KR250(KR250A) -since 1984-

カワサキKR250

「SUPER LUXURY SPORTS」

レーサーレプリカブーム黎明期に登場したKR250/KR250A型。

まさにカワサキの2stレーサーレプリカを代表する車種・・・なんですがその割にはレーサーレプリカ特集でも端折られる事が多いモデル。知らない人も多いのではなかろうか。

KR250後期

カワサキはGPZ400Rなどのアンチレーサーレプリカ路線でレースから離れてしまったのが大きな理由でしょうか。

ただこのKR250もれっきとしたレーサーレプリカなんですよ。

このKR250は1977年から1983年まで参戦していたWGP250のワークスレーサーKR250のレプリカです。

KR250A

同じ名前だからちょっとややこしいんだけど後ろに見えるのがそうで、WGP(ロードレース世界選手権)250部門でチャンピオンを四度も取った凄いマシン。

そしてちゃんとレプリカと言えるようレーサーと同じタンデムツイン形式のエンジンを積んでいます。

タンデムツインエンジン

タンデムツインというのは文字通り単気筒がタンデムするよう縦に二個並べられたエンジンの事。

エンジン幅をシングル並のスリムさに出来るメリットがあります。

これだけでも十分ユニークなんですが、KR250はもう一つ紹介したいユニークな物を備えています。

RRISシステム

『R.R.I.S.(ロータリー&リードバルブインテークシステム)』

とよばれる吸気方式です。

と言ってもピンと来ない人が多いと思うので簡易ながら説明。

2stの吸気方式というのは大まかに分けて三種類あります。

一つはピストンバルブ方式。

ピストンバルブ

早い話が吸気ポートの弁の役割も全てピストンにさせるもっともシンプルな方式。

次はクランクケースリードバルブ方式。

クランクケースリードバルブ

吸気ポートの弁の役割をリードバルブと呼ばれる負圧で開く弁に任せ、クランクに直接繋げている方式。

ピストンの位置に依存せず吸気が出来るメリットがあり晩年はこっちが主流でした。

※後にピストンバルブにもリードバルブが付きました

そして最後はロータリーディスクバルブ方式。

ロータリーディスクバルブ

これはクランクと一緒に回る円盤を弁にしている方式。

絵が下手で申し訳ないんですが、常に回転数に応じた正確な開閉が出来るのがメリット。

クランク回転角に応じて吸気ポートが開いたり塞がったりするメダルゲームみたいな開き方。

で、もう一度KR250の吸気方式をおさらいすると

レーサーレプリカKR

『ロータリー&リードバルブインテークシステム』

と二つの吸気方式が合体した様な名前になっていますよね。

これがどういうことかというと、方式としてはロータリーディスクバルブと同じ。ただその吸気口の一部にリードバルブが設けられている。

レーサーレプリカKR

弱い負圧の時は開かないけど、強い負圧の時にはパカっと弁が開いてグングン吸気する可変バルブみたいな機能。

スペースに余裕があるロータリーディスクバルブならではの手法ですね。

KR250

これのおかげでKR250は2stらしさ全開の二段ロケット加速をします。

ちなみにこの機能はARとKR25にしか採用されていない珍しい機能。

KR250カタログ

横から顔を出しているキャブはそれを示しているKR250のアイコン。

そしてそれと同時に

「他所と同じことはしない」

というポリシーをデザイン共々よく表しているカワサキらしいレーサーレプリカというわけ。

主要諸元
全長/幅/高 2035/685/1185mm
シート高 790mm
車軸距離 1360mm
車体重量 133kg(乾)
燃料消費率 40.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 18.0L
エンジン 水冷2サイクル2気筒
総排気量 249cc
最高出力 45ps/10000rpm
最高トルク 3.7kg-m/8000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前100/90-16(54H)
後110/80-18(58H)
バッテリー FB4L-A
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
B9ES
推奨オイル カワサキ純正オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.5L
スプロケ 前14|後38
チェーン サイズ520|リンク98
車体価格 498,000円(税別)
系譜図
KR2501984年
KR250/S
(KR250A)
KR250S1985年
KR250S
(KR250A後期)
KR250B1988年
KR-1
(KR250B)
KR250C1989年
KR-1S/R
(KR250C/D)

