250T MASTER/LA CUSTOM(MC06/MC07) -since 1981-

250T

下を太らせたエンジンを新たに用意しCM250Tよりも更にコンパクトな車体に搭載した250T MASTERと、アルミホイールとディスクブレーキを採用した250T LAカスタム。

CM250Tとの併売モデルだったのですが、こちらはそれなりに売れました。

なぜなら、軽い(130kg)・安い(税別29万円)・優しい(シート高730mm)と三拍子揃ってたから。

LAカスタム

ちなみに安さの秘訣は400の共有化ではなく、翌年に発売される125と共有化したから。その為か排気量は233ccと若干寸足らずだったりします。

翌年の1981年にはノーマルタイプをベースにベルトドライブ化されたSD(SILENT-DRIVE)が追加。

250T SD

三拍子に加えメンテナンスフリーが加わり四拍子に。

スクーターのVマチックを除くとホンダとしては唯一のベルトドライブ車じゃないかなこれ。

主要諸元
全長/幅/高 2030/810/1130mm
[2030/810/1175mm]
シート高 730mm
車軸距離 1345mm
車体重量 141kg(装)
[143kg(装) ]
燃料消費率 58.0m/L
※定地走行テスト値
燃料容量 12L
エンジン 空冷4サイクルOHC二気筒
総排気量 233cc
最高出力 21ps/8500rpm
最高トルク 2.0kg-m/4000rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前3.25S18-4PR
後110/90-16(59S)
バッテリー FB9-B
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
C7HSA
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.8L
交換時1.5L
スプロケ
チェーン サイズ520|リンク94
車体価格 290,000円(税別)
[311,000円(税別)]
※[]内はLAカスタム
系譜図
CB2501968年
CB250シリーズ
(CB250)
MC041980年
CM250T
(MC04)
MC061981年
250T Master/LA Custom
(MC06/MC07)
MC131985年
REBEL
(MC13)
MC261991年
NIGHT HAWK250
(MC26)
MC492017年
REBEL250
(MC49)

CM250T(MC04) -since 1980-

CM250T

ホークCB250Tのエンジンを積んだアメリカンモデルのCM250T。

当時若者の間ではクルーザーブームが巻き起こっていたのでホンダも各排気量毎に用意し展開していました。

その250部門がこのCM250Tだったんですが・・・キャブは絞っているもののエンジンは超ショートストロークでカリカリなHAWKのまま。

10000rpmで最大馬力を発揮するエンジンが、マン島を走れるポテンシャルを持ったエンジンがクルーザーに合ってるわけが無い話。

ただホンダもそのことは分かっていたのか、翌年には更にクルーザーらしいバイクを出します。かわいそうですが本当に繋ぎみたいなバイクでした。

CM250

ちなみにアメリカでも発売されていたんですが、アメリカ版CM250はこれじゃなくて次の250Tがベースだから日本のCM250Tとは違います。ややこしいですね。

主要諸元
全長/幅/高 2125/850/1130mm
シート高
車軸距離 1330mm
車体重量 181kg(装)
燃料消費率 40.0m/L
※定地走行テスト値
燃料容量 13L
エンジン 空冷4サイクルOHC二気筒
総排気量 249cc
最高出力 26ps/10000rpm
最高トルク 2.0kg-m/8500rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前3.50S18-4PR
後4.60S16-4PR
バッテリー FB12A-A
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
D8EA
推奨オイル Honda純正ウルトラU(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.0L
交換時2.3L
スプロケ
チェーン
車体価格 338,000円(税別)
系譜図
CB2501968年
CB250シリーズ
(CB250)
MC041980年
CM250T
(MC04)
MC061981年
250T Master/LA Custom
(MC06/MC07)
MC131985年
REBEL
(MC13)
MC261991年
NIGHT HAWK250
(MC26)
MC492017年
REBEL250
(MC49)

