DIO/SP/SR(AF18/AF25)-since 1988-

初代DIO

「街を颯爽とStyle & Impact」

原付スポーツスクーターを代表するモデルと言っても過言ではないホンダ ディオの初代にあたるAF18型。

先に登場していたDJ-1RRと同時発売でエンジンも同系なんですが、決定的に違う部分としては24Lのメットイン(センタートランク)機能が設けられている事。

つまり端的に言うと

「DJ-1にメットインスペースを設けたタイプ」

という立ち位置で登場したのがディオの始まりなんですね。

AF18のメットイン

当時を知らない人のために補足すると、ディオを始めここにきてメットインスクーターが相次いで登場するようになったのは

『ヘルメット着用の義務化』

が1986年から始まったから事にあります。それまで原付はノーヘルで良かったんですね。

それだけでも今の人からすると信じられない話かと思いますが、更に驚きなのがヘルメット着用が嫌で原付を乗らなくなる人が続出した事。

だからメーカーがなんとかヘルメット義務化の負担を減らすために編み出し一気に普及したのがメットインというわけであり、その中でも

『若者向けのメットインスポーツスクーター』

という立ち位置で登場したのがディオという話。

初代DIOのメットイン

そんな1988年発売のディオなんですがDJ-1よりもモデルチェンジサイクルは凄かったです。

わずか1年足らずの1989年初頭にスペシャルカラーのSPを発売したかと思えば、年末には6.8馬力にまでパワーアップした新設計エンジンと10インチチューブレスホイールを履いてスポーツ性に磨きをかけた後期モデルを発売。

AF18後期

なんでこんなに早かったのかといえば、いま話したようにヘルメット規制によるメットイン買い替え特需が生まれていたから。加えてディオはスタイルも好評だったから造れば造るだけ売れていたんです。

だからこの初代の時点で年間販売計画台数は当時トップの190,000台。今も絶賛販売中であるタクトの実に6倍もの台数です。

そんなディオ人気をさらに加熱させたのが1990年に発売されたSR/AF25型。

AF18後期

6.8馬力にまでチューニングされたエンジンに加えフロントディスクブレーキという原付にあるまじき豪華装備。

個人的にこのSRが若者人気の要因をよく表していると思います。

元々1980年代前後に爆発的な広がりを見せたスクーターというのは

『ファミリーバイク』

といって主婦を始めとしたバイクにそれほど思い入れがないママチャリを愛用していた層に向けた原付からこそヒットした。そのためスクーターというのはそういう層のためのバイクという固定観念みたいな物がメーカーにも市場にも出来ていた。