Ninja250(EX250P) -since 2018-

三代目Ninja250

「LEGENDARY PERFORMANCE」

二代続けて大成功を収めていたNinja250の三代目となるEX250P型。この方からABSのみとなりました。

2018Ninja250ボディ

開発責任者は先代から変わらず田中さんですが、250と300という二足のわらじから250と400という更に排気量が違うわらじに変更。

フレームもエンジンも新設計のダイヤモンドトレリスフレームのピボットレスに、エンジンの方もクラストップとなる39馬力/12500rpmのカリカリ仕様に。

Ninja250とNinja400

400とはエンジンもフレームも共用だからサスの関係で高さが数ミリ違うことと、車重が1kg違う事を除けば基本的に全て同じです。

250なのにLEDヘッドライトユニット、ギヤポジションインジケーターも標準装備。

Ninja250メーター

ルックスもそうですが装備も性能もどこまで行くんでしょうね。

ちなみにフレームのピボットレスというのはスイングアームをメインフレームに繋げるのではなくエンジンに繋げる事で、要するにエンジンを従来以上にフレームの一部として活用する事。

メインフレームを細く軽くできたのはこれのおかげ。

2018Ninja250エンジン

スイングアームを直接エンジンに付けるのではなく、ピボットプレートにスイングアームを取り付けて、ピボットプレートとエンジンをボルトマウントしているようですね。

ここで少し掘り下げるというかピックアップしたいのが、最近250でもメジャーになりつつあるダウンドラフト吸気というやつ。

大型スーパースポーツでは当たり前なレイアウトで、2018年型Ninja250もこれを採用したことで39馬力まで高馬力になったわけです。

ダウンドラフト吸気

ダウンドラフト吸気というのは要するに吸気の流れを垂直に近い形する事で、これをすると吸気効率が上がります。

ただこれの最もたる狙いは吸気管の長さを抑える事。ダウンドラフト化に加えて弁であるスロットルバルブが従来の二枚から一枚になっているのもそのため。

簡単に言うと吸気管の長さというのは短いほどエアクリーナーから強力にガバッと吸える事から高回転型にでき、長いほど弱い吸気でも確実に吸える中低速型に出来る・・・わけですが、最近になってダウンドラフトが急速に広まりだしたのはガソリンを吹くFIの進化が大きい。

吸気管を短くするということは燃料と空気の混合時間猶予を短くする事になる。すると混合気の濃さにムラができてしまうんですね。

デュアルFI

だからFIの場合は車種や年代にもよるんだけどデュアルFIといって少し手前にサブのFIとスロットルバルブを付けるのが一般的。

これはFIが加圧で燃料を噴射する構造だから。

キャブレターとインジェクションの違い

負圧で勝手に拡散混合するキャブと違い、FIは勢い良くレーザーの様に出るからキャブほど拡散混合しない。

ところが技術進歩によってその問題を解消した超微粒子マルチホールインジェクターが当たり前になってきた。

新旧FI

Ninja250もそんな最新FIを採用したことで、これだけ短い管でこれだけエンジンのすぐ上まで持ってくる事が可能となり、結果として高回転&高馬力型に出来るようになったというわけですね。

が、Ninja250はソコから更にもう一歩進んでいます。

高回転でパワーを出すエンジンになった事で上の伸びが凄まじいことになっているNinja250ですが、いくらFIが進化したからといって上を取るということは少なからず下を犠牲にすることになる。

