RS4 125 -since 2011-

RS4 125

4stとなったRS125改めRS4 125

アプリリアのファミリーフェイスを取り入れた事でSBKチャンピオンマシンのRSV4と瓜二つな外見になりました。

そして何より4st化に伴いエンジンは勿論のこと、長く使われてきたRS125プラットフォームから脱却し新しいフレームと足回りに。

RS4エンジン

ちなみにエンジンはROTAXではなくデルビ製(GPR125)の物をベースなんだけど、ヘッド・シリンダー・ピストン・FI化などほぼ別物と言っていいほど手が加えられている。

あとこれ。

クイックシフター

クイックシフターがOPで用意されてる。125でクイックシフターなんて・・・

4st化に伴ってパワーバンドが広くなり2st時代とは比べ物にならないほど乗りやすくなってます。とは言うものの125の中でもトップのビッグボアショートストロークなので回してナンボなのは相変わらず。

先代に比べ軽くなったんですが、やっぱり15馬力という大幅なパワーダウンで牙が無くなったと言われるRS4。それは日本だけではなく海外でも同じように言われているわけですが、こういった見解もあります。

RS4 125

「4stになってパワーは無くなった。しかしその分だけ信頼性が上がりボアアップが容易になったと考えれば歓迎出来る。フレーム剛性は十二分だし、何より長く乗るならばね。」

言われれば確かに。

エンジン:水冷4サイクルDOHC単気筒
排気量:124cc
最高出力:
15ps/10500rpm
最大トルク:
1.12kg-m/8500rpm
車両重量:120kg(装)

【関連車種】

GROMの系譜YZF-R125の系譜Z125の系譜Small DUKEの系譜

AF-1

1987年
AF-1 125
(AF1)

R125EXTREMA

1991年
RS125
(Gs)

RS125MP型

1995年
RS125
(Mp)

RS125SF型

1999年
RS125
(SF)

RS125Py型

2006年
RS125
(Py/RD/RM)

RS4 125

2011年
RS4 125

RS125 (Py/RD/RM) -since 2006-

RD型

外見がグッと新しくなりラジアルマウントキャリパーなど足回りが完全にSSで妥協点が見当たらない第三世代のR125のPy型。2stとしては最後のRS125になります。

日本に入ってきたのは2006~2008までの28馬力モデルのみ。理由は日本の排ガス規制に通らなくなったから。だから日本ではMY(Model Year)06とかMY08って言われたりしてますね。

RS125

もう最後だぞ!もう最後だぞ!とアチコチで言われていたのを思い出します。

ちなみに海の向こうでは2009年以降も売られていたんですがEURO3(排ガス規制)が始まったことで24馬力にまで抑えられています。

タイトルの型式(タイプ)がこのモデルだけ3つもあるのはそれに伴って出力が違うから。

【TYPE:Py(EURO2モデル)】
日本にも正規で入ってきた06-08の28馬力モデル

【TYPE:RD(EURO3モデル)】
上をカットして15馬力になっているVHST28の07-08モデル(ゴニョゴニョで24ps/10500rpm)

【TYPE:RM(EURO3モデル)】

これがホントの最終モデル(08-11)でEURO3に対応しつつ23馬力と頑張ってるモデル

最終モデル

並行輸入車に手を出す猛者が居たらいけないので参考までに。タイプはマニュファクチュアプレートに書いてます。

しかしまあこんなぶっ飛んだ125は免許改正もあってもう二度と出ないでしょうね。

イタリアを筆頭に巻き起こってた2st125レーサーのブームもこの頃は完全に去っていてNSR125を始めとしたライバルはとっくに消えてたんだけど、アプリリアは最後の最後まで2stを諦めなかった。

エンジン:水冷2サイクルクランクケースリードバルブ単気筒
排気量:125cc
最高出力:
28[15]{23}ps
10500[8500]{10000}rpm
最大トルク:
1.9[不明]{1.8}kg-m
9000[不明]{9500}rpm
車両重量:137kg(装)
※[]内はRD
※{}内はRMモデル

AF-1

1987年
AF-1 125
(AF1)

R125EXTREMA

1991年
RS125
(Gs)

RS125MP型

1995年
RS125
(Mp)

RS125SF型

1999年
RS125
(SF)

RS125Py型

2006年
RS125
(Py/RD/RM)

