CB-1(NC27) -since 1989-

CB-1

「最新伝説」

CBX400Fから時代は少し飛んで1989年、まだレーサーレプリカ人気が高い時代に登場したCB-1/NC27。

カリカリのレーサーレプリカCBR400RRのエンジンをベースに中低速寄りにチューニングしたものを専用のスチールダイヤモンドフレームに搭載。

CB-1フレーム

少しナローにすることで町中でも使いやすく配慮したスポーツネイキッドという立ち位置なんですが、先にも言った通りレーサーレプリカ全盛で既に何台ものネイキッドが出ては消えていった時代にどうしてこんなバイクを出したのかと言うと、市場の好みが二極化していた事があります。

一番人気は勿論ゴージャスの極致にあったレーサーレプリカだったんですが、その一方でシングルスポーツの味があるシンプルさを楽しむ人達もいた。

そこで

CB-1コンセプトスケッチ

「両方を併せ持つバイクを造れないか」

と考え造られたのがこのCB-1なんです。

だからCB-1は性能だけではなくヘアライン加工サイドカバーやジュラルミンステップなど見た目にもコストを掛けています。

カタログ裏面

マフラーも最初は4-2-1だったんだけど美しさを取るために4-1に変更しもっと見えるように土壇場でエンジン搭載位置から作り直すほどのこだわりっぷり。

これらの狙いはもちろんレーサーレプリカのゴージャス美とシングルスポーツのシンプル美を併せ持たせるため。

翌91年にはサスペンション改良が施され、更に92年には自主馬力規制に合わせてアップライトハンドルで使い勝手を向上させたTypeIIを販売。

CB-1タイプ1とタイプ2

3層塗装されたフューエルタンクなど品質を更に上げた上に値下げされたお買い得モデルでした・・・が、ホンダの肝いりとして登場したもののレーサーレプリカ時代にこのコンセプトが理解されることはなく残念ながら人気は出ず。

ホンダ(岸デザイナー)はこのCB-1が受け入れて貰えなかった反省からCB-SFを生み出すことになります。

CB-1ジャケット写真

現代的に言えば400ストリートファイターというのがピンと来るバイクだけど、もう少し具体的に言うと

「ゴージャスだけどシンプルに楽しめるバイク」

という開発コンセプトだったのがCB-1なんです。

主要諸元
全長/幅/高 2035/705/1025mm
[2035/705/1155mm]
シート高 775mm
車軸距離 1375mm
[1385mm]
車体重量 183kg(装)
[186kg(装)]
燃料消費率 35.0km/L
[33.0km/L]
※定地走行テスト値
燃料容量 11L
[13.0L]
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 399cc
最高出力 57ps/11500rpm
[53ps/11000rpm]
最高トルク 4.0kg-m/9500rpm
[3.7kg-m/9500rpm]
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前110/70-17(54H)
後140/70-17(66H)
バッテリー FTX9-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR8EH-9/CR9EH-9
U24FER9/U27FER9
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.5L
交換時2.9L
フィルター交換時3.1L
スプロケ 前15|後40
[前15|後37]
チェーン サイズ525|リンク104
車体価格 646,000円(税別)
[609,000円(税別)]
※[]内はTypeII
系譜図
CB350FOUR1972年
DREAM CB350FOUR
(CB350)
CB400FOUR1974年
DREAM CB400FOUR
(CB400/F)
CBX400F1981年
CBX400F
(NC07)
CB-11989年
CB-1
(NC27)
cb400sf1992年
CB400SF
(NC31)
CB400SF ver.R1995年
CB400 ver.R
(NC31)
CB400SF ver.S1996年
CB400SF ver.S
(NC31)
CB400FOUR1997年
CB400FOUR
(NC36)
CB400SF HYPER VTEC1999年
CB400SF
HYPER VTEC
(NC39前期)
CB400SF SPEC2

2002年
CB400SF
HYPER VTEC SPEC2
(NC39中期)

CB400SF SPEC32003年
CB400SF
HYPER VTEC SPEC3
(NC39後期)
CB400Sb2005年
CB400SF/SUPER BOL D’OR
(NC39後々期)
NC422007年
CB400SF
CB400SB
HYPER VTEC Revo
(NC42)
NC42後期2014年
CB400SF
CB400SB
HYPER VTEC Revo
(NC42後期)