パワーカーブ

ところがこのNinja250はボア・ストローク比はそのままで犠牲にしていないどころか先代より中低速までもが厚くなっている。

この事に貢献しているのが大容量化エアクリーナーボックスと、その中にあるエアファンネルという吸気管の始まりである口の部分。

エアファンネル

左右の形が違うのが見て取れると思います。

これの狙いは吸気干渉と言って、左右の気筒が空気を取り合うことで起こる吸気効率低下によるトルク減少を解消するため。

並列二気筒180度クランクというのは一番が吸った後、すぐに隣の二番も吸い始めるから吸気干渉が強く起こる。

だからこうやって二番の口の向きを変えて伸ばすことで、もう少し手前まで自分から吸いに行かせる様にしているわけですね。

2018年式ニンジャ250

御託ばかりになってしまいましたが、要するに見た目が完全にSSだった物が中身までSSになってしまったという事です。

もう一昔前のスーパースポーツ顔負けな構成になりましたね。見送られた装備といえば電スロくらいでしょうか。

2018年式ニンジャ250LEDヘッドライト

でも、ここまでやって車体価格は先代から+76,140円の629,640円(税込)とそこまで上がっていない。

ほぼ同じ車体構成のNinja400が+81000円の710,640円(税込)なのを考えると、かなりの価格差というか250を抑えてある。

2018年式ニンジャ250赤

これはひとえに250だからでしょう。Ninja400とNinja250が同じ値段だったら誰も250を買わない。

ほぼ同じ構造ですがどちらが主軸かと言えば明らかに400で、250は副軸のような立ち位置。口うるさい欧州向けも400のようですしね。

2018年式ニンジャ250黒

まあ副軸と言えどクラストップの性能なんですが、上位互換の400が居るから・・・という理由というよりも明らかに名目で安く設定してるとしか。

何故そうまでして250を大幅に安くしているのかといえば250はエントリーユーザーが多いからでしょう。

そしてカワサキにとってNinja250はそんなエントリーユーザーが一番振り向いてくれる大事で貴重なNinja。

2018年式ニンジャ250KRTエディション

「性能は上げても敷居は上げない」

カワサキの250に対する姿勢には本当に頭が下がります。

主要諸元
全長/幅/高 1990/710/1125mm
シート高 795mm
車軸距離 1370mm
車体重量 166kg(装)
燃料消費率 26.2km/L
※WMTCモード値
燃料容量 14.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC2気筒
総排気量 248cc
最高出力 37ps/12500rpm
最高トルク 2.3kg-m/10000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前110/70-17(54H)
後140/70-17(66H)
バッテリー YTX9-BS
プラグ SILMAR9B9
推奨オイル カワサキ純正オイルR4/S4
または
MA適合品SAE10W-40
オイル容量 全容量2.0L
交換時1.3L
フィルター交換時1.7L
スプロケ 前14|後40
チェーン サイズ520|リンク106
車体価格 583,000円(税別)
系譜図
Z250FT1979年
Z250FT
(KZ250A)
GPZ250BeltDrive1983年
GPz250BeltDrive
(EX250C)
GPZ250R1986年
GPZ250R
(EX250E)
gpx250r

1988年
GPX250R/R2
(EX250F/G)

ZZR250前期1990年

ZZR250
(EX250H前期)

ZZR250後期

2002年
ZZR250
(EX250H後期)

Ninja250R

2008年
Ninja250R
(EX250K)

2013Ninja250

2013年
Ninja250
(EX250L/M)

Z250

2013年
Z250
(ER250C/D)

2018Ninja2502018年
Ninja250
(EX250P)

【関連車種】
CBR250RRの系譜YZF-R25/3の系譜GSX250R/GSR250の系譜

Z250(ER250C/D)-since 2013-

Z250

「唯一無二のクオーターストリートファイター」

Ninja250のストリートファイター版として登場したZ250。

中身は丸々Ninja250と同じかと思いきや実はそうでもなく、バーハンに変更されてるのはもちろんサスペンションを柔らかめにリセッティング。これはNinja250より更に街乗りに振っている証。

Z250

何度も言ってるようですが250もここまで来たかという感じですね。カウルの造形もそうだしZのトレンドの一つである盛り上がったタンクまでしっかり継承。

ところで系譜を追ってもらうと分かるんですが、Ninja250も元を辿ると1979年のZ250FTが始まり。

Z250比較

そして30年以上の月日を経って再びZ250。

まさしくリボーンなわけで。だとするとNinja250ではなくZ250の方がカワサキ250ccの本流とも言えなくもないですね。

更に小言が続きますが、カワサキの調査によるとZ250はNinja250より更にエントリーユーザー率が高いそうです。

誰かが言っててナルホドと思ったんですが

「フルカウルに興味を示すのはリピーター。ネイキッドに興味を示すのはニューカマー。」

という話。

Z250カタログ写真

カワサキが率先して出してきたZ250というバイクは

「もっとカワサキに興味を持ってほしい」

という思いの現れなんでしょうね。

主要諸元
全長/幅/高 2015/750/1025mm
シート高 785mm
車軸距離 1410mm
車体重量 168kg(装)
[170kg(装)]
燃料消費率 38.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 17.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC2気筒
総排気量 248cc
最高出力 31ps/11000rpm
最高トルク 2.1kg-m/8500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前110/70-17(54S)
後140/70-17(66S)
バッテリー YTX9-BS
プラグ CR8E
推奨オイル カワサキ純正オイルR4/S4
または
SAE10W-40
オイル容量 全容量2.4L
交換時2.0L
フィルター交換時2.2L
スプロケ 前14|後44
チェーン サイズ520|リンク108
車体価格 488,000円(税込)
[553,500円(税込)]
※[]内はABSモデル(ER250D)
系譜図
Z250FT1979年
Z250FT
(KZ250A)
GPZ250BeltDrive1983年
GPz250BeltDrive
(EX250C)
GPZ250R1986年
GPZ250R
(EX250E)
gpx250r