NS50F(AC08)-since 1987-

NS50F/AC08

「グランプリ・ムーブメント」

先代にあたるMBXの後継として登場したのがHURRICANE系デザインのNS50F/AC08型。

前後17インチのアルミ製キャストホイールや小物入れ内蔵のシートカウル、そして明るいハロゲンヘッドライトなどを装備。

NS50F諸元

50ccスポーツにおける一つの集大成の様なモデルで、ストリート・サーキット問わず非常に高い評価でした。

1988年にはエンジンのマウントと給排気が見直され中低速での使い勝手を向上。更に翌1989年にはレンズ一体型のデュアルヘッドライトで光量アップ。

NS50F/AC16

ディスクローターも現代的な多孔タイプに変更されました。

NS50Fは『ゴエフ』と呼ばれ親しまれていたんですが、いかんせん需要低迷期だった事と後継の人気が爆発したことで影に埋もれがちというか何というか。

NS50Fエアロ

ただ実はこのNS50Fは生産終了後も別の形でバイク文化に多大な貢献をした偉大なバイクでもあります。

それが何かというと『レースベース』です。

市販状態からレースなどに不要な保安部品を最初から付けないことで少し安くなっているモデル。

NS50R

スーパースポーツなどでご存知の方も多いと思いますが、そのレースベースという車両を一番最初に始めたのは実はこのNS50F/NS50R。

企画したのは二輪事業の小澤さんという偉いお方。

キッカケはレーサーレプリカブームの終焉により人気が落ち込んでいくレース事情と同時に

「前後17インチの原付レーサーを」

という声がショップから上がってきた事から。

どうして17インチなのかというと大型クラスと同じサイズだからステップアップに打って付けなんですね。

という事でNS50Fが生産終了となった1996年に混合給油に変更したNS50RをHRCから発売。

NS50Rカタログ

これがRSなど高価な市販レーサーとも、余計なものや制約が付いている量販車とも違う

『レースベース車』

と呼ばれる文化の始まりなんです。

今でこそ規格化され当たり前の様に販売されていますがそんな文化が無かった当時

『完成した量販車から保安部品を取って安価に販売』

なんていうのは到底理解されるものではないんだけど

「未来のレーサーやメカニックを育てるため」

という大義の為に何とかよ用意されたのが実情。

当然ながら宣伝の予算もなく個々のショップでコピー出来る諸元表だけでカタログも無しの完全予約制の受注生産。

NS50R諸元

だから最初は存在を知らずに逃してしまう人が多かったものの、ベースとなっているNS50Fが元々レース界で評判が良かった事やその存在が口コミで広まり雪だるま式に注文が入った事から何度も追加生産が行われました。

AC08カタログ

これはNS50Fにも言えることだけど、この17インチのNS50F/Rで腕を磨いた人は間違いなく多い。

もしかしたら一番レーサーを育てたバイクと言えるかもしれない。

主要諸元
全長/幅/高 1855/630/1065mm
シート高 760mm
車軸距離 1260mm
車体重量 92kg(装)
燃料消費率 68.4km/L
[61.5km/L]
※定地走行テスト値
燃料容量 10L
エンジン 空冷2サイクル単気筒
総排気量 49cc
最高出力 7.2ps/8000rpm
[7.2ps/10000rpm]
最高トルク 0.65kg-m/7500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前2.75-17-4PR
後3.00-17-4PR
バッテリー FB3L-A
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
BR8ES
推奨オイル Honda純正ウルトラ2スーパー
オイル容量 1.1L
推奨トランスミッションオイル ウルトラU(10W-30)
オイル容量 全容量0.9L
交換時0.8L
スプロケ 前14|後41
チェーン サイズ420|リンク116
車体価格 209,000円(税別)
[225,000円(税別)]
※[]内は89以降モデル
系譜図
MB501979年
MB50/MB-8
(AC01/HC01)
ラクーン1980年
RACCOON
(AD02)
MBX501982年
MBX50/80
(AC03/HC04)
MCX501982年
MCX50
(AC04)
NS50F1987年
NS50F
(AC08)
NSR501987年
NSR50/80
(AC10/HC06)
MC181991年
NS-1
(AC12)

