Bandit250/LTD(GJ74A)-since 1989-

バンディット250前期

「For stylish men who take pride in their possessions」

“誇りを持ったオシャレな男性に”というキャッチに加え、見慣れないパイプフレーム等これまでの路線とは大きく異なるBANDIT250前期(GJ73A)モデル。先に紹介したCOBRAの二ヶ月遅れで登場。

今でこそバンディットと言えば1250だけど、その名前が始まったのはこの250と400から。

GJ74A

きれいなダイヤモンドパイプフレームにモノサス、さり気なくXマフラー(1番がクロスしている)など、どちらかというとイタリアンネイキッドスタイル。

Bandit250Limited

翌91年に追加発売されたロケットカウル付きのLimitedモデルなんか正にそれでイタリアの香りがプンプンしますね。

400と車体を共有している事から車格と質感があり、GSX-R250Rのエンジンを低速よりにリセッティングした物を積んでるので走行性能も文句なし。

Bandit250前期カタログ

若干キャブが弱かったりしますが、スズキの250としては初めて市場に暖かく受け入れられたネイキッド。

スズキも自信があったのか、赤や緑やガンメタなどでタンクのみならずフレームやスイングアームまで塗装した多彩なカラーリングを施したバンディットを次々と出しました。

92年モデルからは40馬力規制に合わせ出力やハンドルポジションなどの改良が入っています。

主要諸元
全長/幅/高 2050/730/1060mm
シート高 750mm
車軸距離 1435mm
車体重量 156kg(乾)
燃料消費率
燃料容量 14.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 248cc
最高出力 45ps/14500rpm
[40ps/13500rpm]
最高トルク 2.6kg-m/10500rpm
[2.7kg-m/10000rpm]
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前110/70-17(54H)
後140/70-17(66H)
バッテリー YTX7A-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR8E
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.4L
交換時2.7L
フィルター3.0L
スプロケ 前13|後49
チェーン サイズ520|リンク116
車体価格 515,000円(税別)
※[]内は93年以降モデル
系譜図
GS250FW1983年
GS250FW
(GJ71A/B)
GF2501986年
GF250/S
(GJ71C)
GSX-R2501987年
GSX-R250/R/SP
(GJ72A/GJ73A)
コブラ1989年
COBRA
(GJ73A)
バンディット250前期1989年
Bandit250/LTD
(GJ74A)
アクロス1990年
ACROSS
(GJ75A)
GSX250S カタナ1991年
GSX250S KATANA
(GJ76A)
Bandit250後期1995年
Bandit250/V/VZ
(GJ77A)

COBRA(GJ73A)-since 1989-

スズキCOBRA

「ストリート・スーパースポーツ」

GSX-R250RのネイキッドバージョンにあたるCOBRA。

名前の由来は見て分かる蛇のコブラを意識した通り張り出したラジエーターサイドシュラウドから。

スズキCOBRAカタログ写真

なんかカタログを見ると漫画のコブラも意識してるような・・・

このバイクが出たのはレーサーレプリカブームが去りつつあった事が主な理由なんだけど、それにしてもCOBRAはちょっと異質。

GSX-R250Rのネイキッド版と言えばそれまでなんだけど、ネイキッドでも今流行りのストリートファイターともちょっと違う・・・というのも本当にGSX-R250Rのカウルを剥いただけのバイクだから。

エンジンはもちろんそのまま、ツインチューブフレームと逞しいスイングアームもそのまま、四連キャブもそのまま、タンクもそのまま、カウルもそのまま。だから型式もそのまま。

スズキCOBRA

変わった所と言えばカウルを剥いた代わりに付けたラジエーターガード用のサイドシュラウドと、防水三連メーターに丸目一眼、ハンドル周りくらい。

ただストリートスーパースポーツと名乗るだけあって足を軽くするためにわざわざフロントブレーキをシングル化してる。だからストリートだとGSX-R250Rよりコッチが当たり前のように速い。

本当にGSX-R250Rを剥いただけだからポジションも結構コンパクトでスポーツポジション。

一般的に言われるネイキッドとかストリートファイターに全くもって寄せにも媚びにもいってない。だからこれこそ本当の意味でネイキッドまたストリートファイターと言えるんだけど、全く媚びなかったから全く売れなかった。

主要諸元
全長/幅/高 1990/695/1010mm
シート高 730mm
車軸距離 1380mm
車体重量 139kg(乾)
燃料消費率
燃料容量 13.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 248cc
最高出力 45ps/11500rpm
最高トルク 2.6kg-m/10500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前110/70-17(54H)
後140/60-18(64H)
バッテリー YTX7A-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR8E
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.4L
交換時2.8L
フィルター3.2L
スプロケ 前14|後48
チェーン サイズ520|リンク112
車体価格 539,000円(税別)
系譜図
GS250FW1983年
GS250FW
(GJ71A/B)
GF2501986年
GF250/S
(GJ71C)
GSX-R2501987年
GSX-R250/R/SP
(GJ72A/GJ73A)
コブラ1989年
COBRA
(GJ73A)
バンディット250前期1989年
Bandit250/LTD
(GJ74A)
アクロス1990年
ACROSS
(GJ75A)
GSX250S カタナ1991年
GSX250S KATANA
(GJ76A)
Bandit250後期1995年
Bandit250/V/VZ
(GJ77A)

