ZRX1200R/S(ZR1200A/B) -since 2001-

ZRX1200R

「ワインディング エリート」

二代目となるZRX1200R/SのZR1200A/B型。

このモデル何が恐ろしいって一見すると排気量しか変わっていないように見えて実は大きく変わっている事。

ZR1200

ナンバリングにもなっている通りボアを3mm、ストローク1.4mm拡大され1164ccとなっているわけですが、これほぼ作り直したエンジン。

元々GPZ900Rにルーツがあるエンジンだったため、1100までは想定していたものの流石に1200まで上げるのは無理だった。

ZRX1200Rカタログ写真

そこでスリーブ(シリンダーの内張りみたいなもの)を取っ払ってメッキシリンダー化。それに伴いクランクケースに至るまで色々と手を加えたので実は先代とあまり互換性が無い。

フレームの方もヘッド周りの剛性を上げ、スイングアームも剛性を大幅に上げつつホイールベースを13mm延長すると共にピボット位置も5mm下げ。

ZRX1200Rカタログ写真

足回りもリアショックの受け側を下げ180/55にワイド化し、フロントフォークのオフセットやセッティングを見直しなどなど。

「まさかそこまで変更されていたとは・・・」

と思った人が多いと思います。そう思うのも当たり前な話。見た目はほとんど変えていないんですから。

ZRX1200Rカタログ写真

この二代目を託された企画の真田さんいわく

「先代を踏襲し正常進化」

というのがコンセプト。ザックリ言うとより懐の広いモデルにするためのモデルチェンジ。

そんな中でもパッと見で大きく変わったのが、丸目のIIに変わって登場したZRX1200S/ZR1200B型。

ZRX1200S

丸目同様に国内では1000台弱しか売れなかった様なので知らない人も多いかと。

まあこれは日本向けというより当たり前の様に何泊もするツーリングをする欧州向けに造られた意味合いが強いモデルですしね。

ZR1200B

その際にビキニカウルのRはどうしても不向きな所があり、もっと長距離ツーリングに使えるようにしてほしいという強い要望があったから造られたモデルなのがこのS型。サスペンションのセッティングも変えてあります。

更にマイナーなのがZRX1200/ZR1200C型というモデル。

ZR1200C

1200にも丸目モデルあったんですね。欧州のみで販売されていたようです。

一方でこのモデルからアメリカにも輸出されるようになったんですが向こうはRモデルだけ。

北米版ZRX1200R

元ネタである伝説のローソンはアメリカだから当然か。

ちなみにローソンレプリカも古い歴史なので少しだけ解説すると1981年に北米カワサキの要望によりAMAで勝つためにベースマシンとしてZ1000Jを造ったのが始まり。

Z1000J

それをベースにカスタマイズしたのが初のライムグリーンZことKZ1000J改で、このモデルでAMAチャンピオンに輝いたのがエディー・ローソンという方。

初代ローソンレプリカ

この快挙を記念して出されたのがローソンのJ改レプリカであるR型ことKZ1000RとKZ1100Rになります。

これがローソンレプリカの始まりなんですが、意外なことに当時の車体設計を担当していた山崎さんいわく社内でローソンレプリカといえばR型ではなくS型の方だったそう。

ローソンレプリカS1

S型というのはこのKZ1000SというモデルでAMA連覇を狙って補強を始めとしたフルチューニングが予め施された今で言うホモロゲーションモデル。製造はレギュレーションで定められた規約の最低台数である30台のみ。

つまりホモロゲ(S型)の方をローソンレプリカと呼んでいて、ローソンレプリカ(R型)をローソンレプリカと呼んでいたわけじゃなかった・・・頭がこんがらがる。

ただZRXも正確に言うとR1のレプリカというよりこのS1のレプリカと言ったほうが正しいかと思います。

ZR1200A

写真では分かりにくいんですが採用前提で開発されたトラス構造パイプスイングアームやエキセントリック式チェーンアジャスターはS型のものですしね。

社内の人間にとってはSの方がローソンレプリカだったという驚愕の事実だったんですが、もう一つ驚きなのが

「ローソンレプリカがこれほどの人気ブランドになるとは誰も思っていなかった」

という事。

当時はZ人気に陰りが見え始めていた頃だったのに加え、少し経つとGPZ(第二世代Z)への世代交代に成功していたから。

GPZの時代

更にその後もZZRやZX-9Rなどカワサキのフラッグシップがどんどん出た。

・・・にも関わらずローソンレプリカの人気はカワサキの意向に反するように一向に衰えなかったんです。

でもだからこそこうやって再び日の目を見る事が出来た。元祖ローソンモデルに携わられてた山崎さんもこう仰られていました。

ZRX1200Rローソンレプリカ

「ローソンレプリカはZやGPZとは全く違う。ユーザーの皆さんが育ててくれた幸運なブランドですね。」

※2004年:給排気の見直しとピボット位置の調整

主要諸元
全長/幅/高 2120/780/1150mm
[2120/780/1230mm]
シート高 790mm
車軸距離 1465mm
車体重量 223kg(乾)
[227kg(乾)]
燃料消費率 25.5km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 18.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 1164cc
最高出力 100ps/8000rpm
最高トルク 10.4kg-m/6000rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー FTZ14-BS
{TYX14-BS1※04以降}
プラグ CR9EK
または
U27ETR
推奨オイル カワサキ純正オイルR4/S4
または
MA適合品SAE10W-40
オイル容量 全容量3.5L
交換時2.7L
フィルター交換時3.0L
スプロケ 前17|後42
チェーン サイズ530|リンク110
車体価格 960,000円(税別)
[990,000円(税別)]
※[]内はZRX1200S(ZR1200B)
系譜図
GPz11001995年
GPZ1100
(ZX1100E/F)
ZRX11001996年
ZRX1100/II
(ZR1100C/D)
ZRX1200R前期2001年
ZRX1200R/S
(ZR1200A/B)
ZRX1000DAEG2009年
ZRX1200DAEG
(ZR1200D)

