125TR(F6/F6B) -since 1970-

125TR

「躍動マシン BOBCAT」

カワサキのトレール四兄弟の三男坊として登場した125TR。このTRシリーズには動物の名前も一緒に付けられていて、この125は山猫(ボブキャット)でした。

ちなみに全部を並べると

カワサキトレールシリーズ

350TR=BIGHORN(オオツノヒツジ)、250TR=BISON(バイソン)、125TR=BOBCAT(ボブキャット)、90TR=TRAIL BOSS(牛または牛追い)

です。バイソンは商標登録の関係ですぐ無くなりましたが。

モトクロッサーMX125をベースにしつつ、前後18インチ(後に21インチ)や二本サスなことからも分かる通りガチガチのオフロードバイクというよりオフロードバイクへ寄っていっている途中のスクランブラー的なバイク。

カワサキトレールシリーズ

とはいうもののエンジンはロングストロークエンジンながら15馬力とクラストップの速さを持ち合わせていました。

ちなみに125-TRはマイナーチェンジや海外向けモデルで125MSとなったりKS125に変わったりと名前が結構コロコロ変わっています。

カワサキは1960年代からオフロードレースや市販車に参入し始めたのですが、この(とにかく馬力な)TRシリーズが市場で功を奏した事からパワー路線を全面に押し出す方向性で波に乗っていきます。

主要諸元
全長/幅/高 2000/850/975mm
シート高
車軸距離 1315mm
車体重量 115kg(装)
燃料消費率 49.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 9.0L
エンジン 水冷2サイクル単気筒
総排気量 124cc
最高出力 15ps/7500rpm
最高トルク 1.4kg-m/7000rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前3.00-18-4PR
後3.25-18-4PR
バッテリー
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
B8HS
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.5L
スプロケ
チェーン
車体価格 153,000円(税別)
系譜図
125TR

1970年
125TR
(F6)

KE125

1975年
KE125
(KE125A)

KMX125

1986年
KMX125
(MX125A)

KDX125SR

1990年
KDX125SR
(DX125A)

KLX125

2009年
KLX/D-TRACER125
(LX125C/D)

KLX250(LX250S)D-TRACKER X(LX250V)-since 2008-

2008KLX250

排ガス規制の強化を機にフルモデルチェンジとなったKLX250と車名にXが付いたD-TRACKER X

FI、新設計D型断面スイングアーム、外装の変更、足回りの強化、足つきの改善などなど。

実はDトラッカーが思わぬ大ヒットを成し遂げた事もあって2008年のフルモデルチェンジからはDトラッカーXがメインという逆転現象が起きました。

D-TRACKER Xカタログ

先代がただオンロードタイヤを履かせてハンドルを変えただけだったのに対し、Xからは足回りも専用設計の物になりモタードとしての性能を向上。

(そしてちゃっかりスクランブラーとは言わずモタードと言い始めた)

