シグナスX SR(1YP後期)-since 2015-

七代目シグナス

モデル整理でSRモデルへ一本化されたシグナスX SRの1YP後期モデル。

てっきり次こそフルモデルチェンジだと思ったら先に紹介した2013年モデルの1YP前期と同様にまた外見の変更がメインのマイナーチェンジ・・・と思ったら違った。というか見落としてましたゴメンナサイ。

2015シグナスX SR

実はこれ生産国でもあり、メイン市場でもある台湾では既に行われていたモデルチェンジだったりするわけで、それが日本仕様にも適用されたというわけ。

主な変更はまず外見から言うと特に顔とテールのLEDが変更されてる。

シグナスXテールライト

相変わらずヤマハは近未来感を出すデザインが上手いな。

まあでも今回一番の目玉はやっぱりブレーキかと。

ディスクブレーキ なんとリアまでディスク化されました。125cc以下のスクーターにおいてリアのディスク化ってコスト増な事から、特に日本メーカーにおいては消極的だったんですけど採用して来たってことはこれからは原二も前後ディスクブレーキが当たり前になっていくんですかね。

着眼点の鋭い人は「タイヤMAXXISかよ!」って思うかもしれませんが今どきの海外生産のバイクでは仕方ない話です。

アジアンタイヤが標準なのはもう当たり前になっちゃいましたね・・・そこのコストは削ってほしくない様な。まあシグナスに限った話じゃないですけど。

2015シグナスSR

今回はホイールとスイングアームが見直されてなんと4kgもの軽量化に成功してるとの事です。更に吸排気も見直されてシグナス唯一の欠点だった燃費がカタログ燃費で3.3kmほど伸びました。

しかもお値段あまり変わらず税別285000円也。これは先代というか前期モデルの時に言った狙いと同じかと。

でもまさか二段階テコ入れをしてくるとは思わなかったですね。というか随分とブルーコアエンジンを出し渋りますね。

NMAX日本仕様

なんて言ってたらどうも先のシグナスXで紹介したブルーコアエンジン搭載のNMAXを日本でも売るみたいです。

ちなみにNMAX(ブルーコアエンジン)はインドネシアでシグナスは台湾だからシグナスも同じブルーコアエンジンにってのが簡単に出来ないんだろうね。

でもヤマハさんはどうするんだろう。空冷バージョンのブルーコアエンジンを台湾で作るのかな。

というかシグナスって何かいっつも味方に後ろから撃たれてるイメージが・・・

主要諸元
全長/幅/高 1870/685/1135mm
シート高 785mm
車軸距離 1295mm
車体重量 122kg(装)
燃料消費率 39.1km/L
※WMTCモード値
燃料容量 7.1L
エンジン 空冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 124cc
最高出力 11ps/8500rpm
最高トルク 0.93kg-m/7500rpm
変速機 Vベルト式
タイヤサイズ 前110/70-12(47L)
後120/70-12(51L)
バッテリー GT7B-4
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR7E
推奨オイル ヤマルーブ
スポーツ(10W-40)
または
スタンダードプラス(10W-40)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
交換時0.9L
スプロケ
Vベルト 2JS-E7641-10
車体価格 270,000円(税別)
※スペックは2015年モデル
系譜図
XC1801982年
CYGNUS180
(25G)
XC1251984年
CYGNUS125
(2YM)
XC125D1995年
CYGNUS125
(4KP/4TG/5CY/5NN)
2003XC1252003年
CYGNUS X/SR
(5UA)
2007XC125X2007年
CYGNUS X/SR
(28S)
2013XC125X2013年
CYGNUS X/SR
(1YP)
2015XC125X2015年
CYGNUS X SR
(1YP後期)

【関連車種】
PCXの系譜LEADの系譜TRICITYの系譜Addressの系譜

シグナスX/SR(1YP)-since 2013-

六代目シグナス

「URBAN SPORTY × SHOW OFF SPORTY」

何だかんだで初代以来となる10年選手となったシグナスXだったけど遂にモデルチェンジ。

基本的な構造はそのままに造形をLED主体の今風にした感じ。っていうか中身は何一つ変わってない。

エンジンは愚か寸法も変わらずって(まあペタルディスクに変わりましたが)

