WOLF(VJ21A)-since 1988-

ウルフ250

「街はウルフだ。」

RGV250ガンマと同年デビューしたネイキッド版にあたるWOLF/VJ21A型。

型式がガンマと同じことからカウルを剥いただけと勘違いされがちですが実は結構変わっています。

まず中低速域での使い勝手を考えリアスプロケットを46Tに変更。更にネイキッドという事でエンジンをブラックアウト化。そして軽快なハンドリングを実現させるために、わざわざフロントディスクをシングル化してバネ下重量の軽減まで。

スズキウルフ

もちろん市街地などでの仕様を考えてポジションも起きたものになっています。

翌89年には先に紹介したガンマと同じ電子制御化を中心とした変更点に加えステップ位置を更に前進させポジションが更に楽なものに。

三年目にして最終モデルである90年型ではキャブセッティングやフューエル周りの改良が加わっています。

ちなみに何故ウルフを出したのか疑問だったんですが、これについては横内さん曰く

ウルフ250カタログ写真

「(レプリカ)ブームはいつか去る、だからブームに甘んじない新しい物を作る必要があると考えた」

とのこと。

ウルフはレプリカブームに沿ったものではなかったので人気は出ませんでした。

でもその割に今でも一部で根強い人気がある事や

「あの時に買っておけばよかった」

と言われるのはブームに流されていない新しい2stスポーツの形だったからでしょうね。

主要諸元
全長/幅/高 1990/700/995mm
シート高 755mm
車軸距離 1380mm
車体重量 125kg(乾)
燃料消費率
燃料容量 17.0L
エンジン 水冷2サイクル2気筒
総排気量 249cc
最高出力 45ps/9500rpm
最高トルク 3.8kg-m/8000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前110/70-17(53H)
後140/60-18(64H)
バッテリー FT4L-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
BR9ES
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.1L
スプロケ 前14|後46
チェーン サイズ520|リンク114
車体価格 509,000円(税別)
系譜図
RG250/E1978年
RG250/E
(GT250/2)
RG250Γ1983年
RG250Γ
(GJ21A)
RG250Γ1985年
RG250Γ
(GJ21B)
VJ211988年
RGV250Γ/SP
(VJ21A)
VJ211988年
WOLF
(VJ21A)
VJ221990年
RGV250Γ/SP/SP2
(VJ22A)
VJ231996年
RGV-Γ250SP
(VJ23A)

RGV250Γ/SP/SP2(VJ21A)-since 1988-

RGV250Γ/VJ21A

「BRAND-NEW V」

後出しジャンケンに苦汁をなめさせられていた状況を打開するためVツイン型へと生まれ変わったRGV250Γ/VJ21A型の通称Vガン。

先代までの並列二気筒モデルはパラレルツインだからパラガンと言います。

VJ21Aエンジン

ちなみに何故レーサーレプリカがV型に落ち着いたのか簡単に言うと、2stスポーツのクランクケース式は混合器が下から上に行く仕組みなので燃焼室とは別に混合器が上に行く通路が必要になる。横に二つ並んだ並列でそれをやろうと思うとエンジンが大きくなる上にクランクシャフトも長くなるので重量や剛性、それにフリクションロスが発生してしまう。

だからシリンダーを前後に分けるV型にしたほうが何かと都合が良いんですね。250cc程度ならVツイン特有の全高も問題にならないですし。

VJ21Aフレーム

それに合わせられるフレームもエンジン同様に完全新設計の高剛性アルミツインスパーフレーム。

もちろん見て分かる様に外装も大きくスラント化された新設計のもの。

VJ21A SP

ちなみにこのモデルから市販車レース(SP250/F3)向けのSP仕様も登場。

・クロスミッション
・フルアジャスタのフロントフォーク
・リザーバー別体式リアサスペンション
・シングルシート
・専用キャブ(前期のみ)
となっています。ちなみにクロスミッションだけ採用していないモデルがSP2です。

そしてそしてVJ21A型と言えばこれですね。

pepsi

一時撤退していたWGPに復帰したRGV-Γ500と同じカラーリングのシュワンツペプシバージョン。

世界レースでこのペプシカラーを纏い、赤白カラーリングのライバル(意味深)と熾烈なバトルを繰り広げた当時を知る人にはたまらないカラーリング。

なお型式は同じVJ21A型でも翌89年モデル(コードK)では
・スロットルポジションセンサー
・エアソレノイドバルブ
など吸気/点火/排気系のデジタル制御化が加わっています。