GSX-R250(GJ72A)-since 1987-

GSX-R250

「BATTLE IN CIRCUIT」

それまでの考えを改め、GSX-Rという名前で登場した末っ子のGSX-R250。

完全新設計の4バルブエンジンでボア・ストロークが49mm✕34mmとかなりのビッグボアショートストローク。

初代GSX-R250

耐久レーサーを彷彿とさせるイエローバルブの丸目二眼などレーサー色を一気に強めた・・・んだけど、じゃあ

「GSX-R250はカリカリのレーサーレプリカか?」

というとそうでもなかったります。分かり易いのがポジション。

GSX-R250前期

レーサーレプリカというわりにはそれほどハンドルも低くなく、足つきもいうほど悪くない。

他にもシート形状がセパレート(タンデムシート別体)ではなく、積載性やタンデムを考えたダブルシート(タンデムシート一体)になっていることや、ブレーキペダルが転倒による破損に強い事からオフロードバイクに多く採用されているオーバーステップタイプだったり。

R250

もともとこのクラス(4st250cc四気筒)というのはどのメーカーのもレーサーレプリカとしては比較的優しいんだけど、それを考慮してもこのGJ72A型(GSX-R250前期)はかなり優しい。

FWのコンセプトを捨てきれ無かったのかは分かりません・・・が、これが最後の良心というか優しさ。

GSX-R250R/SP
(GJ73A)
-since 1989-

GSX-R250R

フルモデルチェンジされ末尾にRが付いた事からもカリカリになったのが伺えるGJ73A型(GSX-R250R後期)

アルミツインチューブ&スタビ付きスイングアームへの変更で大幅な剛性アップ。そしてそのフレームに搭載されるエンジンもボア/ストローク比こそ先代のままだけど

・クランクシャフトの軽量化

・吸気バルブの大径化およびストレートポート化

・2バレルキャブから4連キャブに変更

・フレッシュエアーをエンジンヘッドやキャブへ積極的に当てることで冷却すSCAI

などなど・・・もう完全にレーサーになりました。

これはアマチュアのSPレースが盛り上がっていた事からでそのレースに向けたプロダクションのSPモデルはソコからさらに

・1-3速までをクロス化

・シングルシートカウル

・多段減衰力調節機能付きサスペンション

などなど。

今までのコンセプトは何だったのかと言われても仕方ないほど吹っ切れてる。

GSX-R250R SP

レースが絡むと目の色が変わるスズキでした。

主要諸元
全長/幅/高 2000/700/1105mm
{1990/695/1080mm}
シート高 734mm
[730mm]
車軸距離 1370mm
[1380mm]
車体重量 138kg(乾)
[143kg(乾)]
燃料消費率
燃料容量 13.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 248cc
最高出力 45ps/14500rpm
[{45ps/15000rpm*]
最高トルク 2.5kg-m/10500rpm
[{2.6kg-m/10500rpm}]
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前100/80-17(52H)
後130/70-17(62H)
[{前110/70-17(54H)
後140/60-18(64H)}]
バッテリー FT12A-BS
[{FTX7A-BS}]
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
L8A
または
U24FS-U
[{CR9E}]
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量2.6L
交換時2.0L
フィルター交換時2.3L
[{全容量3.4L
交換時2.8L
フィルター交換時3.2L}]
スプロケ 前13|後47
[{前14|後48}]
チェーン サイズ520|リンク108
[{サイズ520|リンク112}]
車体価格 539,000円(税別)
[599,000円(税別)]
{617,000円(税別)}
※[]内はRモデル
※{}内はSPモデル
系譜図
GS250FW1983年
GS250FW
(GJ71A/B)
GF2501986年
GF250/S
(GJ71C)
GSX-R2501987年
GSX-R250/R/SP
(GJ72A/GJ73A)
コブラ1989年
COBRA
(GJ73A)
バンディット250前期1989年
Bandit250/LTD
(GJ74A)
アクロス1990年
ACROSS
(GJ75A)
GSX250S カタナ1991年
GSX250S KATANA
(GJ76A)
Bandit250後期1995年
Bandit250/V/VZ
(GJ77A)

GF250/S(GJ71C)-since 1985-

GF250

「遊びの優等生」

先代GS250FWの後継モデルとなるGF250。

基本的な作りは先代譲りなものの、サスペンションがアンチノーズダイブからポジティブダンピングに変更され、リアブレーキもディスク化。さらにキャリパーは対向4POTと足回りの大幅な強化が特徴。

でも一番大きいのは車重が軽くなったこと。ハーフカウルやスクリーン、グラブバーなど快適装備を削ぎ落として軽量化。これは先代GS250FWに対し”重い”とか”遅い”とかいう意見が多かったから。

GF250サイド

でもスズキはGS250FWもこのGF250もそんなスポーツ一辺倒なバイクにするつもりは無かったんですよ。

あくまでも街乗りからツーリングそしてスポーツまで幅広くオールマイティに使える直列4気筒250というコンセプトだった。

「速い250はガンマの役目」

というのがスズキの考え。でもそれが理解されなかったというわけ。素行の良さと足つきの良さもあって女性にはソコソコ売れたようですが。

GJ71C

その考えを改める事となったのがGF250が出て直ぐのこと。

ヤマハから45ps/14500rpmというとてつもないジェットマシンFZ250PHAZERが登場し多くライダーが心を打たれました。コレを見たホンダも対抗しカムギアトレーンのCBR250Rを発売。

