Z200(KZ200A) -since 1977-

KZ250C

「Being Single」

恐らくZシリーズの中で一番Zという名が相応しくないトコトコバイクなZ200。

なんの変哲もないシングルエンジンを何の変哲もないシングルクレードルフレームに積んでいます。

Z200カタログ写真

目立つ部分としてはリッチにディスクブレーキを採用しているくらいなもの。

エンジンもバランサーなんて付いていない旧時代の物のままだったから振動もエゲツない程あります。晩年モデルには付いたようですが。

そんな何の変哲もないZ200ですが、何が凄いって何処からどう見てもZにしか見えない事。

Z200

リアの垂れ下がったメッキフェンダーはZというよりもFOURなんだけど、奇跡に近いほど綺麗に纏まっている。

Z200カタログ写真

直系を除けば恐らく一番Zの名に恥じないデザインではなかろうか・・・最もZに相応しくないのに、最もZとして綺麗に纏まっているという何とも面白いバイク。

主要諸元
全長/幅/高 1925/775/1055mm
シート高
車軸距離
車体重量 137kg(装)
燃料消費率 57.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 8.1L
エンジン 空冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 198cc
最高出力 18ps/8000rpm
最高トルク 1.68kg-m/7000rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前2.75-18-4PR
後3.25-17-6PR
バッテリー YB10L-B
プラグ
推奨オイル
オイル容量
スプロケ
チェーン
車体価格 240,000円(税別)
系譜図
Z200

1977年
Z200
(KZ200A)

Z250FS

1980年
Z250LTD/FS
(KZ250LTD/C)

250CS

1985年
250CS
(BR250A)

Z250SL/ニンジャ250SL

2015年
Z250SL
(BR250E)
Ninja250SL
(BX250A)

Ninja650(EX650K) -Since2017-

2017Ninja650

これまた環境規制に対応するためにモデルチェンジされたK型。

見た面も中身もガラッと変わりました。外見の方は正にNinjaシリーズといった顔つきになりましたが、それ以上に変わったのが中身の方。

エンジンの基本設計は変わらないものの理想的な燃焼(空燃比)を実現するため自動補正スロットルバルブが付きデュアルタイプになりました。他には今や当たり前となってしまったアシストスリッパークラッチも装備。

2017Ninja650

ダブルペリメターフレームからトレリスフレームへと再び戻されスイングアームも新設。全体的にコンパクトにされた事もあって20kg近く軽くなってる。

あとサスペンションがカワサキイチオシのホリゾンタルバックリンクになりました。そのおかげか規制対応の為に大きくなったプリチャンバーとマフラーが今まで以上に腹下にしっかり収まってます。

ハンドルもパイプタイプだったものが根本が繋がっている肉抜きセパハン化。そして可変式スクリーンにギヤポジションインジケーター&シフトアップインジケーター付メーターと色々な部分が多機能に。

2017Ninja650

もうここまで来ると日本製と大差ないんじゃないかと思えてきますね。多分カワサキもそこら辺に凄く気を使ってるんでしょう。

そしてこのモデルからネイキッドバージョンであるER-6nがZ650と改められました。ザッパー(1980 Z650)を思い出す人は・・・そんなに居ないか。

Z650
(ER650H)
-Since2017-

2017Z650

カワサキの二大看板であるNinjaとZの融和がどんどん進んでますね。

ネイキッドバージョンのZとフルカウルのNinja戦略が上手くいってるんでしょう。ダブルペリメターフレームをやめたのはZの事もあってだったのかな。

基本的にはこれまでのERと同様に中身はNinja650と同じだけどネイキッドなぶん193kg(装備重量)と6kgも軽くなってます。

2017Z650

面白いのがLEDテールライトでこのZ650もZのデザインコンセプトである”SUGOMI”の例に漏れずテールライトはZの形。

NinjaはXだからわざわざ作り分けたのかと思ったけどそうではなく、点灯位置をそれぞれ切り替えることで変化させてる。

Z650・Ninja650テールライト

・・・ちょっと歯抜けみたいだけどテールライトを覗き込む人なんて居ないでしょうから気にする事でもないか。

少し話が反れますが、ER-6でタイカワサキの話をしてたので最近の話を。

2009年に起こった世界恐慌による先進国の需要落ち込みから、カワサキは生産を段階的に明石からタイへ移管する計画

明石→日欧米向けの高額モデルメイン(25万台生産から10万台生産へ)

タイ→その他のバイク(10万台生産から25万台生産へ)

を進める事となりました。

明石工場

しかし耳にした人も多いかと思いますが、最近では逆にタイから明石に生産を戻す計画(明石工場での生産を10万台から15万台へ)が進められています。

これにはこれまた複合的な要因があるわけですが簡単に言うと

・ASEANの経済成長による人件費高騰と円安でタイで作っても明石で作ってもコストが変わらなくなってきた事

・年々大きくなるASEANの二輪市場用のニューモデルをタイで作るため

といった事から(ホンダなども取り組んでるみたいですが)ASEANから部品を輸入して日本で組み立てる動きが出来てきてるわけです。Ninja250なんかが正にそれなんですが、Ninja650/Z650も日本ではあまり売れないから国内モデルは日本製になる日が来るかも。もはやタイ製でも問題ないんですし、嬉しくもあり悲しくもある理由ですが。