ZRX1100/II(ZR1100C/D) -since 1996-

ZRX1100

「The Finest Footwork」

アメリカの市販車レースで二連覇を果たしたマシンのレプリカであるKZ1000Rに通ずる佇まいで登場したZRX1100/ZR1100C型と丸目ネイキッドタイプのZRX1100-II/ZR1100D型。

ZRX1100とKZ1000R

少し前下がり気味にしてスポーティさをアップさせる現代風アレンジが加えられているのが特徴的ですね。

ZRX1100が登場した背景には

・ネイキッドブーム&レース(NK-4)
・1990年750cc自主規制撤廃
・1995年限定解除から大型自動二輪へ

があります。

そもそもこのブームに火を付けたのは他ならぬカワサキのゼファー400/750/1100なんですが、それから暫くしてゼファーとは別にスポーツモデルとして開発されたのがZRX1100というわけ。

ZRX1100海外パンフ

Z=四気筒
R=ネイキッド
X=究極

で究極の四気筒ネイキッドという意味。

ちなみにいまの若い人は信じられないかもしれませんが『ネイキッド』という言葉が国内で明確に定まったのもこの頃だったりします。

ZRX1100/ZR1100C

そんなZRX1100はエンジンは先に紹介したGPZ1100の物をベースにフライホイールマスを上げて安定性を向上させているんですが、凄かったのはどちらかというと車体の方。

まず何より車体が非常に軽量コンパクトに纏められているという事。

ZR1100C

例えばホイールベースは1450mmと400クラス並の短さ。

加えて重要なのがハンドリングが非常にクイックでグリングリン寝かせて走る味付けになっていること。

これはフロントフォークを思い切り立ててフォークオフセット(ステムホールと)は30mmと非常に短めにしているから。要するにスーパースポーツ系に近いレイアウトになっているというわけ・・・つまり

カワサキZRX1100

「ビッグネイキッドのセオリーを無視したビッグネイキッド」

というのがZRX1100だったんで・・・がこれがウケた。しかも海外でも。

ZRX1100はもともと日本国内のみの販売を計画していたモデルだったものの、試しにケルンモーターショー(ドイツ)に出展してみたところ非常に高い反響があったため急遽ドイツとイタリアにはビキニカウル付きのC型が、フランスとオランダには丸目のD型が輸出される事になりました。

ZR1100-2

だから国によってはカウルレスであるコッチ、ZRX1100-IIのほうが有名だったりします。日本ではRが八割、IIが二割で圧倒的にRモデルが人気だったようですが。

最後に小ネタを話すとZRX1100はそのビッグネイキッドらしいアップライトなポジションとトルクフルなエンジンを持つ一方で、ビッグネイキッドらしからぬ軽快さも持っていた事から一般ユーザーだけでなくジムカーナなどから非常に人気というかランカー御用達マシンでした。

でも実はそうなったのはある意味では必然だったとも言えるんです。というのもこのZRX1100の車体を担当していたのは古橋さんというモノコックフレームの方でも有名な方なんですが、企画の谷さんいわく

ZRX1100カタログ写真

「ZRXがこうなったのは古橋が当時ジムカーナにハマっていたから※KBM/Vol.49より」

との事。

主要諸元
全長/幅/高 2120/780/1150mm
[2120/780/1085mm]
シート高 790mm
車軸距離 1450mm
車体重量 222kg(乾)
[221kg(乾)]
燃料消費率 26.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 20.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 1052cc
最高出力 100ps/8500rpm
最高トルク 9.8kg-m/6000rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後170/60ZR17(72W)
バッテリー YTX14-BS
プラグ CR9EK
または
U27ETR
推奨オイル カワサキ純正オイル
または
MA適合品SAE10W-40
オイル容量 全容量3.5L
交換時2.7L
フィルター交換時3.0L
スプロケ 前17|後45
チェーン サイズ530|リンク110
車体価格 940,000円(税別)
[920,000円(税別)]
※[]内はZRX1100-II(ZR1100D)
系譜図
GPz11001995年
GPZ1100
(ZX1100E/F)
ZRX11001996年
ZRX1100/II
(ZR1100C/D)
ZRX1200R前期2001年
ZRX1200R/S
(ZR1200A/B)
ZRX1000DAEG2009年
ZRX1200DAEG
(ZR1200D)

GPZ1100(ZX1100E) -since 1995-

GPZ1100

「BIG SPORT TOURER」

ただでさえ過去に空冷で出た1100(GPz1100/ZX1100Aの系譜)の影に隠れてしまう上に、同じく知名度が無かった鳩サブレと呼ばれたGPZ250Rが漫画などの影響で有名になった事でもはや最も知られていないGPZになってしまったGPZ1100/ZX1100E型。

エンジンは誰もが知るカワサキの名車ZZR1100から受け継いだ物で、その名に恥じぬ性能を持っています。つまりこの系譜ももっと辿るとGPZ900に辿り着くんですが、ZZRの系譜と被るのでZRXの元となったこのモデルから。