六代目シグナス

そんな馬鹿な・・・って思ったら安くなってるんですね。先代から三万円安で30万円を切るお値段に。

ちなみに下の写真はインド向けシグナスのシグナスRAY。

シグナスRAY

なんとインドのデザイン賞を取りました。

えぇ何かちょっと・・・正直日本のシグナスの方が・・・

話を戻して個人的な考えを悪乗りしつつ言わせてもらえば

シグナスXといえばネーミングからしてお高く止まってる原二って認識だったから値段を抑えるモデルチェンジしてきたのが意外。てっきり水冷化して性能アップしてくるものだとばかり・・・

というのも皆さんもご記憶に新しいと思いますが、2010年にホンダがPCXという
「超低燃費」「走り良好」「原二らしからぬ造形」「29万9250円」
という出る前から原二王者を約束されたような世界戦略車を出してきました。

PCX

もうアレよアレよという間もなく原二界はPCX一色に。しかもタイからベトナム工場への移転に伴ってモデルチェンジしちゃったから勢いは増すばかり。

ホンダに真正面からぶつかれるのはヤマハしか居ないのは紛れも無い事実なわけで、ヤマハの対PCXを待ってた人は結構いると思うわけですよ。

シグナスの主戦場は台湾で、ホンダは台湾で原付を売ってないからってアグラかいて・・・ってまあそんなわけは無いか。

って思ったらこんなバイクを出してきました。

PCX

「Next Generation Fun to Ride Commuter」

マジェスティSです。155ccの水冷エンジンを積んだ新しい小型スクーターでPCX150を超える売れ行き。

ここで思い出して欲しいのは二代目シグナスの事。二代目シグナスもマジェスティという上位互換が生まれたことでお株を奪われた。その悪夢再びです・・・ヤマハはシグナスを亡き物にしたいんだろうか。

という悪乗りはここまでにして。

真面目な話をすると言い方は悪いですが、このシグナスXのモデルチェンジは思うに延命的なもの。その根拠となっているのはヤマハの次世代小排気量エンジンの完成がすぐそこまで迫っているから。

ブルーコアエンジンという燃費が従来のエンジンに対し50%も向上という嘘みたいなエコエンジン。

ブルーコアエンジン

なんでも原二のエンジニアは勿論のこと、トヨタのエンジンを担当しているエンジニアやマリン部門のエンジニア、果てはMotoGPの担当をしているエンジニアまで、とにかくヤマハ発動機のエンジニアを総動員して作り上げたと言われています

んでこのエンジンなんですけど実は既に導入されているバイクが海外向けに出ています。

ブルーコアエンジン

NMAXというTMAXシリーズの末っ子的な存在のスクーターでPCXと同じく125と150があります。

となると当然ながらPCXと比べられるわけで、実際どうなのかって話ですが

イギリスのカタログ燃費を見る限りPCX125がMPG133.9(56.9km/L)に対しNMAXはMPG129(54.8km/L)で若干PCXが勝っています。

ブルーコアvva

ただPCXが2バルブなのに対しNMAXは4バルブで可変バルブ式なため0.5馬力ほど上。可変バルブなので体感差は数値以上に感じると思います。というか原ニも可変バルブの時代なのか。

これは3つあるブルーコアエンジンの水冷バージョンの話であってシグナスXにもこれと同じものが乗るのかは分かりませんが、少なくともブルーコアエンジンへのモデルチェンジがそう遠くないのは間違いないと思います。

なんかシグナスの話じゃなくてブルーコアエンジンの話になってしまいましたね。

ただし

「じゃあ今シグナスを買うのは時期が悪いのか」

っていうと考え方によってはちょっと違う。

何故なら今のこの装備のシグナスXにブルーコアエンジンを積んだら間違いなく30万円じゃ収まらないから。

ヤマハ シグナスX

設計が2003年と古く、次世代が控えてるという事をヤマハが考慮したからこその品質アップしつつ値下げという一風変わったモデルチェンジでありSRの一本化なわけですね。