ちなみに明石工場ではロボット事業にも強いカワサキらしく(豆知識:我々が知らないカワサキの別の顔)、自動で必要な部品を所定の場所まで運んでくれるDIY臭プンプンの可愛いロボットが走っています。

ポカヨケ君

ポカヨケシステムというそうです。ポカヨケ君とでも呼ばれているんでしょうかね。

さてさて・・・あんまり車体について話しませんでした。語るタイプのバイクではないので大目に見て欲しいところです。

実際日本でこのバイクに興味のある方は少ないから読む人もそんなに居ないと思いますし。

カワサキを代表するペットネームであるNinjaという割には

「大型バイク」「パラツイン」「先鋭要素無し」

という日本の市場や文化にアンマッチな要素を3つも兼ね備えてますもんね。

Ninja650KRT

最近は当たり前になってきたのでだいぶ聞かなくなりましたが”パラツインなんてNinjaじゃない”と思う人も居るでしょう。

お気持ちはわかります。しかし世界で見た時、カワサキのNinjaといえば今やこの650なのが現実。

ただ安くて台数が出てるだけではありません。確かにコストパフォーマンスに優れる点もNinja650/Z650にとっては欠かせない要素の一つですが、GPZ500Sから一度も期待を裏切らない造りを続けてきたからこそ非常にシビアなミドルクラスで評価され、愛され、欧州カワサキを代表するバイクにまで上り詰めたんです。

それが表れているのがドイツのケルンで開催される世界最大級にして欧州を代表するモーターショーの一つであるインターモト。

インターモト2016カワサキninja650

このインターモト2016でNinja650は初お披露目となったわけですが、単に発表されたわけではなく新型Z1000SXやH2と並び他の車種を抑えてコンパニオン付きお立ち台に上げられるVIP待遇。

これこそカワサキの看板車種の証であり、来場する多くのギャラリーが関心をよせる車種の証でもあるわけです。

Ninja650KRT

そうですねえ・・・このバイクを例えるなら

「最高のNinja/Zではないけど最良のNinja/Z」

といったところでしょうか。

主要諸元
全長/幅/高 2055/740/1135mm
[2055/755/1080mm]
シート高 790mm
車軸距離 1410mm
車体重量 193kg(装)
[187kg(装)]
燃料消費率 24.0km/L
※WMTCモード値
燃料容量 15.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC2気筒
総排気量 649cc
最高出力 68ps/8000rpm
最高トルク 6.6kg-m/6500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後160/60ZR17(69W)
バッテリー YTZ10S
プラグ CR9EIA-9
推奨オイル カワサキ純正オイルR4/S4
または
MA適合品SAE10W-40
オイル容量 全容量2.3L
交換時1.6L
フィルター交換時1.8L
スプロケ 前15|後46
チェーン サイズ520|リンク114
車体価格 748,000円(税別)
[728,000円(税別)]
※[]内はZ650
系譜図
GPZ500S1987年
GPZ500S
EX500R
Ninja500R
(EX500A)
ER-51997年
ER-5
(ER500A/C)
ER-62006年
ER-6f
(EX650A)
ER-6n
(ER650A)
Ninja650R2009年
Ninja650R
(EX650C)
ER-6n
(ER650C)
Ninja6502012年
Ninja650
(EX650E)
ER-6n
(ER650E)
2017Ninja6502017年
Ninja650
(EX650K)
Z650
(ER650H)

Ninja650/ER-6n(EX650E/ER650E)-Since2012-

Ninja650

環境規制に対応するためフルモデルチェンジされたER-6nと車名からRが無くなったNinja650のE型。

このバイクのモデルチェンジ史を見ているとKMTの生産技術進歩が日進月歩で進んでいる事を感じられますね。これはカワサキに誘われて付いて行ったサプライヤーの努力もあるわけですが。

ER-6n

外見が大きく変わってますが目を引くのは非常に独創的なダブルパイプペリメターフレーム。

まるでツインスパーフレームの様なパイプフレームでスイングアームまで手を抜かず同じ流れを汲んでいるのが凄く面白いし洒落てる。正直モデルチェンジでこのフレームじゃなくなったのはちょっと残念。

ER-6n

街乗りからワインディングまで幅広い用途に柔軟に対応できるように剛性が見直されたそうです。エンジンの方も先代にも増してスムーズさがアップ。

日本ではNinja650がメインだけどER-6n/ER650E型はそんなフレームデザインに負けない外装に。

2013ER-6n

まあしかし走ってる所を見ないですね・・・失礼ながらカワサキらしからぬ独創的とまとまりだと思うんだけど。

そういえば先代はタコメーターがデジタルだったんだけど、どうも不評だったようでこのモデルからnはタコとスピードメーターを反対に、Ninjaはフルデジタルからタコのみアナログへと変更されました。