主要諸元
全長/幅/高 2015/695/1065mm
シート高 755mm
車軸距離 1375mm
車体重量 128kg(乾)
燃料消費率
燃料容量 17.0L
エンジン 水冷2サイクル2気筒
総排気量 249cc
最高出力 45ps/9500rpm
最高トルク 3.8kg-m/8000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前110/70-17
後140/60-18
バッテリー YT4L-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
BR9ES
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.1L
スプロケ 前15|後46
チェーン サイズ520|リンク114
車体価格 569,000円(税別)
[609,000円(税別)]
※[]内はSP
系譜図
RG250/E1978年
RG250/E
(GT250/2)
RG250Γ1983年
RG250Γ
(GJ21A)
RG250Γ1985年
RG250Γ
(GJ21B)
VJ211988年
RGV250Γ/SP
(VJ21A)
VJ211988年
WOLF
(VJ21A)
VJ221990年
RGV250Γ/SP/SP2
(VJ22A)
VJ231996年
RGV-Γ250SP
(VJ23A)

RG250Γ(GJ21B)-since 1985-

250ガンマ三型

「第三章、豊饒のガンマ」

外見も中身も大幅に変更された後期モデルのB型。

キャスターやトレール角の見直し。そしてフロントサスにはプリロード調整機能を新たに追加しリアにはフルフローターサスペンションを搭載。

RG250三型

更に排気デバイスSAEC(Suzuki Automatic Exhaust Control)を採用する事で排気脈動の最適化を図り、中低速のトルクの谷間を解消。

これにより走りに更に磨きが掛かったわけです・・・が、まあアチコチで言われている様にこの頃からRG250Γは立場が危うくなります。

というのもRG250Γの爆発的なヒットで公道レーサー需要の高さが分かった事から、TZR250(1KT)やNSR250R(MC16)といったライバル車が登場したからです。RG250で話したRZ250の悪夢再びです。

この三つ巴(後にカワサキも参戦)になった事から、250でレーサーレプリカブームが巻き起こる事になります。

RG250GAMMA四型

スズキも対抗するため、翌86年の四型ではウィンカーのプッシュキャンセル化、サイドスタンドの警告灯装備など使い勝手を向上する改良。

更にはウォルターウルフカラーも限定販売。

ウォルターウルフ250ガンマ

ちなみにウォルターウルフっていうのはオイルビジネスで成功したオーストリア出身の実業家の事。

大のランボルギーニ好きでF1にも参戦していました。

当時スズキは全日本500クラスをこのカラーリングを纏ったRG-Γで戦っており、そのカラーリングを市販車にも持ってきたというわけ。

ウォルターウルフ

レーサーと同じカラーリングを纏ったバイクというのは今でこそ珍しくないけど、その始まりは実はこれ。

ただ厳密に言うとこれはスポンサーカラーではなくスズキから申し出て採用されたカラーリングなんです。だからカタログにも”参戦”とは書かれず”登場”とか”共鳴”とか書かれている・・・あまりにも似合いすぎてて知りませんでした。

RG250GAMMA五型

最終となる87年の五型ではアンチノーズダイブが廃止され、ディスクローターの大径化や中空キャストホイール&リアタイヤのワイドリム化など足回りが強化されました。

主要諸元
全長/幅/高 2010/675/1170mm
シート高 735mm
車軸距離 1355mm
車体重量 128kg(乾)
[130kg(乾)]
燃料消費率
燃料容量 17.0L
エンジン 水冷2サイクル2気筒
総排気量 247cc
最高出力 45ps/8500rpm
最高トルク 3.8kg-m/8000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前100/90-16(54H)
後110/80-18(58H)
バッテリー FB5L-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
B9ES
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.2L
スプロケ 前14|後37
チェーン サイズ520|リンク110
車体価格 460,000円(税別)
[480,000円(税別)]
※[]内はアンダーカウル付き
系譜図
RG250/E1978年
RG250/E
(GT250/2)
RG250Γ1983年
RG250Γ
(GJ21A)
RG250Γ1985年
RG250Γ
(GJ21B)
VJ211988年
RGV250Γ/SP
(VJ21A)
VJ211988年
WOLF
(VJ21A)
VJ221990年
RGV250Γ/SP/SP2
(VJ22A)
VJ231996年
RGV-Γ250SP
(VJ23A)

