バイクのはてな

一生に一度はサーキットを走ろう
~サーキットデビューのススメ~

サーキット場

もしもスポーツバイクに乗っているなら排気量やスキルや年齢に関係なく一度だけでもいいのでサーキットは走ってみた方が良いです。

スポーツに対する考え方が変わり、間違いなくその後のバイク人生に大きく影響を与えるからです。

 

しかし残念ながらサーキット経験者はバイク人口の1割にも満たないそうで・・・最大の要因はハードルを高く感じてしまっている事だと思うので一つずつ説明し解決していきたいと思います。

凄く長いですがお付き合いを。

 

ハードルその1
「参加方法が分からない」

モテギサーキット

ひとえにサーキット走行といっても色々あります。

『公認レース』
『草レース』
『フリー走行』
『スクール』
『走行会』
『体験走行会』

非常にザックリですが大体この様な感じで、上にあるほど金銭面も含めハードルが上がります。

その中で初心者がサーキットデビューするならここ。

サーキットの敷居のライン

サーキット走行に対して

「速い人達の中に放り出されるから怖い」

とか

「ライセンスと走行枠を買わないといけない」

などと思っているなら誤解です。

それはサーキットにドップリハマっている常連というか中~上級者向けである文字通り『フリー走行』などの話。

いきなりフリー走行も可能ではあるんですがサーキットを走ってみたいと思ったら『走行会』や『スクール』がベターです。

「体験走行会は違うのか」

という話ですがそれも含めて説明していきます。

 

【体験走行会】

バイク!バイク!バイク!

大規模ミーティングや大手ショップまたはサーキット場などが開催しているイベントで基本的に

・ライセンス不要

・先導車付き

・追い抜き禁止

・普段のウェアでOK

という感じで敷居は無いに等しいです。※走行会と分けるために体験と付けました

ただこれはサーキット走行というよりもサーキット場のお祭りに近いイベントで

「サーキットを走るぞ」

というより

「サーキット場を走るぞ」

というパレード的な意味合いが強いので主題とはちょっと違うかと。

取り敢えずサーキットがどんなのか知りたいという人には数千円と安い場合が大抵なので打って付けかと思います。

 

【走行会】

走行会

主にショップなどがサーキットの走行枠を数時間だけ貸し切って走るいわば貸切フリー走行会。

規模によって上記の様な体験スタイルのクラスを設けている所も多いですが基本的に

・ライセンス不要

・追い抜きOK

・レーシングウェア必須

という感じで、サーキットでスポーツ走行してみるなら(コースを自由に走るなら)これが一番優しく手っ取り早いクラス。

料金はサーキット場やシーズンによってバラバラで1~3万円ほど。

サーキットの貸切

「でも走行会の開催情報を知らない」

という人も多いかと。

そういう時は世話になってるバイク屋や正規販売店、またはSNSなどで聞いたり検索してみてください。知ってる人が必ずいると思います。

もしも既に参加予定の人が読んでくれているなら呼びかけてあげてください。

バイク屋

「世話になっていないショップのイベントに参加って嫌な顔をされるのでは」

と心配するかも知れませんが事前に話しておけば結構歓迎されます。

というのもショップの走行会というのは最初に言ったように時間で貸し切って行う場合が大半なので、参加者(頭数)が増えるほど一人あたりの負担額やショップの負担額が減るから。

同じ釜ならぬ同じサーキットを食らう事で自然とバイク仲間が増えるメリットもあります。

もちろんキッチリした主催者だと参加枠(人数)や顧客のみなど参加条件を定めていて断られてしまう場合もありますけどね。

 

人見知りが凄いから無理だと思う人にはこっちがオススメ。

 

【サーキットスクール】

ライディングスクール

主にサーキット場が行ってるサーキット版ライディングスクール。

初心者から上級者までクラス別でカリキュラムが組まれており、半日から一日をかけて講師付きでみっちり走行出来るイベント。

・ライセンス不要

・レーシングウェア必須

費用は2万円前後で幅があるんですが基本的に費用対効果が一番ある有意義なイベント。

そのため非常に人気が高く予約は早めに取らないと無理です。

「あの人見たことある」

って人がインストラクターをされていたりします。

 

つまりサーキット走行してみたいと思った場合の選択肢は主に二つ。

『ショップの走行会に参加する』

『スクールを予約して参加する』

というわけです。

 

※サーキット走行の流れ

サーキット走行の流れ

ここでちょっとサーキット走行の流れや注意事項を本当に簡単に説明。

主催者がスケジューリングや説明を事前にすると思うので心配は要らないんですが、予備知識としてサラッと覚えておいてください。

※ここに書かれているのは目安です。主催者やコースのルールが違う場合はそちらを最優先で守る様にしましょう

 

【1.準備して出発する】

・入念な整備(必須)