GJ71C

非常に人気だった二車に比べ41馬力と馬力が低かったGF250は

「馬力が低い=低性能」

という負のイメージが出来てしまい、世界初の水冷直四250ccという肩書がウソのように見向きもされなくなる。

こうなってしまってはもうオールマイティなんて言っていられる状況ではなく、対抗するためハイパワーのSモデルを追加。

GF250S

エンジンのピークを上げライバル同様45馬力にし、ハーフカウルにダブルディスクブレーキでスポーツ特化。

「45馬力を出せなかったわけではなく、出さなかっただけ」

GS250Sスペシャル

というスズキのコンセプトを裏付けるバイク、そしてそのコンセプトを捨てた証でもあるGF250S。

他所に比べて体力も無く、巻き込まれる形で負ってしまったHY戦争の傷も癒えていなかった状況ではそのコンセプトを貫く事ができなかった。

時代がそれを許さなかったのもありますが。

主要諸元
全長/幅/高 2040/720/1085mm
[2040/720/1120mm
シート高 750mm
車軸距離 1370mm
車体重量 139kg(乾)
[141kg(乾)]
燃料消費率
燃料容量 15.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 248cc
最高出力 41ps/12500rpm
[45ps/13000rpm]
最高トルク 2.4kg-m/10500rpm
[2.6kg-m/13000rpm]
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前100/90-16(54S)
後110/90-18(58S)
バッテリー FB10L-A2
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
C8HSA
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量2.6L
スプロケ 前13|後48
チェーン サイズ520|リンク108
車体価格 459,000円(税別)
[489,000円(税別)]
※[]内はGF250S
系譜図
GS250FW1983年
GS250FW
(GJ71A/B)
GF2501986年
GF250/S
(GJ71C)
GSX-R2501987年
GSX-R250/R/SP
(GJ72A/GJ73A)
コブラ1989年
COBRA
(GJ73A)
バンディット250前期1989年
Bandit250/LTD
(GJ74A)
アクロス1990年
ACROSS
(GJ75A)
GSX250S カタナ1991年
GSX250S KATANA
(GJ76A)
Bandit250後期1995年
Bandit250/V/VZ
(GJ77A)

GS250FW(GJ71A/B)-since 1983-

GS250FW

「THE QUARTER MULTI」

250ccクラスとしては世界初となる直列4気筒エンジンを搭載した歴史的なバイク・・・なのにあまり知名度がない。

このバイクはGSX400FWの弟分として登場したバイク。兄がGSXなのに対し、弟のGS250FWはGSと名付けられている通り250の方は2バルブでした。(スズキでXは4バルブ)

GS250FWカタログ写真

直四のわりには36馬力とお世辞にも高馬力と言えないのはDOHCなのに2バルブという事もあるんだけど、四気筒ということで大きくなってしまう車体のスリムコンパクト化を考えキャブレーターを4連ではなく(1つのキャブで二気筒担う)2バレルにしたりという配慮があったりするから。

まあこれでも当時としてはクラス最高馬力なんですけどね。

車体のほうは細部まで世界初の250直四の名に恥じないレーサーを意識した作り。

当時のスポーツバイクの証だった16インチフロントホイールに、フルフローターサス(いわゆるモノサス)、高剛性のL・BOXスチールフレームに空力を考えられたフェアリングなど、レーサーRGガンマの技術が一月前に出たRG250ガンマ同様に奢られています。

GS250FWカタログ2

これはGSX400FWと共有化したからこそ可能となった装備なんですが、ただ代償として車重が増加。結果として四気筒とは思えない遅さに肩透かしをくらった人が多かった。

まだそこまで騒音規制が厳しくなかった時代で、かなり拘ったとされる完璧な透き通る直四サウンドだったからなお事。

GS250FW後期

翌年の後期モデル(GJ71B)でセッティングを見直し1馬力上げていますが、恐らく歴代直四250ccで一番大人しいバイクじゃないかな。

GS250FWカタログ

世間でも言われている通りGS250FWはスポーツ性能は正直いまひとつでした。

でもツアラーとして見たら大きなアッパーカウルとエンジン特性が非常にマッチした良いバイクでもある。

GS250FW後期

「世界初の250直列四気筒」

という”速いとしか思えない前代未聞の肩書”が個性を見え難くしてしまったんだね。

主要諸元
全長/幅/高 2045/745/1185~1240mm
{2045/735/1225mm}
シート高 770mm
車軸距離 1400mm
車体重量 157kg(乾)
燃料消費率 46.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 15.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 248cc
最高出力 36ps/11000rpm
[38ps/11500rpm]
最高トルク 2.3kg-m/10000rpm
[2.4kg-m/10500rpm]
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前100/90-16(64S)
後100/90-18(56S)
バッテリー FB10L-A2
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
D9EA
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量2.6L
交換時2.0L
フィルター交換時2.3L
スプロケ
チェーン サイズ520|リンク108
車体価格 479,000円(税別)
[484,000円(税別)]
※[]内は後期(GJ71B)
系譜図
GS250FW1983年
GS250FW
(GJ71A/B)
GF2501986年
GF250/S
(GJ71C)
GSX-R2501987年
GSX-R250/R/SP
(GJ72A/GJ73A)
コブラ1989年
COBRA
(GJ73A)
バンディット250前期1989年
Bandit250/LTD
(GJ74A)
アクロス1990年
ACROSS
(GJ75A)
GSX250S カタナ1991年
GSX250S KATANA
(GJ76A)
Bandit250後期1995年
Bandit250/V/VZ
(GJ77A)