NSR50/80(AC10/HC06)-since 1987-

NSR50前期

「×3/4WORKS」

ホンダのGPマシンNSR500のミニチュアの様な佇まいでお馴染みNチビことNSR50/AC10と、Nパチでお馴染みNSR80/HC06型。

NSR500VとNSR50

後ろに見えるのが元ネタ2st水冷V型四気筒500ccの化物マシンNSR500です・・・本当にソックリで可愛いですね。

しかし可愛いのは見た目だけの話で、中身は大真面目なもの。

車体構成

エンジンこそNS50Fの物を持ってきているものの、トラック重視のクロスレシオに専用のスチール製のツインチューブで剛性アップ。

オマケに12インチで前後ディスクブレーキまで採用してる完全なコーナリングスポーツ原付。

そもそもなんでこんなユニークなミニバイクを造ったのかと言うと理由は二つほどあります。

一つは当時レーサーレプリカ原付というかレーサーレプリカパロディ原付の人気が出ていた事。

NSR50アクセサリーカタログ

「原付免許さえあれば誰でもスペンサーやガードナーに」

という狙い。

そしてもう一つは原付クラスのアマチュアレース人気が出ていた事。

車体価格

そんなレースを視野に入れて・・・というか明らかにそれを狙って出されたバイク。

だからこのバイクの登場を飛び跳ねて喜んだのは、未来ある人生を送っている若者というより草レースに人生捧げたような人達。

NSR500とNSR50

車体価格もちょっと高かったしね。

ただ高いだけあって本当にこのNSR50/80は飛び抜けていました。しかもそれはNSRという名の通り、決して気難しくない安心かつ絶対的な速さで卑怯者呼ばわりされるほど・・・。

なんですが、NSR50/80はそんな空気を微塵も読むこと無くキッチリ改良を積み重ねるという更に卑怯な行為に出ました。

NSR50二型

これは二年後の1989年に出された二型モデル。

アップタイプに変更されたチャンバーとカウルのスラント化が分かりやすい変更点ですが、一番大きいのは前後サスの強化。

これによってコーナリング性能がさらに向上。ギア比も少し中低速寄りに変更されています。

この時点で向かうところ敵なしだったんですが、それでも止まらず1993年には三型にモデルチェンジ。

NSR50三型

ホイールが6本スポークのものになり、排気ポート見直しで更に高回転化。

ヘッドライトが常時点灯式なのもこのモデルから。

そしてトドメとなる1995年の四型。

NSR50三型

シートカウル、ステム周り、フレーム、スイングアーム、電装系、すべてを刷新した最終型です。

なんちゃってではなく完全にレーサーレプリカの系譜ですね。

NSR50パンフレット

少し小言を話すと、レーサーレプリカブームっていうのはすでに30年以上前の話。

だから昨今ではレーサーレプリカに生きた人と、レーサーレプリカを知らない世代が口論しているのをよく見ます。

NSR50パンフレット

まあ当時を知らないのに

「2stレーサーレプリカの魅力を分かれ」

なんて無理な話。もうタマも無いですからね。

でも、そんなスペンサーやガードナーを知らない世代の人でもこのレーサーレプリカNSR50/80だけは分かるでしょう。

NSR50カタログ写真

軽く100km/h以上出る公道を走れるチビレーサー・・・楽しくない訳がない。

ちなみにこのNSR50も先に紹介したNS50F同様にレースベース車両なるものが初めて用意されたバイクでもあります。

NSRミニ

『NSR Mini』

前後サスとチャンバーとECUを専用品に変えた物で、NSR50/80の生産終了と同時に登場し2009年まで発売されていました。

主要諸元
全長/幅/高 1580/625/935mm
シート高 665mm
車軸距離 1085mm
車体重量 86kg(装)
[87kg(装)]
燃料消費率 58.7km/L
[41.0km/L]
※定地走行テスト値
燃料容量 7.5L
エンジン 空冷2サイクル単気筒
総排気量 49cc
[79cc]
最高出力 7.2ps/10000rpm
[12ps/10000rpm]
最高トルク 0.65kg-m/7500rpm
[0.97kg-m/8000rpm]
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前100/90-12(48J)
後120/80-12(54J)
バッテリー 6N2-21A-8
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
B8HS
推奨オイル Honda純正ウルトラ2スーパー
オイル容量 1.1L
推奨トランスミッションオイル ウルトラU(10W-30)
オイル容量 全容量0.9L
交換時0.8L
スプロケ 前14|後40
チェーン サイズ420|リンク106
車体価格 230,000円(税別)
[250,000円(税別)]
系譜図
MB501979年
MB50/MB-8
(AC01/HC01)
ラクーン1980年
RACCOON
(AD02)
MBX501982年
MBX50/80
(AC03/HC04)
MCX501982年
MCX50
(AC04)
NS50F1987年
NS50F
(AC08)
NSR501987年
NSR50/80
(AC10/HC06)
MC181991年
NS-1
(AC12)