RG250Γ(GJ21A)-since 1983-

RG250Γ

「SUPER CHAMPION」

レーサーレプリカブームの火付け役として今も語り継がれる『栄光のΓ(ガンマ)』ことRG250Γ/GJ21A型。

そもそも何故ガンマが栄光なのかと言うと

一つは”栄光や勝利”という意味の古代ギリシャ語

『ゲライロウ:ΓεραIρω』

の頭文字から。

そしてもう一つはWGP500(今で言うMotoGP)チャンピオンマシンがRG-Γだから『栄光のΓ』なんです。

ウィニングヒストリーオブRG

このカタログ裏にズラッと並んでいるのがRG-Γが勝ったレース。

1976~1977年、1981~1982年と世界チャンピオンを獲得。恐らくスズキがレースで一番輝いていた時期。

では何故RG250Γが誕生することになったのかというと、二年ほど時代をさかのぼります。

海外カタログ

当時スズキの二輪部門はHY戦争の巻き添えにより100億円近い赤字を出していました。

>>HY戦争の解説

そのため活躍していたWGPからの撤退を余儀なくされるだけでなく、二輪事業そのものの撤退まで検討されるように。

そんな折に耳に入ったのが

「国土交通省がフェアリング(カウル)を認めるようになった」

という情報。

横内さん

これを二輪事業挽回のチャンスだと捉えた横内さんは、今までにないフェアリング付きのスポーツバイクを造る企画を始動。

その企画会議である若手が放った一言

「ガンマという名にしよう」

この一言で企画の方向性が決定的なものになりました。

いま説明したようにガンマという名前はスズキのGPレーサーを意味する名前。つまりガンマという名前のバイクにするということは公道を走れるGPレーサーにするという事。

しかしこれに反対する人は一人も居なかったそうです。それどころかチームはやる気に満ち溢れ

「ガンマと名乗る以上は絶対にその名を汚してはいけない」

として速さはもちろん絶対条件として採用されたのが有名な

『市販車初のアルミフレーム』

であるAL-BOXフレームです。

AL-BOXフレーム

当時はフレームといえば鉄が当たり前。アルミフレームなんてワンオフのレーサーくらい。

コストも10倍ほど違う事から当然ながら上から大反対に合い

「絶対にダメだ、クビにするぞ」

と常務から釘を差されるほどだったんですが横内さんが

「このままでは二輪事業が撤退になる。まだ何処も挑戦していないアルミフレームで勝負すれば成功するだけでなくスズキのブランドと技術力のアピールにもなる。」

と譲らず何度も説得する事でなんとか了承を得ることに成功し、溶接技師を掻き集め教育する事からスタート。

※当時はアルミ溶接機械が無かった時代

GJ21A壁紙

この市販車初のアルミフレームにはそんなドラマが詰まっているんです。

もちろんアルミフレームやフェアリングだけでなく

・クラストップの45馬力
・アルミバックステップ
・多段テーパーチャンバー
・フロント16インチホイール
・セパレートハンドル

など絢爛豪華な造りで圧倒的なマシンになりました。

しかし同時に車体価格も46万円(400クラス並)という圧倒的な高さになってしまった・・・絶対に成功させないといけない車種でこの高値。

横内さんも迷ったそうですが

「これだけの性能なんだからみんな分かってくれる。」

とユーザーを信じコストカットすることなく発売。

GJ21Aカタログ写真

結果はこうして歴史に大きく名を刻んでいる通り

「公道を走れるGPレーサーだ」

として大きく話題となり大ヒット。レース界隈ではこのバイクじゃないと勝負ならないほどでした。

そしてその勢いは留まる事を知らず翌84年には通常2型にマイナーチェンジ。

HBガンマ

カウルデザインが全体的にスラント化され、アルミフレームも剛性が上がったAL-BOXからMR-ALBOXへ進化。

更には対向4POTキャリパーとリア2POTのDECA(10の意味)PISTONを採用。

GJ21A壁紙

これらの改良で、既にクラスナンバー1だったパワーウェイトレシオから更に4kgも軽量化。

窮地に陥っていたスズキ二輪を救うと共に、スズキの技術力とブランド力を大いに示す結果となりました。

主要諸元
全長/幅/高 2050/685/1195mm
シート高 785mm
車軸距離 1385mm
車体重量 131kg(乾)
燃料消費率 45.3km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 17.0L
エンジン 水冷2サイクル2気筒
総排気量 247cc
最高出力 45ps/8500rpm
最高トルク 3.8kg-m/8000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前100/90-16(54S)
後100/90-18(56S)
バッテリー FB5L-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
B9ES
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.2L
スプロケ 前14|後37
チェーン サイズ520|リンク110
車体価格 460,000円(税別)
系譜図
RG250/E1978年
RG250/E
(GT250/2)
RG250Γ1983年
RG250Γ
(GJ21A)
RG250Γ1985年
RG250Γ
(GJ21B)
VJ211988年
RGV250Γ/SP
(VJ21A)
VJ211988年
WOLF
(VJ21A)
VJ221990年
RGV250Γ/SP/SP2
(VJ22A)
VJ231996年
RGV-Γ250SP
(VJ23A)