1988年
GPX250R/R2
(EX250F/G)

ZZR250前期1990年

ZZR250
(EX250H前期)

ZZR250後期

2002年
ZZR250
(EX250H後期)

Ninja250R

2008年
Ninja250R
(EX250K)

2013Ninja250

2013年
Ninja250
(EX250L/M)

Z250

2013年
Z250
(ER250C/D)

2018Ninja2502018年
Ninja250
(EX250P)

Ninja250(EX250L/M)-since 2013-

二代目Ninja250

「クラスを超越」

売れると見るやいなや競合車が出てくるのは歴史から見ても当然のことで、Ninja250Rの大ヒットにより小排気量スポーツバイクが群雄割拠に。

Ninja250デザインスケッチ

そんな中でカワサキが下した決断は、守りに入るのではなく追いつかれる前に引き離す事。

そうして誕生したのがこの二代目となるNinja250のEX250L型とEX250M型。M型はABS搭載モデルの事です。

2013Ninja250R

ZX-10Rの流れを汲むどっからどう見てもSSな見た目となりました。

一見すると中身の方は変わっていないように見えますが、実は大きく変わっています。

まずエンジンはシリンダー部をアルミダイキャストのメッキシリンダー化によりパワーを下げることなく圧縮比を落とし中低速トルクを向上。

2013Ninja250のフレームとエンジン

更にフレームも、このモデルから追加された300ccモデル(ABS無しのEX300Aと有りのEX300B)との併用を考え、材質をスチールからハイテンスチールへ変更することで剛性をアップ。

代わりにそれまで剛性メンバーとしてリジットだったエンジンマウントの一部をラバーマウントとすることで振動を軽減。それに伴いサスペンションも見直されています。

更に2015年モデルからはスリッパークラッチも搭載されました。

スリッパークラッチ

「250でスリッパークラッチなんて要らないでしょ・・・」

って思ってる人も多いと思いますが、スリッパークラッチというのは急激なシフトダウン時のホッピングを防ぐだけでなく発進時もサポートしてくれるんです。

詳細は「スリッパークラッチに対する誤解|バイク豆知識」で書いてるので割愛。

Ninja250ウィンターエディション

そして晩年にはラジアルタイヤに対応したWinterEditionも発売。リアは10mmアップの150mmにワイド化されています。

そんなNinja250ですが、スリッパークラッチより要らないと思えるのがヒートマネージメント技術とよばれるもの。

ヒートマネージメント技術

これは停車中にエンジンから来る熱風をライダーに当てないようにしている技術。

これこそ

「250では要らないでしょ」

と思うわけですが、実はこれ日本ではなくメイン市場であるインドネシアなど日本よりも熱い地域の人達の為の装備。

我々や欧米人は信号待ちで熱風を浴びるのは仕方がないと考えるのですが、アジアの人達にとっては我慢ならない事なんだとか。

まあ向こうは平均気温が30℃近いですからね。

Ninja250カラーバリエーション

そう、先代の時に言いそびれたんですがNinja250は日本向けロードスポーツではなく世界戦略車・・・というかアジア向けハイパフォーマンスモデルという立ち位置がメイン。

実際インドネシアでは一月で日本の一年分に相当する3000台以上を売り上げます。向こうの人にとってはこのNinja250が憧れのスーパースポーツなんです。

マレーシアの白バイ仕様

ちなみにこれはマレーシアで採用された白バイ仕様。

アジアの人がこれだけ買ってくれるから、250でこれだけのルックスと装備を持ったバイクが50万円ちょっとで買えるわけ。

「じゃあ日本はオマケなのか」

というと否定は出来ないけど、ちょっと違う。

田中邦博さん

この大事な二代目Ninja250の開発責任者はER-6などを担当された田中邦博さんなんですが、この方は学生時代にアルバイトでお金を貯めてZXR250を買ったのがバイク人生の始まり。

