SV1000/S(VT54A)-since 2003-

SV1000S

「V-twin Fan Machine」

TL1000Sの後釜を引き受ける形となったSV1000/SのVT54A型。

フレームを一新し倒立フォークから正立フォークへ変更し、リアもロータリーダンパーからオーソドックスなボトムリンク式モノサスへ。

SV1000フレーム周り

フレームもアルミトラスという過剰と思えるほど贅沢なものになりました。

更にたくましく角ばったフレームになったわけですが、そんな見た目とは裏腹にSV1000は先代に当たるTLがクレイジーな楽しさだったのに対しVツインをファン出来る楽しさを持ち合わせたモデルになっています。

これは弟分として登場したSV650がその路線で欧州で最大の成功を収めたと言っても過言ではない程の人気となったからでしょうね。

ただアンダーカウルや二本出しマフラーなどリッターの兄貴分として恥ずかしくない装備が加えられており、性能も相変わらず海外仕様で116馬力と侮れないモノを持っています。

SV1000Sカタログ写真

ちなみに当時トレンドだったツリ目二眼なんだけど何とも言えない顔。

ツリ上がってないツリ目というか・・・欧州人から言わせるとコレが最高にセクシーなんだそうです。

コッチはレアな無印ネイキッドモデル。

SV1000N

太く逞しいアルミトラスフレームの存在感が増すけどまず観ること無いレアなモデル。

ちなみにSV1000には従兄弟の様なモデルが居ます。

それはイタリアのCAGIVAがSV1000が出る少し前の1999年末に発表した『RAPTOR(ラプトール)』というモデル。

ラプトール

TL1000Sのエンジンをクロモリトラスフレームに積んだモデルです。

恐らく多くの人が

「MONSTERみたい」

と思われるかと。

それも当然な話で、このラプトールのデザイナーは何を隠そうMONSTERの生みの親であるミゲールさんがデザインしたもの。

ミゲールとラプトール

つまり

『CAGIVA×SUZUKI×MONSTER』

で誕生した亜種MONSTERまたは元祖水冷MONSTERと言えなくもないバイクなんですね。

CAGIVAの車種でもMITOと並んで人気だったようで後に650も追加されロングセラーとなりました。

そんな亜種MONSTERにも、そしてこのSVにも積まれているTL1000譲りのエンジンなんですが、先に言った様にセミカムギアトレーンという珍しいカム駆動をします。

ディメンション

カムギアトレーンというのはホンダのCBR250/400RRやVTR1000SPでお馴染みなので知ってる人も多いと思います。

カムを一般的なチェーンではなくギアで回す方法ですね。

カムギアトレーン

そうすることでフリクションロスの軽減とバルブを(チェーンより)正確に動かせる事による高回転化が可能となるわけです。

ではセミカムギアトレーンは何がセミなのかというと、カムシャフトを回してるのはギアなんですが、そのギアを回してるギアはチェーンなんです。

2014V-STROM1000エンジン

斬新なフレームにハイブリットの様なカム駆動という特徴だらけなSV1000なんですが、実はコダワリポイントはそれだけじゃない。

SV1000の隠されたこだわりポイント・・・それは足回り。どんな乗り方をしても、どんなシーンでもラインを自由自在に変えられる様にワンランク上の足回りが奢られている。

中井サブプロジェクトリーダーいわくSV1000のコンセプトを実現させるため。

SV1000S赤

「決して裏切らないバイク」

というのがSV1000なんです。

※2005年モデルでフレーム回りをブラック化し吸排気と圧縮比を見直し124馬力へマイナーチェンジ

主要諸元
全長/幅/高 2135/785/1080mm
[2130/745/1170mm]
シート高 800mm
[810mm]
車軸距離 1450mm
[1435mm]
車体重量 186kg(乾)
[189kg(乾) ]
燃料消費率 29.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 17.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC2気筒
総排気量 995cc
最高出力 93ps/8500rpm
{116ps/9000rpm}
最高トルク 9.2kg-m/7000rpm
{10.4kg-m/7200rpm}
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー FTX14-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR8EK
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.3L
交換時2.7L
フィルター交換時2.9L
スプロケ 前17|後39
{前17|後40}
チェーン サイズ525|リンク110
{サイズ530|リンク110}
車体価格