RG250/E(GT250/2)-since 1978-

1978RG250E

「みなぎるスポーツ感」

最初にRGの名を付けられたのはこのRG250/E。

一見すると名前くらいしか繋がりが無いように思えますが、実は結構繋がっています。

スポークホイールタイプが無印で、二年後に出されたキャストホイールを履いたタイプがRG250E。

今でこそ普通に見えるけど、スズキのWGPマシンだったRG(Racer ofGrandprix)と同じ名が付いている通りバリバリのスポーツ250。

RG250Eカタログ写真

じゃあ何故これほど知名度が無いのかと言えば、この頃(70年代後半)は4st化の流れが巻き起こっており2stは時代遅れという風潮だったから。

しかしヤマハからRZ250が登場し、それまでが嘘のように2stスポーツが再び脚光を浴びる様になったわけです。

有名な話ですね・・・が、ちょっと待ってほしいんです。

RG250E

そんなRZ250は1980年、対してこのRG250はその二年前の1978年。

5馬力ほど低いものの、2st250スポーツとしてはRG250の方が先に出ている。

というかですね、このRG250にも先代にあたる1971年登場のGT250が、その前にあたる1965年にはT250が居ます。

T250

果ては1956年のコレダ250シリーズなどスズキは時代に関係なくずっと2st250スポーツを造り続けていました。

しかもRG250は当時としては非常に珍しい250専用フレームに加え、認可が下りたばかりのキャストホイールをいち早く採用するというガンマに通ずるコンセプトを持っていた。

スズキRG250E

なのにうんともすんとも言わず誰も覚えていない。

これが何故かといえば当時は

「スズキ車はオジサン臭い」

と捉える人が多かったからですね。

まあこの問題があったからこそKATANAが生まれたわけですが、実はこのスズキ2st250スポーツの歴史はガンマ誕生にも一役買っているんです。

というもガンマを始めとした数々の名車を生み出してきた横内さんがスズキに入社した理由が、子供の頃にコレダ250TTの圧倒的な速さを目の当たりにしたことだから。

コレダ250TT

走って追いかけてオーナーにスズキのバイクである事を聞き、スズキに入社する事を決意されたんです。

もしもスズキが2st250スポーツを造っていなかったらWGPチャンピオンになることも、カタナやガンマが生まれる事も無かったかも。

主要諸元
全長/幅/高 2005/760/1055mm
シート高
車軸距離 1320mm
車体重量 126kg(乾)
燃料消費率 40km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 15.0L
エンジン 空冷2サイクル2気筒
総排気量 247cc
最高出力 30ps/8000rpm
最高トルク 2.9kg-m/7000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前3.00-18
後3.25-18
バッテリー FB5L-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
B9ES
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.5L
スプロケ
チェーン
車体価格 279,000円(税別)
系譜図
RG250/E1978年
RG250/E
(GT250/2)
RG250Γ1983年
RG250Γ
(GJ21A)
RG250Γ1985年
RG250Γ
(GJ21B)
VJ211988年
RGV250Γ/SP
(VJ21A)
VJ211988年
WOLF
(VJ21A)
VJ221990年
RGV250Γ/SP/SP2
(VJ22A)
VJ231996年
RGV-Γ250SP
(VJ23A)

V-STROM1050/XT(EF11M)-since 2020-

ブイストロム1050

「THE MASTER OF ADVENTURE」

2020年排ガス規制であるEURO5を契機にモデルチェンジされたV-STROM1050/XTのEF11M型。

最初に主な変更点を上げると

・LEDヘッドライト
・6段階の輝度調整が可能なフル液晶メーター
・クランクケース樹脂カバー
・3段階スクリーン調整(工具必要)
・新設計セパレートシート
・アルミテーパーハンドル
・鉄製フットレスト
・USB端子
・スロットルバイワイヤ(電子スロットル)
・スロットルボアを拡大
・3パターンの出力特性が選べるSDMS
・IMUを5軸から6軸へ
・トラコン制御をOFFを含む3段階から4段階へ

などの変更が入っています。

※スリッパークラッチやローRPMアシストは先代に引き続き搭載

ブイストロム1050XT

スポークホイールモデルであるXTの方はそこからさらに

・後下がりを防ぐヒルホールドコントロール
・勾配に応じたABS制御を行うスロープディペンデントコントロール
・前後を連動させ自然に制動距離を短くするロードディペンデントコントロール
・モーショントラックブレーキ(前後連動2モードABS ※先代は標準)
・クルーズコントロール

などの最新電子制御機能に加え

・LEDウィンカー
・クリアテールレンズ
・シート下に12VのACC電源
・新型ミラー
・センタースタンド
・パニアステー
・エンジンガード
・ナックルガード
・11段階スクリーン(工具不要)
・+20mmに出来る新設計シート