MCX50(AC04) -since 1982-

MCX50/AC04

「スーパーシティ・カスタム」

ラクーンの実質後継モデルとしてMBX50とほぼ同時期に登場したMCX50/AC04型。

シティバイクだったラクーンよりもアメリカン寄りになりました。

MCX50とRACOON

馬力もMBと同じ7馬力になったので甲高い音を立てながらカッ飛んでいくという有りそうでなかなか無い原付アメリカン。

ところで前のページのMBX50で話した通り原付事故の増加で60km/h規制諸々が敷かれ、需要の落ち込みからMCX50もあっという間に消えてしまったわけですが、諸々の理由というのはそれだけではありません。

AC04

今の人からしたら信じられない話だけど、当時の原付(一種)は二段階右折も無かったし、何よりノーヘルでよかった。

ノーヘルで二段階右折もせず時速80km/h出る乗り物なんてそりゃ危ないわって話ですよね。

1984年:60km/h規制
1985年:二段階右折導入
1986年:原付一種のヘルメット着用義務化

という立て続けな原付規制によってゼロハンブームは終息したわけです。

中でもヘルメット着用の義務化は原付ユーザーにとっては致命的だったらしく、ファミバイを含めた原付需要減少の最大の理由はこれだと言われています。

MCX50カタログ写真

今でこそ当たり前なヘルメット着用ですが、当時の原付ユーザーからすると結構イヤだったんでしょう。

ところでいま自転車で同じ様にヘルメット着用義務化の議論が巻き起こってますね。もし自転車もヘルメット着用が義務化されたら次は何処に流れるんでしょう。まあ余計なお世話ですが。

主要諸元
全長/幅/高 1885/720/1110mm
シート高 750mm
車軸距離 1220mm
車体重量 86kg(装)
燃料消費率 68.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 7.5L
エンジン 空冷2サイクル単気筒
総排気量 49cc
最高出力 7.0ps/8000rpm
最高トルク 0.65kg-m/7000rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前70/90-19(40P)
後100/90-16(54P)
バッテリー YB3L-A
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
B7ES/B8ES/B9ES
または
W22ES-U/W24ES-U/W27ES-U
推奨オイル Honda純正ウルトラ2スーパー
オイル容量 1.2L
推奨トランスミッションオイル ウルトラU(10W-30)
オイル容量 全容量0.9L
交換時0.8L
スプロケ 前13|後43
チェーン サイズ420|リンク112
車体価格 169,000円(税別)
系譜図
MB501979年
MB50/MB-8
(AC01/HC01)
ラクーン1980年
RACCOON
(AD02)
MBX501982年
MBX50/80
(AC03/HC04)
MCX501982年
MCX50
(AC04)
NS50F1987年
NS50F
(AC08)
NSR501987年
NSR50/80
(AC10/HC06)
MC181991年
NS-1
(AC12)

MBX50/80(AC03-AC08/HC04) -since 1982-

MBX50/AC03

「全身、本格メカ!」

ただでさえ凄かったMB50から更にエンジンの水冷化で7.2馬力にまでパワーを上げ、新設計フレームにプロリンクまで装備したMBX50/AC03型とMBX80/HC04型。

