2502000年
XVS250 DragStar
(5KR/19D)

XV250 Virago(3DM) -since 1989-

ビラーゴ250

250としては初となる本格クルーザーのビラーゴ250。

並列エンジンのネイキッドをベースにキャスター(フロントフォーク)を寝かせてアップハンにしただけのいわゆるジャメリカンとは違い、ちゃんとというかわざわざ狭角Vツインを新造して搭載。

マフラーレイアウトや装飾用のメッキダミーエアクリーナーボックスなど、クルーザーとしてのツボは抑えつつ、クラスとしては250らしく軽量コンパクト。

XV250ビラーゴカタログ

ビラーゴというとイージーライダーを機に始まった第一次クルーザーブーム(80年代前半)を代表する一台であるビラーゴ400が有名なので250は

「クルーザーブームに乗っかって出したバイク」

と思われがち。

たしかにヤマハとしてはその思惑があったと思います。しかしその思惑は外れたんです。

ビラーゴ250が出たのは1988年。この頃は既にクルーザーブームは去っていてレーサーレプリカブーム真っ只中。

ビラーゴS

クルーザーはもう消え行くだけのようなジャンルでした。今で言うビッグスクーターの立ち位置ですね。

そんな状況で送り出されたビラーゴ250が売れるはずもなく最初はそりゃもう総スカン。ところが90年代に入ると馬力の自主規制を発端にレーサーレプリカブームが去り、肩肘張らずに乗れるネイキッドブームが到来したわけです。

これは目を三角にして走る事に疲れたユーザーが多く居たというのもあるわけなんですが、その一部がネイキッドではなくクルーザーの方に流れてきました。そんな層を大量に獲得し、世間から注目されるようになった事で新規層も獲得したクルーザーがビラーゴ・・・ではなくホンダのスティード。これによって第二次クルーザーブームが到来します。

ヴィラーゴ

クルーザーが世間から再注目されるようになった中で、本格的な造りをしながらも日本の環境にマッチした250として唯一の存在だったビラーゴ250。ブームのジャンルで唯一だった250の本格クルーザーが売れないわけはない。

XV250SP

時代を先取りしたビラーゴ400とは逆に、時代が後からやってきたのがビラーゴ250というわけ。

元々250クルーザーとしては軽さからくる取り回しの良さがあったおかげか2000年に出た後継のDS250が出るまでの10年間続きました。

これだけでも凄いんだけどビラーゴは北米やオーストラリアでは2017年現在も販売中っていう。

Vスター250

向こうでも日本と同じようにエントリー向けクルーザーとして好評を博しているようで。一度プレストもDS250あるのに2007年モデルV-Star250を逆輸入したりしました。

そう考えると世界で一番認められた和製クルーザーはこのVX250Viragoかもしれないね。

主要諸元
全長/幅/高 2190/725/1045mm
{2190/800/1130mm}
※{}内はプルバックハンドル
シート高 685mm
車軸距離 1490mm
車体重量 137kg(乾)
[142kg(乾)]
燃料消費率 56.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 9.5L
エンジン 空冷4サイクルOHC2気筒
総排気量 248cc
最高出力 23ps/8000rpm
最高トルク 2.2kg-m/6000rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前3.00-18-4PR
後130/90-15(66P)
バッテリー YB10L-A
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
C5HSA/C6HSA/C7HSA
または
V16F-U/V20FS-U/V22FS-U
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.8L
交換時1.4L
フィルター交換時1.6L
スプロケ 前16|後45
チェーン サイズ520|リンク114
車体価格 389,000円(税別)
[399,000円(税別)]
※[]内はスペシャル
系譜図
XV250ビラーゴ1988年
XV250/SPECIAL
Virago
(3DM)
SRV2501992年
SRV250/S
(4DN)
ルネッサ1996年
RENAISSA
(4DN)
ドラッグスター2502000年
XVS250 DragStar
(5KR/19D)

FJR1300A/AS(B88/B95) -since 2016-

四代目FJR1300

「ダイナミックツーリング」

五代目にあたるFJR1300。ここまで来といて申し訳ないんだけどFJRは本当はもっと刻んでモデルチェンジ(というかマイナーチェンジ)しています。大体二年ごと。でもソコまで書く気力が無かったので大まかに世代ごとに分けて書いてますゴメンナサイ。