RS4 125

2011年
RS4 125

RS125 (SF0/SF1) -since 1999-

SF型

目まぐるしく変わるRS125の中で最も長寿なSF型。

型式としてSF0とSF1と二種類あります。これには理由がありまして・・・

まずSF0(1999-2003)の方から。MP型の後継として登場したわけですが、大きな変更点は先代まで使われていたビッグキャブ(32mm)が28mmの小径に変えられ若干マイルドになりました。まあそれでもピーキーなのは相変わらずですが。

そして問題はSF1型(2003-2005)の方。

SFF

SF1型は2003年後半以降のモデルの事なんですが、何で分けられてるのかというと厳しくなった排ガス規制(EURO2)に対応するために、触媒入りチャンバー&エンジンヘッドの変更で馬力が28馬力にまで抑えられてるんです。それがSF1型です。

キャブを大径にしてCDIをゴニョゴニョすればパワーが上がるとか。まあ28馬力あれば十分な気もするけどね。

エンジン:水冷2サイクルピストンリードバルブ単気筒
排気量:125cc
最高出力:
34ps/11000rpm
最大トルク:
2.5kg-m/9000rpm
車両重量:115kg(乾)

AF-1

1987年
AF-1 125
(AF1)

R125EXTREMA

1991年
RS125
(Gs)

RS125MP型

1995年
RS125
(Mp)

RS125SF型

1999年
RS125
(SF)

RS125Py型

2006年
RS125
(Py/RD/RM)

RS4 125

2011年
RS4 125

RS125 (MP) -since 1995-

MP型

実質的に二代目となるRS125のMP型。

少しややこしい事に、見た目が新しくなったMPだけど二年後の1997年モデルからエンジンが新しいもの(ロータックス123からカセット式ミッションの122)へと変わりました。

スペック的には変わりがないんだけどあまりにもピーキー過ぎる特性が少しだけ緩和されています。いや少しですけどね。

さて少し余談をすると、この頃アプリリアはWGP(世界レース)の125と250で他を寄せ付けない圧倒的な速さを誇っていました。そんなアプリリアのWGP黄金時代で欠かせない人物と言えばレースを知らない人でも知ってるバレンティーノ・ロッシ選手。

ロッシ125

彼が初めて優勝したのは1995年でこのRS125レーサーによるもの。翌1996年には年間チャンピオンにまでなっています。

このあとWGP250そして500(現MotoGP)にステップアップしていったんだけど優勝を記念してロッシカラーのモデルが出たりしました。そんな歴史があるせいかアプリリアは「ロッシはアプリリアで育った」と自負してます。

坂田選手

ちなみにロッシだけでなく日本人ライダーでも坂田和人選手がいました。

彼もなんとWGP125においてRS125で二度の世界チャンピオンに。125でこの人の右に出る日本人は居ないんではなかろうか。

エンジン:水冷2サイクルクランクケースリードバルブ単気筒
排気量:125cc
最高出力:
34ps/11000rpm
最大トルク:
2.5kg-m/9000rpm
車両重量:115kg(乾)

AF-1

1987年
AF-1 125
(AF1)

R125EXTREMA

1991年
RS125
(Gs)

RS125MP型

1995年
RS125
(Mp)

RS125SF型

1999年
RS125
(SF)

RS125Py型

2006年
RS125
(Py/RD/RM)

RS4 125

2011年
RS4 125

RS125 (GS) -since 1991-

GS型

初代RS125のGS型。

といってもAF-1からフレーム、ROTAXエンジン、スイングアームといった基本的な構造は受け継いだモデル。ただスペックを見れば分かるけど125なのに34馬力というとんでもないパワーを持ってる。これは2stワークスレーサーに迫るほどのパワー。

市販車としては最高馬力になるんじゃないかな?