その時に自分が感じた

Ninja250ヘッダー

「初めてスポーツ車に乗った感動」

を今の日本の若者にも味わって欲しいという熱意を糧にNinja250を作ったとの事。

反響から見るにその熱意はちゃんと伝わったようですね。

主要諸元
全長/幅/高 2020/715/1110mm
シート高 785mm
車軸距離 1410mm
車体重量 172kg(装)
[174kg(装)]
燃料消費率 25.7km/L
※WMTCモード値
燃料容量 17.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC2気筒
総排気量 248cc
最高出力 31ps/11000rpm
最高トルク 2.1kg-m/8500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前110/70-17(54H)
後140/70-17(66H)
バッテリー YTX9-BS
プラグ CR8E
推奨オイル カワサキ純正オイルR4/S4
または
MA適合品SAE10W-40
オイル容量 全容量2.4L
交換時2.0L
フィルター交換時2.2L
スプロケ 前14|後44
チェーン サイズ520|リンク108
車体価格 583,000円(税別)
系譜図
Z250FT1979年
Z250FT
(KZ250A)
GPZ250BeltDrive1983年
GPz250BeltDrive
(EX250C)
GPZ250R1986年
GPZ250R
(EX250E)
gpx250r

1988年
GPX250R/R2
(EX250F/G)

ZZR250前期1990年

ZZR250
(EX250H前期)

ZZR250後期

2002年
ZZR250
(EX250H後期)

Ninja250R

2008年
Ninja250R
(EX250K)

2013Ninja250

2013年
Ninja250
(EX250L/M)

Z250

2013年
Z250
(ER250C/D)

2018Ninja2502018年
Ninja250
(EX250P)

Ninja250R(EX250K) -since 2008-

Ninja250R

「NEXT GENERATION」

2008年の排ガス規制強化により先代ZZR250を始め多くのバイクが生産終了となり、閑古鳥が鳴くほど寂しくなっていた時代にカワサキが出してきたNinja250R。

中身の方は先代ZZR250のエンジンをベースに新排ガス規制に対応し、ダイヤモンドスチールフレームに搭載したもの。

小忍

ただ意外だったのが、ZZR250が築いてきたツアラー路線ではなくセパレートシートなどスポーツ路線だった事。

お世辞にもハイスペックと言えるバイクではなかった為、Ninjaの名を冠した事に当時はアレコレ言われましたね。

でもNinja250RがNinjaシリーズである証がちゃんとあるのをご存知でしょうか。見た目や名前の話ではありませんよ・・・その部分は骨格であるフレームです。

Ninja250Rフレーム

これ左のフレームはNinja250Rの物。そして右側のフレームはGPZ900Rのもの。

そう外見からは想像が付きませんが、Ninja250Rは元祖Ninjaとして有名なGPZ900Rと瓜二つなダイヤモンドフレームを持っているんです。

EX250K

それにこのNinja250Rは従来の二倍にあたる4年を掛けて大事に開発したと言うだけの事はあり、扱いやすいパラレルツインに取り回し易いポジション、そして何より発売当初50万円を切る安さという、エントリーモデルとしては文句の付け所がなかった。

ちなみにこの50万円を切る値段だったのは初年度のみ。

これはインパクトを出すためで本当はそんな値段で売るバイクじゃなかったんだとか。それだけカワサキはこのNinja250Rの成功に賭けていたわけです。

Ninja250Rカタログ写真

結果は皆さん御存知の通り、当時としては異例の一年納車待ちが起こるほど売れに売れ、世界累計20万台を突破する大ヒットとなりました。

Ninja250Rは間違いなく2000年代を代表する偉大なバイク。

そしてリピーターが多くニューカマーが少ないというカワサキの悩みを大きく解消した偉大なNinjaです。

主要諸元
全長/幅/高 2085/715/1110mm
シート高 775mm
車軸距離 1400mm
車体重量 168kg(装)
燃料消費率 40.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 17.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC2気筒
総排気量 248cc
最高出力 31ps/11000rpm
最高トルク 2.1kg-m/8500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前110/70-17(54S)
後130/70-17(62S)
バッテリー YTX9-BS
プラグ CR8E
推奨オイル カワサキ純正オイルR4/S4/T4
または
MA適合品SAE10W-40
オイル容量 全容量1.7L
交換時1.3L
フィルター交換時1.6L
スプロケ 前14|後43
チェーン サイズ520|リンク106
車体価格 498,096円(税別)
系譜図
Z250FT1979年
Z250FT
(KZ250A)
GPZ250BeltDrive1983年
GPz250BeltDrive
(EX250C)
GPZ250R1986年
GPZ250R
(EX250E)
gpx250r