このモデル最大の特徴はなんといってもミッションが5速から6速になった事。これによってミッションガチャガチャと忙しなくシフトチェンジして走るスポーツ走行と回転数を抑えたジェントルな走りが可能になりました。

ミッション

他にも最近のモデルチェンジの定番として定着しつつあるヘッドライトのLED化。

でもただのLEDヘッドライトではありません。ASモデルでは更にFRONT ADAPTIVE CORNERING LIGHTSという物が備わってます。

アダプティブコーナリングライト

これはまあ要するにコーナーの先を照らしてくる補助ライトの事でヘッドライトの上に付いてます。

アダプティブヘッドライト

車では標準装備になりつつある装備ですが、バイクでもコレからは標準装備が増えていくんだろうか。これあったら便利ですよね。

二輪で最初にやったのはBMWのK1600だったかな。アッチはヘッドライトと鏡を傾ける事で実現してるみたい。まだコレっていう方法が確立されてないんでしょうね。バイクはスペースに限りがあるし。

テールライト

テールもLED化されたんですが、ブレーキランプだけじゃなくてウィンカーまでLEDになってますね。昨今はLEDブレーキランプは珍しくないけどLEDウィンカーはまだまだ普及してないからドヤ顔出来ますね。

さてさて、FJR1300は欧州とは対照的に日本ではあまり売れてません。

「車格のツアラー日本向きじゃない」

って思ってる人が多いからだと思います。私自身そう思ってました・・・思ってましたというのはある意見を聞いて考えが少し変わったからです。

実はこのFJR1300に惚れ込んで日常の足としても使ってるバイクジャーナリストの方が居ます。

丸山浩

それは丸山浩さん。バイク雑誌を読んだことがある方なら一度は目にしたことがあると思うので説明不要な気もしますが、モータージャーナリスト&WITH ME代表&プロライダーの方です。

しかもただ持ってるわけじゃありません。初代乗ってて二代目に乗り換えるほどのFJRに惚れ込んでる。

そんな丸山さんがFJRに乗る理由として明らかに新型バイクのインプレを語る時よりウキウキと饒舌に

「大きいミラーに加えて大容量パニアケースで仕事道具全部詰めて出張るのにピッタリ」

と語ってたんです。

スポーツツアラーと聞くと、週末に凄く遠くに旅に出るためのバイクという固着観念を持っていた身としては青天の霹靂といいますか寝耳に水といいますか、とにかく衝撃でした。

今さらFJRのツーリング性能をとやかくいう必要は無いと思いますし、こういうことを言うと本末転倒と突っ込まれそうですが、別にツアラーだからって遠くに行かなくてもいいし、旅をしなきゃいけないわけじゃない。なにも自ら用途を絞る必要はないわけで。

2016FJR1300壁紙

普段なら車で行くような遠出とまでは行かないショッピングや散策に使ったっていいわけですよ。パニアケースがあれば荷物乗るし、連れが居たってこのシートを嫌う人は居ないでしょう。

週末のホームセンター巡りをFJRでしてもいいじゃない。FJRは街乗りしかしない白バイに世界中で採用されるほど懐が広いんだから。

お高いバイクだからってお高く止まる必要はない。

主要諸元
全長/幅/高 2230/750/1325~1455mm
シート高 805~825mm
車軸距離 1545mm
車体重量 289kg(装)
[296kg(装)]
燃料消費率 16.6km/L
※WMTCモード値
燃料容量 25L
エンジン 水冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 1297cc
最高出力 147ps/8000rpm
最高トルク 14.1kg-m/7000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58WW)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー GT14B-4
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CPR8EA-9
推奨オイル ヤマルーブ
プレミアム/スポーツ/スタンダードプラス
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量4.9L
交換時3.8L
フィルター交換時4.0L
スプロケ
チェーン
車体価格 1,400,000円(税別)
[1,700,000円(税別)]
※[]内はFJR1300AS(B95)
系譜図
1984FJR11001984年
FJ1100
(36Y)
1991FJR12001986年
FJ1200/A
(4CC)
20012001年
FJR1300 /A
(5JW/5VS)
20062006年
FJR1300A/AS
(3P6/2D2)
20102010年
FJR1300A/AS
(1CY/1DA)
2014as2013年
FJR1300A/AS
(1MC/1MD)
20162016年
FJR1300A/AS
(B88/B95)

