FZ8&FAZER8(39P/59P&42P/1BD) -since 2011-

FZ8

開発コンセプト「Best active middle sports」
ベースはFZ1だから本来ならFZ1の方に載せるべきなんだろうけど、FZ6の後釜的な立ち位置なのでコッチに載せようかと。

エンジン・フレーム共にFZ1ベースなんだけどコッチはFZ1にはない他社とは違いリニア制御ABSという優秀な無段階ABSモデルもラインナップ。

FZ1より設計が新しいから当たり前というか比べるのは酷な話だけど、FZ1でネガだった部分も見直されたりして共通部品が多い中にも、地味に部品がFZ8専用になって改善されてたりする。(あくまでもFZ1の弟分で値段も抑えてるから少しコストカットは見受けられるけどね)

ハーフカウルの付いたモデルは名前が今までとちょっと変わってFAZER8になった。

FAZER8

実はこのハーフカウルの付いたFAZER8って北米では売ってないんですね。無印のネイキッドは売ってます。その代わりFZ1が無くてFZ1FAZERが売ってる。何とも不思議なラインナップ・・・

在り来りだけど総括としてはXJ6とFZ1の間でちょっとFZ1寄りなただのスケールダウンじゃないFAZERという感じかな?でも日本にはあんまり入ってきてないんですよね。

ご存知の方も多いと思いますが、今のFZ1とR1のエンジンは別物です。いやもうエンジンだけに留まらずFZSの頃から比べると共通点は少ないです。
アレだけ売りにしていた5バルブも今じゃFZ1とTDM900だけで、FZ1ベースのFZ8ですら4バルブ。これがどういう事を言うのかというと・・・

FZ1

「もしかしてFZ1ってフェード・アウトしちゃうんじゃないの?」

とちょっと思ってしまうわけです。

2016年から125cc以上のバイクのABS義務化が始まります。XJ6やFZ8はそれに先立ってABSを搭載してきたわけですけどFZ1は一向に装着しないんですよね。

しかも欧州では車体価格や保険料の関係からFZ1よりFZ8の方が売れてる。もしかしたらFZ8がFZシリーズのトップモデルになる日は遠くないかも知れないですね。

WPG50周年記念モデル

というかWGP50thモデルがFZ1じゃなくFZ8だった時点でそういうことですよね。

※2016年追伸

FZ1/FZ1FAZERは欧州では義務化に合わせABSを装着したモデルがありましたが、相変わらず日本では未発売。

そしてFZ8が次のヤマハネイキッドの主役と予想しましたが、結果は御存知の通りMTがヤマハの新しいネイキッドシリーズに。誤記に加え全く予想が当たってなくてお恥ずかしい限りです。

ヤマハも放置しているFZシリーズ今後どうなるんでしょうね・・・

主要諸元
全長/幅/高 2140/770/1065mm
[2140/770/1225mm]
シート高 815mm
車軸距離 1460mm
車体重量 211kg(装)
[215kg(装) ]
燃料消費率
燃料容量 17.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 779cc
最高出力 106ps/10000rpm
最高トルク 8.4kg-m/8000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー YTZ10S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR9E
推奨オイル ヤマルーブ
SAE 10W-30から20W-50まで
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.8L
交換時2.9L
フィルター交換時3.1L
スプロケ 前16|リア46
チェーン サイズ525|リンク122
車体価格 860,000円(税別)
[910,000円(税別)]
※プレスト価格
※[]内はFAZER8
※ABSモデル(59P/1BD)は+5kg&50,000円
系譜図
FZS6001998年
FZS600 FAZER
(5DM/5RT)
FZ62004年
FZ6-N/R
(1B3/5VX)
FZ6S22006年
FZ6-N S2
(13B/5S5)
FZ6FAZER S2
(5S2/4S8)
XJ6/FZ6R2009年
XJ6N/D/F
(20S/36B/36C/36D/1CW/1DG)
FZ8/FAZER82011年
FZ8
(39P/59P)
FAZER8
(42P/1BD)

【関連車種】
CB650F/CBR650Fの系譜GSX-S750の系譜Ninja650/Z650の系譜空冷MONSTERの系譜

FZ6-N/R(1B3/5VX) -since 2004-

FZ6N

開発コンセプト「Next Generation Fazer」

日本でフェーザーと言えばFZ1だけど、メインの欧州でフェーザーと言えば600。年号を辿ると分かるけどFZ6の派生がFZ1という立ち位置になる。

向こうは125cc以上の排気量制限が無いから日本で例えるなら欧州のCB400SFといった所かな。

特筆すべきはヤマハの十八番であるCFアルミダイキャスト技術で作られたフレームだろう。R1やR6のスイングアームなどに使われている製法で、簡単に言うと大きい物も鋳造で作る事が出来る技術。