いやーよく考えてる。

主要諸元
全長/幅/高 1870/685/1135mm
シート高 785mm
車軸距離 1295mm
車体重量 122kg(装)
燃料消費率 40.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 7.1L
エンジン 空冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 124cc
最高出力 11ps/8500rpm
最高トルク 0.93kg-m/7500rpm
変速機 Vベルト式
タイヤサイズ 前110/70-12(47L)
後120/70-12(51L)
バッテリー YT7B-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR7E
推奨オイル ヤマルーブ
スポーツ(10W-40)
または
スタンダードプラス(10W-40)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
交換時0.9L
スプロケ
Vベルト 5ML-E7641-00
車体価格 270,000円(税別)
※スペックはSR
系譜図
XC1801982年
CYGNUS180
(25G)
XC1251984年
CYGNUS125
(2YM)
XC125D1995年
CYGNUS125
(4KP/4TG/5CY/5NN)
2003XC1252003年
CYGNUS X/SR
(5UA)
2007XC125X2007年
CYGNUS X/SR
(28S)
2013XC125X2013年
CYGNUS X/SR
(1YP)
2015XC125X2015年
CYGNUS X SR
(1YP後期)

シグナスX/SR(28S)-since 2007-

五代目シグナス

シグナスX(5UA)の後期モデルに28S。

大きな違いは排出ガス規制に伴ってFI化されたこと。見た目の違いとしてはヘッドライトが尖ってウィンカーとテールライトがクリアタイプになったこと。

でもこのシグナスで偉いなと思うのはフロントディスクローターが大径化されたことかな。スクーターのブレーキって弱い事が当たり前な風潮がありますがアレ何なんでしょうね。まあコストカットなんでしょうけど。

シグナスX SR

この頃から俗にいう第二次原二ブームが巻き起こりだしたと記憶しています。写真はSR。

その中でもシグナスXは(重いことで)燃費がちょっとヨロシクナイ事を除けば王道のトップクラスって感じでしたね・・・値段もトップクラスだったから当たり前か。

台湾シグナスX

コッチは本場(?)の台湾シグナスで正式名称はシグナスX FI SPORTYといいます。

日本にも並行物が出まわってたりしますね。台湾仕様だけペタルディスクローターなんてズルい。

まあ出る台数が桁違いだから仕方ないのかな。

主要諸元
全長/幅/高 1855/685/1130mm
シート高 785mm
車軸距離 1295mm
車体重量 122kg(装)
燃料消費率 40.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 7.1L
エンジン 空冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 124cc
最高出力 11ps/8500rpm
最高トルク 0.93kg-m/7500rpm
変速機 Vベルト式
タイヤサイズ 前110/70-12(47L)
後120/70-12(51L)
バッテリー YT7B-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR7E
推奨オイル ヤマルーブ
スポーツ(10W-40)
または
ベーシック(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
定期交換時0.9L
スプロケ
Vベルト 5ML-E7641-00
車体価格 325,500円(税別)
[315,000円(税別)]
※[]内はSR
系譜図
XC1801982年
CYGNUS180
(25G)
XC1251984年
CYGNUS125
(2YM)
XC125D1995年
CYGNUS125
(4KP/4TG/5CY/5NN)
2003XC1252003年
CYGNUS X/SR
(5UA)
2007XC125X2007年
CYGNUS X/SR
(28S)
2013XC125X2013年
CYGNUS X/SR
(1YP)
2015XC125X2015年
CYGNUS X SR
(1YP後期)

シグナスX/SR(5UA)-since 2003-

四代目シグナス

「タフネス コンフォート コミューター」

先代の失敗に加えマジェスティの台頭で地に落ちていたシグナスブランドを復活させたと言っても良いんではなかろうかと思う五代目シグナスのシグナスX。

先代でブーブー文句言われていた10インチを止め12インチへとインチアップ。

そしてエンジンはなんとOHCながら4バルブしかもメッキシリンダーという無駄に贅沢な物を積んでる。いや無駄って言ったらおかしいですね、そのおかげで10.4馬力/8500rpmというピークパワーを発揮するわけですから。

メットインスペース

他にもメットインスペースが27Lに拡大されたりリアがツインサスになって乗り心地が向上したりといった非常に行き届いた作りになりました。(写真は次モデル)