市販といえるのか微妙だけどね。だってこれは本当に公道の事なんて全く考えられてないホモロゲーションモデルみたいなものだから。

エクストリーマカタログ

その申し分ないポテンシャル故にRS125のこの基本設計は2st最終となるRM型まで変わる事なく使われました。

ただそんなRS125の中で最もピーキーなモデルはどれかと言われれば間違いなくこのGS型。カート用のエンジンがベースなだけの事はあります。

エンジン:水冷2サイクルクランクケースリードバルブ単気筒
排気量:125cc
最高出力:
34ps/11000rpm
最大トルク:
2.5kg-m/9000rpm
車両重量:115kg(乾)

AF-1

1987年
AF-1 125
(AF1)

R125EXTREMA

1991年
RS125
(Gs)

RS125MP型

1995年
RS125
(Mp)

RS125SF型

1999年
RS125
(SF)

RS125Py型

2006年
RS125
(Py/RD/RM)

RS4 125

2011年
RS4 125

AF-1 125 (AF-1) -since 1986-

AF-1 125

「PROJECT 108」

日本でアプリリアといえばRSV4よりも有名だろうRS125(RS4)の始まりとなるバイクがこのAF-1 125。

ROTAX社製のエンジンを積んだ123ccのスーパースポーツ。

イタリアで125ccというのは日本でいう原付一種と同じ扱いなこともありカジバやデルビなどと共に争いを繰り広げていました。更に言うなれば国際レース(WGP125)まであったのでレース大好きイタリア人にとっては日本でいう1000や600と同レベルのカテゴリ。

カジバやデルビなどと切磋琢磨してたんですがそんな中でオフ車メインだったアプリリアがオンロードにも販路を開こうとして作ったロードレーサーがAF-1。そしてそのAF-1のレプリカモデルがAF-1 125というわけ。少しややこしいですが。

AF-1カタログ

これが大反響で、これ以降125スーパースポーツの熱が一気に加熱する事になりました。

これは欧州での出来事ですが、日本メーカーも躍起になって参入してました。この波に乗り遅れまいとNSR125やTZR125などで打って出たわけですね。

ちなみにAF-1は毎年のようにモデルチェンジしていて、晩年はアルミフレーム片持ちスイングアームという非常に美しい造形となりました。

AF-1FUTURA

そのルックスから

「これは125ccのRC30(VFR750R)だ」

という評判を得るにまで至ったみたい。

エンジン:水冷2サイクルクランクケースリードバルブ単気筒
排気量:123cc
最高出力:
25ps/10000rpm
最大トルク:
1.8kg-m/8000rpm
車両重量:120kg(乾)

AF-1

1987年
AF-1 125
(AF1)

R125EXTREMA

1991年
RS125
(Gs)

RS125MP型

1995年
RS125
(Mp)

RS125SF型

1999年
RS125
(SF)

RS125Py型

2006年
RS125
(Py/RD/RM)

RS4 125

2011年
RS4 125

YZF-R125(BR6)-since 2014-

2014YZF-R125

フルモデルチェンジとなった二代目R125はアッパーの真ん中にはR6でお馴染みのラムエアダクトらしきものが・・・と思ったけどやっぱり繋がってない。ラムエアなんて200km/h以上でしか効果ないって言われてるし当たり前か。

R125フェイス

R125はもともと凛々しい顔でしたが、ダクトが付いた事でより戦闘的なイメージが付きましたね。

この顔なんかと被るな~?って思って調べてみたんですが、コレですね。

新旧デイトナ675

09のDAYTONA675に似てる。

特にウィンカーなんて・・・って思ったらこれ同じやつを付けてるみたい。どうりで似て、、、いや並べてみると思いのほか似てないですね。スイマセン。

個人的な意見を述べるとR125のデザイン特に顔はガトリングヘッドライトを採用する前のR1に通ずるところがあると思うんです。

5PW

この頃です。2002年ごろ。ツリ目二眼のパイオニアであったR1の最終形態ですね。

ですがご存知の様にこの後R1はラムエアダクトをサイドに付けたガトリングヘッドライトの5VY、そしてプロジェクター式の14Bと変貌を遂げていったわけ(詳しくはR1の系譜をどうぞ)ですが、もしR6の様なセンターラムエアダクトを採用してたらこのR125の様になってたでしょう。

2016年モデル

だからR125を見ると別の道を辿ったR1みたいで面白くもあり、カウルを贅沢に何枚も使ってるだけあってR1よりカッコいいと言ってもいいくらい纏まってる。

まあそれより中身ですねハイ。

ラジアルマウントキャリパー

見て分かる通り倒立サスにラジアルマウントキャリパーが付きました。ホイールデザインも新しくなってますね。125ということでABS非搭載モデルもあるみたいですね。

YZF-R125メーター

他にはメーターがフルデジタルになり外装も少変更が加わってます。

エンジンは馬力やトルクこそ変わってないんだけど見直された上にタンク容量が13.8Lから11.5Lに減った事からカタログ燃費が10%ほど改善されてます。

エンジン

作りは完璧にSSな125でブン回せるSSが欲しいならR125は間違いないでしょうが、やっぱりモデルチェンジしても正規販売は今のところ無いみたいです。レッドバロンが入れてるみたいだけどね。