R1やR6などのフラッグシップモデルでさえスイングアーム止まりな製法なんだけど、FZ6はなんとメインフレームをアルミダイキャストで作ってる。

CFアルミ ダイキャストフレーム

溶接跡の無い綺麗なダイヤモンドフレームが実に美しい。
このメインフレームをアルミダイキャストで作っているバイクは当時としてはこのFZ6とTMAXだけ。ちなみにTMAXも欧州では既に五万台以上売れてる超売れ筋モデル。

主要諸元
全長/幅/高 2095/755/1085mm
[2095/750/1215mm]
シート高 795mm
車軸距離 1440mm
車体重量 200kg(装)
[207kg(装) ]
燃料消費率
燃料容量 19.4L
エンジン 水冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 600cc
最高出力 98ps/12000rpm
最高トルク 6.44kg-m/10000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー GT12B-4
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR9EK
推奨オイル ヤマルーブ
SAE 10W-30から20W-40まで
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.4L
交換時2.5L
フィルター交換時2.8L
スプロケ 前16|リア46
チェーン サイズ530|リンク118
車体価格 800,000円(税別)
[830,000円(税別)]
※プレスト価格
※[]内はFAZER(5VX)
系譜図
FZS6001998年
FZS600 FAZER
(5DM/5RT)
FZ62004年
FZ6-N/R
(1B3/5VX)
FZ6S22006年
FZ6-N S2
(13B/5S5)
FZ6FAZER S2
(5S2/4S8)
XJ6/FZ6R2009年
XJ6N/D/F
(20S/36B/36C/36D/1CW/1DG)
FZ8/FAZER82011年
FZ8
(39P/59P)
FAZER8
(42P/1BD)

FZS600FAZER(5DM/5RT) -since 1998-

FZS600FAZER

日本に限って言えばFZ400の方がピンとくる人が多いと思うFZS600FAZER(欧州名FZ-S600 FAZER)はFZ400の逆車的な存在の元祖FAZER
フェーザーの元祖は85年のFZ250フェーザーでは・・・と思うかもしれないけどアッチは「PHAZER」なんです。

エンジンは先代の物を引き継いだ物で、欧州ではこの位のミドルバイクが今も昔も非常に人気があった。

XJ900

日本ではあまり馴染みのない空冷のXJ600DまたはXJ900(ディバージョンモデル)が80年台後半からロングセラーの大ヒットを続けてて、その後釜を引き継ぐ意図もありました。

というのもFZS600果てはFZ6はヨーロッパヤマハの発案なんですよ。とはいってもこっちはよりスポーツ寄りで95馬力と性能は相当なモノ。

FZ-S600

2000年(5RT)にマイナーチェンジが入り現代的なフェーザー顔に。

残念ながらボディもエンジンも同じ国内向けのFZ400は続きませんでした。

何故欧州だけなのかといえばFZS600は欧州を中心に三年ほどで累計8.3万台も売れた大ヒット車だからです。

主要諸元
全長/幅/高 2080/710/1180mm
[2080/710/1170mm]
シート高 790mm
車軸距離 1415mm
車体重量 210kg(装)
[214kg(装) ]
燃料消費率
燃料容量 18.0L
[22.0L]
エンジン 水冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 599cc
最高出力 78ps/10000rpm
最高トルク 6.1kg-m/8500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前110/70ZR17(54W)
後160/60ZR17(69W)
バッテリー GT12B-4
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR7E/CR8E/CR9E
または
U22ESR-N/U24ESR-N/U27ESR-N
推奨オイル ヤマルーブ
SAE 10W-30から20W-50まで
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.5L
交換時2.5L
フィルター交換時2.7L
スプロケ 前15|リア48
チェーン サイズ530|リンク110
車体価格
※国内正規販売なしのため
※[]内は後期モデル(5RT)
系譜図
FZS6001998年
FZS600 FAZER
(5DM/5RT)
FZ62004年
FZ6-N/R
(1B3/5VX)
FZ6S22006年
FZ6-N S2
(13B/5S5)
FZ6FAZER S2
(5S2/4S8)
XJ6/FZ6R2009年
XJ6N/D/F
(20S/36B/36C/36D/1CW/1DG)
FZ8/FAZER82011年
FZ8
(39P/59P)
FAZER8
(42P/1BD)

