30年経ってCBXと認められたアメリカン CBX400Custom (NC11) -since 1983-

YZF-R25

CBXと聞くと誰もが大ヒットし今も伝説のように語り継がれるCBX400F、またはCB750FOURの次世代を担うフラッグシップとして登場したCBX1000を思い浮かべるでしょう。

このCBX400CUSTOMはCBX400Fの二年後、CBX400INTEGRAに次いで登場したCBX400ベースでハンドルとシート変えただけのナンチャッテアメリカン・・・かと思いきやそうでもない。

CBX400Custom エンジン

このCBX400Fは兄貴分でこの400CUSTOMに勝るとも劣らない不人気さを誇ったCBX650がベース。一部の国ではナイトホークという名で売られていました。

CBX650

その650と基本的に同じだから背面ジェネレーター、油圧式バルブクリアランスオートアジャスタ、油圧クラッチ、シャフトドライブというCBX400Fとは名前こそ同じだけど造りは違うCUSTOM。そして驚きなのはCBX400Fよりもショートストロークという事。

だから馬力もFと同じ48馬力という申し分ないものを持ってるんだけど、スケールダウン版の宿命というべきか代償として非常に重くなった。CBX400Fに+11kgで大台の200kgに到達。更にルックスのためにティアドロップタンクにしたことでタンク容量も5L減って12Lしか入らない。

CBX400CUSTOMエンジン

足も硬いしシートも足付きを良くするため非常に硬く薄い。まあコレは見た目を優先したと思えば許せないこともない話なんだけど、ここに書いてる事から察して欲しいんだけど人気は出なかった。

CBX400カスタム

CBX400Fの方はCUSTOMが出た後もマイナーチェンジされたりしたんだけど、これは出たっきり。兄貴の650はまだ白バイや教習車に採用されたから救われてるんだけどね。

理由は言うまでもないけどクルーザーというよりネイキッドな腰高ショートフレームだったこと、そしてもう一つは他所だけでなく身内にもライバルがいた事。

NV400カスタム

Vツインを積んだNV400Custom。CBX400カスタムの二年後に登場したVツインアメリカン。CBXよりも(まだ)クルーザーらしい見た目。まあコレもヒュンヒュン回るアメリカンらしからぬスポーツ性でそれほど人気は出なかったんだけどね。

結局第二次クルーザーブームのきっかけとなった1988年のスティードを出すまでホンダはCBX400CUSTOMとNV400CUSTOMで食い合い、ヤマハのビラーゴとカワサキのエリミネーターによって共倒れする事に。

ちょっと不幸ですよね。でもCBX400CUSTOMが不幸なのはそんな不幸要素が一つじゃないということ。

なんでCBX400CUSTOMなんて出したのかと言えば、このナンチャッテアメリカンタイプは(ホンダに限った話じゃないけど)欧米向けの400オーバーモデルとの二台体制。

言葉が悪いけどフレームもエンジンも基本は同じで、日本でもクルーザー人気が高まりつつあったからスケールダウンしてついでに売ってしまえという感じ。つまりホンダにとっても本命モデルではない。

CBX400Fカタログ

そして悲しい事にこのバイクのエンジンのベースとなった650は更にスケールアップしてCBX750(コッチも不人気っていう)と続いたのに対し、400の方はCBX400CUSTOMだけ。

理由は半年後にCBR400Fというド本命車が控えてたから。CBX400を10馬力も上回る58馬力を引き下げて登場したCBX400Fの後継車です。

CBR400F

こうなるともう”CBX”というネームバリューも無くなりホンダ400はCBR-Fの一色に。もう誰もCBXなんて気にも止めてませんでした。

今では考えられないけど当時はCBX400Fですら型落ち二束三文だったんですよ。

そしてもう一つの不幸要素はその”CBX”という名前。CBX400Fカタログ

CBX400Fが盗難率の高さ、車体価格の高騰により盗難保険への加入が大手保険会社において不可になったのは記憶に新しいと思いますが、何故かその加入不可車両の中にCBX400CUSTOMも含まれているんです。

現役時代には

「こんなのCBX400じゃない」

と言われ認められず

生産終了した今になって

「これもCBX400」

と認められた。

CBX400カスタム

これほど不幸なバイクは珍しいかと。

主要諸元
全長/幅/高 2150/830/1160mm
シート高 780mm
車軸距離 1440mm
車体重量 200kg(装)
燃料消費率 40.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 12L
エンジン 水冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 398cc
最高出力 48ps/10500rpm
最高トルク 3.4kg-m/8500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前100/90-19(57S)
後130/90-16(67S)
バッテリー FB12AL-A
プラグ DP7EA-9/DP8EA-9/DP9EA-9
または
X22EP-U9/X24EP-U9/X27EP-U9
推奨オイル ウルトラ-U(10W-30)
オイル容量 全容量3.2L
交換時2.2L
フィルター交換時2.5L
スプロケ
チェーン
車体価格 525,000円(税別)
系譜の外側
DN-01

拒絶された渾身のATスポーツクルーザー
DN-01
(RC55)

gts1000

悪いのは人か技術か
GTS1000/A
(4BH/4FE)

750カタナ

カタナと名乗れなかったカタナ
GSX750S
(GS75X)

ザンザス

Zの亡霊と戦ったZ
XANTHUS
(ZR400D)

CBX400カスタム

30年経ってCBXと認められたアメリカン
CBX400CUSTOM
(NC11)

BT1100

イタリア魂が生んだもう一つのMT
BT1100 BULLDOG
(5JN)