ディオが若者に支持されマストアイテムとなったのはこれを真っ向から打ち破ったから。

具体的に言うならばそのルックスも勿論そうなんですが合わせて

・チューブレスタイヤ
・油圧サスペンション
・MFバッテリー
・薄型ツインフォーカスヘッドライト
・インテーク付きエアロボディ

などなど、ただの移動手段ならば省かれるようなオートバイ並の装備を兼ね備えつつ”敷居の低い原付一種”だったからです。

SPカタログ写真

「金のない若者でも背伸びすれば何とか手が届くカッコイイ乗り物」

という存在だったからこそディオは若者に人気が出たんですね。

主要諸元
全長/幅/高 1600/615/990mm
[1610/615/1000mm]
{1605/625/1000mm}
シート高 700m
車軸距離 1135mm
[1140mm]
{1140mm}
車体重量 63kg(装)
[67kg(装)]
{69kg(装)}
燃料消費率 67.4km/L
[50.5km/L]
{50.2km/L}
※定地走行テスト値
燃料容量 4.0L
エンジン 空冷2サイクル単気筒
総排気量 49cc
最高出力 6.4ps/6500rpm
[6.8ps/7000rpm]
{6.8ps/7000rpm}
最高トルク 0.74kg-m/6000rpm
[0.73kg-m/6500rpm]
{0.73kg-m/6500rpm}
変速機 無段階変速機(Vマチック)
タイヤサイズ 前後3.00-10-4PR
バッテリー YT4L-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
BPR7HS
[BR8HSA]
{BR8HSA}
推奨オイル ウルトラ2スーパー
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
0.8L
Vベルト 23100-GS7-003
[23100-GG2-750]
{23100-GG2-750}
車体価格 126,000円
[129,000円]
{139,000円}
※[]内は90/1以降の後期
※{}内はSR/AF25
系譜図
DJ-11985年
DJ-1/R/L/RR
(AF12/AF19)
AF181988年
DIO/SR
(AF18/AF25)
Gダッシュ1989年
G’
(AF23)
AF271990年
DIO/SR/ZX
(AF27/28)
AF341994年
DIO/SR/ZX/J/S
(AF34/AF35)
AF562001年
DIO/Z4/DX
(AF56/AF57/AF63)
AF622003年
DIO
(AF62/AF68)
JF312011年
DIO110
(JF31)
JF582015年
DIO
(JF58)

DJ-1/R/L/RR(AF12/AF19)-since 1985-

DJ-1

「AERO SPORTS」

ホンダが1985年に発売した新世代原付スクーターことDJ-1/AF12型。

特徴としては5.2馬力を叩き出すエンジンも凄いんですが、一番はその後の原付スクーターのポジションを決定づけたとも言える足を前に投げ出す事を前提としたツートンカラーのステップボードとノーズからテールまで駆け伸びるようなラインの流線ボディ。

ドルフィンジャンプ

ちなみにこのシュッと伸びているデザインが

『ドルフィン・ジャンプライン』

という名称で車名もそこから取られているんですが、一方テレビCMでは強烈なディスクジョッキーを起用していたのでディスクジョッキーの略だという勘違いが生まれました。

DJ-1のコマーシャル

「DJ♪DJ♪」

とノリノリで言うだけの何とも珍妙なCMで少しだけ流行ったり・・・いや、そもそもこの人だれっていう。

DJ-1のカタログ

ただまあ当時を知る人ならDJは

『打倒ジョグ』

が本当の意味だというのは有名だと思います。

DJ-1が出る2年前の1983年にヤマハからジョグ(通称ペリカンジョグ)という原付スクーターが登場したんですが、ボディとフロントフェンダーが一体になった斬新なスタイリングが若者を中心に大ヒットしていました。

1983年といえば原付市場を中心とした泥沼の戦いであるHY戦争の終戦宣言がなされた年。ただ両者の中(特にホンダ社内)ではまだ火が激っていたんですね。それが結果としてMVXやNSそしてNSRと”2stスポーツのヤマハ”を叩き落とす為のバイクを生みレーサーレプリカという市場で再び相まみえる事になるんですが、それは原付市場でも変わらなかったという話。

DJ-1デザインスケッチ

ホンダ自身が打倒ジョグだったと名言している情報はありませんが、ホンダ監修の本などを読んでも否定されていないのでまあそういう事なんでしょう。

ただし若者向けスポーティ原付といえどホイールベースは約1165mmとかなり長めでジョグとは打って変わって安定性重視。ここらへんがホンダらしい所ですね。

そんなDJ-1は最初にも言ったようにレーサーレプリカブームに合わせたスタイリッシュなデザインとワイドレシオがもたらす厚い低中速が若者の間で絶大な人気を獲得。

ホンダはそこから手を緩めることなく翌1986年にはスポーツ性を高めたDJ-1Rを追加発売しました。

DJ-1のコマーシャル

専用チャンバーにより0.3馬力UPの5.5馬力(最終87年モデルは6.0馬力)となり10インチタイヤやアンダースポイラーも装備。

カタログにも若者に人気だった

『F-エフ』

というモータースポーツ漫画の主人公である赤木軍馬を起用しアピール。

DJ-1Lとビバユー

更に半年遅れで56ccのDJ-1Lと、とんでもないカラーリングを纏った限定モデルのビバユー(VIVA YOU)モデルを発売。

そしてDJ-1として有終の美を飾るモデルとなったのが1988年に登場したDJ-1RR/AF19型。

DJ-1Lとビバユー

6.8馬力にまでチューニングされたエンジンをベースにエアダクトやデュアルヘッドライト、それに油圧式テレスコピックフロントフォークの通称HR-SUSが奢られた最上級モデル。ちなみにトランクボックスに入っているロゴからも分かる通り、読み方はCBRと同じダブルアール。