DトラッカーX前期

規制強化で6馬力ダウンと若干の車重増になっちゃったんだけどギア比を中低速寄りに変更することでカバー。

もちろん高回転まで綺麗に吹け上がるモトクロッサーKX譲りのエンジンはそのまま。

他社に先駆けて水冷化した事もあって気付けば250オフではこのエンジンがいつの間にか最年長になっちゃいましたね。

デジタルメーター

さてそんな吹け上がりの軽いモトクロッサーエンジンを誇示するためか演出かわからないけど2008年モデルからは無駄にタコメーターが付いてる。

ところでこの2008年型が出た時、オフ車らしくないガンダムチックな二灯フェイスは賛否両論だった。

実は仕様地によってKLX250は保安の関係でライトが大型の物に変えられてる。

地域によっては車名にSが付いてKLX250Sとなってたり。

KLX250S

何かパチモン臭い・・・CRF250がそうだった様に普通はコストの関係で何処の国でも通るように統一したライト形状にするのが一般的です。

それでもわざわざ日本向けがガンダム顔なのはカワサキ自身コッチが好きなんでしょうね。

余談

有名なので知ってる方も多いと思いますが、KLX250は(2015年現在)自衛隊の偵察用オートバイに採用されています。

自衛隊KLX250

もはや”闘う4st”というより”戦う4st”ですね。

主要諸元
全長/幅/高 2200/820/1190mm
[2130/795/1125mm]
シート高 890mm
[860mm]
車軸距離 1430mm
[1420mm]
車体重量 136kg(装)
[138kg(装)]
燃料消費率 29.5km/L
※WMTCモード値
燃料容量 7.7L
エンジン 水冷4サイクルDOHC単気筒
総排気量 249cc
最高出力 24ps/9000rpm
最高トルク 2.1kg-m/7000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前3.00-21(51P)
後4.60-18(63P)
[前110/70-17(54S)
後130/70-17(62S)]
バッテリー YTX7L-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR8E
推奨オイル カワサキ純正オイル
または
MA適合品SAE10W-40
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.5L
交換時1.3L
フィルター交換時1.4L
{全容量1.3L
交換時1.3L
フィルター交換時1.4L}
スプロケ 前14|後42
[前14|後39]
チェーン サイズ520|リンク106
[サイズ520|リンク104]
車体価格 528,000円(税込)
[548,000円(税込)]
※[]内はD-TRACKER X
※{}内は11年以降モデル
系譜図
KL250

1977年
KL250
(KL250A/C)

KLR

1984年
KL250R/KLR250
(KL250D)

ES|SR

1993年
KLX250ES/SR
(LX250E/F)

スーパーシェルパ

1997年
SUPER SHERPA
(KL250G/H)

H型、J型、M型

1998年
KLX250
D-TRACKER
(LX250H/J)

S/V型前期

2008年
KLX250
(LX250S)
D-TRACKER X
(LX250V)

【関連車種】
CRF250RALLY/L/Mの系譜WR250R/Xの系譜SEROW250の系譜

KLX250D-TRACKER(LX250H/J)-since 1998-

LX250H

SRとESのいいとこ取りで一つに纏まったLX250E後期型、またはBA-LX250E型。

※BAというのは適合規制の記号です。詳しくは>>認定型式と通称型式

定評があったエンジンや足回りはそのままに多機能デジタルメーターなどの装備を充実化。

そして同時に発売となったのが国内ではマイナーだったモタードを普及させるキッカケとなった名車D-TRACKER(LX250J)です。

Dトラッカー

KLX250に17インチのオンロードタイヤを履かせたもの。

多くにとってオフ車なのにオンロードタイヤというスタイルは斬新すぎて最初は敬遠された。

しかし海外では既にモタードブームが起きていたこと、ジムカーナで人気だったこと、大型バイク顔負けな速さで下り去っていく玄人がいた事・・・などなど

多角面的にスポーツのイメージが広まっていった事で一年も立たずして人気が出てきた。

カワサキが得意とする先見の明・・・と思いきや実は違う。

今でこそDトラと言えば250モタードの先駆車、モタードの鉄板と言われていますが、カワサキはモタードとしてDトラを売りだした訳ではないんですね。

Dトラッカーのカタログ写真

最初はスクランブラーとして売り出してたんです。

スクランブラーっていうのはまだオフロードバイクが確立する前のカテゴリで、オフ走行を考慮されたオンロードベースのバイク事。

ちなみにD-TRACKERって車名の由来は多分そのままダートトラックから来てるんだと思います。

ダートトラック

ダートトラックというのは平坦な土をグルグル回るレース。とても同じジャンルのバイクには見えませんよね。でも当時のプレスリリースにもそう書いてあります。

ただDトラの場合、性能が良かったからモタードの潜在層や、本来ならターゲットじゃない層にまでウケて成功しちゃったというわけ。

つまり、別に先駆けたつもりは無かったのに気がついたら先駆車になってて名モタードに奉られてたっていう何とも面白い成功車。こうなった事に誰よりも驚いたのはカワサキじゃないかな。