そういえば前にもこういう事を言って

「何故レッドバロンを勧めるのか?レッドバロンの回し者か?」

と問われた事を思い出しました。

レッドバロン

別にレッドバロンで買えとステルスマーケティング(?)してるわけではありません。

まず最初に知っておかなければいけないのは並行輸入車(ショップが独自に海外から輸入したバイク)というのは基本的に保証を受けられません。

例えばもし並行輸入のR125を買って、走行に支障が出る設計ミスによるトラブルが判明しリコールが行われたとしても保証は受けられません。

欧州ヤマハ

車両に関する保証内容には「それぞれ(仕様地)の国内使用に限る」と明記されているからです。

要するに

「ヤマハでR125のリコールがあったみたいだからコレもリコールして!」

とR125をYSPといったバイク屋に持って行っても店も基本的に出来ないんです。

良心的な店やノウハウを持ってる店、現地メーカーと直接繋がりを持ってる店ならやってくれる事もありますが、基本的に日本のヤマハは知ったこっちゃないというスタンス。これはヤマハに限らずホンダやスズキやカワサキも同じ。

つまり”並行車=保証が全くない外車”と同じなので、いくら信頼性のある日本メーカーの物だからといって安直に買ってしまうと痛い目を見ます。

じゃあ逆輸入車の場合はどうなってるの?

と思う方も居るかもしれないので説明しておくと逆輸入車もメーカーの保証はありません。

ただし逆輸入車の場合は正規の場合は取り扱いメーカーの保証があるわけです。

プレスト

ヤマハならプレスト、ホンダならパッセージ、スズキならモトマップ、カワサキならブライトなど。

これらのメーカーが

「メーカーは保証は無いけど、ウチで買えばウチがメーカー並の保証するよ。」

としてるわけです。

そしてレッドバロンもそれと同じなんですが、レッドバロンの場合はそれに加えR125などを上で挙げた逆輸入車取扱メーカーが取り扱わない車種も独自に輸入したりしているから名前を挙げてるわけです。

つまり後で泣きを見ないためにも並行輸入車を買うときは、売りっぱなしの店ではなくアフターもキチンと対応してくれる店で買うように気をつけてください。

ブルー

プレストがしっかり取り扱ってくれればこんな心配も要らないんですけどね。

だいぶ話が脱線して申し訳ないです。

最後にR125の小ネタですが、人気色はやっぱりダントツでブルーだそうです。やはりヤマハといえば青のイメージが強いんでしょうね。

主要諸元
全長/幅/高 1955/680/1065mm
シート高 825mm
車軸距離 1355mm
車体重量 140kg(装)
燃料消費率
燃料容量 11.5L
エンジン 水冷4サイクルSOHC単気筒
総排気量 124cc
最高出力 15ps/9000rpm
最高トルク 1.3kg-m/8000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前100/80-17(52H)
後130/70-17(62H)
バッテリー 12N5.5-3B
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR8E
推奨オイル ヤマルーブ
プレミアム/スポーツ/スタンダードプラス
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.15L
交換時0.95L
フィルター交換時1.00L
スプロケ 前14|リア48
チェーン サイズ428|リンク132
車体価格
※国内正規販売なしのため
系譜図
2008yzf-r125 2008年
YZF-R125(5D7前期)
MT-125 2014年
MT-125(5D7/BR3)
2014yzf-r125 2014年
YZF-R125(5D7/BR6)

【関連車種】
GROMの系譜Z125の系譜Small DUKEの系譜RS4 125の系譜

MT-125(BR3)-since 2014-

MT-125

世間がMT-07とMT-09、それにYZF-R25に騒いでいてノーマークだったのか、隠し球なのか分かりませんがいつの間にか発表されたMT-125

数字通り125ccいうMTシリーズの末っ子的なモデルで搭載しているエンジンは単気筒。

いやはや・・・01はVツイン、03は単気筒デュアル排気ポート、07はパラツイン、09はトリプル、そして125は単気筒ですか。

ここまで車名とエンジンがバラバラなバイクは他に無いんではなかろうか。

まあただこれはMTシリーズの根底である「Master of TORQUE」に沿うためなわけだから分からないでもない。

エンジンはYZF-R125の物。ちなみにこのエンジンはR125の系譜でも言っていますがヤマハのエンジンではなくMotori Minarelliというイタリアメーカーの物。