1995ZX1100E

肝心のコンセプトが何なのかというと文字通り

「気軽に楽しめるZZR1100」

というもの。

カタログ写真

時速290km/Lまで想定してたZZR1100エンジンを中低速重視にチューニングし、ポジションも少し易しめに変更。

「ツーリングにもってこいなZZR1100」

という存在になり車体価格も869,000円とかなり抑え気味で晩年にはABSとパニアケースを装着したモデルも登場しました。

ZX1100F

こうやって見るとZX-12RとZZR1200の関係に似てますね。というかこれEX-4ならぬEX-11では。

主要諸元
全長/幅/高 2180/720/1210mm
シート高 790mm
車軸距離 1520mm
車体重量 242kg(乾)
[252kg(乾)]
燃料消費率 28.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 22.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 1052cc
最高出力 97ps/8500rpm
最高トルク 9.0kg-m/4500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後170/60ZR17(72W)
バッテリー YTX14-BS
プラグ CR9EK
または
U27ETR
推奨オイル カワサキ純正オイル
または
MA適合品SAE10W-40
オイル容量 全容量3.5L
交換時3.2L
フィルター交換時3.5L
スプロケ 前17|後43
チェーン サイズ530|リンク112
車体価格 869,000円(税別)
[1,050,000円(税別)]
※[]内はABSモデル(ZX1100F)
系譜図
GPz11001995年
GPZ1100
(ZX1100E/F)
ZRX11001996年
ZRX1100/II
(ZR1100C/D)
ZRX1200R前期2001年
ZRX1200R/S
(ZR1200A/B)
ZRX1000DAEG2009年
ZRX1200DAEG
(ZR1200D)

Ninja1000SX(ZX1002K) -since 2020-

2020Ninja1000SX

「Best of Both Worlds」

再びモデルチェンジされNinja1000SXという日本名Ninja1000と海外名Z1000SXを足して2で割ったような名前に改められたZX1002K型。

最初に変更点を上げると

・灯火系のフルLED化

・マフラーを一本出しに変更

・吸気ファンネル及びカムの変更

・電スロ化&クルコン装備

・出力モードを4モードに変更(スポーツ・スタンダード・レイン・マニュアル)

・上下対応クイックシフター

・4段階調節機能付きスクリーン

・カウル形状の変更

・フルカラー液晶メーター

・ETC2.0を標準装備

・RIDEOLOGY(ログアプリ)対応

などとなっています。

2020Ninja1000SX変更点

簡単に言うと電子制御化を進めた形で、装備はもちろん出力特性もより調教されたものになりました。

これまたZ1000そっちのけでモデルチェンジっていう・・・やっぱりNinja1000が人気なんでしょうね。それにしてもこのクラスでクイックシフターを標準装備、しかもアップ/ダウン両対応型というのは流石の一言。

2020Ninja1000SXホワイト

クラッチ操作とおさらば出来るクイックシフターは一度使うとあまりの快適さに感動するんですが、同時にアップのみの対応だとダウンも欲しくなるから我慢して乗るか更に払って社外に変更(しかも結構いい値段する)というパターンになりがちだから。

ここらへんの事情を鑑みての装備だと思います。細かい話だけど購入後の満足度を重視するカワサキらしい対応でもある。

ちなみにこのモデルになって車体価格が210,600円も上がって1,485,000円(税込)となりました。

電スロやクイックシフターを始めとしたモデルチェンジの内容を考慮しても少し割高に感じている人が居るかも知れないので説明しておくと、この大幅な値上げはモデルチェンジの内容というよりも

『カワサキケアモデル』

と呼ばれるクラスになった事が要因です。

Ninja1000SXカワサキケア

これは簡単に言うとメンテナンスパックの事で

・1ヶ月点検+オイル&フィルター交換

・6ヶ月プラザ安心点検(27項目点検)

・12ヶ月法定点検+オイル&フィルター交換

・18ヶ月プラザ安心点検(27項目点検)

・24ヶ月法定点検+オイル&フィルター交換

・30ヶ月プラザ安心点検(27項目点検)

の費用込の値段(S4オイルとフィルターを含む)になったから値上げになった感じがするという話。

※冴速など上位オイルがいい場合は差額でOK

「メンテパックに入った方が得ですよ」

って言われて何だかんだで乗り出し価格が高くなるパターンではなく最初からコミコミになってる非常に珍しいパターン。つまりNinja1000SXを買った場合、3年間はメンテナンス費用が不要というわけ。

加えてこのサービスは購入店舗だけではなく全国のカワサキPLAZAで受けることが出来る上、車体に付属したサービスなので仮に中古車購入だったとしても3年未満だった場合サービスは受けられるという話。

Ninja1000SXカタログ写真

Ninja1000SXが(Z H2と並んで)このシステムのトップバッターという事で車体の話よりカワサキケアの話になってしまったのですが、最近カワサキはショップ管理ではなくプラザ管理の中古車つまり全国のプラザで買えるようにする取り組みを始めたのでこれから先この恩恵を受ける車種や機会は増えると思われます。

主要諸元
全長/幅/高 2100/830/1190~1225mm
シート高 820mm
車軸距離 1440mm
車体重量 236kg(装)
燃料消費率 17.5km/L
※WMTCモード
燃料容量 19.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 1043cc
最高出力 141ps/10000rpm
最高トルク 11.3kg-m/8000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後190/50ZR17(73W)
バッテリー YTX9-BS
プラグ CR9EIA-9
推奨オイル カワサキ純正オイルR4/S4
または
MA適合品10W-40
オイル容量 全容量4.0L
交換時3.2L
フィルター交換時3.8L
スプロケ 前15|後41
チェーン サイズ525|リンク112
車体価格 1,485,000円(税込)
系譜図
Z11972年
900Super4
(Z1/A/B)
Z900
(A4)
Z1000A1976年
Z1000
(Z1000A1/2)
Z1-R1977年
Z1-R/2
(Z1000D)
Z1000MK2
(Z1000A3~)
Z1000J1981年
Z1000J
(Z1000J)
Z1000R
(Z1000R)
Z1100GP1981年
Z1100GP
(Z1100B)
Z1100R
(Z1100R)
GPz11001983年
GPZ1100
(ZX1100A)
ZR1000A2003年
Z1000
(ZR1000A)
ZR1000B2007年
Z1000
(ZR1000B)
ZR1000D2010年
Z1000
(ZR1000D)
Ninja10002011年
Ninja1000
(ZX1000G/H)
ZR1000L/M2014年
Z1000
(ZR1000F/G)
Ninja1000
(ZX1000L/M)
ZX1000W2017年
Z1000/R
(ZR1000H/J)
Ninja1000
(ZX1000W)
ZX1002K2020年
Ninja1000SX
(ZX1002K)