FZ1&FAZER(2D1/1EC&3C3/1CA/2DV)-since 2008-

国内仕様FZ1

「1:1(ワン・バイ・ワン)」

実は2006年にフルモデルチェンジして2007年に逆車取扱終了となってしまったFZ1とFAZER。つまり一年しか正規逆輸入車が入ってきていない。

流石にデビューしたてのホヤホヤ新設計なもんだから国内仕様が出ることは大方の予想がついてた。しかも自主馬力規制が撤廃された年だから何馬力になるのかという期待もあった。
でも蓋を開けてみたら何とビックリ自主規制の100馬力どころか94馬力しかない。

FZ1F

これについてヤマハの弁解を個人的に解釈すると
欧州ではアクセルを捻った以上の加速する感覚が好まれる。でも日本ではそういう環境がなく低速がメイン。
そういう環境だとデメリットが多いから低速での扱いやすさを優先した。捻ったら捻った分だけリニアに加速する順応なレスポンス。

それが「1:1(ワン・バイ・ワン)」

テンプレートの様な謳い文句に正直ただ規制で骨抜きにしただけなんじゃないかと思ってた。
でも翌年に国内仕様のR1が145馬力という初代R1なみの馬力で規制をクリアし登場したことを考えると、言い訳ではなく本当に馬力よりも乗り易さを優先・・・したんだろうけど、突っ込みどころがある。

YSP限定カラー

まず第一の突っ込み所としてサスペンションがタダでさえ硬すぎると評判である逆車セッティングのままだということ。
アウトバーンも余裕で走れると謳っている強靭な足だが日本にそんな道は無いし、むしろ飛び跳ねまくって乗り易さもクソも無い話。
国内の公道向けなら少しくらい柔らかくセッティングして出してくれてもバチは当たらないでしょうに・・・(勿論自分で調整は出来る。)
フレームも150馬力に耐えられる高剛性だから尚の事。オマケに元はエクストリームバイクなのでシートも結構固め。

FZ1エンジン

そして二点目は単純に上が無いエンジン特性。
これは国内仕様全般でFZ1に限った話じゃないんだけど、本当に高回転域が回るだけで加速しない。ある意味で不思議な感覚。

FZ1のエンジンは前も言ったけど、SSの中でも最もショートストロークで高回転が美味しいR1のエンジンなんだから高回転が無くなったら元も子もない。

でも幸いな事にFZ1は一昔前の国内仕様の様に配線や吸気口などをチョチョイとするだけで簡単にセミフルパワー位にはなるみたい。(細部が違うのでフルパワーの150馬力まではいかない)
150馬力の逆車は正規で扱ってないのでレッドバロンや並列輸入取扱店などでしか買えない。

国内仕様は逆車より安く、一昔前みたいに国内と逆車どっちも味わえるというメリットがあるし、逆車より乗り易くもあるから悩ましい選択ですね。

主要諸元
全長/幅/高2140/770/1060mm [2140/770/1205mm]
シート高815mm
車軸距離1460mm
車体重量219kg(装) [225kg(装) ]
燃料消費率21.0km/L
※定置走行テスト値
燃料容量18.0L
エンジン水冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量998cc
最高出力94ps/9500rpm
{94ps/9000rpm}
最高トルク8.2kg-m/7500rpm
変速機常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ前120/70ZR17(58W)
後190/50ZR17(73W)
バッテリーYTZ14S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR9EK
{CR9E}
推奨オイルヤマルーブ
プレミアム/スポーツ/スタンダードプラス
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.7L
交換時2.9L
フィルター交換時3.1L
スプロケ前17|リア45
チェーンサイズ530|リンク122
車体価格997,500円(税別)
[1,050,000円(税別)]
※価格は08モデル
※[]内はFZ1FAZER
※{}内は2012年以降モデル(1EC/2DV)
系譜図
FZS1000 2001年
FZS1000FAZER
(5LV)
FZ1フェーザー 2006年
FZ1 FAZER
(3C3)
FZ1 2006年
FZ1
(2D1)
ZRX1200R前期 2008年
FZ1/FAZER
国内仕様
(2D1/1EC&3C3/1CA/2DV)