白バイNinja

上がnで下がNinja、左が先代で右がこのモデル。400と混合してるのですがまあ分かって頂けると思います。タコメーターはアナログ派が多いのかな。

カワサキはSSに留まらずZとかのネイキッドでもフルデジタル化に積極的だったんだけど、ユーザーの意見が絶対なミドル市場では流石に折れたみたい。

カワサキKMT

ちなみにタイで作ってるということでASEANにも関税なしで輸出つまり販売出来るようになったわけですが、流石にこのクラスが売れるような市場ではないのでそれほど売れない。

白バイNinja

その代わりといっては何ですが、ご覧のように白バイに採用されてたりします。ちなみにコレはフィリピン。

主要諸元
全長/幅/高 2110/770/1180mm
[2110/770/1110mm]
シート高 805mm
車軸距離 1410mm
車体重量 209kg(装)
[204kg(装)]
燃料消費率 -km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 16.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC2気筒
総排気量 649cc
最高出力 72ps/8500rpm
最高トルク 6.5kg-m/7000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後160/60ZR17(69W)
バッテリー YT12A-BS
プラグ CR9EIA-9
推奨オイル カワサキ純正オイルR4/S4
または
MA適合品SAE10W-40
オイル容量 全容量2.3L
交換時1.6L
フィルター交換時1.8L
スプロケ 前15|後46
チェーン サイズ520|リンク114
車体価格 780,000円(税別)
[760,000円(税別)]
※[]内はER-6n
※ABSモデルは+2kg
系譜図
GPZ500S1987年
GPZ500S
EX500R
Ninja500R
(EX500A)
ER-51997年
ER-5
(ER500A/C)
ER-62006年
ER-6f
(EX650A)
ER-6n
(ER650A)
Ninja650R2009年
Ninja650R
(EX650C)
ER-6n
(ER650C)
Ninja6502012年
Ninja650
(EX650E)
ER-6n
(ER650E)
2017Ninja6502017年
Ninja650
(EX650K)
Z650
(ER650H)

Ninja650R/ER-6n(EX650C/ER650C) -since 2009-

Ninj650R

基本的なコンセプトや設計は変えずデザインとエンジンマッピング見直しでスムーズさが増したC型。

2010年まではER-6fで2011年からNinja650Rとなってます。少しややこしいですね。

このモデルから生産がタイに移管されたわけですが、これには当然ながら川崎重工業の事情があります。

ZX150

このモデルが出る前からカワサキは現地資本との合併会社でタイ工場にて2stの小型バイクなどを作っていたんですが、90年代後半に起きたアジア通貨危機により現地資本側(問屋/小売側)が資金調達に行き詰まり会社の維持が困難に。

SOSを受けたカワサキは出資比率を高め、工場と販売権を買い取り。Kawasaki Motors Enterprise Thailand(KMT)として完全子会社する事になったわけです。

カワサキタイ工場

本当にタイミングが良かったと言うべきか

・KMT(タイカワサキ)ではアジア通貨危機によるアジア不況でバイクが売れず工場が遊んでる

・本社のある明石では車体価格を抑えるためのコスト削減をどうするかが課題になっている

という問題があった。

つまり予定には無かったKMTの誕生により本社とタイで思惑が一致しタイでグローバルモデルを作るという結論に至ったんですね。なんでも、タイで作ると明石工場(カワサキの国内工場)で作った場合と比べ労務費(要するに人件費)が1/10で済むそうです・・・そりゃ移管するわって話。

そしてそんなKMT発グローバルモデル第一弾のトップエンドとして選ばれたのが、厳しいコストパフォーマンスが求められるER-6になったというわけ。

ER650C

当時はまだアジア製が珍しかったら、日本のライダーも懐疑的でした。アジアで作ったバイクで品質は大丈夫なのかと。

実際のところカワサキも最初が肝心だと相当神経を尖らせたようで、明石から大量の応援を送った上に何重もの品質チェックを課すというコスト面よりも品質に重きを起きを置いたそうです。

EX650C

今では当たり前になってきたKMT(タイカワサキ)のバイクですが、このNinja650/ER-6nはそんなカワサキの新たな一歩となるグローバル戦略を象徴するバイクだったわけ。

主要諸元
全長/幅/高 2100/760/1200mm
[2100/760/1100mm]
シート高 790mm
[785mm]
車軸距離 1410mm
[1405mm]
車体重量 204kg(装)
[200kg(装)]
燃料消費率 -km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 15.5L
エンジン 水冷4サイクルDOHC2気筒
総排気量 649cc
最高出力 72ps/8500rpm
最高トルク 6.7kg-m/7000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後160/60ZR17(69W)
バッテリー YT12A-BS
プラグ CR9EIA-9
推奨オイル カワサキ純正オイルR4/S4
または
MA適合品SAE10W-40
オイル容量 全容量2.4L
交換時1.7L
フィルター交換時1.9L
スプロケ 前15|後45
チェーン サイズ520|リンク114
車体価格 780,000円(税別)
[760,000円(税別)]
※[]内はER-6n
系譜図
GPZ500S1987年
GPZ500S
EX500R
Ninja500R
(EX500A)
ER-51997年
ER-5
(ER500A/C)
ER-62006年
ER-6f
(EX650A)
ER-6n
(ER650A)
Ninja650R2009年
Ninja650R
(EX650C)
ER-6n
(ER650C)
Ninja6502012年
Ninja650
(EX650E)
ER-6n
(ER650E)
2017Ninja6502017年
Ninja650
(EX650K)
Z650
(ER650H)