【関連車種】
VTR1000の系譜FZ1/FAZERの系譜GSX-S1000/Fの系譜

Z1000/R(ZR1000H/J)-since 2017-

2017年式Z1000

「sugomi」

五代目にあたるH型とJ型。このモデルはEURO4(排ガス規制)に対応するためのモデルチェンジという意味合いが強いモデルになります。

2017年式Z1000リア

もちろん

・ウィンカーやシートカウルデザインなどの変更

・シフトインジケーター(ギア表示)

・シフトアップインジケーター(シフトアップお知らせランプ)

・キャタライザーやマッピングの変更

・サスペンションをリセッティング。

・ABSモデルの標準化

などさらなる改良も入っています。

そしてこのモデルから上位グレードのZ1000R(ZR1000J)が登場。

2017年式Z1000R

・リモートアジャスター付きオーリンズ

・ブレンボキャリパー&ディスクローター

・ステンメッシュブレーキホース

・専用カラー

・専用タンクパッド

を装備した上位グレードになります。

ただ今回のモデルチェンジの主役はZ1000というよりはNinja1000かと。

Ninja1000
(ZX1000W)
-since 2017-

2017年式Ninja1000

見て分かる通りヘッドライトのLED化を機にカウルデザインが大きく変わりました。

鼻先を伸ばしアッパーからスクリーンまでの流れを改善することで防風性を改善。

その他にも

・ABSモデルの標準化

・メーターを一新

・ETCを標準搭載

・シートの更なる肉厚化

・グラブバーやOPのパニアケース形状の改善

などツアラーとして順当に進化してる感じです。

Ninja1000LEDヘッドライト

でも一番の目玉はKCMF(カワサキコーナリングマネージメントファンクション)じゃないかと思います。

IMU(慣性計測装置)制御というやつでH2やZX-10Rにしか積まれてなかったんですが、Ninja1000にも率先して搭載する形となりました。

KAWASAKI KTRC

・トラクション制御
・ウイリー制御
・スライド制御
・トラクション制御
・ウイリー制御
・ピッチング制御
・旋回中のブレーキ制御
・エンジンブレーキ制御

などなど。やはり売れ筋はお金の掛け方が違いますね。

BOSCH製IMU

ちなみにこれらが可能になったのはBOSCHが開発した超小型高性能IMU(写真左SU-MM5.1)があってのこと。

KAWASAKIに積まれているIMUはほぼコレ。ちなみにもっと小さいのがスマホにも入ってたりします。

2017Ninja1000

まあそんな話は置いといてIMUを装備してほぼフル装備に近い状態となったNinja1000。

販売台数を見るに日本国内では安定した台数が売れているようです。

残念ながらZ1000との内約が分からないのですが、目撃頻度からいってもNinja1000が大部分を占めているんじゃないかと。

猪突猛進を具現化してるZ1000もカッコいいと思うんですけどね。

Z1000とNinja1000

こうやって並べて見ると仁王像みたい。

主要諸元
全長/幅/高 2050/790/1055mm
{2045/790/1055mm}
[2100/790/1185~1235mm]
シート高 815mm
車軸距離 1440mm
{1435mm}
[1440mm]
車体重量 211kg(装)
{221kg(装)}
[235kg(装) ]
燃料消費率 17.5km/L
※WMTCモード値
燃料容量 17.0L
[19.0L]
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 1043cc
最高出力 141ps/10000rpm
最高トルク 11.3kg-m/7300rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後190/50ZR17(73W)
バッテリー YTX9-BS
プラグ CR9EIA-9
推奨オイル カワサキ純正オイルR4/S4
または
MA適合品10W-40
オイル容量 全容量4.0L
交換時3.2L
フィルター交換時3.8L
スプロケ 前15|後41
{前15|後43}
[前15|後41]
チェーン サイズ525|リンク112
車体価格 1,144,800円(税込)
{1,420,200円(税込)}
[1,274,400円(税込)]
※{}内はZ1000R(ZR1000J型)
※[]内はNinja1000
系譜図
Z11972年
900Super4
(Z1/A/B)
Z900
(A4)
Z1000A1976年
Z1000
(Z1000A1/2)
Z1-R1977年
Z1-R/2
(Z1000D)
Z1000MK2
(Z1000A3~)
Z1000J1981年
Z1000J
(Z1000J)
Z1000R
(Z1000R)
Z1100GP1981年
Z1100GP
(Z1100B)
Z1100R
(Z1100R)
GPz11001983年
GPZ1100
(ZX1100A)
ZR1000A2003年
Z1000
(ZR1000A)
ZR1000B2007年
Z1000
(ZR1000B)
ZR1000D2010年
Z1000
(ZR1000D)
Ninja10002011年
Ninja1000
(ZX1000G/H)
ZR1000L/M2014年
Z1000
(ZR1000F/G)
Ninja1000
(ZX1000L/M)
ZX1000W2017年
Z1000/R
(ZR1000H/J)
Ninja1000
(ZX1000W)
ZX1002K2020年
Ninja1000SX
(ZX1002K)