GIXXER SF250(ED22B)-since 2020-

SF250/ED22B

「BORN OF GREATNESS」

先に紹介したGIXXER250のフルカウルバージョンとなるGIXXER SF250/ED22B。

SFは”スポーツフェアリング”という意味でネイキッド版との違いは

・セパレートハンドル
・フルフェアリング
・カウルマウントミラー

などとなっています。

SF250セパレートハンドル

決定的な違いはフェアリングもそうなんですが、セパレートハンドル化に伴う前傾ポジションでフロント荷重が増し安定寄りなものになっている事。

SF250デザインスケッチ

それ以外の部分はネイキッド版と同じで+4kgと+3万円。

ところでネイキッド版のGIXXER250とフルカウル版のSF250どっちが人気なのかって話ですが、たまたま二輪車新聞に載っていた並列物の販売台数でいうとおおよそ

『無印:SF250|1:2』

でSF250の方が倍近い人気のようです。

SF250デザインスケッチ

やはり時代はフルカウルなのか。まあ確かにSF250のデザイン凄く纏まってて良いですからね。

以下は初心者の方に向けたちょっとした個人的余談。

「免許取得中でGIXXER250を検討しているので書いて欲しい」

という旨の嬉しい問い合わせが結構あってて恐れながら書かせてもらってるんですが、じゃあこのモデルどうかといえば

SF250壁紙

「本当に完璧なまでに初心者向けのバイク」

と思います。

初心者向けっていうのは軽くて運転しやすいからとか、コスパが良いからとかも勿論あるんですが一番は

ジクサー250 LED

「教材みたいなバイクだから」

です。

GIXXER250/SF250を検討するという事は少なからずスポーツ走行に興味があると思われるのですが、スポーツ走行をする場合こういうモデルが本当に勉強になる。

最大の要因はシングルエンジン(単気筒)だからです。

シングルエンジン

簡単に言うとシングルエンジンはピストンつまりパワーを生む機械であり機会が一つしか無いことから、アクセルワークに対するエンジンの応答が多気筒のように掛け算も割り算もされずそのまま返ってくるから凄く分かりやすい。

何故それが良いのかって言うとこのアクセルワークっていうのは本当に、本当にライディングにおいて大事だから。

運転が上手な人や速い人は何が違うのかっていうとアクセルワークが違う。

「繊細かつ大胆なアクセルワークを身につけているから」

と言っても過言じゃないほどで、逆に言うとこれが成っていないとどれだけ高性能なマシンやタイヤにしようが上手くならないというのは定説。

だからスポーツに属するカテゴリの練習やスクールなんかでも

『シングルスポーツ』

というのは非常に好まれるし勧められるんです・・・が、一方で市場ではあまり理解されない側面もあるため

・日常使いに特化したエントリータイプ

・日常使いを犠牲にしたエキスパートタイプ

という両極端なモデルになりがちな傾向がある。

ジクサー250エンジン

GIXXER250/SF250が初心者向けだと思う根拠はここにあって、低回転からモリモリ走る250ccのシングルエンジンと軽さで初心者でも比較的楽に街乗りなどの日常使いが出来る要素がしっかりありつつも

「そこから一歩踏み込んだスポーツ要素」

も合わせ持っている非常にバランスが取れたシングルスポーツモデルだから。

だから最初のうちは何も考えなくても楽に走れる良いバイクに感じると思います。でも慣れてきてアグレッシブな運転に挑戦するようになると途端にその楽さは無くなる。高性能な多気筒モデルにありがちな上手く走れてるという”勘違い”はさせてはもらえない。

それにモード切り替えやトラコンなどマシン側で特性を変えてくれる物はほぼ付いておらずサスペンションもリアのプリロードのみ。大きく変える事が出来るのは自分自身のアクセルワークしかないから上手く乗れるようになろうと思ったら

「考えながらアクセルを捻る」

という上達のために必須な要素を必然的に強く求められる。

ジクサー250カタログ

それを右も左もまだ分かっておらず変なクセも持っていない真っ白な状態から始める事が出来るのは

『初心者の特権』

であり、その経験は間違いなく長く続くバイクライフを豊かにする最短ルートになる。だからGIXXER250/SF250は初心者にはもってこいなモデルと思うわけです。

主要諸元
全長/幅/高 2010/740/1035mm
シート高 800mm
車軸距離 1345mm
車体重量 158kg(装)
燃料消費率 37.7km/L
※WMTCモード値
燃料容量 12.0L
エンジン 油冷4サイクル単気筒
総排気量 249cc
最高出力 26ps/9000rpm
最高トルク 2.2kg-m/7300rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前110/70R17(54H)
後150/60R17(66H)
バッテリー YTX7L-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
MR8E-9
推奨オイル エクスター
R9000/R7000/R5000
10W-40 MA2
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.8L
交換時1.18L
フィルタ交換時1.2L
スプロケ 前13|後40
チェーン サイズ520|リンク108
車体価格 438,000円(税別)
系譜図
NZ250 1986年
NZ250/S
(NJ44A)
ジクサー250 2020年
GIXXER250
(ED22B)
ジクサーSF250 2020年
GIXXER
SF250
(ED22B)