900,000円(税別)
[950,000円(税別)]
※[]内はSモデル
※{}内は海外仕様

系譜図
TL1000S 1997年
TL1000S
(VT51A)
TL1000R 1998年
TL1000R
(VT52A)
Vストロム1000 2002年
V-STROM1000
(VT53A)
SV1000 2003年
SV1000/S
(VT54A)
Vストロム1000 2014年
V-STROM1000ABS
(VU51A)
2017V-STROM1000 2017年
V-STROM1000ABS
(VU51A後期)
2020V-STROM1050 2020年
V-STROM1050/XT
(EF11M)

V-STROM1000(VT53A)-since 2002-

ブイストロム1000

「The Adventure in Your Mind」

ここで登場するのが初代V-STROM1000のVT53A型。

「ホイールベースを短くするのが難しいなら長いホイールベースが必要なアドベンチャー作ろう」

となったのかは分かりませんが、TL1000から改良されたエンジンを積んだスズキ初のアドベンチャー・ツアラーになります。

DL1000

もともと欧州ではアドベンチャー層が多いから、そこを狙って投入したわけです・・・が、少し話を脱線。

アチコチで言ってますが欧州ではツーリングやスポーツ走行がメインな日本と違い、日常から何日もかけて走り倒すツーリングというより旅のような事にまでバイクを活用する人が多いです。

ボルミオ

その理由の一つとして向こうはSSのようにスポーツ性能が高いモデルになるほど税金や保険料が跳ね上がるので、おいそれと乗れるクラスではない事。

そのせいかバイクも車と同様に生活必需品である事に加え、楽しみながら移動できる趣味の物として捉えてる人が多い。

つまり日常での使い勝手に加え、週末のレジャーまでをも楽しめる欲張りなバイクを求められる傾向が強い。

ブイスト1000

そんな中で登場したV-STROM1000。

パッと見はただのアドベンチャー・・・しかしアルミフレームの採用により乾燥重量で208kgとアドベンチャーにあるまじきクラストップの軽さ。

そして何よりあのTL1000のセミカムギアの元気なエンジン。

中低速の扱いやすさを向上させつつも、上まで回すほどTL1000が蘇ってくるという、SSとアドベンチャーを掛け合わせた様なバイク。

V-STROM1000海外向けカタログ写真

これが見事に的中し、なんでもこなせるスーパースポーツアドベンチャーとして高い評価を獲得。

正にV-STROM1000は起死回生の一手ならぬ、起死回生の一車なバイクだったんです。

V-STROM1000後期

それは1000だけでなく650もそうだし250もそう。

今も続くV-STROMシリーズの始まりはここになります。

2006年にはマイナーチェンジが入り2008までは日本にも逆輸入されていました。

主要諸元
全長/幅/高 2295/865/1335mm
シート高 840mm
車軸距離 1535mm
車体重量 207kg(乾)
燃料消費率
燃料容量 22.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC2気筒
総排気量 995cc
最高出力 98ps/7600rpm
最高トルク 9.2kg-m/7000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前110/80R19(59H)
後150/70R17(69H)
バッテリー YTX14-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR8EK
または
U24ETR
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.3L
交換時2.7L
フィルター交換時2.9L
スプロケ 前17|後41
チェーン サイズ525|リンク110
車体価格

998,000円(税別)
※モトマップ価格

系譜図
TL1000S 1997年
TL1000S
(VT51A)
TL1000R 1998年
TL1000R
(VT52A)
Vストロム1000 2002年
V-STROM1000
(VT53A)
SV1000 2003年
SV1000/S
(VT54A)
Vストロム1000 2014年
V-STROM1000ABS
(VU51A)
2017V-STROM1000 2017年
V-STROM1000ABS
(VU51A後期)
2020V-STROM1050 2020年
V-STROM1050/XT
(EF11M)

TL1000R(VT52A)-since 1998-

TL1000R

「Super V-Twin, Unleashed」

TL1000といえばコッチを思い浮かべる人が多いと思うTL1000R。

これは先に述べた通りレースに出場するために生み出されたスーパースポーツバージョン。

レース仕様

Sと違ってレース前提だから更に剛性を上げたツインスパーフレームにデュアルインジェクション、更に足回りを硬めに調整。

正にホモロゲという感じだけど、TL1000Sから一年の猶予があった事でSと比べるとこう見えて(Sよりは)乗りやすい。

だから一般用途でTL買うならストリート向けのSよりレース向けのRと言われる面白い逆転現象に。

ただこれまた残念なことに肝心のレースがどうだったかというと・・・散々な結果に終わってしまいました。

スズキTL1000R

原因は何と言っても「ロータリーダンパー」です。

日進月歩で改良は進んでいたんですが、結局FIの熟成が進んだとしてGSX-R750に取って代わられ2003年モデルをもってSと一緒に生産終了となりました。

TL1000R レース仕様

TL1000S/Rは本当に独創的でネタに事欠かないバイク。

それはいま話したロータリーダンパーも勿論そうだしセミカムギアトレインやオフセットシリンダーヘッドといった速さとコンパクトさを求めたどり着いた独創的なVツインエンジンなどもそう。