2004年には生産台数が追いつかなかったのかタイへ生産が移され、ブランケットやリム幅、ショックなどに変更が入りました。

主要諸元
全長/幅/高 2135/885/1210mm
[2065/790/1175mm]
シート高 885mm
[865mm]
車軸距離 1435mm
車体重量 116kg(乾)
[118kg(乾)]
燃料消費率 46.5km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 8.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC単気筒
総排気量 249cc
最高出力 30ps/8500rpm
最高トルク 2.6kg-m/7500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前3.00-21(51P)
後4.60-18(63P)
[前110/70-17(54H)
後130/70-17(54H)]
バッテリー YTX7L-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR8E
推奨オイル カワサキ純正オイル
または
MA適合品SAE10W-40
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.5L
交換時1.3L
フィルター交換時1.4L
スプロケ 前14|後42
[前14|後39]
チェーン サイズ520|リンク106
[サイズ520|リンク104]
車体価格 459,000円(税別)
[469,000円(税別)]

系譜図

系譜図
KL250

1977年
KL250
(KL250A/C)

KLR

1984年
KL250R/KLR250
(KL250D)

ES|SR

1993年
KLX250ES/SR
(LX250E/F)

スーパーシェルパ

1997年
SUPER SHERPA
(KL250G/H)

H型、J型、M型

1998年
KLX250
D-TRACKER
(LX250H/J)

S/V型前期

2008年
KLX250
(LX250S)
D-TRACKER X
(LX250V)

Super Sherpa(KL250G/H) -since 1997-

スーパーシェルパ

KLXシリーズとはまた違った方向性、いわゆるトレッキングのスーパーシェルパ。

初期型はダウンフェンダー仕様(KL250G)とアップフェンダー(KL250H)が選べたのですが二年目からはアップフェンダーのみになっています。

SUPERSHERPAカタログ

トレッキングモデルということで足つきが非常に良く、エンジンも元気いっぱいなKLX250の物を再び空冷化した物。

なんでわざわざ空冷に先祖返りさせたのかって言うと、軽量化とエントリーモデルということで転けた時に水冷だとラジエーターを破損するおそれがあるのでそのためだろうね。

スーパーシェルパカタログ

オフ車の走破性にこだわりを持ってたカワサキらしくトレッキングの割には走破性が高い。

パワートレッキングというこれまた絶妙というか微妙というか・・・

でもそのおかげでセローにこそ敵わなかったもののソコソコ人気が出た。ただ空冷だったために排ガス規制を通せなかった為に2006年で生産終了となりました。

ちなみにオーストラリアやアメリカなどの農業者や牧場者向けのアギ(AGI)バージョンも存在した。

その名はSTOCKMAN

ストックマン

可能な限りガードとキャリアステーを付けたモデルなんだけど残念ながら日本では売られてない。

なんでかって言うとライト周りへのキャリア取り付けは違法だったから。

主要諸元
全長/幅/高 2060/780/1130mm
シート高 810mm
車軸距離 1360mm
車体重量 107kg(乾)
燃料消費率 44.5km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 9.0L
エンジン 空冷4サイクルDOHC単気筒
総排気量 249cc
最高出力 26ps/9000rpm
最高トルク 2.4kg-m/7000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前2.75-21(45P)
後41.0-18(59P)
バッテリー YTX7L-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR8E
推奨オイル カワサキ純正オイル
または
MA適合品SAE10W-40
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.5L
交換時1.3L
フィルター交換時1.4L
スプロケ 前14|後43
チェーン サイズ520|リンク102
車体価格 409,000円(税別)
系譜図
KL250

1977年
KL250
(KL250A/C)

KLR

1984年
KL250R/KLR250
(KL250D)

ES|SR

1993年
KLX250ES/SR
(LX250E/F)

スーパーシェルパ

1997年
SUPER SHERPA
(KL250G/H)

H型、J型、M型

1998年
KLX250
D-TRACKER
(LX250H/J)

S/V型前期

2008年
KLX250
(LX250S)
D-TRACKER X
(LX250V)