GIXXER250(ED22B)-since 2020-

ED22B

「油冷で、走ろう。」

2020年にスズキから出た新世代シングルスポーツで

・ABS
・前後LEDライト
・フル液晶デジタルメーター
・154kg(装)
・26ps/9000rpm
・408,000円(税別)

という非常にバランスが取れているというかコスパが良いGIXXER250/ED22B型。

ED22B

最初にGIXXERについて説明すると欧米などではスズキの看板車種であるGSX-Rの事で

「ジーエスエックスアール」

「ジエクスアー」

「ジクサー」

という感じで根付いた愛称の事。ちなみにジグサーではなくジクサーです。

日本ではどちらかと言うと

「ジスペケ」

って愛称のほうが有名かなと思います。

ジクサー250

このモデルで取り上げるべきはもはや説明不要とも言える油冷エンジン・・・なんですが、今回はちょっと違ううえによく考えると油冷エンジンってGSX1400以来20年ぶりとなるので

「油冷って何」

と思ってる若者も多いでしょうからザックリ簡単に説明。

油冷というのは性能向上によって空冷(走行風)ではオーバーヒート(パワーダウン)するようになってきたエンジンを、潤滑のために入れているオイルを吹き付ける事でさらに冷やすようにした冷却方式のこと。

スズキSACS

『SACS(Suzuki Advanced Cooling System)』

といって、キッカケは次世代の冷却方式として注目されていた水冷を英語ではLiquid Cooling(液冷)と書くことをヒントに

「液体であって水が絶対ではないなら既に入っているオイルを水代わりにすれば水路や混濁の心配もいらず隅々まで冷やせる」

とGSX-Rシリーズの生みの親でもある横内さんが閃き誕生したのが発端で、スズキは80年代後半からこの技術をスズキの顔として大々的にアピールしていました。

もっと単純に分かりやすくいうと下記の見た目からも分かる通り

冷却方式による外見の違い

『油冷は空冷の冷却強化版』

という感じです。

空冷おじさんに負けないくらい油冷にこだわる油冷おじさんが居るのもこのため。最近はだいぶ減りましたけどね。

・・・と、ここまで書いておいてアレなんですがGIXXER250の油冷は少し違います。

SEPエンジン

冷却用のフィンが付いおらずパッと見では水冷エンジンと見間違うほどの造形。

この理由はいま説明した

『SACS(Suzuki Advanced Cooling System)』

ではなく

『SOCS(Suzuki Oil Cooling System)』

という別タイプの油冷エンジンだから。

SOCS

Advancedの文字が抜けた形になってるんですが、これどういう事かというとGIXXER250で新たに採用された油冷エンジンは放熱性能を上げるのが一番の狙いじゃない。

「軽くコンパクトにするため」

という狙いが一番にあるんです。

スズキのフラッグシップモデルであるGSX-Rなどを見ても分かる通り、現代では水冷が冷却方式としてはもっともベターとされているんですがベストとまでは言い切れない部分もある。

というのも水冷というのは上で話したようにオイルやガソリンと混ざってはいけない水を使うので

・冷却水(エンジンの熱を取る水)
・リザーブタンク(冷却水の貯蔵タンク)
・ウォーターポンプ(水を送るポンプ)
・ウォータージャケット(冷却水を流す水路)
・サーモスタット(オーバークールを防ぐ切替弁)

などなど冷却専用の装備を別に設ける必要がありスペースやコストなどを圧迫する問題がある。

GIXXER250はパワーよりもスリムさとコンパクトさを稼ぐ事が命題だったため、これらは軽視できない問題だった。しかし空冷ではいくらなんでも放熱が弱いからパワーが稼げない。

オイルライン

そこで再登場することになったのが油冷。

最初から入っているエンジンオイルを旧来のように上から吹き付けるのではなく、まるで水冷の冷却水のようにエンジンの周囲を這わせる事で冷却する方法を編み出し採用に至ったという話。

ジクサー250エンジン

ブランドありきではなく本来持つ特性が合致していたから採用されたという正に新世代の油冷エンジンであり、装備重量154kgかつ408,000円というコスパの良さはここにある。

それにしてもまさか油冷がこういう形で武器になる日が来るなんて・・・と感慨深くなるんですが、もう少し話を脱線させるとこのGIXXER250はインドで爆発的な人気(3000台/月)となっているGIXXER150に続く形で出たモデルになる。