Z1000(ZR1000F/G)-since 2014-

2014年式Z1000

「sugomi」

新生Z1000としては四代目となるF/G型。

最大の変更点は何と言っても誰が見ても驚くだろう顔で、LEDヘッドライトになったんだけど一般的なLEDとは違いリフレクターレスタイプだから目の玉みたいで表情がある。

LEDヘッドライト

内側2つがローで外2つがハイになってるんですが、よく見るとLEDヘッドライトの上にメーター兼ポジションライトが付いてる。一部で先代の守護霊とか言われています。

このZ1000からモチーフが虎から黒豹に変更。2011年ZX-10Rもモチーフと同じですね。

そんなZ1000のD型で凄いなと思うのはプログレッシブな(初期は柔らかく奥で踏ん張る)動きをするビッグピストンフォークとを始めとしたSSと同じ装備を施してる事もそうなんだけどそれよりも細部へのこだわり。

ビッグピストンフォーク

OPのスライダーやガードは勿論のこと、これまでと同様トキコ製ラジアルマウントキャリパーに至るまでKAWASAKIと刻まれている。

こういう細かい所にまでデザインが行き届いてる事に感心するんですが、同時にトキコがよく許したなっていう・・・トキコって日立グループですよ。川崎重工・日立製作所・三菱電機の連合繋がりなんだろうか。

エンジンガード

ちなみにTOKICOの文字はここにあります。

他にもギア比の変更やエンジン出力の見直しが入ってるんですが、F/G型(GはABSモデル)は初代から変わらずルックスに重きを置き、磨き上げたモデルといっていいかと。

話が少し戻りますが、先代で書き損ねたホリゾンタルバックリンクサスペンションについて少しお話。

ホリゾンタルバックリンクサスペンション

これは要するに見て分かる通り、今までスイングアーム下からリンクを介して縦に付いていたリアサスペンションをスイングアームの上からリンクを介してほぼ水平に付けたサスペンションの事。

今となってはZX-10Rなどのスポーツモデルでは当たり前の装備となってるわけですが、これの何が良いのかというとメリットは2つあります。

一つは車体下のスペースが空くことでマフラーレイアウトの自由度が増すということ。

マフラー

厳しくなっていく規制への対応でどんどん大きくなっていく腹下のプリチャンバー(いわゆる弁当箱)のスペースを確保するため。ついでに排気から離す事で熱の影響を小さくすることができる。

そしてもう一つはマスの集中化。

マスの集中化というのは要するに重いものは可能な限り重心に近づける事で、持つ部分よりもボールを当てる先のほうに重心があるバットをイメージすると簡単なんですが、正しく持って振った場合と反対(重心を手に)に持って振った場合、どちらがより俊敏に動かせるかといえば反対に持った時ですね。

マスの集中化というのはこれで最近のバイクのリアがどんどん短くなってるのもこれが理由。SS(というかレーサー)の場合はスリップストリーム対策もありますが。

ホリゾンタルリアサスペンション

話がそれたので戻しますが、この独創的なサスペンションはそのマスの集中化つまり車体中心に近づけるためにやってる狙いもあるという話。

Ninja1000
(ZX1000L/M)
-since 2014-

2014年式Ninja1000

合わせて紹介で申し訳ないんですが、Z1000がモデルチェンジという事で二年しか経ってないNinja1000も合わせてモデルチェンジされL/M型となりました。

「Z1000が無かったら出ていなかった」

と言われておきながらトラコンKTRC(Kawasaki TRaction Control)やエンジン出力をハイとローに切り替えれるモードセレクタを装備。

Z1000の派生モデルだったのに僅か二代でZ1000より豪華装備なるっていう。

プリロードアジャスター

ビッグピストンフォークは流石に付かないみたいですが、代わりにとっても便利なリモートプリロードアジャスター付きリアサスペンションに。

ニンジャ1000

その他にもミラーやウィンカー、スクリーンやカウルなど細部が変更されてるんですが一番大きいのは純正OPの拡充でしょう。

純正OP

車体に合わせた専用パニアケースは格好良いですね。格好良いし安心だし値段は別にしてもツーリングメインなライダーにはありがたいOP。

イグニッションキーで開閉できるっていう純正の強みを活かしたサイドパニアケース。脱着も楽ちん。

2016年モデルではZ1000/Ninja1000共にスリッパークラッチが採用され、クラッチ疲れとおさらば出来る快適性になりました。

主要諸元
全長/幅/高 2045/790/1055mm
[2105/790/1170~1230mm]
シート高 815mm
[820mm]
車軸距離 1435mm
[1445mm]
車体重量 220kg(装)
[230kg(装)]
燃料消費率
燃料容量 17.0L
[19.0L]
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 1043cc
最高出力 137ps/9800rpm
最高トルク 11.1kg-m/7300rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後190/50ZR17(73W)
バッテリー YT12A-BS
プラグ CR9EIA-9
推奨オイル カワサキ純正オイルR4/S4
または
MA適合品10W-40
オイル容量 全容量4.0L
交換時3.2L
フィルター交換時3.8L
スプロケ 前15|後43
[前15|後41]
チェーン サイズ525|リンク112
車体価格 1,199,800円(税込)
[1,285,200円(税込)]
※[]内はNinja1000
※ABSモデル(G/M)は+1kg&+63,800円
系譜図
Z11972年
900Super4
(Z1/A/B)
Z900
(A4)
Z1000A1976年
Z1000
(Z1000A1/2)
Z1-R1977年
Z1-R/2
(Z1000D)
Z1000MK2
(Z1000A3~)
Z1000J1981年
Z1000J
(Z1000J)
Z1000R
(Z1000R)
Z1100GP1981年
Z1100GP
(Z1100B)
Z1100R
(Z1100R)
GPz11001983年
GPZ1100
(ZX1100A)
ZR1000A2003年
Z1000
(ZR1000A)
ZR1000B2007年
Z1000
(ZR1000B)
ZR1000D2010年
Z1000
(ZR1000D)
Ninja10002011年
Ninja1000
(ZX1000G/H)
ZR1000L/M2014年
Z1000
(ZR1000F/G)
Ninja1000
(ZX1000L/M)
ZX1000W2017年
Z1000/R
(ZR1000H/J)
Ninja1000
(ZX1000W)
ZX1002K2020年
Ninja1000SX
(ZX1002K)