ここまでやったのは出た当初こそ凄かったMB50も、強力なライバル車(7.2馬力モデル)の出現に苦戦をするようになっていたから。

AC03

正にやられたからやり返した原付。宣伝にもマッチさんを起用。

如何にゼロハンブームが過激で熾烈なものだったかが分かりますね。

しかしそんなゼロハンブームの中でもMBXは少し変わっていて、フレーム新造でホイールベースを若干延長し安定志向に振った。

MBX50インテグラ

それに加えアクセサリー類の充実やタンク容量を12Lまで拡大。

これには

「速いだけでなくツーリングも熟せる原付」

という違った層へ向けた狙いがあり、そしてその狙い通りの評価を獲得しました。

80の方は最初からそのイメージを更に強めるため、フェアリングを標準装備したMBX80INTEGRAとして発売。

MBX80/HC04

・・・が、しかし100km/hの大台が見え始めた頃、原付事故の急増に国がオカンムリになります。

そして1984年に設けられたのが

『原付一種60km/h規制』

です。

一応これは自主規制ですが

「守らなかったらもう型式(販売)を認めないよ」

っていう半分強制のような自主規制。

これによってMBX50も同年からは60km/h以上出ないようにミッションを1段減らしエンジンを5.6馬力にまでデチューン。

MBX50/AC03

そのかわりテコ入れとしてアンダーカウルを標準装備。

しかし今まで7.2馬力だったのが急に5.6馬力では売れるわけもなく・・・そこで更に翌年にMBX50F(AC08)へモデルチェンジ。

MBX50F/AC08

初代の6速モデルにCDIによる60km/h電子スピードリミッターを装着することで7.2馬力というスペックをキープ。

しかしこの頃になると60km/hリミッターを始めとした様々な影響で、あれほど盛り上がっていたゼロハンブームが嘘のように鎮火していました。

主要諸元
全長/幅/高 1920/675/1100mm
{1920/675/1105mm}
[1980/685/1125mm]
シート高 770mm
[780mm]
車軸距離 1255mm
[1265mm]
車体重量 79kg(乾)
{82kg(乾)}
[92kg(乾)]
燃料消費率 65.0km/L
[60.0km/L]
※定地走行テスト値
燃料容量 12.0L
{11.0L}
[12.0L]
エンジン 空冷2サイクル単気筒
総排気量 49cc
[79cc]
最高出力 7.2ps/8500rpm
[12ps/9000rpm]
最高トルク 0.97kg-m/8500rpm
{0.65kg-m/7500rpm}
[0.97kg-m/8500rpm]
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前2.50-18-4PR
後2.75-18-4PR
[前2.75-18-4PR
後3.00-18-6PR ]
バッテリー YB3L-A
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
B7ES/B8ES/B9ES
または
W22ES-U/W24ES-U/W27ES-U
推奨オイル Honda純正ウルトラ2スーパー
オイル容量 1.2L
推奨トランスミッションオイル ウルトラU(10W-30)
オイル容量 全容量0.9L
交換時0.8L
スプロケ
チェーン サイズ420|リンク118
[サイズ420|リンク116]
車体価格 186,000円(税別)
{198,000円(税別)}
[228,000円(税別)]
※{}内はMBX50F
※[]内はMBX80INTEGRA
系譜図
MB501979年
MB50/MB-8
(AC01/HC01)
ラクーン1980年
RACCOON
(AD02)
MBX501982年
MBX50/80
(AC03/HC04)
MCX501982年
MCX50
(AC04)
NS50F1987年
NS50F
(AC08)
NSR501987年
NSR50/80
(AC10/HC06)
MC181991年
NS-1
(AC12)