CBX400F(NC07) -since 1981-

ホンダCBX400F

「Xの挑戦。」

400ccとしてはホンダ初のDOHC直列4気筒エンジンを搭載したCBX400F/NC07型。

当時を知らない人でもこのカラーリングには見覚えがある人が多いと思います。CBXカラーというやつですね。

まず最初に解きたい誤解があります・・・それは

『CBX400F=ガラの悪い輩のバイク』

というイメージを持たれている事です。

確かに今ではそういうイメージがありますが元々CBX400Fはフルスペックのスーパースポーツとして話題になりそして爆発的な人気となったバイクです。

CBX400Fポスター

・クラストップの48馬力

・DOHC16バルブヘッド

・プロリンク

・インボードディスク

・ジュラルミンセパパン

・アルミスイングアーム

・Xエキゾーストパイプ

などなど本当にこれ以上ホンダ技術が詰め込まれたバイクは無いと言っていいほどのフルスペックでした。

CBX400Fの装備

中でも面白いのがやはりエンジンで、CBX400Fは逆回転クランクになっています。

これは逆回転にする事が狙いだったわけではなくエンジンをコンパクトにするためギアではなくチェーン(でミッションを回す形)にしたから。

CBX400Fエンジン

そしてそのプライマリーチェーンもこれまたピッチを少しでも縮める為にカムチェーンの横ではなく3番と4番の間に配置されてる。つまりこのCBX400FのエンジンはXマフラーだけでなく中身も左右非対称のバラバラなエンジンなんです。

エンジンのイラスト

そんなコンパクト化に注力しつつもトップパフォーマンスを発揮し、ジャイロを打ち消す逆回転クランクでコーナリングもスムーズという本当に凄いエンジンを積んだバイクでした。

ちなみにシート高も抑えるためにオイルパンも削ったのですが、容量が足りないという事からサブタンクをエンジン前方に増設。

CBX400F

どう見てもオイルクーラーにしか見えず実際に冷却効果もあるんですがホンダいわくあくまでもリザーブタンク・・・何故なら当時はオイルクーラーが認可されなかったからっていう。

そもそも四気筒を止めたホンダが何故ここに来て再び復活させたのかと言うと、ホンダがCB400FOURを止めて暫く経つとライバルメーカーが四気筒400を相次いで登場させ人気を博してきたからです。

CBX400F/NC07

これはCB400FOURが原因で生まれた普通自動二輪が大きく関係しています。

それまで何ccでも乗れた状態から中型二輪と限定解除という二種類に分けられ、そして限定解除は非常に厳しかったことから改定から数年でこの400クラスが実質トップクラスになったから。

CBX400F壁紙

だからホンダもここまで手の込んだCBX400Fというスーパースポーツを造ったという話。

翌年には日本で初めてフェアリング(カウル)を装備したインテグラも発売。

CBX400Fインテグラ

当時『鈴鹿四耐(4st400と2st250の耐久レース)』があったのですが、そのレースを睨んだモデルでもありました。その盛り上がりは凄まじく、レース観戦者も出場者も毎年の様に増加。このレースが起点となりレーサーレプリカブームを巻き起こす事になります。

さて・・・待望の直四CBとして登場し累計6万台以上売れたCBX400Fですが、これまたヨンフォアと同じ様にモデルライフはそんなに長くありませんでした。

CBX400F

発売期間は僅か3年ほどと人気の割には実は販売期間はそれほど長くない。

これはいま話したレースの激化に対応するためのスペックアップ、要するにモデルチェンジをする必要があったから。

しかし後継であるCBR400Fが出た後も再販を望む声が非常に多かったことから1年後の1984年に再び登場。

2トップ体制となりどちらも人気に。もうこの頃からブランド化していたわけですね。

ホンダCBX400Fカタログ

「400マルチ、いまクライマックス」

正にこの言葉通りこのCBX400Fの登場により時代は前代未聞のバイクブームという最高潮を迎える事となります。

※CBX400CUSTOM(NC11)は系譜の外側
※CBR400F(NC17)はCBR400Rの系譜
で書いてしまったので割愛させてもらいます。

主要諸元
全長/幅/高 2060/720/1080mm
シート高 775mm
車軸距離 1380mm
車体重量 189kg(装)
燃料消費率 40.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 17.0L
エンジン 空冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 399cc
最高出力 48ps/11000rpm
最高トルク 3.4kg-m/9000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前3.60H18-4PR
後4.10H18-4PR
バッテリー FB12A-A
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
DP8ZEA-9
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.0L
交換時2.2L
フィルター交換時2.5L
スプロケ 前15|後45
チェーン サイズ520|リンク104
車体価格 470,000円(税別)
系譜図
CB350FOUR1972年
DREAM CB350FOUR
(CB350)
CB400FOUR1974年
DREAM CB400FOUR
(CB400/F)
CBX400F1981年
CBX400F
(NC07)
CB-11989年
CB-1
(NC27)
cb400sf1992年
CB400SF
(NC31)
CB400SF ver.R1995年
CB400 ver.R
(NC31)
CB400SF ver.S1996年
CB400SF ver.S
(NC31)
CB400FOUR1997年
CB400FOUR
(NC36)
CB400SF HYPER VTEC1999年
CB400SF
HYPER VTEC
(NC39前期)
CB400SF SPEC2