「とにかく馬力を出せばいいと思った。他所のVツインは一切見なかった。」

と開発陣も言っている通り、とにかく意欲に満ちたというか、意欲に満ちすぎているバイク。

TL1000Rカタログ写真

ただこれには実は初代GSX-R750などにも携わった田所さんが開発責任者だった大きく関わっています。

TL1000の当時インタビューで田所さんはこう言っていました。

田所秀敏

”TL1000の開発で幸運だったのは若手のトライアンドエラーに茶々を入れる年寄りが居なかった事。何故なら一番の年寄りがそれを許さない私だったからです。

バイク作りにおいて会社に入って何年目かなんて関係ない。大切なのはキャリアなどではなく他にない新しい物を作ろうという熱意です。

そういう熱意が込められたバイクこそが歴史に名を残すんです。”

TL1000SとR

お世辞にも成功したとは言えないにも関わらず20年以上が経った今もTL1000S/Rに魅了される人が耐えないのは、その熱意が余すことなく詰め込まれているからなんでしょうね。

主要諸元
全長/幅/高 2100/740/1120mm
シート高 825mm
車軸距離 1395mm
車体重量 192kg(乾)
燃料消費率
燃料容量 17.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC2気筒
総排気量 996cc
最高出力 135ps/9500rpm
最高トルク 10.5kg-m/7500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後190/50ZR17(73W)
バッテリー FT12A-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR8EK
または
U24ETR
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.6L
交換時3.1L
フィルター交換時3.3L
スプロケ 前17|後41
チェーン サイズ530|リンク104
車体価格 1,199,000円(税別)
※モトマップ価格
系譜図
TL1000S 1997年
TL1000S
(VT51A)
TL1000R 1998年
TL1000R
(VT52A)
Vストロム1000 2002年
V-STROM1000
(VT53A)
SV1000 2003年
SV1000/S
(VT54A)
Vストロム1000 2014年
V-STROM1000ABS
(VU51A)
2017V-STROM1000 2017年
V-STROM1000ABS
(VU51A後期)
2020V-STROM1050 2020年
V-STROM1050/XT
(EF11M)

TL1000S(VT51A)-since 1997-

スズキTL1000S

「The Creation of the SuperTwin」

スズキ初のリッターVツインスポーツとして登場したTL1000S。

そもそもスズキが何で突拍子もなくVツインのリッターバイクを出してきたかというと、当時の市販車レースでのレギュレーションの変更が起因。
四気筒:~750cc
三気筒:~900cc
二気筒:~1000cc

と二気筒有利なレギュレーションに変更されたためで、ホンダのVTR1000Fもその為に生み出されたホモロゲのベースみたいなバイク。

ちなみにヤマハとカワサキは直四で続投(YZF-R7とZX-7RR)。

面白いことにTL1000SはVTR1000Fとボアストローク比が寸分の違いもなく完全に一緒。

VTR1000Fの系譜の方でも説明してるので端折りますが、V型のツイン最大のデメリットは前後の幅があることからホイールベースが長くなってしまう事にある。

VTR100F

そこでホンダのVTR1000Fはピボットレスといってエンジン(クランクケース)に直接スイングアームを付け、更にラジエーターをサイド化で対処した。

それに対しTL1000Sはフロントカウルの下にラジエーター、そしてエキパイ内側にオイルクーラー、更にカムを斜めにオフセットという荒業の様な大変な事をやったわけです。

TL1000Sサイド

ただしそれだけではピボットプレート(スイングアームを付けるステップ部分のフレーム)がある以上は大して短くならない。

何か良い方法はないかと模索され生まれたのが世界初となるロータリーダンパーです。

ロータリーダンパー

これは簡単に言うとオイルが入っているダンパー部を伸縮式の筒ではなく回転式にすることでコンパクト化するという発想。

このおかげでTL1000Sはホイールベースが1415mmというVツインの中でもかなり短い250並のホイールベースにすることが出来た・・・んですが、まあ今でもネタにされてるから知ってると思うけどお世辞にも良いサスペンションとは言えなかった。