RACCOON(AD02) -since 1980-

ラクーン/AD02

「走りはのびのび!クロスオーバー。」

同じMB50の派生モデルであるトレールタイプMT50の要素を加えたシティバイクのRACCOON/AD02型。

AD02

MB50を少し起こした様な構造で、アップライトなポジションと700mmという低シート高&大型シートが特徴。

エンジンの方も中低速重視にチューニングされ6馬力になっています。

ちなみにRACCOON(アライグマ)という名前は”ラクラクに運転できる”というコンセプトから。

RACCOONカタログ写真

とはいうものの、可愛い見た目と名前とは裏腹に最高時速は80km/hオーバー。

この頃の原付は本当にあなどれない。

主要諸元
全長/幅/高 1845/760/1040mm
シート高
車軸距離 1210mm
車体重量 82kg(装)
燃料消費率 65.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 5.5L
エンジン 空冷2サイクル単気筒
総排気量 49cc
最高出力 6.0ps/7000rpm
最高トルク 0.62kgf-m/6500rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前2.50-17-4PR
後3.00-14-4PR
バッテリー 6N2-21A-8
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
B8HS
推奨オイル
オイル容量
推奨トランスミッションオイル ウルトラU(10W-30)
オイル容量 全容量1.0L
交換時0.9L
スプロケ 前13|後38
チェーン サイズ420|リンク104
車体価格 139,000円(税別)
系譜図
MB501979年
MB50/MB-8
(AC01/HC01)
ラクーン1980年
RACCOON
(AD02)
MBX501982年
MBX50/80
(AC03/HC04)
MCX501982年
MCX50
(AC04)
NS50F1987年
NS50F
(AC08)
NSR501987年
NSR50/80
(AC10/HC06)
MC181991年
NS-1
(AC12)

NSR250R/SP(MC18) -since 1988-

MC18

「I am PROSPEC」

『ハチハチ』という愛称でお馴染みの二代目NSR250R/MC18型。

・ラバーマウントエンジン

・キャブレーターの大径化(Φ28→Φ32)

・大径化による流速低下を防ぐための電子制御PGM

・可変排気ポート/RCバルブで圧縮比UP(6.2→7.3)

・カセットミッション用オイルポンプ

・4.50まで許容するワイドリム

・5角断面目の字アルミフレーム

・市販車初マグホイール(SPのみ)

などなど・・・などなど。以下省略

1988NSR250R

わずか二年弱で大規模なモデルチェンジしたわけですが、これには二つほど理由があります。

一つはTZR250Rの存在です。

プロジェクトリーダーの青木さん曰く

「必ずMC16を超えてくると思った。だから絶対に手を緩めたくないと考えていた。」

との事。

本当は87年にもモデルチェンジを予定していたそうですが、流石に早すぎるとして見送りになった背景があります。

そしてもう一つはHRCとの関係が更に濃密になった事があります。

そのキッカケとなったのは前年から発売されたレースキットを最初から組み込んだコンプリートマシンNSR250RKにあります。

HRC製NSR250RK

少し混乱している人がいるかも知れないので補足すると

【NSR250(RS250R-W)/HRC】

これはHRCが造ったワークスマシン。NSR250Rの元ネタでもあります。

【RS250R/HRC】

これはNSR250Rと共同開発された市販レーサー。

【NSR250R/朝霞研究所】

市販レーサーRS250Rの公道バージョンという立ち位置。

【NSR250RK/朝霞研究所HRC改】

NSR250Rにレースキットを組み込んだTT-F3(市販車レース)用のモデル。

RS250Rより安価。

HRCとの関係

HRCが手掛けたNSR250のレプリカである朝霞研究所のNSR250Rを再度HRCと手がけるという流れ。

この流れでHRCとNSR250R開発チームの関係がより親密になり、HRC製NSR250RKに引き上げられる形でNSR250Rも大きく進化したというわけ。

少し話を脱線すると、レースの敷居を下げる目的で提案されたRK販売計画は当初、大反対に合いました。

MC18パンフレット写真

実質的にHRCの技術を安売りする上に、製造も大変なので当然といえば当然な話。

しかし諦めきれずに上司に直談判し、了承&助力を得ることで実現する事となりました。

福井 威夫(ふくい たけお)

ちなみにその時の上司というのは福井威夫(ふくい たけお)さん。

後に六代目ホンダ社長となられる方・・・なんですが、実は福井さんバリバリのレース/HRC育ち。

レース復帰早々にホンダに栄光をもたらした2stレーサーであり、NSR250の大元でもあるNS500のエンジニアだった方。

因果というか奇跡というか、運命的なものを感じますね。

そんなハチハチですが、更に恐ろしいのが翌年に再びモデルチェンジしたこと。

NSR250Rカタログ写真

パッと見は変わっていない様に見えますが、大きく変わっています。

・エンジンコントロールユニットPGMをIIへアップデート

・レッドゾーン+500rpm(12500rpm)