Ninja1000/Z1000SX(ZX1000G/H) -since 2011-

Ninja1000

「パーソナルジェットファイター」

戦闘的なルックスが話題になってたZ1000の兄弟車として出てきたNinja1000(Z1000SX)/ZX1000G型とABSのH型。

簡単に言うとZ1000のフルカウルバージョンなんだけどZ1000にただサイドカウルを付けただけではなくSSルックな外装に総取っ替え。

「SS乗りたいけどポジションが・・・」

「SSに乗りたいけどサーキット行かないし・・・」

「SSを買ったけどやっぱりポジション辛い・・・」

というSSブームによるSS疲れを起こしたけどスポーツ性は捨てたくないという声にドンピシャで答えたモデル。

Ninja1000白

「カワサキはよく考えたな」

と思うわけですが、意外なことにD型開発当初はこのNinja1000は想定していなかったんだとか。

でもD型の開発過程で非常に良く出来たモデルでストリートファイターだけに留めておくのは勿体ないという事で開発された経緯があります。

ただストリートファイターとして開発したものをSSルックなツアラーにするという事にかなり難儀したようで、ライトを可能な限り低い位置に置きつつスクリーンも立てない事でネイキッドベースのフルカウル車にありがちな腰高感を感じさせないようにするなどの創意工夫が施されてる。

Ninja1000スクリーン

それでも大変だったみたいで開発中に

「ツアラーなのにいくら何でもこの防風性はマズいぞ」

ということで最大で18度も角度を変更できる可変スクリーンを急遽装備することになった背景があったりします。

もちろん見た目だけじゃなくてエンジンもレスポンスをツアラーらしさを出すために

・スプロケの丁数の変更

・厚みを増したシート

・4Lアップの逞しいタンク

・タンデムや積載性を考えたグラブバー付きテール

・ラバーマウントの強化

などなどツアラーとして欠かせない要素はしっかり抑えてありました。

そんな中でも面白いのがハンドルで、Ninja1000はZ1000のバーハンドルからセパレートハンドルに変更されハンドルの切れ角も2度ほど上がってるんですが、ハンドルを変えた割にはあまりポジションは変わってない。

ninja1000メーター

じゃあ何でわざわざセパハンにしたのかというと

「欧州人はフルカウル&バーハンを嫌うから」

だそうです。でもこれ日本でも言えるかもね。

主要諸元
全長/幅/高 2105/790/1170~1230mm
シート高 820mm
車軸距離 1445mm
車体重量 228kg(装)
[231kg(装)]
燃料消費率
燃料容量 19.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 1043cc
最高出力 136ps/9000rpm
最高トルク 11.2kg-m/7800rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後190/50ZR17(73W)
バッテリー YTX9-BS
プラグ CR9EIA-9
推奨オイル カワサキ純正オイルR4/S4
または
MA適合品10W-40
オイル容量 全容量4.0L
交換時3.2L
フィルター交換時3.8L
スプロケ 前15|後41
チェーン サイズ525|リンク112
車体価格 1,239,000円(税込)
[1,302,000円(税込)]
※[]内はABSモデル(ZX1000H)
系譜図
Z11972年
900Super4
(Z1/A/B)
Z900
(A4)
Z1000A1976年
Z1000
(Z1000A1/2)
Z1-R1977年
Z1-R/2
(Z1000D)
Z1000MK2
(Z1000A3~)
Z1000J1981年
Z1000J
(Z1000J)
Z1000R
(Z1000R)
Z1100GP1981年
Z1100GP
(Z1100B)
Z1100R
(Z1100R)
GPz11001983年
GPZ1100
(ZX1100A)
ZR1000A2003年
Z1000
(ZR1000A)
ZR1000B2007年
Z1000
(ZR1000B)
ZR1000D2010年
Z1000
(ZR1000D)
Ninja10002011年
Ninja1000
(ZX1000G/H)
ZR1000L/M2014年
Z1000
(ZR1000F/G)
Ninja1000
(ZX1000L/M)
ZX1000W2017年
Z1000/R
(ZR1000H/J)
Ninja1000
(ZX1000W)
ZX1002K2020年
Ninja1000SX
(ZX1002K)

Z1000(ZR1000D) -since 2010-

ZR1000D

「ライディングインパクト」

先代でも言いましたが新生Zのデザインにおいて”ワルであること”が非常に大事だったわけですが、それが突き抜けた形になったともいえる三代目のZ1000/ZR1000D型。上の写真は初年度カラーでヘビ柄シートが大きく話題になりましたね。