など基本的にOPで用意しているものを最初から備えた豪華版となりました。

ブイストロム1050とXT

ちなみに車体価格は

『無印:1,300,000円|XT:1,380,000円』

電子制御に加えて13万円分以上のOPが付いているにも関わらずXTは僅か8万円差。ただでさえ買い得なV-STROM1050が更にお買い得感の増す形になっています。

でもこのモデルで話題となったのはご存知のように見た目ですね。

往年の名車というか色んな意味で有名なビッグオフのDR-BIGことDR750を完全に意識したものに変わりました。

V-STROM1050とDR750S

アドベンチャーにネオレトロ(ヘリテージ)要素を加えて綺麗にまとめるというスズキらしからぬ匠さなんですが、何を隠そうデザインを担当したのがDR-BIGをはじめオフロードバイク全般を手掛けてきた宮田さんだからなんだとか。

ちなみに中身の方を説明するとナンバリングが1000から1050と+50されている事から排気量が上がったのかと思いきや、実際の排気量は1036ccのまま変わっていない。

ただ

・スロットルバルブの大径化
・それに伴い給排気のカムを変更
・オイルクーラーの水冷化

など大きく手を加えており排ガス規制が強化されたにもかかわらず排気量はそのまま+7馬力を達成。さらに吹け方に相当拘ったことでフィーリングも大幅に向上しています。

V-STROM1050エンジン

じゃあなんで上げたのかって話ですが

・フラットダート等で恩恵を受けるであろう電子制御を始めとした改良の数々

・DR-BIGのデザイン踏襲

でオフ色が強いアドベンチャーに生まれ変わった事をアピールするためにナンバーを上げたんじゃないかと思います。

V-STROM1050の各部

思います・・・が、個人的かつ余計な見解を言うとそれでもV-STROM1050/XTのメインステージはあくまでも先代から変わらずオンロードにあるかと。

ビッグオフの怪鳥デザインがキマっているのでそっちに目が行きがちなんですが決して騙されてはいけません。

V-STROM1050のフレーム

その皮を剥くとスーパースポーツかなと思うほど細マッチョなボディを持っており、それに載ってるエンジンも元気ハツラツな100mmボアのVツインエンジン。

だからアクセルをグイっと捻った時の中毒性があるパルス感やワインディングを流した時の軽快さなど、良い意味でイメージを裏切るスポーツ性や官能性を持ってる。

その理由は

「大元がVツインスーパースポーツのTL1000だから」

といえばそれまでなんですが、明らかにその要素というかゾーンみたいなものが意図的に残され守られてるから。

V-STROM1050(EF11M)

結局のところモード切替やトラコン細分化やクルコンなどの電子制御がコストに厳しいスズキ車でも一二を争うほど贅沢に奢られているのは、アドベンチャークラスのフラッグシップモデルという立ち位置も当然あるけど

『高揚を生むTL1000の息吹』

みたいなものを犠牲にすることなくフラットダートやツーリングなどアドベンチャーに求められる多様性に対応するためなんじゃないかと。

主要諸元
全長/幅/高 2265/870/1515mm
[2265/940/1465mm]
シート高 850mm
[830~850mm]
車軸距離 1555mm
車体重量 236kg(装)
[247kg(装)]
燃料消費率 20.3km/L
※WMTCモード値
燃料容量 20.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC2気筒
総排気量 1036cc
最高出力 106ps/8500rpm
最高トルク 10.1kg-m/6000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前110/80R19(59H)
後150/70R17(69H)
[前110/80R19(59V)
後150/70R17(69V)]
バッテリー FTZ14S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
LMAR8BI-9
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.5L
交換時2.7L
フィルター交換時3.0L
スプロケ 前16|後41
チェーン サイズ525|リンク116
車体価格

1,300,000円(税別)
[1,380,000円(税別)]
※[]内はXTモデル

系譜図
TL1000S 1997年
TL1000S
(VT51A)
TL1000R 1998年
TL1000R
(VT52A)
Vストロム1000 2002年
V-STROM1000
(VT53A)
SV1000 2003年
SV1000/S
(VT54A)
Vストロム1000 2014年
V-STROM1000ABS
(VU51A)
2017V-STROM1000 2017年
V-STROM1000ABS
(VU51A後期)
2020V-STROM1050 2020年
V-STROM1050/XT
(EF11M)

【関連車種】
DR750S/DR800S(SK43A/SR43A)|系譜の外側Africa Twinの系譜SUPER TÉNÉRÉの系譜VERSYS1000の系譜

V-STROM1000(VU51A後期)-since 2017-

V-STROM1000ABS後期

「The Powerful V-Twin」

弟分の650と足並みを揃えてモデルチェンジされたV-STROM1000のVU51A後期L7~型。型式が変わっていない事からも分かるように基本的には先代の改良型になります。

前期後期V-STROM1000

見た目の違いとしては650と共通の新デザインにハンドルガードとアンダーガードを標準装備。

他にはスリッパークラッチやローRPMアシスト機能などで負担も軽減し、エキゾーストパイプ内にエキゾーストパイプの長さを擬似的に変更する可変バルブを装着することで低速域での排気脈動を効率化しトルクを改善。