ER-6f/n(EX650A/ER650A) -since 2006-

ER-6f

「Fun. Style. Easy.」
エンジン、フレーム共に新設計し磨きをかけた新生パラレルツインスポーツ。上の写真はフルカウルのER-6f(EX650A)です。

ER-6nカタログ写真

これは規制強化により主要市場だった欧州でずーっと売ってたGPZ500/Ninja500を売る事が難しくなったから。長いこと設計を変えないままでも高い評価を得ていたGPZ500/Ninja500のモデルチェンジはプレッシャーがすごかっただろうなと思う。クラスがクラスだからイタズラに性能上げればいいってわけでもないしね。

ネイキッドのnモデル(ER650A)はとっても個性的なデザイン。

ER-6n

面白いことに向こうでは日本とは対照的にネイキッドモデルのnの方がデザイン性の良さから人気が高かったみたいです。何でこの路線を止めたんだっていう批判もチラホラ見受けられるほど。

ER-6nフレーム

さて、このER-6でスポットライトを当てる箇所といえばやっぱりオフセットレイダウンリアサスペンションですかね。凄く目につくし。

今ではもっと寝かせたホリゾンタル・バックリンク・リアサスペンションですが、何でリアサスペンションをこんな寝かせてるのか簡単にお話。

分かりやすいように二本サスの新旧ネイキッド(Z1-RとZRX)で説明します。

Z1RとZRX

写真を見てもらうと分かる通りサスペンションの角度がZ1Rは立っててZRXは寝て(オフセットされて)います。

同じネイキッドなのに何故オフセットをするようになったのかというと・・・角度が付いてる方が沈みにくいから。

コーナリング時などのリアサスが沈む時を想像して欲しいんですが、沈むと黄点と赤点の距離が近くなりますよね。沈めば沈むほど同時に角度が更についてくるわけですが、元々の角度が浅い(立ってる)とスイングアームから来る力をそのまま受け取ってしまう為にサスペンション(ショックアブソーバー)の限界(底付き)が近くなってしまう。

それに対し角度が深い(寝ている)とスイングアームの力をそのまま受け取らないので動ける範囲が上がる(奥で踏ん張れる)というわけ。

ER-6fライムグリーン

まあしかしER-6の場合、限界を上げるためのオフセットというよりは足付きを良くするため(高さを抑えつつもストローク量を確保するため)のオフセットと言ったほうがいいと思います・・・じゃあ最初からそう言えよって話ですね。すいません。

主要諸元
全長/幅/高 2105/760/1210mm
[2100/760/1095mm]
シート高 785mm
車軸距離 1410mm
[1405mm]
車体重量 178kg(乾)
[174kg(乾)]
燃料消費率
燃料容量 15.5L
エンジン 水冷4サイクルDOHC2気筒
総排気量 649cc
最高出力 62.5ps/7000rpm
最高トルク 6.4kg-m/6500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後160/60ZR17(69W)
バッテリー YT12A-BS
プラグ CR9EIA-9
推奨オイル カワサキ純正オイルR4/S4
または
MA適合品SAE10W-40
オイル容量 全容量2.4L
交換時1.7L
フィルター交換時1.9L
スプロケ 前15|後46
チェーン サイズ520|リンク114
車体価格 780,000円(税別)
[760,000円(税別)]
※[]内はER-6n
系譜図
GPZ500S1987年
GPZ500S
EX500R
Ninja500R
(EX500A)
ER-51997年
ER-5
(ER500A/C)
ER-62006年
ER-6f
(EX650A)
ER-6n
(ER650A)
Ninja650R2009年
Ninja650R
(EX650C)
ER-6n
(ER650C)
Ninja6502012年
Ninja650
(EX650E)
ER-6n
(ER650E)
2017Ninja6502017年
Ninja650
(EX650K)
Z650
(ER650H)

ER-5(ER500A/C) -since 1997-

ER-5

バリオス・・・じゃないですよ。パラツイン500ccのネイキッドでERシリーズの始まりになるER-5/ER500A/C型。

先に紹介したGPZ500S/Ninja500Rと併売されたネイキッドバージョンのバイク。

カワサキは昔から

「ミドルはパラツインがベストバランス」

と言い続け、直四全盛期だろうと執念深くパラツインを売ってきたんだけど、その信念が(日本においては)遂に折れたモデル。折れたというのはみんな知らないようにこのモデルはほとんど売られていません。