ただし向こうで250はトップエンドの部類なのでインドでも400台/月ほど。つまりこのモデルは実はかなり日本市場を意識したモデルなんですね。

じゃあ日本国内はどうなのかというと若者に好評で入荷次第ドンドン売れており上々なセールスを記録しているようです。※並列物で500台/月ほど

ジクサー250カタログ写真

NZ250そしてグースという二度に渡る挫折から30年の歳月を経ての再々チャレンジで成功を収めたGIXXER250。

『3度目の正直油冷シングル』

といえるんじゃないかと。

主要諸元
全長/幅/高 2010/805/1035mm
シート高 800mm
車軸距離 1345mm
車体重量 154kg(装)
燃料消費率 37.7km/L
※WMTCモード値
燃料容量 12.0L
エンジン 油冷4サイクルSOHC単気筒
総排気量 249cc
最高出力 26ps/9000rpm
最高トルク 2.2kg-m/7300rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前110/70R17(54H)
後150/60R17(66H)
バッテリー YTX7L-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
MR8E-9
推奨オイル エクスター
R9000/R7000/R5000
10W-40 MA2
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.8L
交換時1.18L
フィルタ交換時1.2L
スプロケ 前13|後40
チェーン サイズ520|リンク108
車体価格 408,000円(税別)
系譜図
NZ250 1986年
NZ250/S
(NJ44A)
ジクサー250 2020年
GIXXER250
(ED22B)
ジクサーSF250 2020年
GIXXER
SF250
(ED22B)

NZ250/S(NJ44A)-since 1986-

NZ250

「URBAN RUNABOUT」

RG250ガンマやGF250などにより2stレーサーレプリカ250や四気筒250熱狂時代が訪れていた1980年代半ばにスズキがポンっと出してきた全く違う流れのNZ250/NJ44A型。

NZ250エンジン

このモデルはトレールバイクDR250Sに積まれていた空冷OHCエンジンの上を丸ごと新造し

・SACS(油冷システム)
・TSCC(DOHC多球型燃焼室)

で33ps/10000rpmというゴリゴリのチューニングを施したエンジンを、125ccかと思うほど細く短いバックボーンフレームそれも丸パイプとハイテン鋼角パイプのハイブリッドになっている非常に凝ったものへ積んだシングルスポーツ。

NZ250のディメンション

リアサスペンションもEフローターという当時としては最新テクノロジー。おまけに(当時としては)軽量化を考えてかホイールはキャストではなくアルミリムのスポークホイールという一風変わった組み合わせでした。

こちらはハーフカウルを付けたバージョンになるNZ250S。車重が+2kgになっていること以外は基本的に同じ。

NZ250S

そもそもなんでこんなバイクを出したのかと言うと、レーサーレプリカブームだったとはいえ一方で

「スマートに町を走れる250が欲しい」

「(足つきなどや車重面で)優しい250が欲しい」

という声なき声ならぬ声なき需要が一定数あり、各社からそういったモデルが出ていたから。

それに負けじとスズキも出した面が強いんですが、乾燥重量118kgな事からも分かる通り気軽に乗れるというより

『軽すぎるウルトラライトウェイトシングル』

という形。

NZ250S

そして何より当時のスポーツバイクのトレンドだったエアロフォルムを合わせてアーバン仕立てのデザイン・・・これは結果論でしかないんだけど、当時のユーザーが求めていた(マーケティング的に正解だった)のはアーバンではなくどちらかというとルーラル。

分かりやすく言うとクラシックやカフェレーサーみたいな温故知新バイクだったのでNZ250/Sは正直に言うとかなりの不人気に終わりました。

NZ250S

スズキはこのNZ250/Sが空振りに終わった事がトラウマとなりシングルスポーツを封印した・・・んですが、諦めないどころか開き直ったように尖らせたグースで再チャレンジ。

一部の好き者からは絶大な評価を得たものの数字的な結果を残せなかったというか魅力が多くの人に伝わらず、またVoltyやST250などが成功した事でスズキのシングルライトウェイトスポーツは一旦途切れる事に。

※グースについては系譜の外側
『決めつけられたシングルの正解Goose250/350(NJ46A/NK42A)』
で先に書いてしまったので今回は割愛させてもらいます。

主要諸元
全長/幅/高 1935/685/1020mm
[1935/685/1075mm]
シート高 740mm
車軸距離 1325mm
車体重量 118kg(乾)
[120kg(乾)]
燃料消費率 60.1km/L
※定地モード値
燃料容量 11.0L
エンジン 油冷4サイクルDOHC単気筒
総排気量 249cc
最高出力 33ps/10000rpm
最高トルク 2.5kg-m/8500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前90/90-17(49S)
後10/80-17(52S)
バッテリー FB10L-B2
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
DP8EA-9
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量2.3L
スプロケ 前14|後43
チェーン サイズ520
車体価格 379,000円(税別)
[399,000円(税別)]
※[]内はNZ250S
系譜図
NZ250 1986年
NZ250/S
(NJ44A)
ジクサー250 2020年
GIXXER250
(ED22B)
ジクサーSF250 2020年
GIXXER
SF250
(ED22B)

RGV-Γ250SP(VJ23A)-since 1996-

RGV-Γ250SP

「RACING CONCEPT 70°V」

既にレーサーレプリカブームが完全に去ったと言っても過言ではない1996年に本当にまさかのフルモデルチェンジ。

延命のモデルチェンジじゃないですよ、本当に何もかも新しく造り直された正真正銘のフルモデルチェンジ。

RGV-Γ250のロゴ

車名がGPワークスマシンと同じになった通り
・アンダーチューブを廃した新設計ツインチューブフレーム
・着脱式超軽量セルスターター(700g)
・キック廃止による新デザインのカウル
・特許問題を回避した新湾曲スイングアーム
・クラス初のラムエアシステム
・55mmも短縮されたホイールベース
などなど、そして何よりマスの集中化とホイールベースの短縮、更にレイアウトの自由度にも貢献する新開発挟み角70°V型エンジン。