2002年
CB400SF
HYPER VTEC SPEC2
(NC39中期)

CB400SF SPEC32003年
CB400SF
HYPER VTEC SPEC3
(NC39後期)
CB400Sb2005年
CB400SF/SUPER BOL D’OR
(NC39後々期)
NC422007年
CB400SF
CB400SB
HYPER VTEC Revo
(NC42)
NC42後期2014年
CB400SF
CB400SB
HYPER VTEC Revo
(NC42後期)

ドリームCB400FOUR(CB400F) -since 1974-

CB400FOUR

「4into1(フォーワン)の ひくく 静かな吐息」

大人しすぎるという事からボアを4mm拡大し408ccとなったドリームCB400FOUR。

「ヨンフォア」

という愛称が有名ですね。

コンセプトスケッチ

排気量を上げてパワーを稼いだだけでなく他にも若干のバックステップ化や、まだ珍しかった集合管を装備しカフェレーサー色を強める事に。

ちなみにこの流れるような取り回しになっているエキゾーストパイプは大きなオイルエレメントを避けつつ集合させる為にこうなった物だったりします。

それがトレードマークになったという何とも面白い話。

ところでヨンフォアのカタログは最初

「おお400。」

というキャッチコピーが表紙にあって中を開くと

「お前は風だ。」

お前は風だ

と書かれていたんですが、このフレーズが暴走族を助長させるという事から

「おお400。お前が好きだ」

というフレーズに変えた話が有名ですね。

その事からもわかるように当時は暴走族が社会問題と化していました。そこで1975年に行われたのが運転免許制度の改正です。

【~125cc|無制限】

という区分だった二輪免許を

【~125cc|~400cc|無制限】

と中型を新たに設ける形に。

408ccだった『ヨンフォア潰し』としか言えない改定で、ホンダも慌てて399ccまでボアダウンしたモデル(型式CB400F)を出すなどして対策する事に。

結果としてヨンフォアは全部で三種類が併売される形になりました。

CB400FOURシリーズ

408ccのCB400FOUR
398ccのCB400FOUR-I
398ccとアップハンドルのCB400FOUR-II
の三種類です。

そんな法まで変えてしまったCB400FOURだったんですが、実はそんな反響とは裏腹に僅か三年ほどで生産終了となり後継も出ませんでした。

CB400カタログ写真

その理由は

「コストがCB750FOURと変わらず採算が取れない」

という理由から。

実質的にCB750FOURと製造コストはほぼ変わらず排気量の関係から安くする必要があった事が問題だったんです。

だからモデルチェンジで大事にされたのは

『採算性の改善』

排気量を上げたのもパワーを底上げする狙いと同事に売値を上げる為だったんですが、今度は高価になりすぎた事で憧れで終わってしまう人が多く販売台数は伸びず。

まだ2stが全盛で同等以上の速さを持ちつつ半値ほどで買えるバイクがゴロゴロあった時代だった事も影響しています。

そんな状況を打開するため様々なバリエーションも検討されました。

CB400カフェデザインスケッチ

これはその一つのカフェレーサースタイル。

実際にプロトタイプも製作され市販化寸前まで来ていました。

CB400FOURカフェプロトタイプ

しかし当時はカウルが認められない時代だったので認可が貰えないとなり敢えなくボツに。

捉えようによっては40年前に造られたボルドールのプロトタイプですね。

結局この採算性の問題をクリアする事が出来ず八方塞がりとなってしまい、ホンダは二気筒のホークにバトンダッチする形で直四を止める事になりました。

中免を生んだ事からも分かる通りヨンフォアというバイクは良くも悪くも何もかもがイレギュラーなバイクでした。

おお400

時代を代表する名車は数あれど、時代を動かしたバイクはこのヨンフォアくらいではなかろうか。

主要諸元
全長/幅/高 2050/705/1040mm
{2050/705/1040mm}
[2050/780/108 0mm]
シート高
車軸距離 1355mm
車体重量 183kg(装)
{[184kg(装)]}
燃料消費率 36.0km/L
{[39km/L]}
※定地走行テスト値
燃料容量 14.0L
エンジン 空冷4サイクルOHC4気筒
総排気量 408cc
{[398cc]}
最高出力 37ps/8500rpm
{[36ps/8500rpm]}
最高トルク 3.2kg-m/7500rpm
{[3.1kg-m/7500rpm]}
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前3.00S18-4PR
後3.50S18-4PR
バッテリー
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
D8EA