・ガムテープ(できれば布)

・レーシング装備一式

・ゲージ付エアポンプ

・タイラップ(可能なら)

・予備レバー(可能なら)

 

おそらく多くの人が自走(車に積んでこない)だと思うのですが、シングルシートカウルを持っている人はシートと両方持っていくと非常に便利です。

シートカウルを活用

この様にすればいちいちバッグを外す手間が省けます。

ちなみに大きいバッグを付けてツナギも入れておき、走行会が終わったら来た時のツーリングウェアに着替えてツナギは郵送で自宅に送るという手もあります。

そうすると帰りはツナギ分のスペースが空くのでお土産やら何やらが入るという算段。そのまま泊りがけで何処かに行く場合に有効ですね。

 

【2.手前でガソリンを入れる】

サーキットにもよりますがガソリン単価が高かったりそもそも無かったりするので手前で入れておきましょう。

 

【3.着いたらガムテープを貼る】

転倒などで破片が飛び散らない様に

・ミラー

・ライトレンズ

・ウィンカー

・反射板

などの保安部品は外すかガムテープで覆う必要があります。

可能ならば外しておいたほうが万が一の時の修理代も浮くのでおすすめです。

 

【4.空気圧を落とす】

ベタベタに落とす必要はありません。

既定値から1割ほど落としてまだ跳ねるようなら落とし、グニャグニャだと感じたら少し上げましょう。

ちなみにサスセッティングを弄ってるなら少し固めに。分からないなら取り敢えず標準に。

 

【5.終わったらガムテープを剥がす】

剥がしたガムテープやゴミがコースに入ると大惨事を招くので絶対にそこら辺に置いたり捨てしないように。

あと剥がす時は塗装も一緒に剥がれる可能性があるので慎重に・・・これが走行会で一番気をつけないといけない事かも知れない。

ちなみにそうならないようにガムテープではなく養成テープを貼る人も居ますが、粘着力が弱くキッチリ貼らないと走行中に剥がれてしまうので初心者向けではないです。

※サーキットによっては禁止されている

 

※走行時の注意編

カーブス

【出入りは手足信号】

コースに出入りする際はウィンカーは使えないので足や手をウィンカーの代わりに出します。

そしてコースに入った際は最初はコースの端を走って様子を見る。(既に走っている人と速度差があるから)

後方を見て来ていない事を確認して走行ラインに加速しながら入る。

 

反対にピットに戻る際はピットインのかなり手前からコース端にバイクを寄せて手足を上げて入る旨を後続車に伝えて徐々にスピードを落とす。

という感じです。※ポイントはコースによる

 

【旗は最優先で守る】

サーキットにはマーシャルポストと呼ばれる監視塔があり何かあると旗でそれを伝えます。

マーシャルポスト

レースなどでも見たことがある思いますが、旗が振られたら必ず守りましょう。

色に関わらず旗が振られたらピットに戻って一息付くのも手です。

サーキットフラッグ

【無理に抜かない】

前を走る車両を抜くという行為は想像よりも遥かに難しいので、レースのようなオーバーテイク行為はよほどの速度差や技量差がない限りは止めましょう。

前に自分より遅いバイクが居たらホームストレート等で余裕を持って抜くか、一度ピットに戻って仕切り直すのも手です。

 

【道を譲らない】

自分よりも速い人に後ろに付かれると非常に焦ってしまう気持ちや申し訳ない気持ちになるかと思います。

しかしだからといって譲るような行為をしてはいけません。

なぜなら後ろについた速い人は

「次のコーナーでインorアウトから抜こう」

と考えていたりするから。

NSF100

唐突な減速や走行ラインの変更で譲ろうとする行為は予想だにしないブロック行為となり接触に繋がったりするんです。

焦らず前だけを見ましょう。抜くのもテクニックの一つなので抜けないその人が悪いくらいに考えておいて良いです。

 

【早めの休憩】

サーキット走行というのは想像の何倍も疲れます。

走ってる間は大丈夫と思っていても降りるとフラフラしたり。

それに気付かず走り続けると要らぬミスを招くので休憩は早めに。もしくは決められた時間が終わったらちゃんと休むように。

ピットストップ

【走行会はレースでもタイムアタックでもない】

トドのつまり走行中はこれを心がけておけばOK。

走行会は『みんなでサーキット走行を楽しむイベント』であってレースやタイムアタックをするイベントではありません。

目を三角にして120%の力で走るのではなく、楽しく笑いながら走れるくらいの余裕を持って走るもの。

速い遅い、膝が擦れる擦れない、そんな事は気にするだけ無駄。自分なりにサーキットを楽しむのが走行会です。

 