・スイングアームも5角断面目の字

・前後ラジアル

・キャスター角の見直し

・乾式クラッチ(※)

・減衰力調節機能付きの前後サス(※)

などなど。※SPのみ

MC18

このモデルチェンジの狙いは乗りやすくする事にあります。

MC18前期いわゆるハチハチは圧倒的な速さを誇っていました。

NSR250R SP

「レースで勝つならNSR250R一択」

と言われるほどだったんですが、それはエキスパートたちの話で誰にでも扱える代物ではなかった。

あまりにも玄人志向過ぎたんですね。

NSR250Rポスター写真

こう聞くと良くなかったんじゃないかと思うかもしれませんが、決して違います。

ダントツで速かったのは紛れもない事実。

そして

「一筋縄ではいかない圧倒的な速さ」

というホンダらしからぬ攻撃的な特性に心を奪われた人は多かった。

NSR250Rカタログ写真

MC18で検索すれば今もその衝撃を忘れれない人がゴロゴロ見つかると思います。

それくらいこのMC18の登場、そしてMC18の速さは衝撃的だったんです。

最後に・・・これはそんなMC18のパンフレットの1ページ。

いま私と出逢えるライダーは幸福である。

「いま、私と出逢えるライダーは幸福である。」

NSR250R/MC18は正にその通りとなったレーサーレプリカでした。

主要諸元
全長/幅/高 1985/640/1105mm
<{1980/650/1060mm}>
シート高 770mm
<{780mm}>
車軸距離 1355mm
<{1345mm}>
車体重量 145kg(装)
[144kg(装)]
{149kg(装)}
<150kg(装)>
燃料消費率 36.0km/L
{30.2km/L}
※定地走行テスト値
燃料容量 16L
エンジン 水冷2サイクルV型2気筒
総排気量 249cc
最高出力 45ps/9500rpm
最高トルク 3.8kg-m/8500rpm
変速機 常時噛合式6段リターン
タイヤサイズ 前110/70R17(54H)
後140/60R18(64H)
<{前110/70R17(54H)
後150/60R18(67H)}>
バッテリー FT4L-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
BR9ECM/BR10ECM
または
W27EMR-C/W31EMR-C
推奨オイル ウルトラ2スーパー
オイル容量 1.3L
推奨トランスミッションオイル ウルトラU(10W-30)
オイル容量 全容量0.8L
交換時0.7L
スプロケ 前15|後42
チェーン サイズ520|リンク108
車体価格 579,000円(税別)
[660,000円(税別)]
{599,000円(税別)}
<689,000円(税別)>
※[]内はSP
※{}内は89モデル
※<>内は89SP
系譜図
MVX250F1983年
MVX250F
(MC09)
NS250R/F1984年
NS250R/F
(MC11)
MC161986年

(MC16)

MC181988年
/SP
(MC18)
MC211990年
/SE/SP
(MC21)
MC281993年
/SE/SP
(MC28)