【関連車種】
CBR1100XXの系譜HAYABUSAの系譜ZX-14R/GTRの系譜

FJR1300A/AS(1MC/1MD) -since 2013-

三代目FJR1300

「ダイナミックツーリング」

FJRとしては初めての外装デザインが大幅に変わった四代目。

ジャンピングムーブメント

大きく変わりましたね。

デザインテーマはマシンが前に飛び出すように見える“ジャンピングムーブメント”。

ラフデザイン

大きな第一歩を踏み出そうとするライダーの背中を押せるようなデザインとの事。

内部的な事をいうとYCC-S(クラッチレス)のASモデルとAモデルの2モデル展開はそのままにトラクションコントロールやDモード(モード切替)が採用。

更にASモデルには倒立サス(しかも電子制御)にクルーズコントロールシステム、STOP MODEを搭載。更にクラッチ制御がよりナチュラルになるように改良されています。

ハンドル周り

もはや何が何のスイッチだか説明する気も失せる多さですし、バイクでクルーズコントロールなんて恐ろしいような試してみたい様な魅力ですが、このモデルチェンジで間違いなく重宝するのはSTOP MODEでしょう。

ASは先に言った通りシフトチェンジを自分でしなきゃいけないという特性なんですが、止まった時や止まる時に自分でガチャガチャ一速に入れないといけないという少し煩わしい点があります。

このSTOP MODEはそんな煩わしさを解消するために、止まった時は自動で一速に入れてくれるモード。これでガチャガチャともおさらば出来るわけです。

FJR1300壁紙

さて、FJRは先代までの時点で世界販売台数10万台を突破する大ベストセラーで今ではスポーツツアラーの定番と化してるわけですが、欧州との規制統一化によって今までプレスト扱いだった日本でもヤマハ直々に取扱いとなりました。このおかげで前よりも身近になりましたね。

唐突ですが、書くこともないので少し話を脱線。

FJR1300は2001年の初代と早い段階から電動スクリーンを採用しています。今となっては電動スクリーンなんてツアラーじゃ当たり前でソレ自体は珍しくもなんともないわけですが、果たして皆さんは電動スクリーンの恩恵をちゃんと理解しているでしょうか。

ウインドプロテクション

電動で高さを変えられる事で防風性能を気軽に変えられる・・・半分正解です。

電動スクリーンのメリットは確かに高さを手軽に変えられる事。でもそれは闇雲に風を防ぐ為だけにあるわけじゃないんです。それなら最初から背の高いスクリーンをつければ良いだけでしょ?

正しく言うなら電動スクリーンのメリットはウインドプロテクションをコントロール出来る事。

言ってること一緒じゃんと言われそうですが違います。

バイクで走っている時、スクリーンのあるバイクは風を受け流してライダーに当たらない様にしてるわけですが、そうすると一つ問題が出てくる。

CFD

注目して欲しいのはスクリーンの裏側にあたるハンドル付近の青くなってる部分。これは前に進むバイクが風を掻き上げる事でスクリーン裏が負圧になってるわけです。極端に言えば真空状態しかも慢性的な。

すると圧力差から周りの空気が流れ込み、入り乱れたトルネードの様になる。写真のバイクはスクリーンがそれほど大きくないのでアレですが、もしコレが頭まですっぽり隠れる程のスクリーンだったらどうなるでしょう。ライダーはその入り乱れたトルネードのすぐ後ろに身体を置かないといけなくなるわけです。

そうなってしまうと負圧で身体を引っ張られるわ、トルネードの轟音に晒されてしまうわ、疲れないためにあるはずのスクリーンという名の風防が疲れを誘発させる風防に早変わってしまう。

ちなみにトップブリッジにカメラやスマホをマウントして撮影しても轟音で音が全く拾えなかったりするのもこのトルネードのせい。

スクリーン

要するにスクリーンというのは高すぎても駄目なんです。

でも座高の高さなんて千差万別で誰が乗っても完璧なエアロダイナミクスなんて不可能。だから自分にピッタリのエアロダイナミクスを可能にする電動スクリーンはとっても理に適ったありがたい装備であり、今となってはツアラーの必需品になってるわけですね。