1988年
GPX250R/R2
(EX250F/G)

ZZR250前期1990年

ZZR250
(EX250H前期)

ZZR250後期

2002年
ZZR250
(EX250H後期)

Ninja250R

2008年
Ninja250R
(EX250K)

2013Ninja250

2013年
Ninja250
(EX250L/M)

Z250

2013年
Z250
(ER250C/D)

2018Ninja2502018年
Ninja250
(EX250P)

ZZR250(EX250H) -since 2002-

1990ZZR250

「International Touring」

1999年の規制強化に伴い一度はカタログ落ちするも、ファンからの強い要望もありタイ生産として復活したZZR250の後期モデル。規制に対応するためパワーが40馬力から35馬力まで下がりました。

ZZR250後期

簡単な見分け方としてはミラーが同色から黒になり、タンクのロゴがシールから凹凸のあるメッキの立体物に変わっている事。更に末期モデルでは黒ホイールになりました。

ZZR250Hカタログ写真

ただ元々スペック競争ともブームとも無縁なバイクだったうえに、前期型であった小さな不具合も改善された事から既に鉄板扱いだった250ツアラーとしての地位が不動のものに。

終わってみれば13年もの間フルモデルチェンジされずとも、多くの人に重宝されたロングセラー車でした。

主要諸元
全長/幅/高 2050/700/1125mm
シート高 760mm
車軸距離 1400mm
車体重量 148kg(乾)
燃料消費率 42.0km/L
※定地走行テスト
燃料容量 17.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC2気筒
総排気量 248cc
最高出力 36ps/12000rpm
最高トルク 2.2kg-m/9500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前100/80-17(52S)
後140/70-17(66S)
バッテリー TYX7-BS
{YTX9-BS※H6のみ}
プラグ CR8SA
または
U27FSR-U
推奨オイル カワサキ純正オイルR4/S4/T4
または
MA適合品SAE10W-40
オイル容量 全容量1.9L
交換時1.5L
フィルター交換時1.9L
スプロケ 前14|後44
チェーン サイズ520|リンク106
車体価格 509,000円(税別)
系譜図
Z250FT1979年
Z250FT
(KZ250A)
GPZ250BeltDrive1983年
GPz250BeltDrive
(EX250C)
GPZ250R1986年
GPZ250R
(EX250E)
gpx250r

1988年
GPX250R/R2
(EX250F/G)

ZZR250前期1990年

ZZR250
(EX250H前期)

ZZR250後期

2002年
ZZR250
(EX250H後期)

Ninja250R

2008年
Ninja250R
(EX250K)

2013Ninja250

2013年
Ninja250
(EX250L/M)

Z250

2013年
Z250
(ER250C/D)

2018Ninja2502018年
Ninja250
(EX250P)

ZZ-R250(EX250H) -since 1990-

1990ZZR250

「Fantasy Tourer」

ここで登場するのが名車との呼び声高いZZR250。

元祖メガスポとして有名なZZR1100の流れを組む外見だけど、こちらはメガスポーツというよりかは順当なツアラー。

エンジンは先代GPX250Rをベースに騒音規制に対応し中低速に厚みを持たせた為に40馬力と若干ダウン。

ただその分フレームがなんと専用設計のアルミツインスパーという何かの間違いじゃないのかと思う贅沢なものに。

ZZR250カタログ写真

スポーツ一辺倒だった時代に、長距離も難なく熟せる貴重な250ccツアラーとして手堅い人気を呼びました。

ちなみに

「ZZ-R or ZZR問題」

ですが、これはどちらでも正解です。

ZZRロゴ

左が前期モデルの中でも初期の2~3年モデル、一方右はそれ以降のモデル。

1990年頃はまだZZRブランドが発足したばかりで確立してなかったからこんなことになっている。

ただ今は「ZZR」が主流のようですね・・・って最近ではZZRの名前も消えそうな流れですが。

主要諸元
全長/幅/高 2050/700/1125mm
シート高 760mm
車軸距離 1405mm
車体重量 146kg(乾)
燃料消費率 42.0km/L
※定地走行テスト
燃料容量 18.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC2気筒
総排気量 248cc
最高出力 40ps/12500rpm
最高トルク 2.4kg-m/10000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前100/80-17(52S)
後140/70-17(66S)
バッテリー YB9L-A2
{TYX7-BS※H5以降}
プラグ CR8HSA
または
U24FSR-U
推奨オイル カワサキ純正オイルR4/S4/T4
または
MA適合品SAE10W-40
オイル容量 全容量1.9L
交換時1.6L
フィルター交換時1.9L
スプロケ 前14|後47
チェーン サイズ520|リンク108
車体価格 489,000円(税別)
系譜図
Z250FT1979年
Z250FT
(KZ250A)
GPZ250BeltDrive1983年
GPz250BeltDrive
(EX250C)
GPZ250R1986年
GPZ250R
(EX250E)
gpx250r