後ろ姿

まあでもシグナスXが大成功と言えるほど売れた一番の理由はやっぱりデザインでしょうね。オッサン臭さが全くと言って程なくなった。

ヘッドライトをアッパーではなくボディに、それも下の方に埋め込む斬新なスタイルは今となってはシグナスのトレードマーク。

SR

そして翌年にはお馴染みというか今ではメインに取って代わられたSRモデルも登場。

三段階調節機能付きリアサスと専用のカラーリングを施されたモデル。晩年にはキャリパーのレッド塗装も加わりました。

主要諸元
全長/幅/高 1855/685/1110mm
シート高 755mm
車軸距離 1295mm
車体重量 119kg(装)
燃料消費率 46.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 7.1L
エンジン 空冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 124cc
最高出力 10.4ps/8500rpm
最高トルク 0.94kg-m/7500rpm
変速機 Vベルト式
タイヤサイズ 前110/70-12(47L)
後120/70-12(51L)
バッテリー YTX7A-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR7E
推奨オイル エフェロプレミアム(10W-40)
または
エフェロスポーツ(10W-40)
または
エフェロベーシック(20W-40|10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.1L
交換時0.9L
スプロケ
Vベルト 5ML-17641-00
[5ML-E7641-00]
※[]内は06以降
車体価格 309,000円(税別)
系譜図
XC1801982年
CYGNUS180
(25G)
XC1251984年
CYGNUS125
(2YM)
XC125D1995年
CYGNUS125
(4KP/4TG/5CY/5NN)
2003XC1252003年
CYGNUS X/SR
(5UA)
2007XC125X2007年
CYGNUS X/SR
(28S)
2013XC125X2013年
CYGNUS X/SR
(1YP)
2015XC125X2015年
CYGNUS X SR
(1YP後期)

シグナス125/D/Si/SV(4KP/4TG/5CY/5NN)-since 1995-

二代目シグナス

三代目にあたるシグナス125(4KP)

このモデルからは台湾ヤマハ製造となりました。

えーっと、最初にオーナーの方が居たら誤っておきますゴメンナサイ。というのはヤマハらしかぬ不人気車だったから。

シグナスといえば先鋭的なデザインと上質感で長距離も熟せるゆとりあるスクーターって感じだったんだけど、台湾製になってからデザインが・・・いやまあ台湾の人からしたらこれが先鋭的なのかもしれないけどね。

しかも幸か不幸かヤマハは同年にマジェスティを出してるんです。

初代MAJESTY

「大人のセダン」

というコンセプトで言ってみればソレまでのシグナスが持っていたコンセプトの上位互換のようなバイク。しかも大ヒット。

だから原二の方はデザインより実用性だろってヤマハが判断したのかもしれない・・・

でもあまりの不人気っぷりからヤマハは結構テコ入れというか色々出しました。

翌年にはフロントをディスクブレーキにしたスペイシーみたいな三代目シグナス125D(4TD)

シグナス125D

そして1998年にはデザインをガラリと変えて更に実用性を高めるべくコンパクト軽量になった四代目のシグナス125Si、そして2001年にはDとSiのイイトコ取り(ディスクブレーキのSi)な五代目シグナスSVが出ました。

シグナス125SV

シグナスというよりジョグっぽいですねSiやSVって。10インチだからそう見えちゃうのかな。

これらは併売、統合などがあったので○代目というのはちょっと違うんだけどまあ細かいことは気にしないで下さい・・・

しかしこれらのモデル展開でも人気は回復すること無く、125SVが出た2年後にXへとバトンタッチされることになりました。

さてここでシグナスマニアは出てないシグナスがあることに気付かれてると思います。というか私も完全に忘れてました。

それはこのシグナス125より先の1992年に出た台湾シグナス。

その名はシグナスGT150(4DH)