KLX250SR/ES(LX250E/F) -since 1993-

LX250E

「打倒2st!闘う4st!!」

高性能で人気を博していたKLRの後継となるKLX250SR

ぶっ飛んだ性能だったKLRの後継がどうなるかと思ったら更にぶっ飛んでた。

モトクロッサー(競技用)のKLR250Rと同時開発で30馬力を発生させる新設計の水冷DOHCエンジンを125cc並の軽量ボディに搭載。

KLX250SRカタログ写真

メッキシリンダーにペリメターフレームに日の字断面スイングアームにインナー43φの16段階減衰力調整機能付き倒立フォークで始動はキックのみ。

ライトもオマケ程度の物しか付いていないという徹底っぷり。

KLX250SR

水冷4stならではの高回転の伸びと乾燥重量109kgという軽さも相まって他を圧倒するほどの速さを持っていた。

現代の高性能オフの先駆車の様な存在。

その一年後に登場したのがKLX250ES

KLX250ES

スパルタン過ぎるSRに対し、こちらはセルと正立フロントフォークを装備した使い勝手を考慮したモデル。

それでも速さは圧倒的だった。オフロードブームだったからこそ出せたバイクだね。

ちなみにKLX250Rというモデルも同時発売された。

SRをベースに吸排気やサス変更をし、保安部品を取っ払ったバイク。

競技専用車両なので割愛します。

主要諸元
全長/幅/高 2135/885/1220mm
[2135/885/1210mm]
シート高 885mm
車軸距離 1435mm
車体重量 109kg(乾)
[119kg(乾)]
燃料消費率 50.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 8.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC単気筒
総排気量 249cc
最高出力 30ps/8500rpm
最高トルク 2.6kg-m/7500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前3.00-21(51P)
後4.60-18(63P)
バッテリー [YTX7L-BS]
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR8E
推奨オイル カワサキ純正オイル
または
MA適合品SAE10W-40
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.5L
交換時1.3L
フィルター交換時1.4L
スプロケ 前14|後42
チェーン サイズ520|リンク106
車体価格 449,000円(税別)
[459,000円(税別)]
系譜図
KL250

1977年
KL250
(KL250A/C)

KLR

1984年
KL250R/KLR250
(KL250D)

ES|SR

1993年
KLX250ES/SR
(LX250E/F)

スーパーシェルパ

1997年
SUPER SHERPA
(KL250G/H)

H型、J型、M型

1998年
KLX250
D-TRACKER
(LX250H/J)

S/V型前期

2008年
KLX250
(LX250S)
D-TRACKER X
(LX250V)

KL250R/KLR250(KL250D) -since 1984-

KL250R

先代KL250の後継として国産としては初めてトレールに水冷エンジンを積んだバイクでもあるKL250R。

DOHCで二軸バランサーで28馬力を発揮するエンジンも凄いけど、セミエアフォークにユニトラックサスと実は足回りも凄いやつ。

トレール車らしからぬヒュンヒュン回るエンジンと元々定評のあった走破性に磨きが掛かった事でロングセラーとなったモデル。

KLR250

性能が良かった事から、アメリカの海兵隊の特殊部隊「アメリカ海兵隊武装偵察部隊」で使われてた実績がある。

結果として初登場時の84年から93年まで大したマイナーチェンジもなく売られ続けたロングセラー車。

KLR250

ちなみにKLR250とKL250Rと2つ呼び名があるけどどっちも同じこのバイクの事を指す。

カワサキが国ごとに使い分けてたせいでゴチャゴチャになってる。

日本では最初はKL250Rで売ってたけど80年代後半からKLR250に切り替えたみたい。

主要諸元
全長/幅/高 2140/855/1205mm
シート高 835mm
車軸距離 1415mm
車体重量 117kg(乾)
燃料消費率 58.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 11.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC単気筒
総排気量 249cc
最高出力 38ps/9000rpm
最高トルク 2.3kg-m/7500rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前3.00-21-4PR
後4.60-17-4PR
バッテリー FB4L-A
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
DP9EA-9
または
X27EP-U9
推奨オイル カワサキ純正オイル
または
MA適合品SAE10W-40
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.5L
交換時1.3L
フィルター交換時1.4L
スプロケ 前15|後44
チェーン サイズ520|リンク104
車体価格 388,000円(税別)
※スペックは84KL250R
系譜図
KL250

