今ではFZに変わるヤマハのスポーツネイキッドとして定着したMTシリーズ。
そんな中でもMT-01を覚えてる人は多いとは言えませんが一定数は居ると思います。海外ではB-KINGと並んで日本でいう変態バイク扱いを受けてたりするわけですが、じゃあこのBT1100を覚えてる人は居るかといえばまあ居ないでしょう。
このバイクはドラッグスター1100のエンジンを積んだネイキッドで、発案も設計も生産もイタリアヤマハ(旧ベルガルダヤマハ)によるもの。
MT-03と同じようなものなのですが、コチラはプレストで正規取扱車として結構長く日本でも販売されました。
見た目からしても
「ビューエルみたいなもんだろ?」
と思う方も居るかもしれませんが全然と言っていいほど違います。
確かにBT1100はクルーザーの空冷ビッグツインを積んだネイキッドなので鼓動感はあるけど性格は違う。
カタログを見れば分かりますがビューエル(ファイヤーボルトやサンダーボルト)ほどショートホイールベースではありませんし、かといってMT-01ほどのトルクオバケでもありません。BT1100はシャフトドライブですし。
BT1100の狙いは何なのかって話ですが、これは
「本当に日常生活に根差したイタリアンネイキッドを作りたい」
というイタリアヤマハが作りたかっただけの様なバイク。
とはいうものの、ちゃんとコンセプトモデルを踏むほどイタリアヤマハも力を入れていました。
では、なぜ売れず、なぜ誰も覚えていないのかといえばビューエルがハーレーから切られた事からも分かるように非常にニッチなカテゴリだという事もあるんですが、それに加えてブルドッグが発売された翌年に本家ヤマハがMT-01を発表したからです。
元々ヤマハは「鼓動コンセプト」としてMT-01コンセプトを1999年から出していました。
しかし一向に市販化されずみんな忘れかけてた。
そしてたらまあBULLDOGが出た翌年に市販化を匂わすコンセプトモデルと発表をしたんだから驚き。
でも一番驚いたのはイタリアヤマハじゃないかな・・・このせいでBT1100は完全にMT-01の前座になってしまったわけですから。
結局MT-01が発売と同年にマイナーチェンジもしてるんだけど、どうしてもインパクトでMT-01に劣ってしまった。まあMT-01も売れてないんだけどね。
肝心のイタリアでも思ったほどの人気は出ず、排ガス規制を機にイタリアでは2006年、日本では2008年モデルをもって販売終了となりました。
・・・肝心のバイクに付いて大して何も話してませんでしたね。
BT1100がどんなバイクかといえば
少し回すだけですぐにゴフゴフと息を上げ
ボディもマッチョだけど速く走るのは得意じゃない
性格も見た目に反して急に牙を剥いたりしないフレンドリーさ
そして実物は想像を超える大きさと何より重さ
そう、まさにブルドッグ。
主要諸元
全長/幅/高 | 2200/800/1140mm |
シート高 | 812mm |
車軸距離 | 1530mm |
車体重量 | 250kg(装) |
燃料消費率 | – |
燃料容量 | 20.0L |
エンジン | 空冷4サイクルSOHC二気筒 |
総排気量 | 1063cc |
最高出力 | 65ps/5500rpm |
最高トルク | 9.0kg-m/4500rpm |
変速機 | 常時噛合式5速リターン |
タイヤサイズ | 前120/70ZR17(58W) 後170/60ZR17(72W) |
バッテリー | GT14B-4 |
プラグ ※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価 |
BPR7ES または W22EPR-U |
推奨オイル | SAE 10W/30~20W/40 |
オイル容量 ※ゲージ確認を忘れずに |
全容量3.6L 交換時3.0L フィルター交換時3.1L |
スプロケ | – |
チェーン | – |
車体価格 | 1,030,000円(税別) ※プレスト価格 |