シグナス150

果たして知っている(覚えている)人がどのくらい居るのか疑問ですがちゃんと日本でも発売されました。

実はこのGT150は水空冷エンジンというとってもユニークなエンジンを積んでいます。エンジンのヘッド部分は水冷でシリンダーは空冷。

それにしても、うーん・・・この頃のシグナスは良くも悪くも最もオジサマシグナスですね。

というか何処らへんがはくちょう座の要素が無い。

主要諸元
全長/幅/高 1840/705/1105mm
シート高 755mm
車軸距離 1220mm
車体重量 104kg(乾)
燃料消費率 70.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 7.8L
エンジン 空冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 124cc
最高出力 10.0ps/8000rpm
最高トルク 1.9kg-m/6000rpm
変速機 Vベルト式
タイヤサイズ 前後3.50-10-51J
バッテリー YTX7A-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR7E
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.2L
交換時1.0L
スプロケ
Vベルト 4CW-17641-01
車体価格 279,000円(税別)
系譜図
XC1801982年
CYGNUS180
(25G)
XC1251984年
CYGNUS125
(2YM)
XC125D1995年
CYGNUS125
(4KP/4TG/5CY/5NN)
2003XC1252003年
CYGNUS X/SR
(5UA)
2007XC125X2007年
CYGNUS X/SR
(28S)
2013XC125X2013年
CYGNUS X/SR
(1YP)
2015XC125X2015年
CYGNUS X SR
(1YP後期)

シグナス125(2YM)-since 1984-

シグナス125

125としては初めてとなるシグナス2YM

基本的には先代の180と同じコンセプトで二人でゆったり長距離を走れる125。

その要素として挙げられるのが大型キャリアと一軸バランサーを搭載したOHCエンジン。そのおかげで振動も少なく非常にジェントルな原二になってる。

ちょっと話が逸れるけど原付レベルのエンジンに一軸バランサーを入れるのは結構異例な事。

ソレは何故かと言えば一軸バランサーを入れると振動が抑えられる代わりにエンジン出力を10%前後もロスしてしまう事になる。そして何よりコストアップ。

だから小排気量に一軸バランサーを入れるのは普通ではあまり無いんだけど敢えて搭載した。

シグナス125後期

でもその狙いが的中してジェントルなスクーターだと見事に大ヒット。2stのリード、4stのシグナスとして人気を二分する存在となりました。

1988年に足回りとシートの見直しが入った後期モデルが出た後も売れ続け終わってみたら10年以上発売されていたロングセラースクーター。

あとまあバイクだから目の肥えた人たちには想像が付かないかもしれないけど当時はデザインも先鋭的だと評判になりました。

主要諸元
全長/幅/高 1880/650/1095mm
シート高 760mm
車軸距離 1250mm
車体重量 91kg(乾)
燃料消費率 70.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 7.0L
エンジン 空冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 124cc
最高出力 11ps/8000rpm
最高トルク 1.1kg-m/6500rpm
変速機 Vベルト式
タイヤサイズ 前後3.50-10-4PR
バッテリー YB7C-A
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
C6HSA
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
スプロケ
Vベルト
車体価格 249,000円(税別)
系譜図
XC1801982年
CYGNUS180
(25G)
XC1251984年
CYGNUS125
(2YM)
XC125D1995年
CYGNUS125
(4KP/4TG/5CY/5NN)
2003XC1252003年
CYGNUS X/SR
(5UA)
2007XC125X2007年
CYGNUS X/SR
(28S)
2013XC125X2013年
CYGNUS X/SR
(1YP)
2015XC125X2015年
CYGNUS X SR
(1YP後期)

バンバンRVシリーズ -since 1972-

バンバン50

今のバンバンとは直接関係ないんだけどバンバンという名前が最初に生まれたのは1972年の事。

実はこの頃レジャー風ミニバイク人気が高まっていた。

火付け役となったのは1969年に出たホンダのDAX。まあもともとモンキーとかあったけどね。

ST50ダックス

余りの人気っぷりから1995年に再販された歴史を持つ名車。

それを見たスズキが出したのがバルーンタイヤを履かせた一風変わったミニバイクであるバンバン。

これが見事にレジャーミニバイク層の心を射止めました。

バンバン50

可愛いルックスで何処でも走れちゃう原付。売れないわけないよね。

そこからミニバイクの中のレジャーバイクカテゴリが一気に高まった。

ミニトレ

FT&GT50/80(ミニトレ)っていうミニDTで大成功してたヤマハですら、この出遅れたレジャーバイク車を追うために。

ヤマハジッピィ
ボビィ

ジッピィ&ボビィ(更に言うならボビィやチャッピー等)を出して競争が激化。

当時は本当に原付一種二種が凄かったんです。

CB50やRG50といった本格派原付がある一方で、このバンバンといったレジャーミニバイクも各社から手当たり次第に出てて、当時の若者にとって原付って言えばスクーターじゃなくてMTバイクが当たり前だった。

