「TOP OF THE CIRCUIT」
例年通り2年でモデルチェンジしたZX-6R/ZX600R型。
基本構成は先代のキャリーオーバーなものの、センターアップマフラーを止めた事から見ても分かる通り徹底したマスの集中化と軽量化で、装備重量191kgと先代から約10kgも軽量化が行われました。
ただ体感はそれ以上の物があります。
というのもこのモデルで行われた徹底的なマスの集中化に一役買ってるのが今では当たり前となっている『通称:弁当箱』とよく言われているサブチャンバー。
これはものすごく簡単に言うと、その名の通り第二のマフラーで触媒による排ガスのクリーン化と消音の効果があります。
これまではサイレンサーが全てを担っていたり、エキパイの集合部に触媒を詰めたりしていたんだけど、その両方を兼ねる物を腹下に置いたわけです。
何故こうしたのかというともちろんマスの集中化。
消音効果を上げる場合、部屋(膨張室)をとっても大きくしないといけない。大きくするという事は即ち重くなるということ。これは触媒を入れる事も同様。
だから一つで片付けるのではなく二分して一つを重心に近いセンターに置き、負担が減ったもう一つも小さくショート化して可能な限り車体に寄せてあるというわけです。
もう一つ上げておきたいのが市販車初となるSHOWA製BPF(ビッグピストンフォーク)です。
BPFというのは従来型よりもピストン径を大きく取れる様にしてあるサス。
ピストンが大きくなるということは受圧面積が増えるということなので、それだけ減衰力が稼げるというわけ。
簡単に言うと軽負荷でもヒョコヒョコせず粘りのあるストロークをするようになった物で、悪い意見を聞いたことがないと言えるほど優れたもの。
ちょっと小言。
これを機にZX-6Rについての先入観を捨ててほしいと思っています。
ZX-6Rは販売台数の速報でランクインしてるのを一回も見ない事から言っても日本ではあまり人気が無い。
デザインが欧州向けである事や、そもそも日本ではミドル需要が無いこともありますが、諸刃SSことZX-10Rという尖りすぎて玄人向けというイメージが定着した兄のせいもあるかと。
だからソックリな弟も同じ様な気難しいイメージを持たれてしまったのではないかと・・・全然違うんですけどね。
フレームの形やウィンカー位置などを見比べて貰えば分かる通り、色々と捻くれている兄と違って弟は改良を積み重ねてきた歴史も人気もそして評価も高いSSなんですよ
1995年から続く高い評価と歴史が何よりの証拠です。
主要諸元
全長/幅/高 | 2090/710/1115mm |
シート高 | 815mm |
車軸距離 | 1400mm |
車体重量 | 191kg(装) |
燃料消費率 | – |
燃料容量 | 17.0L |
エンジン | 水冷4サイクルDOHC4気筒 |
総排気量 | 599cc |
最高出力 | 119ps/12500rpm |
最高トルク | 6.8kg-m/11800rpm |
変速機 | 常時噛合式6速リターン |
タイヤサイズ | 前120/70ZR17(58W) 後180/55ZR17(73W) |
バッテリー | YTX9-BS |
プラグ | CR9E |
推奨オイル | カワサキ純正オイルR4/S4 または MA適合品SAE10W-40 |
オイル容量 | 全容量3.6L 交換時2.8L フィルター交換時3.1L |
スプロケ | 前16|後43 |
チェーン | サイズ520|リンク112 |
車体価格 | 1,155,000円(税込) |