最初に変更点をあげると

・1043cc/136馬力の新設計エンジン

・剛性30%UP&3kg減の新設計アルミバックボーンフレーム

・新開発ホリゾンタルリアサスペンション

・新型ラジアルマスター&キャリパー

・ファットハンドル

・フルデジタルメーター

などなどスーパースポーツを剥いただけというストリートファイターの文化をそのまま反映させたような形になりました。

Z1000フレーム

フレームがエンジンの横を通らず上を湾曲するように避けて通ってるツインスパーともいえるバックボーンフレームに、リアサスペンションが水平に付いている。

さらにスロットルバルブも楕円形状。

Z1000フレーム

カワサキらしい独特性あふれる中身なんですが、これらは車体の幅を抑える事でニーグリップしやすくするため。

だから厳つい見た目してるけど跨ってみると実は結構細い。

もう一つオマケで面白いのがスロットルへと続く吸気口。

K-CAS

ハニカム形状で強度をキープしつつ大きく開けることで吸気音をライダーに積極的に聴かせる構造になってる。吸気音を積極的に聞かせる手法は昨今では珍しくないけどカワサキは先駆けてやっていたんですね。

そんなD型が掲げるライディングインパクトを最も象徴するであろう部分はそのポジション。

K-CAS

こういう肩肘張って乗る感じは演出なパターンが多いんだけどD型はワイドハンドルも相まって本当にこんな感じ。

マスフォアードなのも相まってエンジンにしがみついて走ってるんじゃないかと錯覚を覚えるほど。

ZR1000D

ただやはり話題になったのはデザイン。

とんでもない形だったアイデンティティである四本出しマフラーが更にとんでもない形になり、Zガンダムのようだと言われました。

マフラー

他にもサイドシュラウドやアンダーカウルも更に尖ったわけですが、これはZのフォルムを現している形だったりします。

マフラー

ついでに言うとシートカウルの下にはフォルムではなく本当に文字としてZを掘っている。

Z1000シート裏

デザインを最優先に開発されたモデルだからここまでの思い切りの良さというかデザイナーの好き勝手に出来たんでしょうね。

見て衝撃、跨って衝撃、乗って衝撃というサードインパクトじゃなくてトリプルインパクトなD型。シートも攻めてるので尻へのインパクトもありました。

主要諸元
全長/幅/高 2095/805/1085mm
シート高 815mm
車軸距離 1440mm
車体重量 218kg(装)
燃料消費率
燃料容量 15.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 1043cc
最高出力 136ps/9000rpm
最高トルク 11.2kg-m/9600rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後190/50ZR17(73W)
バッテリー YTX9-BS
プラグ CR9EIA-9
推奨オイル カワサキ純正オイルR4/S4
または
MA適合品10W-40
オイル容量 全容量4.0L
交換時3.2L
フィルター交換時3.8L
スプロケ 前15|後42
チェーン サイズ525|リンク112
車体価格 1,134,000円(税込)
系譜図
Z11972年
900Super4
(Z1/A/B)
Z900
(A4)
Z1000A1976年
Z1000
(Z1000A1/2)
Z1-R1977年
Z1-R/2
(Z1000D)
Z1000MK2
(Z1000A3~)
Z1000J1981年
Z1000J
(Z1000J)
Z1000R
(Z1000R)
Z1100GP1981年
Z1100GP
(Z1100B)
Z1100R
(Z1100R)
GPz11001983年
GPZ1100
(ZX1100A)
ZR1000A2003年
Z1000
(ZR1000A)
ZR1000B2007年
Z1000
(ZR1000B)
ZR1000D2010年
Z1000
(ZR1000D)
Ninja10002011年
Ninja1000
(ZX1000G/H)
ZR1000L/M2014年
Z1000
(ZR1000F/G)
Ninja1000
(ZX1000L/M)
ZX1000W2017年
Z1000/R
(ZR1000H/J)
Ninja1000
(ZX1000W)
ZX1002K2020年
Ninja1000SX
(ZX1002K)

Z1000(ZR1000B) -since 2007-

Z1000B

「テーラーメイド・スーパーネイキッド」

水冷Z1000の二代目になるZR1000B通称B型。

デザインが更にマッシブかつワル(これも重視された要素)になったんですが、中身の方も大幅に改良されました。

具体的には

・フレームを作り直し

・エンジン出力をスムーズに

・エンジンを後方に下げ重量配分を変更

・エンジンマウントを兼ねたアルミサブフレーム

・キャスター角を寝かせ気味にしホイールベースを延長

・ラジアルマウントキャリパー

Z1000B

要するに先代よりも安定志向に振っており、デザインも更に凝ったものに。

ちなみにモチーフになったのは『虎』だそうです。

ZR1000B

細かいことをいうとライトだけではなくウィンカーでもそれを彷彿させるようにしている拘りのビルドインウィンカーだったりします。

このZR1000Bは125馬力という相変わらず猛烈な物を持っている一方で、先に話したとおり少しジェントルにする変更を加えたことで

「カワサキらしくない素行の良さだ」

という褒めてるのか蔑んでるのがよくわからない声が多方から聞かれました。

ZR1000B

でも非常に良く出来ていたのは事実で、そのおかげでこのZ1000は非常にシビアでオールマイティさが求められる欧州ミドルクラスへのZ750Rへの転生を果たし成功(非常に高評価でロングセラー)を獲得しミドルZを確立することになります。