RV50カタログ

今現在のバイク人口比率で40代~のバイク乗りが多いのは、こういった時代というか土台があったからなんですね。こういったオモチャ感覚で乗れるバイクが中古なら数万円で買えた時代。

今とは大違いというかもう無いし、今このDAXやミニトレやバンバンRVやマメタンを買おうと思ったら20万近く出さないと買えないっていう。

スズキのレジャーバイク

またミニバイクブーム来ないかなあ・・・

主要諸元
全長/幅/高
シート高
車軸距離
車体重量 84|86|88|105kg(乾)
燃料消費率
燃料容量
エンジン 空冷2サイクル単気筒
総排気量 49|72|88|123cc
最高出力 22ps/8500rpm
4000~6000rpm
最高トルク 0.5|0.83|1.0|1.4kg-m
4000~6000rpm
変速機
タイヤサイズ
バッテリー
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
スプロケ
チェーン
車体価格 ※RV50|RV75|RV90|RV125
系譜図
バンバン50 1972年
VanVan
RVシリーズ
SX200R 1985年
SX200R
(SH41A)
djebel200 1993年
DJEBEL200/DF200E
(SH42A)
先代バンバン200 2002年
VanVan200
(NH41A)
バンバン200 2007年
VanVan200
(NH42A)

GSX-R125(DL33B)-since 2018-

GSX-R125/DL33B

「A GSX-R to Revolutionize The Lightweight Class」

GSX-S125から約三ヶ月遅れで登場したGSX-R125/DL33B型。

基本的な部分はGSX-S125/DL32B型のページで紹介した内容とほぼ同じで、相違点として上げられる要素はほぼ2つだけなのです・・・が、このたった2つの要素がSとRを大きく分ける事になっています。

GSX-R125とGSX-S125

一つは見て分かる通りフルカウルになっている事で、S125の方がサイドを張り出すような形にしてボリューム感を出しているのに対し、R125は絞り込んでコンパクトに見える形に。

これはR125の場合、前方投影面積を削ることで少しでも空気抵抗係数を減らし加速や最高速を上げる狙いのため。

GSX-R125の諸元

そしてもう一つはハンドル。

セパレートハンドル化され、ポジションが前傾姿勢のものになっています。跨ってみて結構前傾している事に驚いた人も多いかと思います。

GSX-R125とGSX-S125のポジション

これもライダーを寝かせて前方投影面積を減らすことと、荷重移動を積極的に行いやすくするため。分かりやすく言うと前輪に全てを託して高速コーナーに突っ込んでいくため。

これらの事からも分かる通りGSX-S125が街乗りからワインディングまでのスポーツに焦点を当てているのに対し、GSX-R125はワインディングからサーキットなど高速スポーツに焦点を当てています。

GSX-R125の販促

だからというか余計な話ですが、もしも初バイクやメインバイクとしてGSX-S125かGSX-R125かで悩んでいるなら間違いなくS125をオススメします。理由はS125の方がポジションの自由度が高く、街乗りからツーリングはもちろんミニサーキットまでイケる汎用性能を持っているから。

一方でR125は街乗りならまだしもツーリングなどでポジションのキツさから苦行に感じる可能性が高い・・・でもそれでこそGSX-R125。

サーキット性能

GSX-R125はスーパースポーツだからです。だからこそ、こういう短所があって当たり前。

このモデルはGSX-S125FでもないしGSX125Rでもない。

『GSX-R125』

なんです。

そしてそう名乗るに相応しい正真正銘の125トップパフォーマーになっている。

その証拠にGSX-R125の短所を短所と思わない人たち、スポーツバイクを既に何台も乗り継いでいる人たちや、いわゆるサーキット沼にハマった人たちからはベース車のベストバイとして非常に人気が出ている。