VJ23Aエンジン

その造り込みの本気度からも分かる通り、リミッターを解除したVJ23A型の速さは本当にずば抜けており

「唯一NSR250Rに対抗できるマシン」

という声がレース界隈の人たちから、そして当時のインプレッションでも

「SPはもちろんGPレースに出場できるポテンシャルを持っている」

と言われるほど本当に速かった。

RGV-Γ250

ただしこのバイクの本当に紹介したい凄い部分は、これらワークス譲りの性能よりもここに至るまでの経緯です。

先代でも話しましたが250ガンマは十二分に速かったにも関わらずワークスマシン人気が爆発したことで、貧乏ゆえにGP250レースにワークス参戦していなかったスズキは

「レーサーレプリカじゃない」

というケチが一部で付けられたりしました。

それが我慢ならなかった開発陣は色んな部署から予算を捻出してもらう事で89年からGP250用ワークスマシンを開発し20年ぶりに参戦。

そして見事1995年に全日本GP優勝を飾ったわけです。

VJ23Aと沼田選手

250ガンマがライバルと決定的に違う所はここ。

「ワークスマシンとレーサーレプリカの立ち位置が逆」

という事です。

普通はレースチームが開発したワークスマシンがあって市販車チームがそれを元にレプリカを開発する。でもスズキ/250ガンマの場合は逆。

フィードバックの流れ

市販車チームがワークスマシンを開発して参戦というどっちがレプリカなのか分からない状態だったんです。

どうしてそうなったのかというと250ガンマが誕生したのがGP250レースが本格始動する前だった事が一つ。そしてもう一つはスズキはお金がないのでワークスマシン開発も市販車開発も何でも自分たちでやらないといけない環境だったから。

でもだからこそこんなモデルを造ることも出来た。

VJ23A

RGV-Γ250SP/VJ23Aの開発に携わった方々の多くはワークスマシンXR95の開発に携わった方々でもあるんです。

ただし何度も言いますが90年代に入るとレーサーレプリカブームは尻すぼみだったからエンジン設計の山口さん曰く

「社内で今世紀最後の道楽だと揶揄された」

と、相当肩身が狭かった模様。※RACERS25より

VJ23Aリア

当たり前ですよね。

もうブームは去っている上に、排ガス規制強化の関係で出したとしても2年ほどしか販売出来ないのはわかっていた状況なんですから。

レースをやらせてもらうだけでも理解されないのに、売れない事が分かりきってる市販車を開発なんて批判されて当然なこと。

ならば何故それでもこれを開発し販売したのかといえば
「何のためにワークスマシンを開発したのか」
「何のために参戦し優勝したのか」
に繋がる。

ラッキーストライクカラー

「250ガンマのイメージシンボルはワークスマシンではなく市販車の250ガンマだから」

です。

250ガンマは元々プロダクション(市販車)レースの為に生まれたわけじゃない。

「レーシングポテンシャルを皆に味わってもらう為に生まれたバイク」

だからこそレースで勝って終わるのではなく、そのレースで培ったノウハウを持った市販車を出すことが250ガンマにとっての最終目的であり存在意義だったんです。

諸元表

VJ23Aは本当にガンマの最後を飾るに相応しい、ガンマという名を体現しているバイクだと思います。

”Γ(ガンマ)”

は栄光を意味する名。この名が初めて与えられたのは1981年WGP500のワークスマシンRGΓ。

ガンマの始まり

理由は1977年以来遠ざかっていたレースに復帰する際に

「チャンピオンという栄光を取り戻す」

という意気込みから。

つまり”Γ(ガンマ)”という名はもともと栄光という単純な意味じゃないんです。

『栄光を取り戻す名』

という意味が込められている。

そして250ガンマもRG250Γで自身によって切り開いたレーサーレプリカという栄誉を一度は手にした。しかし晩年はライバルの先行を許す形となりました。総合的な人気や戦績でいうとガンマが一番とは言えない部分も正直ある。

でも文句のつけようがない形で出た本当に最後のレーサーレプリカは間違いなくRGV-Γ250SP/VJ23A。

VJ23Aカタログ

「失った栄光を取り戻す為に開発されたレーサーレプリカ」

これぞ正に『栄光のガンマ』ですよね。

ちなみにこれら開発の熱すぎる思いはカラーリングにも込められています。

VJ23Aカラーリング

VJ23A型はボディーカラーを問わずチェーンアジャスターやフォークキャップなど各部に紫が入っているんですが、ボディカラーにまで反映させた写真一番右のカラーリング名が『ビスカリアマゼンタ』となっている事から、これはビスカリアというナデシコ科の花の色が由来だとわかる。