1977年
KL250
(KL250A/C)

KLR

1984年
KL250R/KLR250
(KL250D)

ES|SR

1993年
KLX250ES/SR
(LX250E/F)

スーパーシェルパ

1997年
SUPER SHERPA
(KL250G/H)

H型、J型、M型

1998年
KLX250
D-TRACKER
(LX250H/J)

S/V型前期

2008年
KLX250
(LX250S)
D-TRACKER X
(LX250V)

KL250(KL250A/C) -since 1977-

KL250

カワサキ初となる4st250トレール車のKL250

エンジンはオンロードモデルのZ200の物をボアアップしたものだけど、フレームや足回りの開発には当時のKX(2st競技用モトクロッサー)メンバーが関わっていた事もあってオフロードの走破性は初代ながら目をみはるものがあった。

KL250カタログ

目をみはるものっていうか最初期のトレール車はメーカー問わずだいたい二本サスなんだけど、その中でもKL250は頭ひとつ抜けてた。

ただ初期はバランサーを搭載してないので振動も凄まじく、パーツが振動でもげるのも珍しくないほど。

KL250C

80年にセミエアサスを採用し、晩年の82年に249ccまでボアアップされバランサーを装備しました。

主要諸元
全長/幅/高 2155/855/1160mm
シート高 855mm
車軸距離 1415mm
車体重量 125kg(装)
[126kg(装)]
燃料消費率 46.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 9.8L
エンジン 空冷4サイクルDOHC単気筒
総排気量 246cc
[249cc]
最高出力 21ps/8500rpm
[22ps/8500rpm]
最高トルク 2.0kg-m/6500rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前3.00-21-4PR
後4.60-17-4PR
バッテリー 6N6-1D-2
[6N6-3B]
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
B7ES
[B8ES]
推奨オイル カワサキ純正オイル
または
MA適合品SAE10W-40
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.5L
スプロケ 前14|後40
チェーン サイズ520|リンク96
車体価格 278,000円(税別)
※[]内は後期C型
系譜図
KL250

1977年
KL250
(KL250A/C)

KLR

1984年
KL250R/KLR250
(KL250D)

ES|SR

1993年
KLX250ES/SR
(LX250E/F)

スーパーシェルパ

1997年
SUPER SHERPA
(KL250G/H)

H型、J型、M型

1998年
KLX250
D-TRACKER
(LX250H/J)

S/V型前期

2008年
KLX250
(LX250S)
D-TRACKER X
(LX250V)

KR-1S/R(KR250C/D) -since 1989-

KR-1S

「SUPER CIRCUIT POTENTIAL」

KR-1から一年ほどで登場したレース特化モデルのKR-1S/KR250C型とKR-1R/KR250D型。

具体的には

・エンジン見直し

・ワイドリム五本スポークホイール

・ブレーキを対向4POT化

・フレーム剛性の見直し(リブの削除)

などなどの変更。

登竜門的なレースだったSP250に挑むレーサーに向けて作られた意味合いが強いRモデルは更に

・クロスミッション

・強化クラッチ

・大径キャブ

を標準装備。

ところで少し話が変わりますがレーサーレプリカというのは文字通りレーサーのレプリカなわけで

「どれだけワークスやレーサーに近いか」

が当時のセールスではとっても大事でした。

レプリカ相関図

そうなった時に

「KR-1って何のレプリカなの」

となるわけです。

カワサキのレプリカ相関図

カワサキはGPZ900のヒットから始まったアンチレーサーレプリカ路線を強め1983年にはレースから完全撤退していました。つまりワークスレーサーも市販レーサーも持っていなかった。