ホンダはこのDJ-1のヒットと怒涛の攻勢により若者向けスクーターの地盤を築くことに成功。これがディオに繋がります。

主要諸元
全長/幅/高 1590/590/990mm
[1650/625/1025mm]
<1650/590/1025mm>
{1630/625/1015mm}
シート高 690mm
[735mm]
<735mm>
{710mm}
車軸距離 1165mm
[1180mm]
<1180mm>
{1160mm}
車体重量 56kg(装)
[59kg(装)]
<59kg(装)>
{60kg(装)}
燃料消費率 75.0km/L
[75.4km/L]
<60.2km/L>
{64.3km/L}
※定地走行テスト値
燃料容量 3.0L
エンジン 空冷2サイクル単気筒
総排気量 49cc
<56cc>
最高出力 5.2ps/6500rpm
[5.5ps/6500rpm
5.5ps/6500rpm※ビバユー
6.0ps/6500rpm※87~]
<5.8ps/6500rpm>
{6.8ps/7000rpm}
最高トルク 0.6kg-m/6000rpm
[0.63kg-m/6000rpm
0.63kg-m/6500rpm※ビバユー
0.69kg-m/6000rpm※87~]
<0.68kg-m/6000rpm>
{0.73kg-m/6500rpm}
変速機 無段階変速機(Vマチック)
タイヤサイズ 前後3.00-8-2PR
[前後80/90-10(34J)]
<前2.75-10-2PR
後2.75-10-4PR>
{前後80/90-10(34J)}
バッテリー YT4L-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
BP6HSA
{BR8HSA}
推奨オイル ウルトラ2スーパー
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
0.9L
Vベルト 23100-GR1-751
車体価格 109,000円
[129,000円]
<139,000円>
{136,000円}
※[]内はR
※<>内はL
※{}内はRR/AF19
系譜図
DJ-11985年
DJ-1/R/L/RR
(AF12/AF19)
AF181988年
DIO/SR
(AF18/AF25)
Gダッシュ1989年
G’
(AF23)
AF271990年
DIO/SR/ZX
(AF27/28)
AF341994年
DIO/SR/ZX/J/S
(AF34/AF35)
AF562001年
DIO/Z4/DX
(AF56/AF57/AF63)
AF622003年
DIO
(AF62/AF68)
JF312011年
DIO110
(JF31)
JF582015年
DIO
(JF58)