MT-125engine

それをフランスにあるMBKという子会社に作らせているモデル。最初イタリアと書いてましたスイマセン。

ボディの方はデルタボックスフレームに倒立サスに六速MTに角材じゃないスイングアームに凝った造形など125とは思えない本気っぷり。

MT125

しかし実は紹介しようか迷ったんですこのバイク。というのもコレは日本での販売は無いじゃないかと思われます。値段がですね、現地で4200ユーロつまり60万円弱もするんですよ。

まあこんだけ凝ればそんな値段にもなるわって話ですけどね。

イタリアヤマハMT-125

「YZF-R125といい、なんで125をこんな値段で売るの?」

って思われる方も多いと思いますが、欧州では125&15馬力までのA1免許が16歳から比較的容易に取れるんです。だから人気がある。

更に言うなら向こうは日本とは比べ物にならない程、バイクに対する理解があります。

イタリアの駅前

バイク人口で言っても日本の100人あたりの二輪保有台数が9.5人なのに対しイタリアでは14.5人でEU内はおろか全先進国でトップ。

ちなみにシェア一位はホンダで二位はピアジオ、三位にヤマハとなってます。

主要諸元
全長/幅/高 1950/745/1025mm
シート高 810mm
車軸距離 1350mm
車体重量 138kg(装)
[140kg(装)]
燃料消費率
燃料容量 11.5L
エンジン 水冷4サイクルSOHC単気筒
総排気量 124.7cc
最高出力 15ps/9000rpm
最高トルク 1.25kg-m/8000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前100/80-17(52H/52S)
後130/70-17(62H/62S)
バッテリー 12N5.5-4A
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR9E
推奨オイル SAE 10W-30から20W-50
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
交換時0.95L
フィルター交換時1.0L
スプロケ 前14|リア48
チェーン サイズ428|リンク132
車体価格
※国内取扱いなしのため
系譜図
2008yzf-r125 2008年
YZF-R125(5D7前期)
MT-125 2014年
MT-125(5D7/BR3)
2014yzf-r125 2014年
YZF-R125(5D7/BR6)

YZF-R125(5D7)-since 2008-

YZF-R125

YZF-Rシリーズの末っ子ことYZF-R125

出た当初はすごく話題になりましたが、想像を超える値段(439,000円)と国内販売無しという事で一気に鎮火しましたね。

なんでかって言うとフランスで作っているバイクだからです。

エンジンはヤマハではなくヤマハの子会社である「Motori Minarelli」という会社が作ったものを載せています。

ミナレリヤマハ

Minarelli(ミナレリ)と聞いても恐らく誰も知らないでしょうが、1951年に誕生した元々は農業機械用の汎用エンジンを作っていたのですが、バイク業界に進出し一時期は125などの小排気量レースで無類の速さを誇っていたメーカーで、1984に技術援助契約、1990年に欧州ヤマハに吸収されミナレリヤマハと車名を改めました。

まあ要するに小排気量エンジン屋の老舗です。

R125エンジン

ちなみにこの他にもWR125&MT-125(R125と同じエンジン)やXT660、更には50cc全般のエンジンを今も作っていて、2008年には総出荷台数が1000万台を突破しました。