しかし一番大きいのはスーパースポーツで採用が進んでいる5軸IMU(姿勢制御)を搭載したこと。

V-STROM1000とIMU

「アドベンチャーにそれ要るのか」

と思いたくなりますが、もちろんスーパースポーツの様に速く走るために装備したわけではありません。

これを装備した理由は

「より正確なトラクションコントロールとABS制御をするため」

です。

IMUによって車体が今どういう状況なのかをECUが正確に把握することで、電子制御の制度をより高める事が出来るから。

加えて

スーパースポーツのGSX-R
ストリートスポーツのGSX-S
アドベンチャーのV-STROM

というスズキが打ち立てた三本柱の一角を担うモデルになったの大いに関係しているかと。

V-STROM1000XT

あとエンジンが・・・というかこれが一番の理由じゃないかと思います。

あまり言われないですがV-STROM1000のエンジンってスーパーバイクがベースで100馬力を叩き出すVツインエンジンですからね。オンロードをガンガン行ける一方で、オフロードは電子制御ないと元気が有り余って大変な事になる。

主要諸元
全長/幅/高 2280/930/1470mm
シート高 850mm
車軸距離 1470mm
車体重量 232kg(装)
[233kg(装)]
燃料消費率 20.5km/L
※WMTCモード値
燃料容量 20.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC2気筒
総排気量 1036cc
最高出力 99ps/8000rpm
最高トルク 10.2kg-m/4000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前110/80R19(59V)
後150/70R17(69V)
バッテリー FTZ14S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
LMAR8BI-9
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.5L
交換時2.7L
フィルター交換時3.1L
スプロケ 前17|後41
チェーン サイズ525|リンク116
車体価格 1,300,000円(税別)
[1,34,000円(税別)]
※[]内はXTモデル
系譜図
TL1000S 1997年
TL1000S
(VT51A)
TL1000R 1998年
TL1000R
(VT52A)
Vストロム1000 2002年
V-STROM1000
(VT53A)
SV1000 2003年
SV1000/S
(VT54A)
Vストロム1000 2014年
V-STROM1000ABS
(VU51A)
2017V-STROM1000 2017年
V-STROM1000ABS
(VU51A後期)
2020V-STROM1050 2020年
V-STROM1050/XT
(EF11M)

V-STROM1000(VU51A)-since 2014-

V-STROM1000/VU51A

「DISCOVERY THE WHOLE STORY」

二代目V-STROM1000のVU51A型。

弟分650との兼ね合いか、どちらかというと高級版V-STROMという立ち位置になりました。ちなみに開発者の方はV-STROM650と同じ方。

TL1000以来となる倒立フォークにABS付きラジアルマウントキャリパーなどアドベンチャーというよりSSの様な足回り強化も凄いんですが、一番はトラクションコントロールシステムを”スズキ車で初めて”採用したこと。

トラクションコントロールシステム

一般的に最先端技術と言えばSSやメガスポといったモデルから始まるのがセオリーなのにそれらよりも先に採用。

如何にスズキにとってV-STROMが重要なバイクかが分かるわけですが、更に凄いのが車重。

もともとV-STROM1000は(650もだけど)軽さが評価されていました。だから今回のモデルも軽量化に力を入れており、先代から更に軽くなって装備重量228kgを達成。もちろんクラス最軽量。

ブイストロム1000

V-STROM1000の場合さらに国内唯一のVツインだから幅を絞れて取り回しも優れている。

そのエンジンも先代ひいてはTL1000の物でボアアップにより遂に大台の100mmとなったんだけど、ピストンやフライホイールなどを変えた事もあって前にも増して従順な物になっています。