ロータリーダンパー解説

ロータリーダンパーの働きが渋すぎてキッチリ働かない。要するにダンパーが機能し難く凄くトリッキー。

ダンパーが働かない事とリアヘビーな事からフロントにお釣りが来てハンドルが取られる。ステアリングダンパー追加リコールという力技で対処しましたが、元の原因となるロータリーダンパーは結局最後までそのままでした。

TL1000カタログ

どうしてVツインの定番であるピボットレスにしなかったのかといえば剛性を稼げないからでしょう。

スズキはSも次に紹介するRも分け隔てないVツインスーパースポーツという考えだったから。126馬力187kgというクラストップのスペックを見てもそのことが伺えます。何が何でもスポーツなスズキらしい。

VT51A

色んな意味で有名なTL1000だけど有名なのはどちらかというとハーフカウルのSより次で紹介するフルカウルのRの方でしょう。

でもじゃじゃ馬っぷりだけで見ると一見ストリート向けに見えるコッチのSモデルの方が格段に上。

翌98年にはバルブタイミングや軽すぎたフライホイールなどが見直されたけど、それでもじゃじゃ馬っぷりは変わらず。

TL1000S

TL1000Sはその荒削りさからお世辞にも高評価を獲得したとは言えないんだけど、そのトリッキーさが一部の頭のネジの外れた人から”最も狂ったバイク”とまた違った評価を獲得しました。

ココらへんは日本と変わらないですね。

※追伸

商品企画担当の西本さんいわく、TL1000のプロジェクトは最初は並列二気筒エンジンで行く予定だったそう。

ちなみにこれが並列二気筒の案。

並列二気筒TL1000S案

ただし

「二気筒でスーパースポーツを造るならVツインだろう」

という事でVツインになり、Vツインという制約のみで片桐デザイナーが描かれたデザインコンセプトがこれ。

TL1000Sコンセプト

最初はVG1000という名前だったんですね・・・この頃からすでにSV要素が見え隠れしていて面白い。

主要諸元
全長/幅/高 2045/715/1175mm
シート高 815mm
車軸距離 1415mm
車体重量 187kg(乾)
燃料消費率 [29.5km/L]
※定地走行テスト値
燃料容量 17.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC2気筒
総排気量 995cc
最高出力 135ps/9500rpm
[93ps/8500rpm]
最高トルク 10.5kg-m/7500rpm
[8.8kg-m/7000rpm]
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後190/50ZR17(73W)
バッテリー FT12A-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR8EK
または
U24ETR
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.6L
交換時3.1L
フィルター交換時3.3L
スプロケ 前17|後38
チェーン サイズ530|リンク104
車体価格 [980,000円(税別)]
※[]内は国内仕様
系譜図
TL1000S 1997年
TL1000S
(VT51A)
TL1000R 1998年
TL1000R
(VT52A)
Vストロム1000 2002年
V-STROM1000
(VT53A)
SV1000 2003年
SV1000/S
(VT54A)
Vストロム1000 2014年
V-STROM1000ABS
(VU51A)
2017V-STROM1000 2017年
V-STROM1000ABS
(VU51A後期)
2020V-STROM1050 2020年
V-STROM1050/XT
(EF11M)

GSX-S750(C533F) -since 2017-

GSX-S750

GSX-S1000に次ぐGSX-Sシリーズの第二弾として登場したGSX-S750。

環境規制であるEURO4以降に伴いモデルチェンジされました。もともと海外(最初は北米)でGSRはGSX-Sという名前だったんですが恐らくこのモデルから日本でもスズキが2015年に掲げたGSXブランド展開という事でGSX-S(GSXのネイキッドの意味)になると思われます。

馬力が更に上がって114馬力になり、ラジアルマウントキャリパー化とホイールそして批判の多かったスイングアーム形状が新しくなりました。

ラジアルマウントキャリパー

文句を言われてた部分が完全に無くなりましたね。更に三段階のトラクションコントロールシステムに加えデザイン変更でGSX-Sシリーズの象徴(?)である牙も装備。

GSX-S750ヘッドライト

さて、先代で質実剛健のコストパフォーマンスバイクと言っておきながらフラッグシップモデルと変わらない豪華装備の750ストファイになったわけですが、弁明というか言い訳を長々とさせてもらうと、近年世界的に直四離れが加速しているからです。
GSR750で言いましたが、このクラスを買う層というのは実用性を兼ねたコストパフォーマンス車を求めている。そうなった場合に直四というのは当たり前ですが単気筒や二気筒よりもどうしても車体価格が高くなり車重も重くなってしまう事から選択肢から外されてしまう。