【関連車種】
VTR1000の系譜GSX-S1000/Fの系譜Z1000/Ninja1000の系譜

FZ1FAZER(3C3) -since 2006-

FZ1FAZER

R1のエンジンを使っているということはR1と運命共同体なわけで、R1がモデルチェンジする度にFZS1000もモデルチェンジの噂が絶えなかったけど、R1が五代目に差し掛かろうとする頃になってモデルチェンジ。

開発コンセプトは「MONOLITE」~様々なパーツを組み合わせて一つの塊にするという造語~

先代は2001年のR1の5JJベースだったのに対し、2004年の四代目R1の5VYというクラス1のショートストロークエンジンを搭載。それを待望のアルミ製ダイヤモンドフレームに積んで、倒立サスやR1と同じ軽量5本スポークホイールを採用。

そしてR1が5バルブを諦めたのに対し現役で5バルブ。ヤマハはどんだけ5バルブにこだわるんだ・・・

FZ1北米仕様

FZ1&FAZERのデザインコンセプト「獰猛なR1」で、デザインにおいて一番気をつけた事は「隙間を作らない事」
インジェクションやタンク下、ラジエーター裏などに向こう側が見えるような隙間があると貧弱に見えてしまう。(90年前後の古いキャブ車や小型車が正にそう)

だから隙間を作らないためにダイヤモンドフレームはタンクを鷲掴みしたような形でFI周りを隠し、タンク形状も前方が盛り上がった特殊な形でヘッド周りを隠し、ラジエーターサイドカバーも干渉しないギリギリを沿った形の物にしてラジエーター周りを隠した。

FZ1コンセプト

デビュー当時ちょっと話題になった独特なヘキサゴンマフラーはマスの集中化とバンク角を取るために考えだされた画期的なマフラー形状だとヤマハは自慢してる。けど、その割にはFZ1以外に採用されていないような・・・

そんなこだわりの中でも一番アッパレなのはエキゾーストパイプ。

エキパイ

一番と四番のエキゾーストパイプが先代と比べ大きく湾曲している。これも上記と同じく凝縮感、肉厚感、骨太感を出すために行った演出。
コストが嵩むだろうに細部の細かい造形まで手を抜かず、全体を綺麗に纏める辺りはさすがデザインのヤマハと言われる所為だね。整備泣かせとも言えるけど。

主要諸元
全長/幅/高 2140/770/1205mm
シート高 815mm
車軸距離 1460mm
車体重量 199kg(乾)
燃料消費率
燃料容量 18.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 998cc
最高出力 150ps/10000rpm
最高トルク 10.8kg-m/8000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後190/50ZR17(73W)
バッテリー YTZ14S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR9EK
推奨オイル ヤマルーブ
プレミアム/スポーツ/スタンダードプラス
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.7L
交換時2.9L
フィルター交換時3.1L
スプロケ 前17|リア45
チェーン サイズ530|リンク122
車体価格 1,050,000円(税別)
※プレスト価格
系譜図
FZS1000 2001年
FZS1000FAZER
(5LV)
FZ1フェーザー 2006年
FZ1 FAZER
(3C3)
FZ1 2006年
FZ1
(2D1)
ZRX1200R前期 2008年
FZ1/FAZER
国内仕様
(2D1/1EC&3C3/1CA/2DV)

FZ1(2D1) -since 2006-

FZ1

FZS1000FAZERからFZ1FAZERにフルモデルチェンジしたことを気に、トレンドであった二眼ビキニカウルを取り払い流行の異型ヘッドライトを付けたFZ1が登場した。一般的に「FZ1-N」「Nモデル」「FZ1無印」とか言われている。

ちょっとややこしいのが、日本でFZ1と言えばこのネイキッドモデル、FZ1 FAZERと言えばハーフカウルの付いたモデルを言う。ちなみに欧州でもそう。
でもこれが北米(アメリカやカナダ)になるとFZ1がハーフカウルの付いた日本で言うFAZERになる。
で、向こうにFAZERと名のつくFZ1は無い。つまり日本でいうFZ1は無い。だから北米仕様を引っ張ってきてたヤマハの逆輸入車代理店のプレストはFZ1(北米仕様)をFZ1 FAZERとして売ってた。

FZ1フルパワー

さらに言うなら、つまり日本に正規逆輸入車のFZ1-Nは一台も無い事になる。※レッドバロン等の並列物なら手に入る。

FZ1はFAZERと比べ若干さらに高回転よりにセッティングされてて

「ガッツリ前乗り、グラブバーなんて要らない!」

って感じのアグレッシブモデル。

FZ1-N

ところで唐突ですがFZ1(ひいてはFAZER)と言えばスポーツネイキッド・スポーツツアラーというイメージが先行してません?
でも実は結構どころか本気なくらいカリカリなスポーツ寄りのネイキッドなんですよ。(逆輸入車の場合ですけどね)