カワサキもそれがネックだという事が分かっていたので、1989年から全日本250クラスにワークス参戦を開始。

X-09

これがその250ワークスマシンX-09です。

チームはKR-1と同じでベースとなっているのもKR-1。

レーサーからのレプリカではなく、レプリカからのワークスレーサーという順番が逆な展開。

そんなX-09は並列二気筒ではなくV型二気筒を積んでいるわけですが・・・それがまた独創的。

009D

Vツインを引っくり返した様な形で搭載している。

最初は俗に言うL字程度の傾きだったのですが、大容量エアクリーナーボックスとクランクリードバルブまでをストレートに結ぶことを最優先した結果1993年モデルで遂に逆さまに。

なんともカワサキらしい独自性でKR250に負けずとも劣らない逆V型エンジンのレーサー。そしてそれをフィードバックしたレーサーレプリカが市場に登場する・・・ハズだった。

この頃というのはレプリカ人気(市場人気)に直結することからワークスによる全面対決状態で一番過激になっていました。

だから暫くレースから遠ざかっていたカワサキには厳しい物がありX-09は活躍できずにいた。

それと同時に90年代に入るとレーサーレプリカブームが失速し始め、また自社からアンチレーサーレプリカの急先鋒といえるゼファーが登場し大ヒット。

KR-1

つまり早い話がX-09で戦う理由、そしてKR-1を続ける意義が薄れてしまった。

そのためカワサキは1993年のシーズン終了を待たずに全日本250クラスから撤退。KR-1もそれに伴い終わりを迎える事になりました。

主要諸元
全長/幅/高 2005/695/1105mm
シート高 755mm
車軸距離 1370mm
車体重量 131kg(乾)
燃料消費率 -km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 16.0L
エンジン 水冷2サイクル2気筒
総排気量 249cc
最高出力 45ps/10000rpm
最高トルク 3.7kg-m/8000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前110/70R17(54H)
後140/60R18(64H)
バッテリー YB4L-A
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
BR10ES
または
W31ESR
推奨オイル カワサキ純正オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.2L
スプロケ 前14|後41
[前15|後40]
チェーン サイズ520|リンク98
車体価格 559,000円(税別)
[599,000円(税別)]
※[]内はKR-1R(D型)
系譜図
KR2501984年
KR250/S
(KR250A)
KR250S1985年
KR250S
(KR250A後期)
KR250B1988年
KR-1
(KR250B)
KR250C1989年
KR-1S/R
(KR250C/D)