バリオス2

その代わり国内向けに同じボディにZXR系の直四エンジンを積んだバリオスに使うことで台数を稼ぎコストを抑えたというわけ。

この二台を見比べると日欧の違いが鮮明に出ていますね。バリオスはリアもディスクブレーキ、ER-5はドラム。

ER-5カタログ写真

スペックを求める日本と、コスパを求める欧州。バイクのグローバル化が進まなかったのはこういう問題があったからなんでしょう。

主要諸元
全長/幅/高 2070/730/1070mm
シート高 800mm
車軸距離 1430mm
車体重量 174kg(乾)
燃料消費率
燃料容量 17.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC2気筒
総排気量 498cc
最高出力 50ps/8500rpm
最高トルク 4.6kg-m/7000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前110/70-17(54H)
後130/70-17(62H)
バッテリー YTX12-BS
プラグ DR9EA
またはX27ESR-U
推奨オイル カワサキ純正オイル
または
MA適合品SAE10W-40
オイル容量 3.4L
交換時2.8L
フィルター交換時3.0L
スプロケ 前17|後42
チェーン サイズ520|リンク106
車体価格

系譜図

GPZ500S 1987年
GPZ500S
EX500R
Ninja500R
(EX500A)
ER-5 1997年
ER-5
(ER500A/C)
ER-6 2006年
ER-6f
(EX650A)
ER-6n
(ER650A)
Ninja650R 2009年
Ninja650R
(EX650C)
ER-6n
(ER650C)
Ninja650 2012年
Ninja650
(EX650E)
ER-6n
(ER650E)
2017Ninja650 2017年
Ninja650
(EX650K)
Z650
(ER650H)
系譜図
GPZ500S1987年
GPZ500S
EX500R
Ninja500R
(EX500A)
ER-51997年
ER-5
(ER500A/C)
ER-62006年
ER-6f
(EX650A)
ER-6n
(ER650A)
Ninja650R2009年
Ninja650R
(EX650C)
ER-6n
(ER650C)
Ninja6502012年
Ninja650
(EX650E)
ER-6n
(ER650E)
2017Ninja6502017年
Ninja650
(EX650K)
Z650
(ER650H)

GPZ500S(EX500A) -since 1987-

GPZ500S

ある国ではGPZ500Sと呼ばれ、またある国ではNinja500Rと呼ばれ、またまたある国ではEX500Rと呼ばれていたバイク。

日本では400の方がGPZ400Sとして入ってきてハーフニンジャと呼ばれていましたが、それは海外でも同じ。

ハーフニンジャっていうのはトップエンドだったGPZ1000RXのエンジン(四気筒)を半分にした(二気筒)エンジンという事からそう呼ばれていました。

Z454LTD

※一番最初にこの方法を取ったのはGPZ500SではなくGPZ900Rのエンジンを半分にした454LTD(上の写真)というクルーザーなんだけど、それを紹介するとバルカンの系譜になってしまうので割愛させてもらいます。バルカンSの系譜も書かないといけませんね。あとヴェルシスもか。

EX500R

GPZ500Sは並列二気筒498ccながらGPZ1000RXのエンジンベース(というか二気筒にぶった切り)しているだけあってトルクフルながら54馬力を発揮。そんなエンジンが積まれるのは適度な硬さのツインスパースチールフレーム。更には適度な前傾にクセのないハンドリング。

本当に当時のカワサキらしからぬ素行の良さを持ったバイクで、欧米でエントリーモデルとして非常に高い評価を得たロングセラーモデル。

このバイクの何が評価されたのかという

「何でもこなせる」「取り回しが楽」「街乗りに適した足回り」「車体価格が安め」「意外と速い」「そのわりには低燃費」

という感じ。向こうにとってはこれが日本でいう400みたいなもんだからGPZ400Sにも言える様な評価だね。

Ninja500R

日本ではモデルチェンジを機に車名をGPZ400SからEX-4に改めたんだけど、向こうでは好評だったから同じモデルチェンジをしつつも名前はそのままだったり仕様地によって色々。

日本(GPZ400S)では車名をEX-4に改めて装備を豪華にしてもカラキシだったけど、コスパや実用性を求められる向こうでは受け入れられロングセラーに。どれくらいロングセラーかというと1987年から驚きの2009年まで(一部の国では2006年まで)売られたほど。

GPZ500Sカタログ写真

「新米ライダーは何も考えずコレを買って練習しろ。」

と言われる老将のような存在にまでなりました。更にはバイク便の需要までも獲得したみたい。

主要諸元
全長/幅/高 2125/675/1165mm
シート高 770mm
車軸距離 1440mm
車体重量 190kg(乾)
燃料消費率
燃料容量 18.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC2気筒
総排気量 498cc
最高出力 54ps/9500rpm
最高トルク 4.7kg-m/8500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前100/90-16(54H)
後120/90-16(63H)
バッテリー YT12A-BS
プラグ DR8ES
または
X27ESR-U
推奨オイル カワサキ純正オイルR4/S4
または
MA適合品SAE10W-40
オイル容量 全容量3.4L
交換時2.8L
フィルター交換時3.0L
スプロケ
チェーン
車体価格
系譜図
GPZ500S1987年
GPZ500S
EX500R
Ninja500R
(EX500A)
ER-51997年
ER-5
(ER500A/C)
ER-62006年
ER-6f
(EX650A)
ER-6n
(ER650A)
Ninja650R2009年
Ninja650R
(EX650C)
ER-6n
(ER650C)
Ninja6502012年
Ninja650
(EX650E)
ER-6n
(ER650E)
2017Ninja6502017年
Ninja650
(EX650K)
Z650
(ER650H)