FAZERを発端にZ1000等で欧州にもネイキッド(欧州ではエクストリームというカテゴリ名)の火が付いて各社充実して来てるけど、トップパフォーマーは今だにFZ1とFAZER。

FZ1-N

R1のエンジンを低速寄りにしたとはいえSSのエンジン故にライバル勢と比べると低速が弱く高回転が伸びるエンジン。
足つき性より旋回性を取った高い重心とシート高。
ネイキッドとは思えないガチガチなR1と同じ左右分担減衰力発生方式のサスペンションと高剛性フレーム。
マスの集中化の為に短い前後幅と実はそこまで防風性が良くない小型のビキニカウル。

ヤマハらしく小綺麗なデザインで見慣れちゃってるけど、6年経った今でもスーパーネイキッドの頂に居るバイクなんですよFZ1って。

主要諸元
全長/幅/高 2140/770/1205mm
シート高 815mm
車軸距離 1460mm
車体重量 194kg(乾)
燃料消費率
燃料容量 18.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 998cc
最高出力 150ps/10000rpm
最高トルク 10.8kg-m/8000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後190/50ZR17(73W)
バッテリー YTZ14S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR9EK
推奨オイル ヤマルーブ
プレミアム/スポーツ/スタンダードプラス
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.7L
交換時2.9L
フィルター交換時3.1L
スプロケ 前17|リア45
チェーン サイズ530|リンク122
車体価格
※国内正規販売なしのため
系譜図
FZS1000 2001年
FZS1000FAZER
(5LV)
FZ1フェーザー 2006年
FZ1 FAZER
(3C3)
FZ1 2006年
FZ1
(2D1)
ZRX1200R前期 2008年
FZ1/FAZER
国内仕様
(2D1/1EC&3C3/1CA/2DV)

FZS1000FAZER(5LV/1C2) -since 2001-

FZS1000

史上最強の『普通のバイク』・・・なんて的を得たキャッチコピーなんだろう。

98年にR1で世界でセンセーショナルを巻き起こしたのは有名で、数年は各社R1を追い掛けてた。そんな中でヤマハが何してたかというとこの隠し球を作ってた。
R1で一気にトレンドとなったツリ目二眼のハーフカウルを付けたネイキッドFZS1000FAZER(北米ではこの頃からFZ1で売ってた。)

FZS1000S

よくフェザー、フェザーと言われるけど正しい読みは「フェザー」じゃなくて「フェーザー」もしくは「フェイザー」
まあでもFAZERって単語はヤマハの造語で、ヤマハ自身はフェザーでもフェーザーでもどっちでも構わないみたい。(と思ってましたがやっぱりフェーザーが正しいようです。)

FZS1000カタログ写真

当時のネイキッドはスペック命な欧州人にとってニッチな部門で、ハイスペックなバーハンバイク欲しくても無かったから、SSのカウルを剥いでバーハンにするのが流行りだしてた。それに目付けた欧州ヤマハからの要請が始まり。
エンジン以外にもR1の物と思わせる使い回しが見て取れる点から、R1のコストを分散させたかった意図が汲み取れますね。

しかしこれは言い換えるとローコストハイパフォーマンス。

この読みが当たりイギリスを中心に欧州で年間10000台を売り上げる大ヒット。各社がR1に対抗出来るSSを躍起になって作ってる中でこの成功だからヤマハは笑いが止まらなかっただろうなあ。

FZS1000FAZER

もちろん低速寄りにデチューンしてる。それでもネイキッドで143馬力は圧巻の一言。ただちょっと納得行かないのはオーソドックスな鉄のダブルクレードルフレーム。

コストカットで正立にするのもスイングアームを棒状の物にするのも分かるけど、モノサスなのにダブルクレードルフレームって重くなるし、レイアウトがモロに初代バンディットのGSF1200と被ってる。ただコッチは纏まって見える不思議。