・・・バイクトリビアの方に書けばよかったな。

主要諸元
全長/幅/高 2230/750/1325~1455mm
シート高 805~825mm
車軸距離 1545mm
車体重量 289kg(装)
[296kg(装)]
燃料消費率 16.3km/L
※WMTCモード値
燃料容量 25L
エンジン 水冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 1297cc
最高出力 147ps/8000rpm
最高トルク 14.1kg-m/7000rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58WW)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー GT14B-4
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CPR8EA-9
推奨オイル ヤマルーブ
プレミアム/スポーツ/スタンダードプラス
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量4.9L
交換時3.8L
フィルター交換時4.0L
スプロケ
チェーン
車体価格 1,350,000円(税別)
[1,650,000円(税別)]
※[]内はFJR1300AS(B95)
系譜図
1984FJR11001984年
FJ1100
(36Y)
1991FJR12001986年
FJ1200/A
(4CC)
20012001年
FJR1300 /A
(5JW/5VS)
20062006年
FJR1300A/AS
(3P6/2D2)
20102010年
FJR1300A/AS
(1CY/1DA)
2014as2013年
FJR1300A/AS
(1MC/1MD)
20162016年
FJR1300A/AS
(B88/B95)

FJR1300A/AS(1CY/1DA) -since 2010-

三代目FJR1300

マイナーチェンジに近いモデルチェンジが入った三代目FJR1300。

各部が見直されているわけですが・・・ここでちょっと目についた物。それはキャリパー。

ニッシンキャリパー

NISSINのキャリパーが付いてる・・・ナンテコッタイ。

ヤマハ通の人ならこの事に違和感を覚えると思いますが、分からない人に説明すると

Nissin(日信工業)はホンダ系列のブレーキメーカーで、ホンダを筆頭にスズキやカワサキに供給していますが、ヤマハはせいぜいマスターシリンダーのみでフロントキャリパーまでニッシンなヤマハバイクはほとんどありません。

何故ならヤマハはアドヴィックス(旧住友でトヨタ系)というブレーキメーカー側の企業だから。MOSキャリパーやヤマンボ(OEMブレンボ)がいい例ですね。

アドヴィックス

そんなヤマハがどうして(FJRは昔からだけど)NISSINキャリパーを使ってるんだろうと思い調べてみるとFJR1300のABSブレーキは前後連動式。つまりニッシンの前後連動ABSシステムを採用しているという事ですね。(先代も)

もしかしたらアドヴィックスのABSが遅かった事と関係しているかもしれません。というかニッシンが凄いのか。

ニッシン

ニッシンは二輪におけるブレーキ関係でハード面もソフト面も担える世界で唯一のメーカーですからね。世界シェア1位ですし。

ハンドリングを大事にするヤマハは前後連動を一番嫌ってるメーカーだから余計に意外だけど、まあ車重が車重なので安全性を取ったんでしょう。

主要諸元
全長/幅/高 2230/750/1450mm
シート高 805~825mm
車軸距離 1545mm
車体重量 291kg(装)
燃料消費率
燃料容量 25L
エンジン 水冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 1297cc
最高出力 143.5ps/8000rpm
最高トルク 13.7kg-m/7000rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58WW)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー GT14B-4
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR8E
または
U24ESR-N
推奨オイル ヤマルーブ
プレミアム/スポーツ/スタンダードプラス
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量4.9L
交換時3.8L
フィルター交換時4.0L
スプロケ
チェーン
車体価格 1,430,000円(税別)
※プレスト価格
系譜図
1984FJR11001984年
FJ1100
(36Y)
1991FJR12001986年
FJ1200/A
(4CC)
20012001年
FJR1300 /A
(5JW/5VS)
20062006年
FJR1300A/AS
(3P6/2D2)
20102010年
FJR1300A/AS
(1CY/1DA)
2014as2013年
FJR1300A/AS
(1MC/1MD)
20162016年
FJR1300A/AS
(B88/B95)