ブイスト1000広告

「これがTL1000のエンジンだったなんて信じられない・・・」

とか向こうで言われてますし、乗ったら間違いなくそう思うかと。

残っている要素と言えばセミカムギアトレインが織り成すメカニカルノイズくらいでしょうか。

まあでもやっぱ一番目を引くのはデザインでしょう。

V-STROM1000CONCEPT

何とも思い切った顔な事で。

というのも実は先代で

「V-STROM1000は完成度が高い。唯一の欠点は大人しすぎる見た目だ。」

とか言われていた。

その事を鑑みた結果がこのクチバシなんでしょう。

DR800S

元ネタは元祖クチバシ、または怪鳥の異名でお馴染みのDR750/800S(DR BIG)です。

クチバシの話はV-STROM650の方で話したので割愛しますけど,

ラフスケッチの資料にさり気なく映ってました。

デザインスケッチ

左上に薄っすらと映ってる尖ったクチバシと羽のような溝を備えてるアレは紛れも無くDR750S。

つまりやっぱりV-STROM1000も怪鳥。

ブイスト1000顔

子供が見たら泣きそうですね。

それにしても話が逸れますがスズキのリッターツインの系譜車はこのV-STROM1000もそうですが歴代全て強烈ですね。

スズキVツイン1000シリーズ

しかしレースの為に作ったカリカリVツインのベストな着地点がアドベンチャーだったなんて誰が予想できたでしょう。

スズキの人ですら思っても見なかったのではないかと。

主要諸元
全長/幅/高 2285/865/1410mm
シート高 850mm
車軸距離 1555mm
車体重量 228kg(装)
燃料消費率 20.9km/L
※WMTCモード値
燃料容量 20.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC2気筒
総排気量 1036cc
最高出力 100ps/8000rpm
最高トルク 10.5kg-m/4000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前110/80R19(59V)
後150/70R17(69V)
バッテリー FTZ14S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
LMAR8BI-9
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.5L
交換時2.7L
フィルター交換時3.1L
スプロケ 前17|後41
チェーン サイズ525|リンク116
車体価格 1,300,000円(税別)
系譜図
TL1000S 1997年
TL1000S
(VT51A)
TL1000R 1998年
TL1000R
(VT52A)
Vストロム1000 2002年
V-STROM1000
(VT53A)
SV1000 2003年
SV1000/S
(VT54A)
Vストロム1000 2014年
V-STROM1000ABS
(VU51A)
2017V-STROM1000 2017年
V-STROM1000ABS
(VU51A後期)
2020V-STROM1050 2020年
V-STROM1050/XT
(EF11M)

SV1000/S(VT54A)-since 2003-

SV1000S

「V-twin Fan Machine」

TL1000Sの後釜を引き受ける形となったSV1000/SのVT54A型。

フレームを一新し倒立フォークから正立フォークへ変更し、リアもロータリーダンパーからオーソドックスなボトムリンク式モノサスへ。

SV1000フレーム周り

フレームもアルミトラスという過剰と思えるほど贅沢なものになりました。

更にたくましく角ばったフレームになったわけですが、そんな見た目とは裏腹にSV1000は先代に当たるTLがクレイジーな楽しさだったのに対しVツインをファン出来る楽しさを持ち合わせたモデルになっています。

これは弟分として登場したSV650がその路線で欧州で最大の成功を収めたと言っても過言ではない程の人気となったからでしょうね。

ただアンダーカウルや二本出しマフラーなどリッターの兄貴分として恥ずかしくない装備が加えられており、性能も相変わらず海外仕様で116馬力と侮れないモノを持っています。

SV1000Sカタログ写真

ちなみに当時トレンドだったツリ目二眼なんだけど何とも言えない顔。

ツリ上がってないツリ目というか・・・欧州人から言わせるとコレが最高にセクシーなんだそうです。

コッチはレアな無印ネイキッドモデル。

SV1000N

太く逞しいアルミトラスフレームの存在感が増すけどまず観ること無いレアなモデル。

ちなみにSV1000には従兄弟の様なモデルが居ます。

それはイタリアのCAGIVAがSV1000が出る少し前の1999年末に発表した『RAPTOR(ラプトール)』というモデル。

ラプトール

TL1000Sのエンジンをクロモリトラスフレームに積んだモデルです。

恐らく多くの人が

「MONSTERみたい」

と思われるかと。

それも当然な話で、このラプトールのデザイナーは何を隠そうMONSTERの生みの親であるミゲールさんがデザインしたもの。

ミゲールとラプトール

つまり

『CAGIVA×SUZUKI×MONSTER』

で誕生した亜種MONSTERまたは元祖水冷MONSTERと言えなくもないバイクなんですね。

CAGIVAの車種でもMITOと並んで人気だったようで後に650も追加されロングセラーとなりました。

そんな亜種MONSTERにも、そしてこのSVにも積まれているTL1000譲りのエンジンなんですが、先に言った様にセミカムギアトレーンという珍しいカム駆動をします。

ディメンション

カムギアトレーンというのはホンダのCBR250/400RRやVTR1000SPでお馴染みなので知ってる人も多いと思います。

カムを一般的なチェーンではなくギアで回す方法ですね。

カムギアトレーン

そうすることでフリクションロスの軽減とバルブを(チェーンより)正確に動かせる事による高回転化が可能となるわけです。

ではセミカムギアトレーンは何がセミなのかというと、カムシャフトを回してるのはギアなんですが、そのギアを回してるギアはチェーンなんです。

2014V-STROM1000エンジン

斬新なフレームにハイブリットの様なカム駆動という特徴だらけなSV1000なんですが、実はコダワリポイントはそれだけじゃない。

SV1000の隠されたこだわりポイント・・・それは足回り。どんな乗り方をしても、どんなシーンでもラインを自由自在に変えられる様にワンランク上の足回りが奢られている。