主要諸元
全長/幅/高 2125/765/1190mm
シート高 820mm
車軸距離 1450mm
車体重量 231kg(装)
燃料消費率
燃料容量 21.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 998cc
最高出力 143ps/10000rpm
最高トルク 10.8kg-m/7500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17
後180/55ZR17
バッテリー GT14B-4
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR9E
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.7L
交換時2.8L
フィルター交換時3.0L
スプロケ 前16|リア44
チェーン サイズ530|リンク116
車体価格 980,000円(税別)
※プレスト価格
系譜図
FZS1000 2001年
FZS1000FAZER
(5LV)
FZ1フェーザー 2006年
FZ1 FAZER
(3C3)
FZ1 2006年
FZ1
(2D1)
ZRX1200R前期 2008年
FZ1/FAZER
国内仕様
(2D1/1EC&3C3/1CA/2DV)

V-STROM1050/XT(EF11M)-since 2020-

ブイストロム1050

「THE MASTER OF ADVENTURE」

2020年排ガス規制であるEURO5を契機にモデルチェンジされたV-STROM1050/XTのEF11M型。

最初に主な変更点を上げると

・LEDヘッドライト
・6段階の輝度調整が可能なフル液晶メーター
・クランクケース樹脂カバー
・3段階スクリーン調整(工具必要)
・新設計セパレートシート
・アルミテーパーハンドル
・鉄製フットレスト
・USB端子
・スロットルバイワイヤ(電子スロットル)
・スロットルボアを拡大
・3パターンの出力特性が選べるSDMS
・IMUを5軸から6軸へ
・トラコン制御をOFFを含む3段階から4段階へ

などの変更が入っています。

※スリッパークラッチやローRPMアシストは先代に引き続き搭載

ブイストロム1050XT

スポークホイールモデルであるXTの方はそこからさらに

・後下がりを防ぐヒルホールドコントロール
・勾配に応じたABS制御を行うスロープディペンデントコントロール
・前後を連動させ自然に制動距離を短くするロードディペンデントコントロール
・モーショントラックブレーキ(前後連動2モードABS ※先代は標準)
・クルーズコントロール

などの最新電子制御機能に加え

・LEDウィンカー
・クリアテールレンズ
・シート下に12VのACC電源
・新型ミラー
・センタースタンド
・パニアステー
・エンジンガード
・ナックルガード
・11段階スクリーン(工具不要)
・+20mmに出来る新設計シート

など基本的にOPで用意しているものを最初から備えた豪華版となりました。

ブイストロム1050とXT

ちなみに車体価格は

『無印:1,300,000円|XT:1,380,000円』

電子制御に加えて13万円分以上のOPが付いているにも関わらずXTは僅か8万円差。ただでさえ買い得なV-STROM1050が更にお買い得感の増す形になっています。

でもこのモデルで話題となったのはご存知のように見た目ですね。

往年の名車というか色んな意味で有名なビッグオフのDR-BIGことDR750を完全に意識したものに変わりました。

V-STROM1050とDR750S

アドベンチャーにネオレトロ(ヘリテージ)要素を加えて綺麗にまとめるというスズキらしからぬ匠さなんですが、何を隠そうデザインを担当したのがDR-BIGをはじめオフロードバイク全般を手掛けてきた宮田さんだからなんだとか。

ちなみに中身の方を説明するとナンバリングが1000から1050と+50されている事から排気量が上がったのかと思いきや、実際の排気量は1036ccのまま変わっていない。

ただ

・スロットルバルブの大径化
・それに伴い給排気のカムを変更
・オイルクーラーの水冷化

など大きく手を加えており排ガス規制が強化されたにもかかわらず排気量はそのまま+7馬力を達成。さらに吹け方に相当拘ったことでフィーリングも大幅に向上しています。

V-STROM1050エンジン

じゃあなんで上げたのかって話ですが

・フラットダート等で恩恵を受けるであろう電子制御を始めとした改良の数々

・DR-BIGのデザイン踏襲

でオフ色が強いアドベンチャーに生まれ変わった事をアピールするためにナンバーを上げたんじゃないかと思います。

V-STROM1050の各部

思います・・・が、個人的かつ余計な見解を言うとそれでもV-STROM1050/XTのメインステージはあくまでも先代から変わらずオンロードにあるかと。

ビッグオフの怪鳥デザインがキマっているのでそっちに目が行きがちなんですが決して騙されてはいけません。

V-STROM1050のフレーム

その皮を剥くとスーパースポーツかなと思うほど細マッチョなボディを持っており、それに載ってるエンジンも元気ハツラツな100mmボアのVツインエンジン。

だからアクセルをグイっと捻った時の中毒性があるパルス感やワインディングを流した時の軽快さなど、良い意味でイメージを裏切るスポーツ性や官能性を持ってる。

その理由は

「大元がVツインスーパースポーツのTL1000だから」

といえばそれまでなんですが、明らかにその要素というかゾーンみたいなものが意図的に残され守られてるから。

V-STROM1050(EF11M)