更にもう一つの問題が直四はどう足掻いても直四ということ。

GSX-S750エンジン

例えば二気筒ならNinja250やYZF-R25といったスポーツ志向の180度クランク、Wシリーズといったノスタルジックの360度、最近メジャーになってきたNC750やMT-07といったVツインの特性に近い270度などクランク角(点火時期)で違いを作れる。V型だとBMWの水平対向180度からハーレーの45度まで挟み角や相違クランクを含めると多種多様。
それに対して直列四気筒は(R1やMT-10のクロスプレーンを除き)全て180度クランク。これは最も効率的な形なので悪いというわけではないんですが、ザックリ言って全部同じエンジンなんです。

「直列四気筒=高い・重い・無個性」

恐らく高いという事が一番ウェイトを締めてると思うんですが、こういう事から2000年代に加熱したミドル直四層における”直四から直四への買い替えサイクル”も苦戦を強いられてる。

だからコストパフォーマンス部門は復活したSV650に託し、GSR750はGSX-S750としてGSR600路線のハイパフォーマンスモデルへ再び舵を切ったという事です。

GSX-S750イラスト

しかしスズキもその”無個性直四”のまま何時までもただ手をこまねいているわけではなく打って出ました。それは先に出たGSX-S1000を見ればわかります。

GSX-S1000/Fは市場で非常に好評を得ているスズキとしては本当に久しぶりのヒットとなるネイキッドですが、そのGSX-S1000で力を入れた部分は

“音”

です。開発者の方も力を入れたと言うだけあって純正マフラーとは思えないほど本当にビックリするくらい良い音を出します。五月蝿いだけの社外とは違い本当に綺麗で上質な音。

そしてこのGSX-S750もGSX-Sシリーズとして音に非常に拘ってる。排気音は勿論のこと、そこらから更に吸気音も演出。

インテークサウンド

自動車のスポーツカー等でメジャーになりつつある吸気音を積極的に聞かせる機能。アクセルを開ければ開けるほど大きくなりライダーをハイにさせる。

つまりGSX-S750は180クランクの直列四気筒しか出すことの出来ないサウンドをイヤらしいほど磨いてるバイク。

GSX-S750壁紙

直四好きが乗るとちょっと危ないかもしれない。

主要諸元
全長/幅/高 2125/785/1055mm
シート高 820mm
車軸距離 1455mm
車体重量 212kg(装)
燃料消費率 20.1km/L
※WMTCモード値
燃料容量 16.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 749cc
最高出力 112ps/10500rpm
最高トルク 8.2kg-m/9000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー FT12A-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR9EIA-9
または
IU27D
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.9L
交換時3.2L
フィルター交換時3.6L
スプロケ 前15|後41
チェーン サイズ630|リンク96
車体価格 898,000円(税別)
系譜図
GR72A1976年
GS750/2/E/G/GL
(GR72A)
GSX750E1980年
GSX750E
(GR72A)
バンディット7501996年
GSF750
(GR7EA)
イナズマ7501998年
GSX750INAZUMA
(JS1AE)
GSR6002006年
GSR600
(GK7EA)
GSR7502011年
GSR750
(GR7NA)
00GSX-R7502017年
GSX-S750
(C533F)

【関連車種】
CB650F/CBR650Fの系譜FZ6/XJ6/FZ8の系譜Ninja650/Z650の系譜空冷MONSTERの系譜

GSR750(GR7NA) -since 2010-

GSR750

リベンジマッチとして今度はGSX-R750のエンジンを積みアグレッシブなデザインを変貌を遂げて登場したGSR750。

相変わらずボア・ストローク比はR750のままだけどそのままということはなく、圧縮比を上げ燃焼効率を改善し低速寄りにセッティングされてる。元々GSX-R750がR600に比べそこまでビッグボアショートストロークというわけではなく600ほどピーキーではなかったからGSR750は非常にフレンドリーな特性。もちろん回せば元がSSであることを思い出させる加速を持ってます。

