「ROUGH ROADER」
レーサーレプリカTZR250/1KTの45馬力エンジンを積んだデュアルパーパスのTDR250/2YK型。
何故こんなバイクを造ったのかというと、キッカケは前年に行われたファラオラリーにあります。
ファラオラリーとはアフリカ大陸の北端にあるエジプト砂漠を11日間4815.64km走る非常に過酷なデザートレースの事。
このラリーに
・冒険家で有名な風間深志さん
・俳優の根津甚八さん
・ミュージシャンの宇崎竜童さん
・YSP等々力の社長だった浅井明さん
この四方が主体となって結成されたMAC(Motorcycle Adventure Club)が参戦。
その際に使われた車両がこれで、XT600Ténéréをベースに2st250cc(恐らくTZ250系)のエンジンを積んだ三菱マークが特徴的なTDR(Twin Dirt Racer)というバイク。
オンロードでは180km/h、オフロードでも140km/hという速さを誇り、クラス別で優勝する快挙を達成しました。
これを受けて市販化される事になったわけです。つまりTDR250はラリー生まれの成り上がり系。
とはいうものの、ラリーレイドマシンをそのまま出したワケではありません。
コンセプトこそ引き継いでいるものの、市販車として一般ユーザー向けに一から開発。
ダブルクレードルフレームと45馬力2st並列二気筒エンジンというオンロード構造をベースに
・フロントを18インチに上げアルミスポーク化
・最低地上高を稼ぐクロスアップマフラー
・ローギアード化
・オンオフ両対応のバリアブルタッチブレーキ
※マスターシリンダーとホースの間にピストンとバルブを仕込みブレーキのプログレッシブ化
・十二分なホイールトラベル
・ラリー譲りの防風カウルとポジション
などなどオフロード要素を詰め込んだ形。
ラリーレプリカボディにレーサーレプリカエンジンでWレプリカという面白いパッケージングなんですが、開発経緯もこれまた面白い。
開発にあたりまずチームはバイパスやワインディングなどTZR250RやRZ250Rが得意とする主要幹線を敢えて苦手なSEROWやDT200Rで走り込みました。
そして今度は逆にSEROWやDT200Rが得意とするダートや林道といった外れた道を敢えて苦手なTZR250RやRZ250Rで走り込んだんです。
まるで罰ゲームのような行為ですが、これは苦手とするシチュエーションを楽しむには何が必要かを自ら体験するため。
そうやって実験を重ねた末に生み出されたのがオンロードベースにオフの要素を詰め込んだTDR250。山に籠もってSEROWを造ったメーカーだけの事はある体当たり開発ですね。
ただ、あまりにも北海道で走り込んだせいか開発者も当時のプレスリリースインタビューで
「今もTDR250に乗ると北海道の広大さを思い出す・・・。」
とセールストークではなく北海道ロスな心情を語る始末。
そんな楽しんできただけの疑いがあるほどの熱で造られたもんだから、TDR250はバイク乗りの聖地である北海道において、道を選ばず気持ちよく走り抜けられる聖地突貫バイク。
ただラリーレイドレプリカという事から宣伝ではオフ色が強めでした。
このせいで実際はオンロードの方が得意なんだけど、それが伝わらずオン派からは見向きもされず。
かといってオフ派からは
「こんなカッ飛びオフ何処で乗るんだ」
と言われる始末・・・誰もが北海道を走るわけじゃないですからね。
これがTDR250の残念ポイント。
もしも現代のTDR250に対する評価に沿った宣伝をしていたら、もう少し違った結果になったと思います。
「楽で便利で速いマルチツールクオーター」
という評価です。
全長/幅/高 | 2080/785/1215mm |
シート高 | 820mm |
車軸距離 | 1385mm |
車体重量 | 134kg(乾) |
燃料消費率 | 43.0km/L ※定地走行テスト値 |
燃料容量 | 14.0L |
エンジン | 水冷2サイクル二気筒 |
総排気量 | 249cc |
最高出力 | 45ps/9500rpm |
最高トルク | 3.6kg-m/8500rpm |
変速機 | 常時噛合式6速リターン |
タイヤサイズ | 前100/90-18(56H) 後120/80-17(56H) |
バッテリー | GM4A-3B |
プラグ ※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価 |
BR9ES |
推奨オイル | オートルーブ |
オイル容量 ※ゲージ確認を忘れずに |
全容量1.4L |
スプロケ | 前14|後45 |
チェーン | サイズ520|リンク108 |
車体価格 | 479,000円(税別) |
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