スーパーカブ50/110(AA09/JA44) -since 2017-

AA09

再び熊本工場での生産&丸目という原点回帰したスーパーカブ/プロのAA09/AA07とスーパーカブ110/PROのJA44/JA42。

累計生産台数一億台達成が大きく話題になりました。

2017スーパーカブ50

若干リトルカブの面影があるファッショナブルな見た目になっていますね。

ちなみに125で最も多様性があるとして人気だった派生のクロスカブも少し遅れてJA45へモデルチェンジ。

2018クロスカブ110

そして更にこの代から50cc版となるクロスカブ50(AA06)も登場しました。

クロスカブ50

110との違いはPROと同じ小回りに優れる14インチホイールを履いています。なんか凄くオシャレな郵政カブみたい。

ちなみにC125という派生と言うよりメモリアル的なモデルも出る予定。

C125

これは系譜を見てもらえると分かる通り、スーパーカブの125版というより初代スーパーカブC100のリボーン的なモデルでしょう。

キャストホイールとディスクブレーキが斬新ですが。

まあこれは出たら改めて書くとして話を戻すと、この代のスーパーカブは見た目だけでなくエンジンも大きく変わっています。

いわゆるフリクションロスという抵抗を減らしてパワーと燃費を稼ぐ改良が加わっているんですが、中でも特徴的なのがスパイニースリーブというやつ。

燃焼室を形成している筒であるスリーブは熱膨張しにくい鉄で出来ているのに対し、エンジンの外枠を担っているブロックは熱膨張しやすいアルミで出来ている。

つまり熱膨張性が違うので熱くなってくると円に歪みが生まれ燃焼に悪影響がある。

スパイニースリーブ

その歪みを抑えるために内側の鉄にアンカーを仕込んでアルミ側に食い込ませる事で、アルミが膨らみ始めると内側の鉄も引っ張られて膨らみ円の形が崩れないというわけ。

これに合わせてモリブデンコートスカートや窒化ピストンリングなどピストンやピストンリングも最先端の物になっています。

まあこういう小難しい話は前置きで、大事なのは今まで実質オイルフィルターレスだったのがスクーターと同じ交換式オイルフィルターになったこと。

オイルフィルター

オイル内にあるゴミをキャッチして綺麗にするフィルターがカブとしては初めて付きました。

結局なにが言いたいのかというと、いま説明してきたフリクションロス軽減の為のエンジン一新によってコンディションが少しだけどシビアになったという事。

一番影響を受けるクランクの軸受は変わっていないようなので本当にほんの少しだけど、性能が良くなった分だけ乗りっぱなしは駄目よという話です。

JA44

良い方に捉えると、ちゃんと交換していれば今まで以上に持つ様になったとも言えるんだけどね。

スーパーカブというとカブ伝説が有名だと思います。

「サラダ油でも走る」

とか

「水没しても走る」

とか聞いたことあるかと。

発端はディスカバリーチャンネルだと思いますが、サラダ油でも走るのは別にカブに限った話じゃないです。

例えばレース用のオイルは植物油でサラダ油に毛が生えた程度の物を使ったりしている。ただ市販車でそれをすると潤滑不足で最初は良くてもしばらくすると焼き付く。

水没も同じで、万が一エンジンに水が入った状態からエンジンを掛けるとウォーターハンマー現象で(コンロッドが曲がって)廃車の恐れがあります。

だからあんまり鵜呑みにしないようにね・・・無粋な話ですが。

2017スーパーカブ110

ただし

「スーパーカブはとっても頑丈」

というイメージが定着しているのは本当に頑丈だったからなのも事実。

これはホンダがプライドを持って作っているからです。

最後に少し前までホンダの二輪事業責任者だった梨本さんの小話を。

自動車が好調だったある日、本田宗一郎の一番弟子で最初期からエンジニアとしてホンダを支えた二代目社長の河島さんに

2017スーパーカブ110

「バイクにおけるホンダらしさって何だ?そこらへんをしっかり決めておけよ。」

と言われた事があると仰っていました。

そして梨本さんは色々と考えた結果

「信頼性の高いモノづくりこそホンダらしさ」

という結論に至り、それをこう言い表しました。

C100

「ホンダらしさとはスーパーカブだ」

主要諸元
全長/幅/高 1860/695/1040mm
シート高 735mm
車軸距離 1210mm
[1205mm]
車体重量 95kg(装)
[98kg(装) ]
燃料消費率 69.4km/L
[67.0km/L]
※WMTCモード値
燃料容量 4.3L
エンジン 空冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 49cc
[109cc]
最高出力 3.7ps/7500rpm
[8.0ps/7500rpm]
最高トルク 0.39kg-m/5500rpm
[0.87kg-m/5500rpm]
変速機 常時噛合式四速リターン
※停止中のみロータリー
タイヤサイズ 前60/100-17(33P)
後60/100-17(33P)
[前70/90-17(38P)
後80/90-17(44P)]
バッテリー GTZ4V
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CPR6EA-9S
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.0L
交換時0.8L
スプロケ 前13|後46
[前14|後35]
チェーン サイズ420|リンク106
[サイズ420|リンク100]
車体価格 232,200円
[275,400円]
※[]内は110
系譜図
カブ号F型1952年
Cub F号
初代C1001958年~
SuperCub
C100
1964年式1966年~
SuperCub
C50/65/70/90
1971年式~1971年~
SuperCub
C50/70/90
1980年式~1980年~
SuperCub
50/70/90
2000年式1997年~
SuperCub
50/90
2008年式2008年~
SuperCub
(AA01/JA07)
2012年式50/1102012年~
SuperCub
(AA04/JA10)
2017年式50/1102017年~
SuperCub
(AA09/JA44)