まあとにかく何度も言いますが走行会にしろスクールにしろ難しく考える必要はないです。

おそらくここに書いてあるルールを読んでいざ参加してみたら

「なんか系譜に書いてあるより緩いんだけど」

と拍子抜けする場合が大半だと思います。だから本当に気負う必要はないですよ。

 

 

参加の意志が決まったら次に立ちはだかるであろうハードルがこれ。

 

ハードルその2
「装備が高い」

クシタニのツナギ

『レーシングスーツ』

『レーシンググローブ』

『レーシングブーツ』

『胸部&脊椎パッド』

『ヘルメットリムーバー(※)』

『インナー(※)』

※必須ではない

何回行くかも分からない中でこれだけの物を用意する必要があるというのは気が引けても無理もない話。

これを解決する方法は二つあります。

ツナギレンタル

【レンタルサービスを利用する】

クシタニやダイネーゼなどのアパレルメーカー、または大手ショップなどがツナギのレンタルを行っています。

大体2万円ほどで借りる事が出来るので何よりも安く済ませたいならこれ。

 

【安全装備と思って買う】

皆さん多分ヘルメットは良いやつを持っていると思います。

では胸部プロテクターや脊椎パッドまたはそれが入ったウェア持ってますか・・・持っていない人が大半だと思います。

プロテクター

サーキットの装備いわゆるレーシング装備というのは決して公道で使えない装備ではありません。

プロテクターの入ったレザーのグローブやブーツそして胸部&脊椎パッドというのはツーリングなどでも推奨される非常に安全性が高い装備です。

ズサーと滑った時にレザーではなくナイロン等だと簡単に擦り切れます。

だから流石にツナギは抵抗があるにしても

「ツーリングにも使える安全装備」

と考えれば少し値は張りますがそれだけの価値は間違いなくあるのでこれを機に買ってしまうのをオススメします。

ボスコモト10万円セット

ちなみに安く手っ取り早く済ませたいならボスコモト(ベリック・アレンネス)の一式10万円セットがあり、ツナギだけならセールや年末年始の福袋などがあります。

一つだけ注意点として個々で購入する場合はブーツインとブーツアウトには気をつけましょう。

ブーツインとブーツアウト

ツナギもブーツも基本的にはブーツイン設計なんですが、中には脛ガード付きのブーツアウト設計(主にダイネーゼなど)もあるので

「せっかく買ったのに入らない」

とならない様に注意。

 

ここまでくればもうサーキットは目と鼻の先ですが・・・最後のハードル。

 

ハードルその3
「転倒しそう、危なそう」

転倒

サーキット走行はスピードレンジが公道と違う上に、転倒動画なども出回っているので危険だと思ってる人も多いかと思います。

嘘は言いたくないので正直に言いますが、実際のところ走行会で転倒が起こるのは珍しくありません。

ただし走行会まして初心者レベルでの転倒はスリップダウンか曲がれずグラベルに突っ込む場合がほとんど。

投げ出されるハイサイドや、回転しながら飛んでいって大破などレースで見る様な事故は早々起こりません・・・というか初心者には起こせないと思います。

 

ただおそらく一番怖いのはそこではなく

帰れない

「転倒して帰れなくなったらどうしよう」

という事だと思います。

ただしここでも走行会やスクールというのが助けになります。

走行会やスクールというのはそういったトラブルに何度も直面してきた主催者やベテランの人達が居るので助けを求めましょう。というか間違いなく助けてくれると思います。

 

最後に・・・

 

「何故サーキットを走った方が良いのか」

サーキットのコーナー

そもそも何故そんなにサーキット走行を勧めるのかという話ですが、サーキットを楽しむと

「公道で無理をしなくなるから」

です。

というのもサーキットでのスポーツ走行は上手い下手関係なく公道の比ではないエキサイトメントがあります。

一度それを体感するとあれほど目を三角にして走り回った峠道をどれだけ攻めてもサーキットのエキサイトメントには遠く及ばない事を痛感する。

そうするとそんな小さなリターンに対するリスクの大きさに気づいて公道で無理をしなくなるんです。

サーキット沼

サーキットでのスポーツ走行は確かに準備費用や参加費用が高いし転倒する危険性もあります。

でもサーキットなら転倒してもほとんどがグラベル(エスケープゾーン)に突っ込んで傷だらけになるだけで済む。

しかしこれが公道になるとエスケープゾーンなんて存在しないからサーキットの半分のスピードと半分以下のエキサイトメントでもバイクや命を失う可能性がある。

グラベル

「本当に高く付くのは公道なのかサーキットなのか」

そのリスクとリターンを身を持って気付けるから一度は

『最高のエキサイトメントを味わえるサーキット走行』

をした方が良いよという話。

 

最後に何度目か分かりませんが・・・みんなでサーキットを楽しむのが走行会、そしてみんなで学ぶのがスクールなので難しく考える必要も身構える必要も無いですよ。

 

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