主要諸元
全長/幅/高 2090/780/1065mm
シート高 820mm
車軸距離 1445mm
車体重量 205kg(乾)
燃料消費率
燃料容量 18.5L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 953cc
最高出力 125ps/10000rpm
最高トルク 10.1kg-m/8200rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後190/50ZR17(73W)
バッテリー YTX9-BS
プラグ CR9EIA-9
推奨オイル カワサキ純正オイルR4/S4/T4
または
MA適合品10W-40
オイル容量 全容量3.8L
交換時3.1L
フィルター交換時3.3L
スプロケ 前15|後40
チェーン サイズ525|リンク110
車体価格 1,050,000円(税込)
系譜図
Z11972年
900Super4
(Z1/A/B)
Z900
(A4)
Z1000A1976年
Z1000
(Z1000A1/2)
Z1-R1977年
Z1-R/2
(Z1000D)
Z1000MK2
(Z1000A3~)
Z1000J1981年
Z1000J
(Z1000J)
Z1000R
(Z1000R)
Z1100GP1981年
Z1100GP
(Z1100B)
Z1100R
(Z1100R)
GPz11001983年
GPZ1100
(ZX1100A)
ZR1000A2003年
Z1000
(ZR1000A)
ZR1000B2007年
Z1000
(ZR1000B)
ZR1000D2010年
Z1000
(ZR1000D)
Ninja10002011年
Ninja1000
(ZX1000G/H)
ZR1000L/M2014年
Z1000
(ZR1000F/G)
Ninja1000
(ZX1000L/M)
ZX1000W2017年
Z1000/R
(ZR1000H/J)
Ninja1000
(ZX1000W)
ZX1002K2020年
Ninja1000SX
(ZX1002K)

Z1000(ZR1000A) -since 2003-

ZR1000A

「世界最高のロードスポーツモデル」

Z1と全く同じコンセプトを持つ新生ZことZ1000/ZR1000A型。

Zというとどうしても空冷2バルブ四気筒のジャパニーズスタイルネイキッドというイメージが強いので、これが出たときに色々と物議を醸したのが記憶に新しい人も多いかと。

ザンザス900で出す予定だったもののZ1000の商標が期限切れを迎えそうだったので更新を兼ねてZ1000に変更した・・・というエピソードがまことしやかに囁かれていますが、確実に言えるのは新生カワサキの第一弾としてかなり力の入ったモデルだったという事。

ZR1000Aのディメンション

肉薄なハイテンスチールのダイヤモンドフレームで400cc並のホイールベースなボディに、低中速に厚みを持たせたZX-9Rベースのエンジンを突っ込んだ形。

だから127馬力/197kg(乾)というポテンシャルを持っており、簡単にウィリー出来るというかウィリーしてくれと言わんばかりの今でいうストリートファイター系になります。

ZR1000A2

それで何が新生カワサキの第一弾なのかって話ですが、それはこの見た目を見れば分かる通り性能ではなくデザインに関すること。

ちょうどこの頃からカワサキは初代ロードスターのNAをデザインされた田中俊治さんをヘッドハンティングしてデザインプロセスを大幅に見直してるんですね。簡単に言うとデザイナーのヒエラルキーを高める改革。

そしてその第一弾となったのがZX-6Rと、このZ1000。共通点はシートカウルだけじゃなかった。

ZR1000Aコンセプトスケッチ

ただ両車の違いとしてZ1000はZX-6R以上にデザインを最優先に開発されたモデルというか

『デザイナーが思い描いた形が絶対』

で開発された経緯があります。それをエンジニアが再現していく開発プロセス。

2003年式Z1000

更に凄いのが重役の人間も口出し無用だったこと。このZ1000は完成まで市販化の是非を問う重役にすら一切見せず、カワサキのデザイナーが全権限を持った形で開発されてるんです。※KMB39より

ZR1000Aコンセプトスケッチ

そんな背景があったからこそ、このコンセプトデザインを忠実に再現出来た。

ちなみにデザインコンセプトを要約すると

『とにかくフリーダムでパワフルでマッシブで見飽きないバイク』

という感じ。

Z1000A

もちろん性能もインプレッションでSSに迫るほどのラップタイムを叩き出して話題になるほどの物を持っていたんですが、4-2-4マフラーや切削&バフのホイールなど明らかに既存のバイクとは違う、逸脱しているとさえ言えてしまうこの出で立ちは新生カワサキの意欲の現れだったという話。

ある意味ではデザイナーが我を通しきった新生Zとも言えますね。デザインに割く時間がほとんど無かったZ1とは対極的で面白い。

主要諸元
全長/幅/高 2080/770/1055mm
シート高 820mm
車軸距離 1445mm
車体重量 198kg(乾)
燃料消費率
燃料容量 18.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 953cc
最高出力 123ps/10000rpm
最高トルク 9.7kg-m/8000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後190/50ZR17(73W)
バッテリー YTX9-BS
プラグ CR9E
または
U27ESR-N
推奨オイル カワサキ純正オイルR4/S4/T4
または
MA適合品10W-40
オイル容量 全容量3.8L
交換時3.1L
フィルター交換時3.3L
スプロケ 前16|後42
チェーン サイズ525|リンク112
車体価格 1,029,000円(税込)
系譜図
Z11972年
900Super4
(Z1/A/B)
Z900
(A4)
Z1000A1976年
Z1000
(Z1000A1/2)
Z1-R1977年
Z1-R/2
(Z1000D)
Z1000MK2
(Z1000A3~)
Z1000J1981年
Z1000J
(Z1000J)
Z1000R
(Z1000R)
Z1100GP1981年
Z1100GP
(Z1100B)
Z1100R
(Z1100R)
GPz11001983年
GPZ1100
(ZX1100A)
ZR1000A2003年
Z1000
(ZR1000A)
ZR1000B2007年
Z1000
(ZR1000B)
ZR1000D2010年
Z1000
(ZR1000D)
Ninja10002011年
Ninja1000
(ZX1000G/H)
ZR1000L/M2014年
Z1000
(ZR1000F/G)
Ninja1000
(ZX1000L/M)
ZX1000W2017年
Z1000/R
(ZR1000H/J)
Ninja1000
(ZX1000W)
ZX1002K2020年
Ninja1000SX
(ZX1002K)