【関連車種】
NSR250Rの系譜TZR250の系譜250Γの系譜

KR-1(KR250B) -since 1988-

KR-1

「レーシングパフォーマンス」

先代KR250とは打って変わり遠慮なくカウルが付いたレーサーレプリカとして登場したKR-1/KR250B型。

アンチレーサーレプリカ路線を改め、真っ向勝負を挑んだモデルです。

KR1カタログ

ただこれは正確に言うと

「レーサーレプリカブームだから出した」

というよりもブームの熱源である

「F3やSP250のために出した」

というのが正しい表現かと思います。※レプリカブームの背景はそのうち書きます

じゃあそのレースに向けたKR-1がどんなバイクだったのかと言うとKR250とは打って変わって非常にオーソドックスな造り。

KR1のボディ

もちろん極太フロントフォークや、このクラスでは非常に珍しい前傾の強いバランサー付き並列二気筒エンジンなど特徴はあります。

しかもKR-1はバランサー付けた上にラバーマウントというW防振仕様で振動がほとんどない。

KR-1

ただこの250とは思えないゴツいアルミツインスパーフレームを見れば分かる通り、剛性がガチガチ過ぎてお世辞にも乗りやすいレーサーレプリカとは言えなかった。

でもバランサーによるスムーズな吹け上がりと乾燥重量123kgというクラス最速の軽さを持っていたから速かったのもまた事実。

KR250Bカタログ

「手強いけどハマれば速い」

というレーサーレプリカだろうが変わらずカワサキらしさがあるバイクでした。

主要諸元
全長/幅/高 2005/690/1115mm
シート高 750mm
車軸距離 3165mm
車体重量 123kg(乾)
燃料消費率
燃料容量 16.0L
エンジン 水冷2サイクル2気筒
総排気量 249cc
最高出力 45ps/10000rpm
最高トルク 3.7kg-m/8000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前100/70R17(48H)
後130/60R18(60H)
バッテリー YB4L-A
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
BR9ES
または
W27ESR
推奨オイル カワサキ純正オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.2L
スプロケ 前14|後41
チェーン サイズ520|リンク98
車体価格 559,000円(税別)
系譜図
KR2501984年
KR250/S
(KR250A)
KR250S1985年
KR250S
(KR250A後期)
KR250B1988年
KR-1
(KR250B)
KR250C1989年
KR-1S/R
(KR250C/D)

KR250S(KR250A後期) -since 1985-

カワサキKR250S

「スーパーフレキシブル・タンデムツインクォーター」

わずか一年で追加モデルとして発売されたKR250S。

・ラバーマウントミラー

・シート形状の変更

・専用カラーリング

などなどの変更が加わっているのですが一番は

『KVSS(カワサキ・バルブ・シンクロナイゼーション・システム)』

という排気デバイスが付いたこと。

KVSS

これは簡単に言うと両方のエキゾーストチャンバーをバイパスで繋げ、回転数に応じてバルブ開閉して繋げるようにしたもの。

こうすることで互いの排気が互いの掃気の際にそのまま流れていってしまう混合気を押し戻す事が出来て充填効率を上げる事ができる。

これは主に低域で効果を発揮するデバイスで低速トルクのアップが狙いです。

KR250Sカタログ写真

実はKR250Sを出したのはこのデバイスを付けるために出された様なモデル。

というのも実は無印版のKR250があまりにも低速トルクが無く、煽りが足りずエンストして発信する事すら出来ない人が続出したから。

これはテストライダーが清原氏を始めとしたレーサーのみで

「レーサーレプリカなんだからこれくらいが普通だろう」

と想定していた使用域が余りにも高かった事が原因のよう。

KR250S/KR250A

『スーパーフレキシブルパワー』

とキャッチも柔軟性をアピールする物に変わっているのもそのためです。

ところでKR250/Sというと何と言っても中身はレーサーレプリカなのに見た目はレーサーっぽくないのが印象的ですが、これには止むに止まれぬ事情があったよう。

日の丸テール

車体設計を担当した新谷さんいわくKR250を開発していた当時は

『カウルの認可が下りない時代』

だった。

だからホンダのVTと同じ様にメーターバイザーという名目でアッパーカウルだけ付けたスポーツネイキッドとして出し、カウルは後から付けたい人だけ付けてもらうオプションで計画で進んでいた。

しかし発売直前でカウルが認可される様になり初のカウルマシンとしてガンマが大ヒット。

空前のカウルブームとなった事からオプションのサイドカウルとアンダーカウルを標準装備に急遽変更しこの形になった。

KR250S

「カウルは付けているけどレーサーっぽくない」

と言われた真相にはこういう背景があったわけです。

主要諸元
全長/幅/高 2035/685/1170mm
シート高 770mm
車軸距離 1360mm
車体重量 139kg(乾)
燃料消費率 42.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 18.0L
エンジン 水冷2サイクル2気筒
総排気量 249cc
最高出力 45ps/10000rpm
最高トルク 3.7kg-m/8000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前100/90-16(54H)
後110/80-18(58H)
バッテリー FB4L-A
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
B9ES
推奨オイル カワサキ純正オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.5L
スプロケ 前14|後38
チェーン サイズ520|リンク98
車体価格 508,000円(税別)
系譜図
KR2501984年
KR250/S
(KR250A)
KR250S1985年
KR250S
(KR250A後期)
KR250B1988年
KR-1
(KR250B)
KR250C1989年
KR-1S/R
(KR250C/D)