「The Ultimate, to Do-It-All」
モデルチェンジで長男坊1000と足並みを揃え、共通デザインとなったV-STROM650/XT。
先代にも増して怪鳥として名を馳せたDR800デザインになりましたね。
ちなみに向こうではこのくちばしの事を
「DUCK BILL(アヒルのクチバシ)」
と呼んでいます。
性能面で目立つ変更点としてはABSモデルのみとなり、3段階(OFF/弱/強)のトラクションコントロールシステムが付いたこと。
そういえばSV650やこのV-STROM650にも採用されている”ローRPMアシスト”という機能が凄く好評なようですね。
これは自動で500rpmほど回転数を上げる機能で、回転数の落ち込みによるエンストを防いでくれます。
全く関係ないんですが”エンスト”がエンジンストールの略なのか、エンジンストップの略なのか調べたらエンジンストップ(Wikipedia)なんですね。ただ意図して止めるのをストップ、意図せず止めてしまうのはストールなので逆な気が・・・
それよりも仕組みですが、ローRPMアシストはアイドリングコントロールの進化系というか副産物的な物です。
もともとアイドリング補正装置であるISCに対し、クランク・ギア・スロットル・クラッチのセンサーからの情報で発進時を判断し補正するようにしたというわけ。
つまりローRPMアシストがあればエンストする恐れがあるゼロ発進時でも回転数が落ちないのでアクセルを煽るどころか開ける必要すら無くなる。半クラの時間や使用頻度が減ります。
「エンストなんてしないから要らない」
とお思いの腕に自信をお持ちの方、ではUターンや小旋回はどうでしょう。
“ドド..ド…ガッ(エンスト)・・・ガチャン”
比較的誰もが一度は経験する転倒パターンだと思いますが、これもローRPMアシストが勝手にエンジンが粘るから防げるわけです。
副産物的な物の為にGSX-R1000など要らないんじゃないかと思うバイクにも付いている機能ですが、街乗りからツーリングまで多目的に使うV-STROMにとってはかなり恩恵がある。車でいうATのクリープみたいな感じですね。
さて・・・写真だと1000との見た目の違いが倒立フォーク(1000)か正立フォーク(650)かくらいしか見当たりませんが、排気量が違うだけあって足つきや取り回しといった取っ付きやすさは650が一枚も二枚も上。乗ってみると全然違うバイクというのが分かります。
大事な車体価格も流石スズキと言うべきか、コスパまで求められるシビアなクラスなだけあってノーマルが90万円、スポークホイールとハンドル/エンジンガードの付いたXTモデルですら95万円と100万円を切る安さ。
そんなV-STROMですが、面白かったのが新型V-STROM三兄弟の展示会を兼ねたV-STROMミーティング2017にて、鈴木俊宏社長がミーティングに集ったV-STROMオーナー達に冒頭の挨拶で放った一言。
当たり障りのないセールストークをするかと思いきや
「褒め言葉は要りません。気に入らない所、悪い所を教えてください。」
と仰っていました。
「今の最高を次の最高にする為に。」
V-STROM650が本領を発揮するシチュエーションは日々の日常の中にあり、その真価を一番知っているのはオーナーという事を社長までもがキッチリ理解している。
だからこそV-STROM650は本家SVを凌ぐほどの支持を獲得し、それを今も保ち続けているわけですね。
主要諸元
全長/幅/高 | 2275/835/1405mm [2275/910/1405mm] |
シート高 | 835mm |
車軸距離 | 1555mm [1560mm] |
車体重量 | 212kg(装) [215kg(装)] |
燃料消費率 | 24.2km/L ※WMTCモード値 |
燃料容量 | 20.0L |
エンジン | 水冷4サイクルDOHC2気筒 |
総排気量 | 645cc |
最高出力 | 69ps/8800rpm |
最高トルク | 6.2kg-m/6500rpm |
変速機 | 常時噛合式6速リターン |
タイヤサイズ | 前110/80R19(59H) 後150/70R17(69H) [前110/80R19(59V) 後150/70R17(69V)] |
バッテリー | YTX12-BS |
プラグ ※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価 |
CR8E または U24ESR-N |
推奨オイル | スズキ純正 エクスター |
オイル容量 ※ゲージ確認を忘れずに |
全容量3.0L 交換時2.4L フィルター交換時2.6L |
スプロケ | 前15|後44 |
チェーン | サイズ520|リンク120 |
車体価格 | 840,000円(税別) [880,000円(税別)] ※[]内はXTモデル |
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