GR7NA

リベンジマッチとネタのように言ってるけどネタのようでネタじゃない。何故ならGSR750はGSR600の反省が非常に活かされてるから。

分かりやすい所で言えばフレーム&スイングアーム。これがアルミからスチールになり、センタアップマフラーも廃止されオーソドックスな右一本出しに。これらはコストを抑える為で車体価格が高いという事で人気が出なかったGSR600の反省から来てる。

モトマップ仕様

そのぶん新たに倒立フォークを装備し排気量を750としながらも車体価格はGSR600とほぼ変わらない107万円という値段。ハイパフォーマンスモデル路線からハイコストパフォーマンスモデル路線になったわけです。それで車重が600より軽いってのも凄いけどね。

だからねコレが出た時に見受けられたんだけど”スイングアームがダサい”とか”マフラーが地味”とかいう文句を言うのはお門違いです。だってスイングアームもマフラーも凝ってたGSR600は車体価格が高いと文句言われたんですから。

国内仕様

しかも主要市場である欧州は勿論のこと、750規制が無くなった今の日本もそういう傾向にありますが、このクラスを買う層というのはリッタークラスと違って嗜好性だけでじゃなく実用性やコストパフォーマンスに非常に厳しい目を持ってる。

GSR750はそういう”大型実用派に向けた少し贅沢なナナハン”というわけです。

主要諸元
全長/幅/高 2115/785/1060mm
シート高 815mm
車軸距離 1450mm
車体重量 213kg(装)
燃料消費率 20.0km/L
※WMTCモード値
燃料容量 17.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 749cc
最高出力 106ps/10000rpm
最高トルク 8.2kg-m/9000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー FT12A-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR9EIA-9
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.85L
交換時3.2L
フィルター交換時3.6L
スプロケ 前17|後42
チェーン サイズ525|リンク112
車体価格 898,000円(税別)
系譜図
GR72A1976年
GS750/2/E/G/GL
(GR72A)
GSX750E1980年
GSX750E
(GR72A)
バンディット7501996年
GSF750
(GR7EA)
イナズマ7501998年
GSX750INAZUMA
(JS1AE)
GSR6002006年
GSR600
(GK7EA)
GSR7502011年
GSR750
(GR7NA)
00GSX-R7502017年
GSX-S750
(C533F)

GSR600/A(B9111/2) -since 2006-

GSR600

今度は水冷GSX-R600のエンジンを積んで登場したリアルスポーツネイキッドGSR600

GSFの反省からかダブルクレードルフレームではなくアルミツインスパーフレームに加え、逞しいスイングアームまでもアルミという贅沢な造り。

更に言うなれば旧GSX-R600のエンジンをギア比こそ変えつつもの基本的にそのまま積んでる。ボア・ストローク比もそのまま67mm*42.5mm。これは600ネイキッドとしてはトップのビッグボア&ショートストローク。

それが表れているのが”98馬力/12000rpm”ですね。

GSRイラスト

少しやりすぎなんじゃないかと思えるほどまんまR600のネイキッドで4000rpm以下は使い物にならない回せ回せと言ってくるやんちゃ物。250四気筒の特性をそのまま600にしたような感じ。

GSR600は(というかこのクラスは)欧州がメイン市場なわけで、向こうでの評価はどうだったのかなと少し調べてみたんですが、お世辞にも人気が出て売れたという感じは無いものの

「GSR600の良い所はハンドリングだ!」

と色んな所で評価されていました。MCN(イギリス大手オートバイ情報サイト)においては2010年ベストハンドリングネイキッド部門で日本勢トップの評価。こう言うと失礼ですが意外。

でもGSRの特徴であり購入したライダーのハートを最も掴んだ部分はGSXR譲りの贅沢な造りではなく、そのハンドリングでもなくセンターアップの二本出しマフラーでしょう。

GSR600メーター

波動砲が打てそうなほど存在感のある長男のB-KINGとはまた違って非常に纏まってます(後ろに元となったGSX-R600K4が)

しかし今になって振り返って見るとセンターアップマフラーを採用したスズキ車ってこのGSR400/600/B-KINGだけですね。

でもGSR600の造形へのこだわりはマフラーだけじゃなくて、フレームは勿論のこと、アルミステップやフロントのビルドインやリアのL字ウィンカーなど新世代ネイキッドの提案というだけあって、単純にGSX-Rのネイキッドを仕上げるだけでなく細かいデザインの部分までお金掛けて詰めてる辺りスズキとしては本命ネイキッドだったんだと思う。グッドデザイン賞を受賞するのも分かる話。