スーパーカブ50/110(AA04/JA10) -since 2012-

スーパーカブ110

それまでのタイから部品を取り寄せて熊本で作っていた流れから、中国での一括生産になった50のAA04型と110のJA10型。

どうして中国製になったのかというとこれにはワケがあります。

というのもスーパーカブというのは国内外問わずコピー商品に悩まされ続けた歴史でもある。

国内では2014年にスーパーカブの形が特許として認められた事で解決しましたが、それが通用しない巨大マーケット中国でのコピーカブ対策はモグラ叩き状態だった。

そこでホンダ取った行動が実に独創的な方法。

それはコピーカブを作って売っていた中でも最大手だった会社との合同会社を設立するというもの。

「コピーを差し止めるのではなく、コピーを本家にしてしまう」

という発想の転換。

新大洲本田

それで誕生したのが

「新大洲本田摩托有限公司」

という主に組立と輸出を行う合同会社です。

コピーを抑えられる上に、低コストな部品供給まで獲得できるホンダ。公式のお墨付きを貰ったコピー会社。

正にWin-Win。

それで誕生したのがこのスーパーカブなんですが、このデラックスの角目とも違う顔には賛否両論・・・というか否定的な声が多かったですね。

JA10顔

カブといえばライト、ウィンカー、フェンダー全てが丸というのが日本人のカブに対するイメージを持っている人が大半かと。

確かにどちらかというとタイカブ系のデザイン。

2012スーパーカブ

一体どうして丸目を止めたのかというと”スーパーカブ”というモデルがグローバルモデルになったからです。

丸目だった先代カブから本格的なグローバルモデルとしてアジアでも売り出したけど総スカン状態だった。

思わぬ躓きに現地でアンケートと取ってみると理由は単純明快。

「代わり映えしない」

という理由から。

アジアでカブが(というかバイクが)根付き出したのは80年代頃。要するに日本ほどまだ歴史を築いていない事が理由。

でもこれは良い意味で捉えると、アジアにとってカブというのは今も当たり前にある日常の下駄であり、日本のようにファッション性が強くなってきた乗り物ではないという事でもある。

インドネシア

「新しさがないなら高いホンダ製じゃなくコピーカブでいい」

この結果にホンダもかなり悩んだそうです。

しかし最終的にアジアの要望を優先しました。まあ日本とは比べ物にならないほどに売れるビッグマーケットを優先するのは当然といえば当然な話。

というか言ってしまうと日本ではもうみんなスクーターばっかりでスーパーカブ買ってくれないし。

でもだからと言ってもう日本のスーパーカブじゃなくなったというとそれは違います。

ちゃんとスーパーカブである根拠はあります。

C100に始まり数々の変更が行われて50年以上経ったけどこの代になっても変わっていない所がある・・・それは荷台の高さ。

荷台

初代のC100が695mmだったんですが、これは歴代どの型も695mmになっています。

これは机の高さと同じで、日本人が屈まずに物を置ける高さ。この高さを1mmでも変えると積み下ろしに違和感や支障が出るためだそう。

しかしこのスーパーカブはそれまでのカブとはフレーム自体が変わったので本当は695mmじゃない。

でもこの695mmというのはスーパーカブのポリシー。

そこでこのスーパーカブは日本仕様だけわざわざ専用のシートフレームに変えて695mmを確保している。売れない日本のためだけにわざわざですよ。

どれだけ日本のためのスーパーカブなんだって話。

そしてこの代でまた別の新たな派生モデルが誕生しました。

クロスカブ(JA10)

クロスカブ

ポップな見た目が特徴的なモデルですが、単にデザインを変更しただけでなくワイドアップハンドルに大径ドラムブレーキ、専用17インチホイールで最低地上高も20mmアップ。