VERSYS1000(LZ1000B) -since 2015-

2016ヴェルシス1000

「Riding Fun」

二代目VERSYS1000にあたるB型。

先代のマッスル感の強い顔が不評だったのか弟の650と一緒にNinja顔へと変更されました。でもやっぱりただでは起きないのかNinjaなんだけどちょっと異型。

2015ヴェルシス1000顔

暴走モードで口を開けたエヴァンゲリオンみたいですが、これ単なるデザインというわけではありません。正面の空気を左右に捌きつつラジエーターやエンジン周りといった熱源に積極的に風を当てる為の機能的デザインだったりします。

その他の変更点としては吸気の見直しによるレスポンス向上(2馬力UP)とアイドリング時のジェネレーター出力の増加(12.3A→15.3A)、そしてスリッパークラッチを採用によるバネレートを軽減(クラッチが軽くなる)、パニアケースのアタッチメント刷新とOPの更なる充実、燃費の向上などなど。

カワサキグリーンプロダクト2015

アドベンチャーとして更なる磨きをかけカワサキグリーンプロダクト2015に選ばれました・・・・・が、ここで少し耳の痛い話。

実はこのVERSYS1000は海外(特に欧州)では意見が真っ二つというか賛否両論あります。

その最大の理由が直列4気筒エンジン。アドベンチャーで直列4気筒というのは通常では有り得ない話なんです。

直列4気筒というのは非常に合理的なエンジンなんですが、それは馬力を求められるオンロードでの話であってオフロードではタブー。

その理由は横に4つ気筒を並べるわけなので車幅が増す事や、車重が増えてしまう事からバランスを取らないといけないオフロードでは扱い辛さ悪く走破性に難が出るから。他にも燃費が悪い、低速トルクがない等の問題も出てきます。

KLZ1000Bエンジン

ライバルであるAFRICA TWIN(HONDA)やSuper Ténéré(YAMAHA)が並列二気筒な事やV-STROM1000(SUZUKI)がVツインなのはそういう理由からなんですが、VERSYS1000の場合は更にホイールも前後17インチという完全にオンロードバイクな形。

その為アドベンチャー文化やダートが身近な欧州を中心とした国では

「何も分かってないビッグアドベンチャー」

と一部で言われていたりするわけです。これはNinja650やVersys650といった大好評&大成功を収めた並列二気筒のバイクがあったにも関わらずという背景も影響していると思います。

じゃあどうしてカワサキがこんなにズレたアドベンチャーを出したのかというと、恐らくアドベンチャーのイメージがカワサキには無いからかと。

アドベンチャーの最高峰といえば何と言ってもパリダカですが、砂漠の女王NXR(HONDA)、地球を制した記号 Ténéré(YAMAHA)、ファラオの怪鳥DRZ(SUZUKI)、といったワークスで挑んでいた歴史がカワサキには無い。

KLR750tengai

一応1987年にKLR650 tengaiというラリー(ベース)マシンも発売しましたが結局ワークス参戦はせず。つまりカワサキはアドベンチャーで必須とも言えるパリダカ要素を持っていないんです。

じゃあ今のカワサキが持っている最高のアピール要素は何だろうとなると・・・やっぱりSBK。

カワサキSBK

2013/15/16年そしてこのままいけば17年もワールドチャンピオンに輝きそうなほどの強さを誇っているスーパーバイク世界選手権。

VERSYS1000の公式ページでもカワサキはアドベンチャーとはほとんど言っておらず、”レース(パリダカではなくSBK)で培った技術”や”ZX-10Rと同様の技術”といったまるでスーパースポーツかのような謳い文句を並べています。

要するに”敢えて王道からハズした”わけですが、重要なのは何度も言っているけどオンとオフの性能や楽しさはどうやったって両立しない事。だからどちらに比重を置くかが要になってくるんだけど、VERSYS1000の場合はいま説明してきたようにほぼオンロード走行での性能とファンライドに振っている。比率で言えば9:1以上と言っていいくらいオン寄りでオフは本当にオマケ程度。

ヴェルシス1000usa

そのせいで一部から「分かってないアドベンチャー」とか言われたりもするんだけどそれはあくまでも海の向こうでの話。ここは道路舗装が隅々まで行き届いている日本です。

ツーリングに出て気持ちよく走れるワインディングロードと、未舗装路の割合ってどれくらいでしょう。

恐らく舗装路がほぼ大半で、未舗装路といってもせいぜいフラットダート(慣らされた未舗装路)くらいではないかと思います。単純な数値で言うと日本は簡易舗装を含めると約97%が舗装路です。