欧州ヤマハ

欧州だけで日本では売ってない小排気量のヤマハ車があったら十中八九はミナレリエンジンです。

更にR125は組み立ても欧州。MBKというフランスの子会社で組み立てられてます。つまりR125は欧州生まれの欧州育ち。

MBKというのはもともと自転車屋で・・・ってもういいか。

MBKヤマハ

日本で売られない理由はそういうことです。

生まれたキッカケは欧州の免許制度が改定されたことにあります。

欧州免許にはもともとA1免許というものがありました。これは125cc以下で15馬力未満&PWR(パワーウェイトレシオ)が0.1以下のバイクに乗れる免許です。

日本でいう小型二輪ですが、この制度が改訂(欧州統一化)された事で125に再び脚光が集まったわけです。

そこでヤマハもapriliaに敗けない125のスーパースポーツを作ってやろうじゃないかという事で作られたのがYZF-R125というわけ。

マットグレー

2010年頃にプレストの手によって帰国(?)したんですが、まあ125に50万円払える人は居なかったのか一年限りの入荷となってしまいました。

YZF-R125リア

末っ子という事で甘く見られがちなR125ですが、こう見えて結構スパルタンな作り。

高回転でパワーを絞り出す特性なのは勿論の事、ポジションもかなり前傾がキツく日本でもお馴染みのSSであるR1やR6に次ぐと言ってほどの厳しさ。

YZF-R125とロッシ

日本で125というと下駄やオモチャ的な扱いを受けちゃうけど、向こうの人にとって125はWGP125が存在していた様に600や1000と同じ加熱するカテゴリなんです。

そんなR125の値段がお高い理由としてはアルミスイングアームやブレンボキャリパーなどにもあるんですが、何よりカウルです。

いわゆるヤマハの十八番であるレイヤードカウル(重ねたような造形)なんだけど、凄いのは枚数。

フィアットカラー

だいたいフルカウル車のカウルというのはアッパー、サイド、アンダーの三点構成が普通でこれ以上の枚数を使ってるカウル車はあまりない。何故なら組み付けパーツが一枚増えるだけでもコスト(金型や工数による)が全然違うから。

分かりやすいのは原付。

ジョグ

左は90年代のJOGで右は現行のJOG。主要カウルの枚数が減っているのがわかるでしょうか。こういう工夫でメーカーはコストを抑えてるわけです。

さてじゃあR125のカウルを見てみましょう。

カウルリスト サイド二枚にアンダー二枚、アッパー入れると五枚、左右合わせると9枚ものカウルを使っています。

ちなみに長男坊であるR1のカウルはどうなってるのかというと・・・

R1カウル

なんだかものすごく寂しく見えますね。

つまりR125のデザインはYZFシリーズで一番お金が掛かってると言ってもいいほどコダワリのカウルを持っているんです。

YZF-R125WGP50TH

まあだから車体価格も結構お高いし整備性もすこぶる悪いんですけどね。

主要諸元
全長/幅/高 2015/660/1065mm
シート高 818mm
車軸距離 1355mm
車体重量 138kg(装)
[140kg(装)※ABSモデル]
燃料消費率
燃料容量 13.8L
エンジン 水冷4サイクルSOHC単気筒
総排気量 124cc
最高出力 15ps/9000rpm
最高トルク 1.25kg-m/8000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前100/80-17(52H)
後130/70-17(62H)
バッテリー 12N5.5-3B
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR8E
推奨オイル ヤマルーブ
プレミアム/スポーツ/スタンダードプラス
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.15L
交換時0.95L
フィルター交換時1.00L
スプロケ 前14|リア48
チェーン サイズ428|リンク132
車体価格 439,000円(税別)
※プレスト価格
系譜図
2008yzf-r125 2008年
YZF-R125(5D7前期)
MT-125 2014年
MT-125(5D7/BR3)
2014yzf-r125 2014年
YZF-R125(5D7/BR6)

TRICITY125/A(2CM)-since 2014-

トリシティ125

「Leaning Multi Wheel」

2013年の東京モーターショーで発表され話題になった前二輪の三輪車。でも一応原付二種というバイク扱いなので小型二輪以上の免許が入ります。これくらいなら自動車免許でも良いような気も・・・。

知らない人の為に補足しておくと、この前二輪のバイクを一番最初に出したのはイタリア最大手のPIAGGIO(傘下にVespa・aprilia・MOTO GUZZI)というバイクメーカーから出たMP3というバイクが初出。

PIAGGIO MP3

2007年に発売され、欧州でヒットを飛ばしました。

向こうでは国によっては車の免許で乗れたり、数時間の講習を受けるだけで乗れたりする事もヒットの要因だったりします。フランスが正にそれで、2015年時点で70000台も売れるほどの大ヒット。