FJR1300A/AS(3P6/2D2) -since 2006-

二代目FJR1300

二代目FJRは2006年から。

このモデルチェンジでグレード分けがAとASに。この時から既にABSが標準化されました。

AはABSモデル、そしてAS(国によってはES)はABSに加えてYCC-S(Yamaha Chip Controlled Shift)を搭載したモデル。

YCC-Sというのはまあ要するにクラッチを電子制御することでクラッチレスになってるセミMTの事。

クラッチレスMT

ご覧のようにクラッチレバーがありません。代わりにパドルシフトが加わってます。このパドルシフトでギアを上げ下げ出来るわけですね。

もちろんシフトペダルもちゃんと付いてます。つまりハンドルでも足でもシフトチェンジが可能な。

シフトペダル

面白いのはAS(クラッチレス)モデルはシフトチェンジが”1→N→2→3….”ではなくN→1→2→3…とボトムニュートラルになってること。これは長距離走行時の疲労を少しでも和らげるためなんだって。走行中に間違ってNに入れてしまわない様に停止時以外はNに入らないようになってます。

ところで何故ATではなくセミMTというのかというと、クラッチは無いけどシフトチェンジは自分でしないといけないから。

例えば三速で走ってて信号で止まったとしてもギアは三速のまま。発進する時は自分で一速に入れないといけないし、アクセルをどれだけ開けても勝手にシフトを上げたりしない。

ココらへんがホンダのDCTとの違いだね。ホンダのDCTは自動でシフトチェンジをするからアッチはAT。いやDCTなんだけど。

メーター周り

なんで自動でしないの?って話だけど、これには実にヤマハらしいというかFJRらしい理由がある

それはあくまでもFJRは”スポーツツアラー”であり”ツアラー”じゃないから。

クラッチだけでなくシフトチェンジまで自動でやってくれると疲労は減るんだけど、それではファンライディングが楽しめない。だからシフトチェンジというバイクを操る要素を残したんだって。

2007壁紙

もちろんこのYCC-S以外にもリアフレーム、ラジエーターなどに変更が加わっています。

ちなみに2008年モデルからパニア別売り化で価格も下がっています。

主要諸元
全長/幅/高 2230/750/1450mm
シート高 800~820mm
車軸距離 1545mm
車体重量 264kg(乾)
[268kg(乾)]
燃料消費率
燃料容量 25L
エンジン 水冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 1297cc
最高出力 144ps/8000rpm
最高トルク 13.7kg-m/7000rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58WW)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー GT14B-4
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR8E
または
U24ESR-N
推奨オイル ヤマルーブ
プレミアム/スポーツ/スタンダードプラス
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量4.9L
交換時3.8L
フィルター交換時4.0L
スプロケ
チェーン
車体価格 1,430,000円(税別)
[1,670,000円(税別)]
※プレスト価格
※[]内はFJR1300AS(2D2)
系譜図
1984FJR11001984年
FJ1100
(36Y)
1991FJR12001986年
FJ1200/A
(4CC)
20012001年
FJR1300 /A
(5JW/5VS)
20062006年
FJR1300A/AS
(3P6/2D2)
20102010年
FJR1300A/AS
(1CY/1DA)
2014as2013年
FJR1300A/AS
(1MC/1MD)
20162016年
FJR1300A/AS
(B88/B95)