そう考えるとスーパースポーツ技術を注ぎ込む事でオフロードでの走破性よりもオンロードでの性能やファンライドを取ったVERSYS1000という”分かってないビッグアドベンチャー”は

2016ヴェルシス1000

「日本のことをよく分かっているビッグアドベンチャー」

とも言えるのかと・・・それを狙ったのかどうかは分からないけどね。

カワサキの事だし

「ビッグアドベンチャーでも最速」

という単純明快な理由かもしれない。

【関連車種】

Africa Twinの系譜SUPER TÉNÉRÉの系譜V-STROM1000の系譜R1200GSの系譜

主要諸元
全長/幅/高 2240/895/1400~1465mm
シート高 840mm
車軸距離 1520mm
車体重量 249kg(装)
燃料消費率
燃料容量 21.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 1043cc
最高出力 120ps/9000rpm
最高トルク 10.4kg-m/7500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー YTX9-BS
プラグ CR9EIA-9
推奨オイル カワサキ純正オイルR4/S4
または
MA適合品SAE10W-40
オイル容量 全容量4.0L
交換時3.2L
フィルター交換時3.8L
スプロケ 前15|後43
チェーン サイズ525|リンク116
車体価格 1,350,000円(税込)
系譜図
初代2010年
VERSYS1000
(KLZ1000A)
二代目2015年
VERSYS1000
(KLZ1000B)

VERSYS1000(LZ1000A) -since 2010-

2010年式ヴェルシス1000

「Street Surfing」

カワサキのビッグアドベンチャーとして登場したVersys1000。国内では二年遅れの2012年から登場しました。

VERSYS(ヴェルシス)の名前の由来は”Vertex(頂点)”+”System(システム)”です。

VERSYSの意味

このモデルは現存モデルで兄弟車(Z1000/Ninja1000)も居るので、なかなかカタログ落ちにはならないと思いますしソッチの系譜に組み込んでも良かったのですが散らかってしまうのでコチラに。

その兄弟車であるZ1000/Ninja1000の並列4気筒エンジンをベースに圧縮比を下げ低速寄り&低燃費チューニングされたエンジンを搭載しているわけですが、メインフレームも共有化したエンジンの上を通るバックボーンのようなアルミツインチューブなのでZ1000/Ninja1000と同様に直四にしては意外とスリム。

ヴェルシス1000エンジン

基本的にZ1000/Ninja1000とほぼ一緒と言えなくもないのですが、VERSYS1000だけの試みとして面白いのがエンジンハンガー部分にパイプが付けられている。万が一の転倒時のエンジンガードにもなるし、引き起こしの際の取っ手にもなる面白い配慮ですね。

ヴェルシス1000ネイキッド

他にもビッグアドベンチャーとしての配慮としてサブフレーム(シートフレーム)は積載やタンデムを考えて220kgまで耐えうるスチール製の高硬度フレーム。更にタンク容量も21Lに大容量化に可変スクリーン、サスペンションもストローク量の大きいKYBの軽量倒立の物に。トラコン・ウィリーコントロール・ABS・出力モード切替といった最新電子制御も当然のように付いています。

それらの装備がまだ付いていなかった同年のNinja1000が1,302,000円だったのに対し1,298,000円。今にして思うとかなりのバーゲンセール。

ヴェルシス1000A顔

・・・にしてもこの顔はER系を更に強めた感じでインパクトがありますね。写真ではスケール感が伝わり辛いのが残念でなりませんが、一度見たら間違いなく忘れないと思います。

更に2014年モデルにABSが10Rの物へバージョンアップされるなどの一部改良が入りました。

主要諸元
全長/幅/高 2235/900/1045~1430mm
シート高 845mm
車軸距離 1520mm
車体重量 257kg(装)
燃料消費率
燃料容量 21.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 1043cc
最高出力 120ps/9000rpm
最高トルク 10.4kg-m/7500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー YTX9-BS
プラグ CR9EIA-9
推奨オイル カワサキ純正オイルR4/S4
または
MA適合品SAE10W-40
オイル容量 全容量4.0L
交換時3.2L
フィルター交換時3.8L
スプロケ 前15|後43
チェーン サイズ525|リンク116
車体価格 1,298,000円(税込)
系譜図
初代2010年
VERSYS1000
(KLZ1000A)
二代目2015年
VERSYS1000
(KLZ1000B)

VERSYS-X 250(LE250B/D)-since 2017-

ベルシスX

「ANY ROAD.ANY TIME.」

20年以上の月日を経て復活したアネーロならぬVERSYS-X。

VERSYS(ヴェルシス)の名前の由来は

『Vertex(頂点)+System(システム)』

からです。

アネーロが専用フレームにZZR250のエンジンを積んだように、VERSYS-Xも新設計フレームにNinja250のエンジンを積んでいるわけですが、新しい排ガス規制に対応するためにリセッティングされたものでNinja250より2馬力ほど上がっています。次のNinja250もこの改良型が乗るのかな。