中井サブプロジェクトリーダーいわくSV1000のコンセプトを実現させるため。

SV1000S赤

「決して裏切らないバイク」

というのがSV1000なんです。

※2005年モデルでフレーム回りをブラック化し吸排気と圧縮比を見直し124馬力へマイナーチェンジ

主要諸元
全長/幅/高 2135/785/1080mm
[2130/745/1170mm]
シート高 800mm
[810mm]
車軸距離 1450mm
[1435mm]
車体重量 186kg(乾)
[189kg(乾) ]
燃料消費率 29.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 17.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC2気筒
総排気量 995cc
最高出力 93ps/8500rpm
{116ps/9000rpm}
最高トルク 9.2kg-m/7000rpm
{10.4kg-m/7200rpm}
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー FTX14-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR8EK
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.3L
交換時2.7L
フィルター交換時2.9L
スプロケ 前17|後39
{前17|後40}
チェーン サイズ525|リンク110
{サイズ530|リンク110}
車体価格

900,000円(税別)
[950,000円(税別)]
※[]内はSモデル
※{}内は海外仕様

系譜図
TL1000S 1997年
TL1000S
(VT51A)
TL1000R 1998年
TL1000R
(VT52A)
Vストロム1000 2002年
V-STROM1000
(VT53A)
SV1000 2003年
SV1000/S
(VT54A)
Vストロム1000 2014年
V-STROM1000ABS
(VU51A)
2017V-STROM1000 2017年
V-STROM1000ABS
(VU51A後期)
2020V-STROM1050 2020年
V-STROM1050/XT
(EF11M)

V-STROM1000(VT53A)-since 2002-

ブイストロム1000

「The Adventure in Your Mind」

ここで登場するのが初代V-STROM1000のVT53A型。

「ホイールベースを短くするのが難しいなら長いホイールベースが必要なアドベンチャー作ろう」

となったのかは分かりませんが、TL1000から改良されたエンジンを積んだスズキ初のアドベンチャー・ツアラーになります。

DL1000

もともと欧州ではアドベンチャー層が多いから、そこを狙って投入したわけです・・・が、少し話を脱線。

アチコチで言ってますが欧州ではツーリングやスポーツ走行がメインな日本と違い、日常から何日もかけて走り倒すツーリングというより旅のような事にまでバイクを活用する人が多いです。

ボルミオ

その理由の一つとして向こうはSSのようにスポーツ性能が高いモデルになるほど税金や保険料が跳ね上がるので、おいそれと乗れるクラスではない事。

そのせいかバイクも車と同様に生活必需品である事に加え、楽しみながら移動できる趣味の物として捉えてる人が多い。

つまり日常での使い勝手に加え、週末のレジャーまでをも楽しめる欲張りなバイクを求められる傾向が強い。

ブイスト1000

そんな中で登場したV-STROM1000。

パッと見はただのアドベンチャー・・・しかしアルミフレームの採用により乾燥重量で208kgとアドベンチャーにあるまじきクラストップの軽さ。

そして何よりあのTL1000のセミカムギアの元気なエンジン。

中低速の扱いやすさを向上させつつも、上まで回すほどTL1000が蘇ってくるという、SSとアドベンチャーを掛け合わせた様なバイク。

V-STROM1000海外向けカタログ写真

これが見事に的中し、なんでもこなせるスーパースポーツアドベンチャーとして高い評価を獲得。

正にV-STROM1000は起死回生の一手ならぬ、起死回生の一車なバイクだったんです。

V-STROM1000後期

それは1000だけでなく650もそうだし250もそう。

今も続くV-STROMシリーズの始まりはここになります。

2006年にはマイナーチェンジが入り2008までは日本にも逆輸入されていました。

主要諸元
全長/幅/高 2295/865/1335mm
シート高 840mm
車軸距離 1535mm
車体重量 207kg(乾)
燃料消費率
燃料容量 22.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC2気筒
総排気量 995cc
最高出力 98ps/7600rpm
最高トルク 9.2kg-m/7000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前110/80R19(59H)
後150/70R17(69H)
バッテリー YTX14-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR8EK
または
U24ETR
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.3L
交換時2.7L
フィルター交換時2.9L
スプロケ 前17|後41
チェーン サイズ525|リンク110
車体価格

998,000円(税別)
※モトマップ価格

系譜図
TL1000S 1997年
TL1000S
(VT51A)
TL1000R 1998年
TL1000R
(VT52A)
Vストロム1000 2002年
V-STROM1000
(VT53A)
SV1000 2003年
SV1000/S
(VT54A)
Vストロム1000 2014年
V-STROM1000ABS
(VU51A)
2017V-STROM1000 2017年
V-STROM1000ABS
(VU51A後期)
2020V-STROM1050 2020年
V-STROM1050/XT
(EF11M)