FJR1300/A(5JW/5VS) -since 2001-

初代FJR1300

「タンデムで10日間3,000kmが可能なバイク」

その目標を掲げ、一から作り直され名前にRが付いたFJR1300。

新設計の水冷エンジンをこれまた新設計のアルミツインスパーフレームに搭載したスポーツツアラーのパイオニアです。

2001FJR1300

新設計の1298cc水冷直四エンジンにアルミツインスパーフレームにフューエルインジェクション・・・

FJR1300フレーム

これだけ書くとメガスポーツかと思うけど、ヤマハはメガスポーツの可能性よりもツアラーの可能性を求めた。

これ日本ではツアラー扱いだけど海外ではスーパースポーツツアラーとか言われててるわけで、同じバイクでも国によってジャンルが変わるなんて非常に面白いですね。

んでまあその選択は大正解だったわけです。

日本ではハヤブサやZZRといったメガスポーツが人気でツアラーはあんまりだから実感が無いかもしれないけど、コレが欧州で出た時はそれはもう注目の的でした。

アクセルを捻れば捻った分だけ猛々しく回り加速旋回するSSの様なスポーツさを備えつつ、タンデムでも優雅に流せるツアラーの要素も持っている欲張りなバイクだと。

FJR1300パニアケース

更にはパニアケースが標準装備だった事が旅好きのハートを鷲掴み。

こういうバイクを求めていたとヒットを飛ばし、仕舞にはベストツアラー賞まで受賞しました。

主要諸元
全長/幅/高 2195/760/1420mm
シート高 805mm
車軸距離 1515mm
車体重量 275kg(装)
[282kg(装)]
燃料消費率
燃料容量 25L
エンジン 水冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 1297cc
最高出力 144ps/8000rpm
最高トルク 13.7kg-m/7000rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58WW)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー GT14B-4
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR8E
または
U24ESR-N
推奨オイル ヤマルーブ
プレミアム/スポーツ/スタンダードプラス
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量4.9L
交換時3.8L
フィルター交換時4.0L
スプロケ
チェーン
車体価格 1,380,000円(税別)
[1,430,000(税別)]
※プレスト価格
※[]内はFJR1300A(5VS)
系譜図
1984FJR11001984年
FJ1100
(36Y)
1991FJR12001986年
FJ1200/A
(4CC)
20012001年
FJR1300 /A
(5JW/5VS)
20062006年
FJR1300A/AS
(3P6/2D2)
20102010年
FJR1300A/AS
(1CY/1DA)
2014as2013年
FJR1300A/AS
(1MC/1MD)
20162016年
FJR1300A/AS
(B88/B95)

FJ1200/A(4CC)-since 1986-

FJ1200

FJ1100で言った通り不遇な立場なFJですが、ヤマハも見捨てたわけでなく排気量を1188ccに上げて130馬力となりました。1188ccは当時の空冷エンジンとしては国内最大排気量です。

更にはビルドインウィンカーを始めとしたエアロフォルムを取り入れて空力性能も向上。

FJ1200Aカタログ

このFJ1200はFJとしては最後のモデルであり、FJRの礎となるモデルでもあります。

フルモデルチェンジしたFJ1200ですが空冷エンジンに大人しい見た目だった事もあり馬力を上げただけでは当然ながら人気は出ず。

FJ1200A

そこでヤマハが取った行動はマイナーチェンジ毎にカウルを大型化するなどしてメガスポーツ路線からツアラー路線へジワジワと方向転換することでした。ちなみに国産車初のABS装着車でもあります。

この方向転換が功を奏し後にFJR1300となって花開くことになるわけです。まさかFJシリーズがツアラーの代名詞とまで呼ばれる様になると誰が想像できたでしょうか。

あとこのエンジンはXJRへと受け継がれる事になってます。

FJ1200カタログ写真

ただこれは日本での話で、欧州ではこの頃すでにツアラーとして非常に人気モデルでした。

主要諸元
全長/幅/高 2230/775/1200mm
{2230/780/1240mm}
シート高 780mm
車軸距離 1490mm
車体重量 258kg(装)
{274kg(装) }
燃料消費率
燃料容量 22.0L
エンジン 空冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 1188cc
最高出力 130ps/9000rpm
[90ps/9000rpm]
※[]内は国内仕様
最高トルク 11.0kg-m/7500rpm
[9.3kg-m/6000rpm]
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前120/70-17
後150/80-16
バッテリー YTX14-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
DPR8EA-9
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.2L
交換時3.0L
フィルター交換時3.35L
スプロケ 前17|リア40
チェーン サイズ530|リンク110
車体価格 [890,000円(税別)]
※[]内は国内仕様
※{}内はABS仕様
系譜図
1984FJR11001984年
FJ1100
(36Y)
1991FJR12001986年
FJ1200/A
(4CC)
20012001年
FJR1300 /A
(5JW/5VS)
20062006年
FJR1300A/AS
(3P6/2D2)
20102010年
FJR1300A/AS
(1CY/1DA)
2014as2013年
FJR1300A/AS
(1MC/1MD)
20162016年
FJR1300A/AS
(B88/B95)