紫のパーツ

なんでビスカリアなのかといえば答えは花言葉にあります。

ビスカリアの花言葉それは・・・

RV23Aカタログ写真

「望みを達成する情熱」

主要諸元
全長/幅/高 1965/695/1095mm
シート高 765mm
車軸距離 1330mm
車体重量 134kg(乾)
燃料消費率 25.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 16.0L
エンジン 水冷2サイクル2気筒
総排気量 249cc
最高出力 40ps/9500rpm
最高トルク 3.5kg-m/8000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前110/70-17(54H)
後150/60-17(66H)
バッテリー FTX5L-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
BR9ECM
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.1L
スプロケ 前14|後46
チェーン サイズ520|リンク112
車体価格 777,000円(税別)
系譜図
RG250/E1978年
RG250/E
(GT250/2)
RG250Γ1983年
RG250Γ
(GJ21A)
RG250Γ1985年
RG250Γ
(GJ21B)
VJ211988年
RGV250Γ/SP
(VJ21A)
VJ211988年
WOLF
(VJ21A)
VJ221990年
RGV250Γ/SP/SP2
(VJ22A)
VJ231996年
RGV-Γ250SP
(VJ23A)

【関連車種】
NSR250Rの系譜TZR250の系譜KRの系譜

RGV250Γ/SP/SP2(VJ22A)-since 1990-

VJ22A

「進化の到達点」

再び大きくモデルチェンジしたVガンの二代目となるRGV250Γ/VJ22A型。

マフラーが左右二本出しから片側二本出しになり、ホイールも現代と同じ17インチ化、更には倒立サスまで装備し、それに合わせてフレーム改良。

1990RGV250

そして何より大きくチャンバーを避けるように湾曲したCAL-BOXスイングアーム(湾曲スイングアーム)が特徴ですね。

ここでレーサーレプリカを知らない世代の為にも少し話を脱線しますが、2st250cccレーサーレプリカといえば先ず上がるのがNSR250Rで次点はTZR250でしょう。

それは当時も同じでガンマは人気知名度で言えば三番手であり、それどころか人によっては

「ガンマはレーサーレプリカじゃない」

という人も居ました。

VJ22Aカタログ

「レーサーレプリカじゃないとはどういう事か」

という話なんですが、これはロードレースつまりレーサーが関係しています。

もともとレーサーレプリカというのはレーシングスペック的な意味合いだったのですが、80年代半ばになるとGP250というワークスマシンが源流にあって、その流れを受けているのがレーサーレプリカという意味合いになりました。

レーサーレプリカ

これがその相関図みたなもの。

じゃあスズキはどうだったのかというとGP500のワークスマシンは持っていたもののGP250のワークスマシンを持っていなかった。

ガンマは系譜の最初に話したようにWGP500のチャンピオンマシンだったRG500を250ccサイズで実現させるというコンセプトの元に生まれたバイクだったから当然な話でもあるんですが、この事からライバルたちにセールス面で引けを取ってしまった。

レーサーレプリカVJ22時代

なんで250に参戦していなかったのかと言えばスズキにそんなお金は無かったからです。

でもそれじゃダメだという事で営業から設計まで色んな部署に予算を割いてもらう事で1989年から

レーサーレプリカ

『ワークスマシンRGV-Γ250』
の開発及び参戦を。

これはシングルシートや乾式クラッチ、フルクロスミッション(※SP1のみ)を採用したSPモデル。

VJ22Aカタログ

それと同時に正真正銘GP250のレプリカカラーリングのモデルでもありました。

話をVJ22A型に戻すと、二年目にはオーバルキャブへ変更され中低速トルクをアップ&足回りも見直し。

そして三年目にはレーサーレプリカブーム終焉の始まりである40馬力自主規制対応モデルとなりました。

RGV250カタログ

この40馬力規制の大名目は社会風潮を鑑みてなんですが、いわゆる逆サバも止めようという狙いもあった。今では信じられませんが当時はカタログ馬力は体裁のために低く書かれていたんです。

ちなみに言い出しっぺはホンダですがスズキを含め全メーカーがのみました。

しかしこのガンマの場合、40馬力になった三型にはソレ以上に大きな変更が加わっています・・・それはスイングアーム。

RGV250カルアーム

湾曲スイングアームことCAL-BOXスイングアームから、ねじれ剛性が10%アップした通常のスイングアームになったんです。

これはCALアームの性能が悪かったワケでなく、ガルアー・・・特許の問題でこうなったようです。

CALアーム

湾曲系スイングアームの中ではとっても造形が綺麗で好評だっただけにちょっと残念ですね。

主要諸元
全長/幅/高 1980/690/1070mm
シート高 765mm
車軸距離 1380mm
車体重量 139kg(乾)
燃料消費率
燃料容量 16.0L
エンジン 水冷2サイクル2気筒
総排気量 249cc
最高出力 45ps/9500rpm
[40ps/9500rpm]
最高トルク 3.9kg-m/8000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前110/70-17(54H)
後150/60-17(66H)
バッテリー YT4L-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
BR9ECM
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.1L
スプロケ 前15|後46
チェーン サイズ520|リンク114
車体価格 609,000円(税別)
[616,000円(税別)]
※[]内は後期(92~)
系譜図
RG250/E1978年
RG250/E
(GT250/2)
RG250Γ1983年
RG250Γ
(GJ21A)
RG250Γ1985年
RG250Γ
(GJ21B)
VJ211988年
RGV250Γ/SP
(VJ21A)
VJ211988年
WOLF
(VJ21A)
VJ221990年
RGV250Γ/SP/SP2
(VJ22A)
VJ231996年
RGV-Γ250SP
(VJ23A)