結局のところモード切替やトラコン細分化やクルコンなどの電子制御がコストに厳しいスズキ車でも一二を争うほど贅沢に奢られているのは、アドベンチャークラスのフラッグシップモデルという立ち位置も当然あるけど

『高揚を生むTL1000の息吹』

みたいなものを犠牲にすることなくフラットダートやツーリングなどアドベンチャーに求められる多様性に対応するためなんじゃないかと。

主要諸元
全長/幅/高 2265/870/1515mm
[2265/940/1465mm]
シート高 850mm
[830~850mm]
車軸距離 1555mm
車体重量 236kg(装)
[247kg(装)]
燃料消費率 20.3km/L
※WMTCモード値
燃料容量 20.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC2気筒
総排気量 1036cc
最高出力 106ps/8500rpm
最高トルク 10.1kg-m/6000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前110/80R19(59H)
後150/70R17(69H)
[前110/80R19(59V)
後150/70R17(69V)]
バッテリー FTZ14S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
LMAR8BI-9
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.5L
交換時2.7L
フィルター交換時3.0L
スプロケ 前16|後41
チェーン サイズ525|リンク116
車体価格

1,300,000円(税別)
[1,380,000円(税別)]
※[]内はXTモデル

系譜図
TL1000S 1997年
TL1000S
(VT51A)
TL1000R 1998年
TL1000R
(VT52A)
Vストロム1000 2002年
V-STROM1000
(VT53A)
SV1000 2003年
SV1000/S
(VT54A)
Vストロム1000 2014年
V-STROM1000ABS
(VU51A)
2017V-STROM1000 2017年
V-STROM1000ABS
(VU51A後期)
2020V-STROM1050 2020年
V-STROM1050/XT
(EF11M)

【関連車種】
DR750S/DR800S(SK43A/SR43A)|系譜の外側Africa Twinの系譜SUPER TÉNÉRÉの系譜VERSYS1000の系譜

V-STROM1000(VU51A後期)-since 2017-

V-STROM1000ABS後期

「The Powerful V-Twin」

弟分の650と足並みを揃えてモデルチェンジされたV-STROM1000のVU51A後期L7~型。型式が変わっていない事からも分かるように基本的には先代の改良型になります。

前期後期V-STROM1000

見た目の違いとしては650と共通の新デザインにハンドルガードとアンダーガードを標準装備。

他にはスリッパークラッチやローRPMアシスト機能などで負担も軽減し、エキゾーストパイプ内にエキゾーストパイプの長さを擬似的に変更する可変バルブを装着することで低速域での排気脈動を効率化しトルクを改善。

しかし一番大きいのはスーパースポーツで採用が進んでいる5軸IMU(姿勢制御)を搭載したこと。

V-STROM1000とIMU

「アドベンチャーにそれ要るのか」

と思いたくなりますが、もちろんスーパースポーツの様に速く走るために装備したわけではありません。

これを装備した理由は

「より正確なトラクションコントロールとABS制御をするため」

です。

IMUによって車体が今どういう状況なのかをECUが正確に把握することで、電子制御の制度をより高める事が出来るから。

加えて

スーパースポーツのGSX-R
ストリートスポーツのGSX-S
アドベンチャーのV-STROM

というスズキが打ち立てた三本柱の一角を担うモデルになったの大いに関係しているかと。

V-STROM1000XT

あとエンジンが・・・というかこれが一番の理由じゃないかと思います。

あまり言われないですがV-STROM1000のエンジンってスーパーバイクがベースで100馬力を叩き出すVツインエンジンですからね。オンロードをガンガン行ける一方で、オフロードは電子制御ないと元気が有り余って大変な事になる。

主要諸元
全長/幅/高 2280/930/1470mm
シート高 850mm
車軸距離 1470mm
車体重量 232kg(装)
[233kg(装)]
燃料消費率 20.5km/L
※WMTCモード値
燃料容量 20.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC2気筒
総排気量 1036cc
最高出力 99ps/8000rpm
最高トルク 10.2kg-m/4000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前110/80R19(59V)
後150/70R17(69V)
バッテリー FTZ14S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
LMAR8BI-9
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.5L
交換時2.7L
フィルター交換時3.1L
スプロケ 前17|後41
チェーン サイズ525|リンク116
車体価格 1,300,000円(税別)
[1,34,000円(税別)]
※[]内はXTモデル
系譜図
TL1000S 1997年
TL1000S
(VT51A)
TL1000R 1998年
TL1000R
(VT52A)
Vストロム1000 2002年
V-STROM1000
(VT53A)
SV1000 2003年
SV1000/S
(VT54A)
Vストロム1000 2014年
V-STROM1000ABS
(VU51A)
2017V-STROM1000 2017年
V-STROM1000ABS
(VU51A後期)
2020V-STROM1050 2020年
V-STROM1050/XT
(EF11M)