GSR600A

二年後の08年にはABSを装着したGSR600Aとなりメーターバイザー装着。

だけど販売台数が思ったほど伸びなかったのか2010年モデルをもって生産終了となりました。

GSR600カタログ

昔のバンディットもそうだったけどスズキのスポーツネイキッドってみんな「良い」とは言うけど「買う」とは言わないんだよね。作り込みすぎて車体価格が高くなっちゃうのがダメなのかな。

今では性能や造りに反し人気がなく相場が安いことから”良い掘り出し物”扱い・・・良いんだか悪いんだか。

主要諸元
全長/幅/高 2090/795/1075mm
シート高 785mm
車軸距離 1440mm
車体重量 183kg(乾)
燃料消費率
燃料容量 16.5L
エンジン 水冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 599cc
最高出力 98ps/12000rpm
最高トルク 6.5kg-m/10000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー FTX9-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR9E
または
U27ESR-N
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.9L
交換時3.2L
フィルター交換時3.6L
スプロケ 前16|後48
チェーン サイズ525|リンク114
車体価格 890,000円(税別)
系譜図
GR72A1976年
GS750/2/E/G/GL
(GR72A)
GSX750E1980年
GSX750E
(GR72A)
バンディット7501996年
GSF750
(GR7EA)
イナズマ7501998年
GSX750INAZUMA
(JS1AE)
GSR6002006年
GSR600
(GK7EA)
GSR7502011年
GSR750
(GR7NA)
00GSX-R7502017年
GSX-S750
(C533F)

GSX750INAZUMA(JS1AE) -since 1998-

GSX750INAZUMA

日本ではイナズマの名で通ってるイナズマ三兄弟の次男坊にあたるINAZUMA750。けどこのモデルの本当の名前というか正式名称はGSX750INAZUMAです。

イナズマ750

何でかというと国内で売ったけど鳴かず飛ばずな状況だったGSF750の状況を見て国内販売を見送ったから。だからINAZUMAやGSX-FSっていう和名を持ってない。

スズキとしては珍しいコテコテなジャパニーズネイキッドしかもナナハンなのに日本での発売無しってのは何とも悲しい話。

イナズマ750カスタム

救いがあるとすれば欧州で2010年頃から流行りだしたネオクラ・カフェレーサーカスタムで地味なINAZUMA750を洒落に劇的ビフォーアフター的な事をやってる人がチラホラ居ることでしょうか。原型留めてないですけど。

主要諸元
全長/幅/高 2145/750/1095mm
シート高 785mm
車軸距離 1470mm
車体重量 201kg(乾)
燃料消費率
燃料容量 18.0L
エンジン 油冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 748cc
最高出力 69ps/8500rpm
最高トルク 6.2kg-m/7000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後170/60ZR17(72W)
バッテリー
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
スプロケ 前15|後42
チェーン サイズ530|リンク112
車体価格
系譜図
GR72A1976年
GS750/2/E/G/GL
(GR72A)
GSX750E1980年
GSX750E
(GR72A)
バンディット7501996年
GSF750
(GR7EA)
イナズマ7501998年
GSX750INAZUMA
(JS1AE)
GSR6002006年
GSR600
(GK7EA)
GSR7502011年
GSR750
(GR7NA)
00GSX-R7502017年
GSX-S750
(C533F)

GSF750(GR7EA) -since 1996-

GSF750

系譜の中でも恐らく一二を争う知名度の無さだと思うGSF750。

GSF(BANDIT)という名前、そしてそれに準ずる見た目からいっても見覚えが無い人は居ないと思いますが、コレがどういうモデルか説明できる人は居ないと思います。

GSFといえば今もBANDITとして続いているGSF1200が有名ですが、このGSF750はその弟分として登場しました。ちなみに更に下に600モデル(後の650)が出たので750はGSFとしては次男坊になります。

型式があるようにちゃんと日本でも発売されていました。このGSF750は油冷GSX-R750のエンジンを積んだネイキッド、つまり今でいう所のストリートファイターです。

GSX-R750W

まだまだストファイなんてニッチな時代に何故こんなモデルを出したのかって話だけど、それはGSX-R750(上の写真)がレースで勝つ為にエンジンを油冷から水冷に移行することになった事から油冷エンジンの新たな使いみちを模索。その結果生まれたのがGSF750というわけ。エンジンって凄くお金(開発費)が掛かるから簡単に使い捨て出来ない。