GSX1300BK

本当の怪物は誰も求めていなかった
GSX1300BK B-KING
(GX71A)

ZR750F/H

死せるザッパー生ける仲間を走らす
ZR-7/S
(ZR750F/H)

ホンダCBX1000

大きすぎた赤い夢
CBX1000
(CB1/SC03/06)

GX750/XS750

ブランドは1台にしてならず
GX750
(1J7)

スズキGAG

SUZUKIのZUZUKI
GAG
(LA41A)

Z1300

独走のレジェンダリー6
Z1300/KZ1300
(KZ1300A/B/ZG1300A)

NM-4

アキラバイクという非常識
NM4-01/02
(RC82)

FZX750

大きな親切 大きなお世話
FZX750
(2AK/3XF)

GSX1400

踏みにじられたプライド
GSX1400
(GY71A)

750Turbo

タブーを犯したターボ
750Turbo
(ZX750E)

NR750

無冠のレーシングスピリット
NR
(RC40)

TRX850

現代パラツインスポーツのパイオニア
TRX850
(4NX)

GS1200SS

嘲笑される伝説
GS1200SS
(GV78A)

ゼファー1100

ZEPHYRがZEPHYRに
ZEPHYR1100/RS
(ZR1100A/B)

NS400R

狂った時代が生んだ不幸
NS400R
(NC19)

RZV500R

手負いの獅子の恐ろしさ
RZV500R
(51X/1GG)

RG500Γ

チャンピオンの重み
RG500/400Γ
(HM31A~B/HK31A)

AV50

なぜなにカワサキ
AV50
(AV050A)

ドリーム50

五十路の夢
DREAM50
(AC15)

フォーゲル

楽し危なし
POCKE/VOGEL
(4U1/7)

ストリートマジック

シンデレラスクーター
TR-50/TR-110
(CA1L/CF12)

Z750ツイン

鼓動と振動
Z750TWIN
(KZ750B)

フォルツァ125

市民権の象徴
FORZA125
(JF60)

SRX4/6

決して多くない人たちへ
SRX-6/SRX-4
(1JK/1JL~)

DR-Z400SM

最初で最後のフルスペック
DR-Z400S/SM
(SK43A/SK44A)

ZX-7R/RR

問題児レーサー
ZX-7R/RR
(ZX750P/N)

RC213V-S

2190万円の妥協と志向
RC213V-S
(SC75)

YZF-R7

7と1でWE/R1
YZF-R7
(5FL)

バーグマンFCS

エコの裏で蠢くエゴ
BURGMAN FCS
(DR11A)

エリミネーター750/900

名は体を現す
ELIMINATOR750/900
(ZL750A/ZL900A)

モトコンポ

こう見えて宗一郎のお墨付き
MOTOCOMPO
(AB12)

TDR250

聖地突貫ダブルレプリカ
TDR250
(2YK)

グース

決めつけられたシングルの正解
Goose250/350
(NJ46A/NK42A)

Z650

小さく見えるか大きく見えるか
Z650
(KZ650B)

X4

単気筒
X4
(SC38)

SDR200

軽く見られた軽いやつ
SDR
(2TV)

チョイノリ

59,800円に込められた思い
choinori
(CZ41A)

ゼファー750

復刻ではなく集大成
ZEPHYR750/RS
(ZR750C/D)

PS250

モトラリピート
PS250
(MF09)

DT-1

冒険という感動創造
トレール250DT1
(214/233)

Vストローム250

二度ある事は三度ある
V-STROM250
(DS11A)

エリミネーター250

周期再び
ELIMINATOR250/SE/LX
(EL250B/A/C)

CX500ターボ

打倒2ストのブースト
CX500/650TURBO
(PC03/RC16)

YA-1

原点進行形
YAMAHA125
(YA-1)

rf400r

RでもFでもない
RF400R/RV
(GK78A)

250-A1

半世紀を迎えた吉凶のライムグリーン
250-A1/SAMURAI

Vツインマグナ

氷河期 of Liberty
V-TWIN MAGNA(MC29)

TDR50

RALLYってしまった原付
TDR50/80(3FY/3GA)

SW-1

オシャレは我慢
SW-1(NJ45A)

ボイジャー1200

可愛い娘は旅をせよ
Voyger XII
(ZG1200A/B)

WING

Twist and Shaft
WING
(GL400/GL500)

ビーノ

その愛嬌は天然か計算か
VINO
(SA10J/SA26J/SA37J/SA54J/AY02)

DRビッグ

爪痕を残し飛び去った怪鳥
DR750S/DR800S
(SK43A/SR43A)

テンガイ

愛おぼえていますか
Tengai
(KL650B)

CB92

雪辱のSSその名はシービー
CB92

XT400E

本当の名前は
ARTESIA
(4DW)

ジェベル250

ツールドジェベル
DJEBEL250/XC/GPS
(SJ44A/SJ45A)

KV75

混ぜるなキケン
75MT/KV75
(KV075A)

ダックス

泥遊びなら任せろ
DAX
(ST50/ST70/AB26)

ランツァ

単槍匹馬のラストDT
LANZA
(4TP)

GT750

水牛であり闘牛である
GT750
(GT750J~N)

「30年経ってCBXと認められたアメリカン CBX400Custom (NC11) -since 1983-」への1件のフィードバック

  1. 投稿に感謝です。
    不遇のバイクでしたが、非常に乗りやすかったです。
    シャフトドライブでメンテナンスフリーでしたしね。
    2024年の中古価格が158万円!

コメントを残す