NSR250R(MC16) -since 1986-

NSR250/MC16

「it’s Honda Racing」

TZRの登場でレーサーレプリカというジャンルが明確に誕生し、それに向けて造られた初代NSR250RのMC16型。

新設計クランクケースリードバルブVツインに目の字断面アルミツインスパーフレームとそれまでとは一線を画する性能を引き下げていました。

MC16

こうなった理由は先にも言ったとおり、これまでの延長線上では対抗できないと悟ったから。

そこで考えられた方法が

「RS250R-W(NSR250)をコピーして保安部品つけて出す」

というシンプルイズベストなもの。

スペンサーNSR250

補足しておくとRS250R-W(NSR250)というのは世界GP250ワークスマシンの事。

フレディ・スペンサーが参戦し優勝、500とのWタイトル獲得という快挙を成し遂げたチャンピオンマシンです。

GPを戦ってきた人たちが造り上げたRG250ΓやTZRに対抗するにはこの方法しかないと考えたわけですね。

しかし当然ながらそんな事をHRCが許すわけがない。トップシークレットなんだから当たり前。

そこで八木澤さん筆頭に開発メンバーはHRCへ転属願いを出すわけです。教えてくれないなら見て盗もうという職人根性。

1986NSR250R

そうしてHRCと質問攻めと押し問答を繰り返した末に完成したのがこれ。

1985年NSR250と瓜二つなNSR250Replica/MC16というわけ。

MC16カタログ写真

それまでの鬱憤を晴らすかのような圧倒的な速さを誇り、2万台弱の大ヒットで86年2stレーサーレプリカ販売台数一位を記録。

MVX250Fのリベンジを達成する事となりました。

主要諸元
全長/幅/高 2035/705/1105mm
シート高 750mm
車軸距離 1360mm
車体重量 141kg(装)
燃料消費率 41.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 16L
エンジン 水冷2サイクルV型2気筒
総排気量 249cc
最高出力 45ps/9500rpm
最高トルク 3.6kg-m/8500rpm
変速機 常時噛合式6段リターン
タイヤサイズ 前100/80R17(52H)
後130/70R18(63H)
バッテリー FT4L-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
BR8ECS/B9ECS/B10ECS/B8ES/B9ES
または
W24ES-C/W27ES-C/W31ES-C/W24ES-U/W27ES-U
推奨オイル ウルトラ2スーパー
オイル容量 1.3L
推奨トランスミッションオイル ウルトラU(10W-30)
オイル容量 全容量0.9L
交換時0.55L
スプロケ 前15|後42
チェーン サイズ520|リンク108
車体価格 559,000円(税別)
系譜図
MVX250F1983年
MVX250F
(MC09)
NS250R/F1984年
NS250R/F
(MC11)
MC161986年

(MC16)

MC181988年
/SP
(MC18)
MC211990年
/SE/SP
(MC21)
MC281993年
/SE/SP
(MC28)

NS250R/F(MC11) -since 1984-

NSR250R

「2サイクル・エキスパート」

MVX250Fの失敗から僅か1年少しで登場したフルエアロ外装のNS250Rとネイキッド版のNS250F。

MC11

アルミ製のダブルクレードルフレームとスイングアーム(Fはスチール)に調節式プロリンクサス、エンジンは新設計Vツイン。

左右非対称チャンバーにNSシリンダーと、GPマシンと同じNSという名を冠すだけあり非常に高いパフォーマンスを発揮。

NS250RとNS250FとRS250R

ここに来て急激に進歩したのは市販レーサーRS250Rとの連携が大きく寄与しています。

「やっとホンダから戦える2stが出た」

と評判になりました。

しかし、いざ発売されたNS250RでSPレース等に挑んでいる人たちを見るとみな苦戦していた。

NS250価格

「確かに速いんだけど扱いが難しい」

そういう声が締めていたんです。

これではいかんとなった開発チームですが、更に追い打ちをかけるように打倒すべき相手がRZからTZRと遥かに高くなった。

「このままでは勝てない」

として開発チームは門外不出の最重要部署ともいえるHRCの扉を叩くことになるわけです。

主要諸元
全長/幅/高 2005/720/1125mm
[2005/720/1040mm]
シート高 780mm
車軸距離 1375mm
車体重量 161kg(装)
燃料消費率 36.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 19L
エンジン 水冷2サイクルV型2気筒
総排気量 249cc
最高出力 45ps/9500rpm
最高トルク 3.6kg-m/8500rpm
変速機 常時噛合式6段リターン
タイヤサイズ 前100/90R16(54S)
後110/90R17(60S)
バッテリー FTX5L-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
B8ES
推奨オイル ウルトラ2スーパー
オイル容量 1.7L
推奨トランスミッションオイル
オイル容量
スプロケ 前15|後42
チェーン サイズ520|リンク108
車体価格 539,000円(税別)
[429,000円(税別)]
系譜図
MVX250F1983年
MVX250F
(MC09)
NS250R/F1984年
NS250R/F
(MC11)
MC161986年

(MC16)

MC181988年
/SP
(MC18)
MC211990年
/SE/SP
(MC21)
MC281993年
/SE/SP
(MC28)