1988年
GPX250R/R2
(EX250F/G)

ZZR250前期1990年

ZZR250
(EX250H前期)

ZZR250後期

2002年
ZZR250
(EX250H後期)

Ninja250R

2008年
Ninja250R
(EX250K)

2013Ninja250

2013年
Ninja250
(EX250L/M)

Z250

2013年
Z250
(ER250C/D)

2018Ninja2502018年
Ninja250
(EX250P)

GPX250R(EX250F/G) -since 1987-

GPX250R

「バランスド クオーター」

カワサキが瞬間的にやっていた”Xの思想(トータルパフォーマンスのX)”の250バージョンとしてフルカウルとなったGPX250R。馬力もGPZ250Rから更に2馬力上がって45馬力と2st並に。

X思想であるGPXシリーズはGPZとZZRの間に瞬間的にあった不人気ネームだったから覚えていない人や聞いた事が無い人も多いと思います。

GPX250Rカタログ写真

が、そんな中で唯一成功したのがこの末っ子であるGPX250R。

兄貴分に負けない車格、鳩サブレじゃないデザイン(中身はほぼ一緒)、最高馬力の45馬力。とても人気が出ました。

GPX250R-2

そんな人気を更に押し上げたのが後期にあたるこのR-II/EX250G型。

フロントブレーキをダブルディスクへ変更し、250という数字の削除。そしてNinjaロゴ採用で完全に250に見えなくなった。

ちなみに海外ではこのモデルもNinja250Rとして発売されていました。

GPX250R-2カタログ写真

あまりにも250が人気が出過ぎた為か、兄貴分に当たる400の需要まで食ってしまう始末。

先代GPZ250/400の時は400が全て食っていき、GPX250/400では250が全て食ってしまったという二者択一状態。

根強いリピーターが多く、ニューカマーが少ないという、当時カワサキが抱えていた悩みを象徴していますね。

主要諸元
全長/幅/高 2010/710/1095mm
シート高 745mm
車軸距離 1400mm
車体重量 138kg(乾)
[140kg(乾)]
燃料消費率 48.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 18.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC2気筒
総排気量 248cc
最高出力 45ps/13000rpm
最高トルク 2.5kg-m/11000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前100/80-16(50S)
後130/80-16(64S)
バッテリー YB9L-A2
プラグ CR8HA
または
U24FSR-U
推奨オイル カワサキ純正オイルR4/S4/T4
または
MA適合品SAE10W-40
オイル容量 全容量1.9L
交換時1.6L
フィルター交換時1.9L
スプロケ 前14|後45
チェーン サイズ520|リンク106
車体価格 479,000円(税別)
[489,000円(税別)]
※[]内はGPX250R-II
系譜図
Z250FT1979年
Z250FT
(KZ250A)
GPZ250BeltDrive1983年
GPz250BeltDrive
(EX250C)
GPZ250R1986年
GPZ250R
(EX250E)
gpx250r

1988年
GPX250R/R2
(EX250F/G)

ZZR250前期1990年

ZZR250
(EX250H前期)

ZZR250後期

2002年
ZZR250
(EX250H後期)

Ninja250R

2008年
Ninja250R
(EX250K)

2013Ninja250

2013年
Ninja250
(EX250L/M)

Z250

2013年
Z250
(ER250C/D)

2018Ninja2502018年
Ninja250
(EX250P)