という事でフランスのメーカーでスクーターを作ってたプジョーからもMETROPOLISという同じタイプのバイクをトリシティが出る2年前の2012年から発売。

プジョー メトロポリス

つまりトリシティは遅い登場だったわけですが、ヨーロッパでの評価やシェアが高いヤマハとプジョーに市場を奪われたピアジオが怒って2015年に特許侵害で訴訟。判決は探しても見つからなかったのですが、今でも普通にヤマハもプジョーも売っているので敗訴か和解をしたんでしょう。

というかそれが特許侵害になるとテレスコピックサスペンション(一般的なフロントフォーク)を採用しているバイクは全部BMWの特許侵害になっちゃいますし。※テレスコピックサスペンションはBMWが発祥

ヤマハとしてはトリシティの元になっているのは実は34年前に作っていたパッソル。

三輪パッソル

HY戦争でもっと台数を稼ぐために考えた案の一つにコレがあった。もしもHY戦争が長引いてたり勝ったりしてたらもっと前に出てたかもしれませんね。

ちなみに三輪の初出は1974年にダイハツが造った

『ハロー』

というモデル。

ダイハツハロー

今でこそピザ屋やヤクルトで多少は見慣れている形ですが当時は異端車でした。

って、いい加減トリシティの話をしろと怒られそうなのでトリシティに話を戻しましょう。

トリシティで語ることと言ったらLMW(Leaning Multi Wheel)つまり前輪が2つあることですね。

LMW

これは片持テレスコピックサスペンションとそれを支えるハンガー状のパラレログラムリンクというレイアウトになっており、バイクのようでバイクじゃない様なフロントまわりをしてる。

一つのホイールにつき二本を付けてるのでなかなか迫力のある足回りですが、片側二本のうち前の方はガイドのみの役割でサスペンションとしての仕事は後ろのフォークが担っているとの事。

LMWメカニズム

片持ちだからタイヤ交換が凄く楽そうに見えるけどキャリパーも内側だから逆に大変なのかな。恐らくタイヤライフも荷重が二分するのでタイヤ交換の機会は減りそうですが。

どうしてパラレログラムリンクなんていう仕組みになってるのかというと、左右のタイヤを車体と同様に左右を狂いなくリーン(傾け)させて曲がるため。大島優子さんが”り~ん”と言って手を傾けていたのが記憶に新しいと思います。

大島優子トリシティ

ちなみに当時トリシティに試乗したら大島優子さんのクリアファイルがもらえるっていうキャンペーンがあったんですが、バイク屋に在庫の電凸する人や、(免許を持っていない事から)クリアファイルだけクレと交渉しに来る人などで溢れかえり一部のバイク屋は大変だったとか・・・AKBの力恐るべしですね。

さっきから脱線してばかりですね。スイマセン。

じゃあこのパラレログラムリンクがどういう仕組みなのかって事ですが、前にタイヤが二輪もあるからといって左右のタイヤの動きがバラバラだったり、片方が接地しなくなる事があると安定せずに危ない。

トリシティ車体構成

両方同じように傾き、同じように設置する必要がある。つまり今まで一輪で100担っていた仕事量を左右で綺麗に50:50にしないといけないわけです。その為のパラレログラムリンク・・・って言っても分からないですよね。

まあとにかくこうしたのは何度も言いますがリーンするため。

トリシティハンドリング

「トリシティってどんなハンドリングなんだろう?」

と考えている方も多いと思いますが、若干安定性重視ながら基本的にバイクと一緒。それはパラレログラムリンクによって一般的なバイクと同じようにリーンで曲がるからです。

主要諸元
全長/幅/高 1905/735/1215mm
シート高 780mm
車軸距離 1310mm
車体重量 152kg(装)
[156kg(装)]
燃料消費率 38.8km/L
※WMTCモード値
燃料容量 6.6L
エンジン 水冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 124cc
最高出力 11ps/9000rpm
最高トルク 1.0kg-m/9000rpm
変速機 Vベルト式
タイヤサイズ 前90/80-14(43P)
後130/70-13(57P)
バッテリー YTZ7V
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CPR8EA-9
推奨オイル ヤマルーブ
プレミアム/スポーツ/スタンダードプラス
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量0.9L
交換時0.8L
スプロケ
Vベルト 2CM-E7641-00
[BB8-E7641-00※18以降]
車体価格 330,000円(税別)
系譜図
トリシティ125 2014年
TRICITY125/A
(2CM)
トリシティ155 2017年
TRICITY155
(BB8)