そんなGSF750はほぼ日本だけの為に用意されたモデルで教習車モデルも存在したんだけど、既に750規制が無くなってて時代はリッターだったからナナハンという神通力も通用せず。

1990R750

まあモノサスだしね・・・それならいっその事R750のダブルクレードルスーパースポーツフレームのまま出せば少しは違ったかもしれない・・・ってそれがGSR600か。

主要諸元
全長/幅/高 2090/770/1095mm
シート高 795mm
車軸距離 1420mm
車体重量 201kg(乾)
燃料消費率 35.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 19.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 749cc
最高出力 77ps/9000rpm
最高トルク 6.5kg-m/7000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70-17(58W)
後150/70-17(69W)
バッテリー FTX12-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR9EK
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量4.7L
交換時3.2L
フィルター交換時3.6L
スプロケ 前15|後43
チェーン サイズ530|リンク108
車体価格 649,000円(税別)
系譜図
GR72A1976年
GS750/2/E/G/GL
(GR72A)
GSX750E1980年
GSX750E
(GR72A)
バンディット7501996年
GSF750
(GR7EA)
イナズマ7501998年
GSX750INAZUMA
(JS1AE)
GSR6002006年
GSR600
(GK7EA)
GSR7502011年
GSR750
(GR7NA)
00GSX-R7502017年
GSX-S750
(C533F)

GSX750E(GR72A) -since 1980-

GSX750E

角目が特徴的で「ベコ(牛)」の愛称で親しまれていたGSX750E。Xの名前から分かる通り4バルブエンジンになりました。

九死に一生を得たスズキでしたが流石というか何というか、ついこの間まで危ない状況だったにも関わらず次なる目標として「何処よりも速いバイク」を掲げました。その第一弾がこのGSX750Eというわけです。そのための4バルブなわけで実際軽快で速かった。

GSX750Eカタログ

GSX750Eは申し分のないバイクに仕上がってはいたものの、翌年のGSX750E2でタンク形状とハンドルが変更、更に翌年のGSX750E3ではメーターとヘッドライト形状が変更とデザイン変更が毎年の用に入りました。

これには理由があります・・・ハッキリ言いますが

「スズキのバイクはオジサン臭い」

という意見が多かったからです。

性能が良いのは分かるがいかんせん野暮ったくオジサンバイク臭が抜けない。

これをなんとかしたくて色々とデザインを変えたわけです。

そしてGSX750Eシリーズとしては最後となるE4はこうなりました。

GSX750E4

ハーフカウルをまとった別物バイク・・・これ何かに似てると思いませんか、そうコレです。

750カタナ

E4の一年前に出たGSX750S。

みんな知ってるカタナ(正確に言うとGSX750S3と中身一緒)です。

「スズキ=オッサン臭い」

というイメージを打開するためにハンス・ムートへお願いしてデザインしてもらったバイク。

お陰でスズキのイメージはアップ。狙い通りどころか想定を超える大成功となったわけです。そしてGSX750Eはお役御免となりました。

GSX750E諸元

※本来なら次はGSX750Sのところですが系譜の外側で既に書いてしまったので申し訳ありませんが750Sは飛ばそうと思います。

GSX750Sについては「カタナと名乗れなかったカタナ GSX750S(GS75X)|系譜の外側」を御覧ください。

すいません。

主要諸元
全長/幅/高 2250/875/1185mm
シート高
車軸距離 1520mm
車体重量 229kg(乾)
燃料消費率
燃料容量 19.0L
エンジン 空冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 747cc
最高出力 69ps/8500rpm
最高トルク 6.2kg-m/7000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前3.25H-19-4PR
後4.00H-18-4PR
バッテリー YB14L-A2
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
D7EA
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量4.0L
スプロケ 前14|後43
チェーン サイズ530|リンク114
車体価格 520,000円(税別)
系譜図
GR72A1976年
GS750/2/E/G/GL
(GR72A)
GSX750E1980年
GSX750E
(GR72A)
バンディット7501996年
GSF750
(GR7EA)
イナズマ7501998年
GSX750INAZUMA
(JS1AE)
GSR6002006年
GSR600
(GK7EA)
GSR7502011年
GSR750
(GR7NA)
00GSX-R7502017年
GSX-S750
(C533F)