ちなみにGSX-R125の商品企画を担当された中場さんいわくGSX-R125は1991年から発売された125レーサーレプリカである

『RG125Γの再来 ※熱烈スズキGSX-Rより』

をイメージしてこのモデルを企画したとの事。とてつもない軽さと、上まで回すことで初めて無類の速さを誇る辺り、言われてみれば確かに・・・。

ただ個人的にGSX-R125が一番スーパースポーツだなと感じるのは、まだそこまでではないものの、現在進行系で深みに足を踏み入れてしまった人たちの反応だったりします。

GSX-R125のカタログ

「前傾キツいけどカッコいいから許せちゃう」

という反応。これぞ正にスズキが誇るスーパースポーツGSX-Rである証左かと。

主要諸元
全長/幅/高 2000/700/1070mm
シート高 785mm
車軸距離 1300mm
車体重量 134kg(装)
燃料消費率 44.7km/L
※WMTCモード値
燃料容量 11.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC単気筒
総排気量 124cc
最高出力 15ps/10000rpm
最高トルク 1.1kg-m/8000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前90/80-17(46S)
後130/70-17(62S)
バッテリー FTZ5L-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CPR8EDX-9S
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.5L
交換時1.3L
フィルター交換時1.4L
スプロケ 前14|後45
チェーン サイズ428|リンク122
車体価格 358,000円(税別)
系譜図
GSX-S125 2017年
GSX-S125
(DL32B)
GSX-R125 2018年
GSX-R125
(DL33B)

GSX-S125(DL32B)-since 2017-

GSX-S125

「The spirit of GSX-R ready for street」

2017年に登場したスズキのGSX-S125/DL32B型。

・前後17インチ
・水冷DOHC単気筒15馬力エンジン
・新設計バックボーンフレーム
・六速ミッション
・ABS標準装備
・液晶デジタルメーター

などなど紛れもなくフルスペック125といえる形で鮮烈デビューを飾りました。

GSX-S125のこのパワフルなエンジンは製造国でもあるインドネシアでスポーツモデルとして売られ絶大な人気を得ているサトリアF150というモデルに使われているものがベースになります。

サトリア150

これに使われているエンジンをベースにストロークを7.6mm下げ、メッキシリンダー加工による耐摩耗性と耐熱性を向上させたものを搭載。

これにより上までキッチリ回る

『15馬力/12000rpm』

という125としては上限とも言える馬力を叩き出す事を達成。

エンジン

ちなみになんで上限と言えるか補足すると、GSX-S125のメイン市場は日本と欧州になるんですが、欧州では125ccは15馬力が日本で言う原付免許の上限だから。

このようにエンジンは基本的に既製品を流用しコストを抑えたことで125としてトップパフォーマーを誇りつつも車体価格は約33万円と抑えた・・・だけじゃないのが凄いところ。

GSX-S125は実は15馬力エンジンに負けないくらい車体の方にコストが掛けられているんです。

フレーム

まずなんと言ってもメインフレームで、GSX-S125(と一部の国向けの150)のためだけに開発された完全新設計のバックボーンタイプという骨格を持っているわけですが、フルサイズ125にも関わらず

・装備重量でわずか133kg
・ホイールベースが1300mmと極端に短い

という尖った要素を持つ事が可能となったのは紛れもなくこれのおかげ。

諸元

250など上のクラスと車体を共有するのではなく

「専用フレームをわざわざ新設計したから」

にあります。

これだけホイールベースが短いにも関わらずクイックさはそのままに17インチらしい素直な操安性を確保しているのも、そしてシートがかなり絞られ脚付きやポジションが悪くないのも全ては専用フレームありきで開発されたからという理由が大きい。

更にダメ押しとなるのが、クイックさと操安性を両立させるためダンロップと協力し専用タイヤ(D102)まで開発し、それを支えるリアサスペンションもこのクラスとしては非常に珍しくリンク式サスペンションを採用。

リンク式サスペンション

DOHCの15馬力エンジンに専用フレームで、リンク式モノサスで17インチにも関わらず133kgと相当軽い。

『お下がりじゃない17インチ125スポーツ』

と言える本当に文句のつけようが無い125。それでいて車体価格が35万円程度というのは流石スズキ。

初っ端にして全力、気合入れすぎとさえ言えるもので、どうしてここまでのモデルを用意したのかって話。アジアで需要が増しているレースを含む市販車スポーツ需要(あっちは主に150)に応えるためだろうと思っていたんですが、理由はそれだけではなく答えの一つは装備にありました。