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.5L
スプロケ
チェーン
車体価格 327,000円
[327,000円]
※{}内はI型
※[]内はII型
系譜図
CB350FOUR1972年
DREAM CB350FOUR
(CB350)
CB400FOUR1974年
DREAM CB400FOUR
(CB400/F)
CBX400F1981年
CBX400F
(NC07)
CB-11989年
CB-1
(NC27)
cb400sf1992年
CB400SF
(NC31)
CB400SF ver.R1995年
CB400 ver.R
(NC31)
CB400SF ver.S1996年
CB400SF ver.S
(NC31)
CB400FOUR1997年
CB400FOUR
(NC36)
CB400SF HYPER VTEC1999年
CB400SF
HYPER VTEC
(NC39前期)
CB400SF SPEC2

2002年
CB400SF
HYPER VTEC SPEC2
(NC39中期)

CB400SF SPEC32003年
CB400SF
HYPER VTEC SPEC3
(NC39後期)
CB400Sb2005年
CB400SF/SUPER BOL D’OR
(NC39後々期)
NC422007年
CB400SF
CB400SB
HYPER VTEC Revo
(NC42)
NC42後期2014年
CB400SF
CB400SB
HYPER VTEC Revo
(NC42後期)

ドリーム CB350FOUR -since 1972-

ホンダCB350FOUR

「太陽と旅するFOUR」

CB750FOUR、CB500FOURに続いて発売されたCB350FOURはホンダにとってUnder400初のインラインフォーなんだけど恐ろしいほど認知度が低いモデル。

CB350FOUR

初代のミドル直四はCB400FOURだと思い込んでる人も多いのではないでしょうか。

このCB350FOURは先に出ていた元祖ナナハンことCB750FOURに本田宗一郎が乗ろうとしたところ部下に止められ

「じゃあ俺でも乗れるCB(直四)を作れ」

と言われた事から造られたバイクとも言われてます。

CB350FOURジャケット

だからCB350FOURは4気筒の割には大人しく従順な特性。ただ流石に4気筒なだけあって車重もあった事から

「ツイン(2気筒)よりも遅いフォア(4気筒)」

と言われ車体価格もワンクラス上だったから人気は今ひとつで僅か2年ほどしか造られませんでした。

「ミドル直四なら売れそうなのに」

と思いますが、この頃は免許区分が125までと大型の二種類で俗に言う中型という区分がまだ無かった事も災いしたんでしょうね。

主要諸元
全長/幅/高 2070/780/1090mm
シート高
車軸距離 1380mm
車体重量 184kg(装)
燃料消費率 36.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 14L
エンジン 空冷4サイクルOHC4気筒
総排気量 347cc
最高出力 34ps/9500rpm
最高トルク 2.7kg-m/8000rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前3.00S-18-4PR
後3.50S-18-4PR
バッテリー
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
D8EA
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
 
スプロケ
チェーン
車体価格 265,000円(税別)
系譜図
CB350FOUR1972年
DREAM CB350FOUR
(CB350)
CB400FOUR1974年
DREAM CB400FOUR
(CB400/F)
CBX400F1981年
CBX400F
(NC07)
CB-11989年
CB-1
(NC27)
cb400sf1992年
CB400SF
(NC31)
CB400SF ver.R1995年
CB400 ver.R
(NC31)
CB400SF ver.S1996年
CB400SF ver.S
(NC31)
CB400FOUR1997年
CB400FOUR
(NC36)
CB400SF HYPER VTEC1999年
CB400SF
HYPER VTEC
(NC39前期)
CB400SF SPEC2

2002年
CB400SF
HYPER VTEC SPEC2
(NC39中期)

CB400SF SPEC32003年
CB400SF
HYPER VTEC SPEC3
(NC39後期)
CB400Sb2005年
CB400SF/SUPER BOL D’OR
(NC39後々期)
NC422007年
CB400SF
CB400SB
HYPER VTEC Revo
(NC42)
NC42後期2014年
CB400SF
CB400SB
HYPER VTEC Revo
(NC42後期)