V-STROM1000(VU51A)-since 2014-

V-STROM1000/VU51A

「DISCOVERY THE WHOLE STORY」

二代目V-STROM1000のVU51A型。

弟分650との兼ね合いか、どちらかというと高級版V-STROMという立ち位置になりました。ちなみに開発者の方はV-STROM650と同じ方。

TL1000以来となる倒立フォークにABS付きラジアルマウントキャリパーなどアドベンチャーというよりSSの様な足回り強化も凄いんですが、一番はトラクションコントロールシステムを”スズキ車で初めて”採用したこと。

トラクションコントロールシステム

一般的に最先端技術と言えばSSやメガスポといったモデルから始まるのがセオリーなのにそれらよりも先に採用。

如何にスズキにとってV-STROMが重要なバイクかが分かるわけですが、更に凄いのが車重。

もともとV-STROM1000は(650もだけど)軽さが評価されていました。だから今回のモデルも軽量化に力を入れており、先代から更に軽くなって装備重量228kgを達成。もちろんクラス最軽量。

ブイストロム1000

V-STROM1000の場合さらに国内唯一のVツインだから幅を絞れて取り回しも優れている。

そのエンジンも先代ひいてはTL1000の物でボアアップにより遂に大台の100mmとなったんだけど、ピストンやフライホイールなどを変えた事もあって前にも増して従順な物になっています。

ブイスト1000広告

「これがTL1000のエンジンだったなんて信じられない・・・」

とか向こうで言われてますし、乗ったら間違いなくそう思うかと。

残っている要素と言えばセミカムギアトレインが織り成すメカニカルノイズくらいでしょうか。

まあでもやっぱ一番目を引くのはデザインでしょう。

V-STROM1000CONCEPT

何とも思い切った顔な事で。

というのも実は先代で

「V-STROM1000は完成度が高い。唯一の欠点は大人しすぎる見た目だ。」

とか言われていた。

その事を鑑みた結果がこのクチバシなんでしょう。

DR800S

元ネタは元祖クチバシ、または怪鳥の異名でお馴染みのDR750/800S(DR BIG)です。

クチバシの話はV-STROM650の方で話したので割愛しますけど,

ラフスケッチの資料にさり気なく映ってました。

デザインスケッチ

左上に薄っすらと映ってる尖ったクチバシと羽のような溝を備えてるアレは紛れも無くDR750S。

つまりやっぱりV-STROM1000も怪鳥。

ブイスト1000顔

子供が見たら泣きそうですね。

それにしても話が逸れますがスズキのリッターツインの系譜車はこのV-STROM1000もそうですが歴代全て強烈ですね。

スズキVツイン1000シリーズ

しかしレースの為に作ったカリカリVツインのベストな着地点がアドベンチャーだったなんて誰が予想できたでしょう。

スズキの人ですら思っても見なかったのではないかと。

主要諸元
全長/幅/高 2285/865/1410mm
シート高 850mm
車軸距離 1555mm
車体重量 228kg(装)
燃料消費率 20.9km/L
※WMTCモード値
燃料容量 20.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC2気筒
総排気量 1036cc
最高出力 100ps/8000rpm
最高トルク 10.5kg-m/4000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前110/80R19(59V)
後150/70R17(69V)
バッテリー FTZ14S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
LMAR8BI-9
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.5L
交換時2.7L
フィルター交換時3.1L
スプロケ 前17|後41
チェーン サイズ525|リンク116
車体価格 1,300,000円(税別)
系譜図
TL1000S 1997年
TL1000S
(VT51A)
TL1000R 1998年
TL1000R
(VT52A)
Vストロム1000 2002年
V-STROM1000
(VT53A)
SV1000 2003年
SV1000/S
(VT54A)
Vストロム1000 2014年
V-STROM1000ABS
(VU51A)
2017V-STROM1000 2017年
V-STROM1000ABS
(VU51A後期)
2020V-STROM1050 2020年
V-STROM1050/XT
(EF11M)