電装系

GSX-S125はLEDヘッドライトはもちろん、メーターもフル液晶ディスプレイ。加えて立派なアンダーカウルまで標準装備されている。正直ここまでの装備は不要じゃないのかとさえ思えるんですが、何故そこまでしたのかというと

カタログ写真

「俺はGSX-S125を買うんだ」

と言いながら開発していたメンバーが、車体設計を始め多く居たからという単純な話。※GSX-S完全ファイルより

主要諸元
全長/幅/高 2000/745/1035mm
シート高 785mm
車軸距離 1300mm
車体重量 133kg(装)
燃料消費率 44.7km/L
※WMTCモード値
燃料容量 11.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC単気筒
総排気量 124cc
最高出力 15ps/10000rpm
最高トルク 1.1kg-m/8000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前90/80-17(46S)
後130/70-17(62S)
バッテリー FTZ5L-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CPR8EDX-9S
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.5L
交換時1.3L
フィルター交換時1.4L
スプロケ 前14|後45
チェーン サイズ428|リンク122
車体価格 328,000円(税別)
系譜図
GSX-S125 2017年
GSX-S125
(DL32B)
GSX-R125 2018年
GSX-R125
(DL33B)

Bandit1250S/F(GW72A後期)-since 2015-

2015年式bandit1250s

「All Round Performer」

マイナーチェンジが入ったbandit1250の最終モデルになるGW72A後期型。

主な変更点はアイドルの回転数を調整するISC(アイドルスピードコントロール)とSモデルのハーフフェアリング造形の変更。

バンディット1250フェイス

ラジエーターまで覆い隠すほど伸びたヨーロピアンチックな物になり、エンジンとホイールに次いでハンドル周りまでブラックアウト化して引き締まった印象に。

2015年式バンディット1250F

しかし残念な事に2018年の排ガス規制強化に伴い生産終了となってしまいました。

GSX-Sの登場でお役御免という形でしょうか。

最後に少し小言。

バンディット1250はスズキのネイキッドとしては代表作と言ってもいいほどの物だったんですが、ライバル勢と比べると少し影が薄かったのも事実。

2010年式GSF1250

でもですね、そこら辺のインプレサイトでもいいし実際に乗ったことがある知人でもいいのでbandit1250の感想を聞いてみてください。

下取りが安いという事を除けば悪い意見はほぼ聞かないと思います。

このbandit1250は本当にビッグネイキッドにあるまじき乗りやすさと楽しさを兼ね備えていたんですよ。

bandit1250ファイナル

それが何故かといえば、ビッグネイキッドなのにモノサスだから。そしてビッグネイキッドなのにSSのようなコンパクトさをもったエンジンとボディだから。

2018年式bandit1250

bandit1250はビッグネイキッドであることを魅せるのではなく、ビッグネイキッドとしての走りで乗り手を魅せるバイクでした。

主要諸元
全長/幅/高 2130/790/1235mm
{2130/790/1245mm}
シート高 790~810mm
車軸距離 1480mm
車体重量 252kg(装)
{256kg(装)}
燃料消費率 27.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 19.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 1254cc
最高出力 100ps/7500rpm
最高トルク 10.9kg-m/3500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70-17(58W)
後180/55-17(73W)
バッテリー FT12A-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR6E/CR7E
または
U20ESR-N/U22ESR-N
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.7L
交換時3.0L
フィルター交換時3.5L
スプロケ 前18|後41
チェーン サイズ530|リンク116
車体価格 1,030,000円(税別)
{1,070,000円(税別)}
※{}内はバンディット1250F
系譜図
GSF12001995年
GSF1200/S
(GV75A/B)
イナズマ12001998年
INAZUMA1200
(GV76A)
Bandit1200/S2000年
Bandit1200
(GV77A)
2006Bandit1200/S2006年
Bandit1200/S
(GV79A)
Bandit1250/S2007年
Bandit1250/S/F
(GW72A)
Bandit1250後期2015年
Bandit1250/S/F
(GW72A後期)

【関連車種】
CB1300の系譜XJR1300の系譜ZRX1200DAEGの系譜