ベルシスXエンジン

VERSYS-Xは更にドリブンスプロケットも2丁上げられているのでNinja250よりも加速寄り。積載しても不足なく走れるようにするのが狙いかと思います。

ジャンルの方のページでも話したんですが250は右も左も分からないエントリー層も見ると思うので改めて説明すると、いわゆる”アドベンチャー・デュアルパーパス”というオン/オフ両方走れるバイクで、両立しないオンとオフの性能どちらに比重をおいているかは最低地上高もそうですが、フロントホイールの大きさとタイヤを見れば大方分かります。

このVERSYS-Xで話をするならば、ライバルとして挙げられるのはCRF250RALLY、V-STROM250といったところでしょうが、CRF250RALLYは走破性重視で21インチホイールとブロックタイヤを履いています。対してV-STROM250は17インチとモタードなどが履くオールラウンダータイヤ。これは舗装路での操舵性を良くするため。

ベルシスX

そして肝心のVERSYS-Xはどうかというと19インチにオールラウンダータイヤ。

つまりこの中でいうとVERSYS-Xは250デュアルパーパスの中の真ん中的な立ち位置という事になりますね。

先代が21インチだったのに対し19インチにダウンされた事や、タンク容量が12Lから17Lに増やされた事を見ても結構オンロード寄りなデュアルパーパス。カワサキとしてはデュアルパーパスというよりツアラーなんだろうけどね。

ベルシスX300

ただ先代同様ツアラーよりも、サスペンションのストローク量は大きく取り、最低地上高もそれなりにあるので、起伏が穏やかな林道や砂利道くらいは何の問題もなく走れます。

そんなVERSYS-Xでも目を引くのがツーリングパッケージ。

ベルシスXツアラー

パニアケース、エンジンガード、ハンドガード、センタースタンド、DCソケットとリレーが付いてノーマルから+5万円の68万円。後から揃えると11万円ほど掛かるのでかなりお買い得。流石にPIAA製LEDフォグ(39,096円)は付かないみたいです。

だったら写真に付けるなよとも思いますが、メーカー純正OPという信頼感と使い勝手は何物にも代えがたいのでユーザーとしては本当にありがたい話。

買うなら絶対コッチでしょう。コレ買えばすぐにでもキャンプツーリングに行けます。

【長い小言】

VERSYS-Xも上で紹介したCRF250RALLYもV-STROM250も(というか250ほぼ全般)そうですがメインターゲットは東南アジアです。向こうは少し道を外れると平らな未舗装路が当たり前なので打ってつけなんでしょうね。

日本も欧米もアジア需要のオコボレを頂戴するカタチになっているわけですが、VERSYS-Xは第一便はアッという間に完売し既に納車待ちになっているほどの人気。

売るバイクが無いという嬉しいのか本当なのかよく分からない悲鳴がバイク屋から聞こえたりするわけですが、こういう話やここ最近の人気モデルの動向を聞くと日本の二輪市場が変わってきているような気がします。

ベルシスXアーバン

日本はずっとクラス関係なくスペックが売上に直結していました。四気筒250cc、リッター超えばかりの大型ラインナップなどが良い例ですね。用途や使い勝手よりもどれだけ凄いバイクを所持できるか、どれだけ非現実的な乗り物に乗るかがメインだった。

ところが最近は販売台数ランキング等を見ても分かる通り、売れているバイクは非実用的なハイスペック車というよりは、街乗りやツーリングなどの実用性を兼ね備えたバイクがクラスを問わず多い。

ベルシスXタンデム

これはバイクをツールとして見ている人が増えてきている現れではないかと。

売れているバイクとハイスペックバイクは車体価格が全然違うと言われるかもしれませんが、車体価格(コスパ)もツールにとっては非常に重要なファクターです。

威張れるわけでも、特筆すべき部分があるわけでもなく、使い勝手に重点を置いているVERSYS-Xがアッという間に完売する程の人気なのは

LE250D

「これは使えそう」とか「これで走ったら楽しそう」といったバイクをツールとして見て評価している人、つまり”バイクを楽しむ人”というより”バイクで楽しむ人”が増えている証のように思えます。

主要諸元
全長/幅/高 2170/860/1390mm
[2170/940/1390mm]
シート高 815mm
車軸距離 1450mm
車体重量 175kg(装)
[183kg(装)]
燃料消費率 24.8km/L
※WMTCモード値
燃料容量 17.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC二気筒
総排気量 248cc
最高出力 33ps/11500rpm
最高トルク 2.1kg-m/10000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前100/90-19(57S)
後130/80-17(65S)
バッテリー FTX9-BS
プラグ CR8E
推奨オイル カワサキ純正オイルR4/S4
または
MA適合品SAE10W-40
オイル容量 全容量2.4L
交換時2.0L
フィルター交換時2.2L
スプロケ 前14|後46
チェーン サイズ520|リンク112
車体価格 583,000円(税別)
[633,000円(税別)]
※[]内はTOURER(LE250B型)
系譜図
アネーロ2501993年
KLE250 ANHELO
(LE250A)
ヴェルシス2502017年
Versys-X 250
(KLE250D)

【関連車種】
CRF250の系譜|V-STROM250の系譜