GPZ250R(EX250E) -since 1985-

鳩サブレ

「ファッショナブル スーパークオーター」

新設計のダイヤモンドフレームに同じく新設計の43馬力水冷DOHCエンジンで43馬力/138kgというトップクラスの性能を持つGPZ250R。

GPZ250R

このエンジンがNinja250(EX250L)まで続くツインエンジンの始祖になります。

このGPZ250Rは漫画ばくおんでネタ車として紹介された事から知っている人も多いでしょう。

そしてその通りスペックとは裏腹に、ものの見事に売れませんでした。

GPZ250R

原因は見て分かる通り通称「鳩サブレ」と言われたデザインにあります。何処をどう見たらGPZなのかいう意見が大半でした。

更に奇抜さを際立たせる事となったのが多彩なカラーバリエーション展開。

カラーバリエーション

これは全色それぞれ用意しているわけではなく、シートとニーグリップ部を好きなカラーへ変えられる一粒で二度美味しい的な試み。

GPZ250R

でもこれ失敗したから笑い話になっていますが、何年か前のモーターショーアンケートで

「スマホカバーの様に着せ替え出来ないのが面白くない」

という意見が多かった事を受けて、自動車メーカーが色違いの屋根やミラーや外装シールに注力するようになった事を考えると、あながち間違いでは無かったと思うんですよね。

主要諸元
全長/幅/高 2005/695/1075mm
シート高 745mm
車軸距離 1400mm
車体重量 138kg(乾)
燃料消費率 47.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 12.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC2気筒
総排気量 248cc
最高出力 43ps/13000rpm
最高トルク 2.4kg-m/11000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前100/80-16(50S)
後120/80-16(60S)
バッテリー YB9L-A2
プラグ C8HSA
推奨オイル カワサキ純正オイルR4/S4/T4
または
MA適合品SAE10W-40
オイル容量 交換時1.5L
フィルター交換時1.9L
スプロケ 前14|後42
チェーン サイズ520|リンク104
車体価格 459,000円(税別)
系譜図
Z250FT1979年
Z250FT
(KZ250A)
GPZ250BeltDrive1983年
GPz250BeltDrive
(EX250C)
GPZ250R1986年
GPZ250R
(EX250E)
gpx250r

1988年
GPX250R/R2
(EX250F/G)

ZZR250前期1990年

ZZR250
(EX250H前期)

ZZR250後期

2002年
ZZR250
(EX250H後期)

Ninja250R

2008年
Ninja250R
(EX250K)

2013Ninja250

2013年
Ninja250
(EX250L/M)

Z250

2013年
Z250
(ER250C/D)

2018Ninja2502018年
Ninja250
(EX250P)

GPz250BeltDrive(EX250C) -since 1983-

GPZ250BeltDrive

「ベルトドライブ スーパークオーター」

自身が招いたスペック競争と2stスポーツに対抗すべくダブルディスクブレーキ化に加え33馬力まで上げたGPz250BeltDrive。

GPZ250カタログ写真

サブネームに付いている通り、ただスペック競争に真っ向勝負を挑むのではなく、ロードスポーツとしては珍しいベルトドライブ駆動を採用。

これはメンテナンスフリー化が狙い。

EX250C

さらに250専用フレームを武器にスリムで足つきも良いと使い勝手を向上。

速い、低燃費、扱いやすい、と三拍子揃えた250だったんだけど・・・。

カワサキGPZ250ベルトドライブ

揃ったんだけど素行の良さとGPzという名前がミスマッチだったのかZ250FTほどの人気は出ず。

主要諸元
全長/幅/高 2060/745/1195mm
シート高 745mm
車軸距離 1365mm
車体重量 146kg(乾)
燃料消費率 47.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 17.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC2気筒
総排気量 248cc
最高出力 33ps/10500rpm
最高トルク 2.3kg-m/9500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前90/90-18(51S)
後110/80-18(58S)
バッテリー YB9L-A2
プラグ DP8EA-9
推奨オイル カワサキ純正オイルR4/S4/T4
または
MA適合品SAE10W-40
オイル容量 全容量1.8L
スプロケ
チェーン
車体価格 370,000円(税別)
系譜図
Z250FT1979年
Z250FT
(KZ250A)
GPZ250BeltDrive1983年
GPz250BeltDrive
(EX250C)
GPZ250R1986年
GPZ250R
(EX250E)
gpx250r

1988年
GPX250R/R2
(EX250F/G)

ZZR250前期1990年

ZZR250
(EX250H前期)

ZZR250後期

2002年
ZZR250
(EX250H後期)

Ninja250R

2008年
Ninja250R
(EX250K)

2013Ninja250

2013年
Ninja250
(EX250L/M)

Z250

2013年
Z250
(ER250C/D)

2018Ninja2502018年
Ninja250
(EX250P)