正に文字通りクロスオーバー仕様でハンターカブともリトルカブともプロとも違う全く新しいカブ。

ちなみにリトルカブの方ですが・・・

AA01

一度は生産終了となったのですが、国産カブの系譜を途絶えさせてはいけないと熊本工場での再販化。

国産ということでセル付きモデルで23万円と110と変わらない値段になってしまいましたが、それでも造り続けたのは国産カブの系譜を途絶えさせてはいけないという意地からでしょうね。

熊本製作所

最後に・・・

このカブを担当された今田さんがインタビューでこう仰っていました。

「エンジニアというのは『自分のアイデンティティを出したい、他人のものは使いたくない、変えたい』と思っちゃうんですよね。なのに今まで変えられなかった。スーパーカブを作った開発者の人たちは凄かったと思います。」

と。

更に同じような事をホンダの六代目社長でありNS500などを作った豪腕エンジニアでもあった福井社長も退任会見で言われていました。

C100

「心残りがあるとすればスーパーカブを超えるスーパーカブを造れなかった事。まあ、これは永遠のテーマかもしれません。」

”新しいスーパーカブ”って本当に難しいんでしょうね。

主要諸元
全長/幅/高 1915/700/1050mm
シート高 735mm
車軸距離 1175mm
[1210mm]
車体重量 95kg(装)
[98kg(装) ]
燃料消費率 110km/L
[63.5km/L]
※定地走行テスト値
燃料容量 4.3L
エンジン 空冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 49cc
[109cc]
最高出力 3.7ps/7500rpm
[8.0ps/7500rpm]
最高トルク 0.39kg-m/5500rpm
[0.87kg-m/5500rpm]
変速機 常時噛合式四速リターン
※停止中のみロータリー
タイヤサイズ 前60/100-17(33P)
後60/100-17(33P)
[前70/90-17(38P)
後80/90-17(44P)]
バッテリー YTX4L-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CPR6EA-9S
または
U20EPR9S
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.0L
交換時0.8L
スプロケ 前13|後46
[前14|後35]
チェーン サイズ420|リンク106
[サイズ420|リンク100]
車体価格 187,950円
[249,900円]
※[]内は110
系譜図
カブ号F型1952年
Cub F号
初代C1001958年~
SuperCub
C100
1964年式1966年~
SuperCub
C50/65/70/90
1971年式~1971年~
SuperCub
C50/70/90
1980年式~1980年~
SuperCub
50/70/90
2000年式1997年~
SuperCub
50/90
2008年式2008年~
SuperCub
(AA01/JA07)
2012年式50/1102012年~
SuperCub
(AA04/JA10)
2017年式50/1102017年~
SuperCub
(AA09/JA44)

スーパーカブ/110(AA01/JA07) -since 2008-

タイカブ110

「伝統と進化を併せ持つ信頼性の高い新時代のスーパーカブ」

奇しくもスーパーカブC100が生まれてちょうど50年が経った2008年、排ガス規制強化によりカブもFI(電子燃料噴射)化され50(AA01型)と110(JA07型)へと生まれ変わりました。

50はマイナーチェンジであまり見た目は変わっていませんが、110はフルモデルチェンジでマルチリフレクターヘッドライトとなり見た目も一新。

AA04とJA07

これは50が国内生産&組立なのに対し、110はアジア向けのカブとの共有化によるコスト削減のために部品の六割をタイから逆輸入して日本で組み立てるというハイブリッドのような構造になったから。

110になったものそれが理由。だから正確に言うとこの代で50と110は兄弟というよりもハトコみたいな関係というわけ。

ちなみに両モデルともFI化に伴ってエンジンもフレーム共に新設計なんですが、110は更にクラッチも進化しました。

スーパーカブ90のクラッチ

上が先代のクラッチで、下がこのモデルのクラッチ。

スーパーカブ110のクラッチ

これはまあ要するにクラッチを二段にすることでクラッチレスながら変速ショックを和らげるのが狙い。

ちなみにこれはタイカブにも付いていた機能。

そういえばカブの遠心クラッチの仕組みについて話していなかったですね。

要するにエンジン(クランク)の回転による遠心力でクラッチが繋がる仕組み。停車してもエンストしないのはエンジンが止まる前に遠心力が無くなってクラッチが離れるから・・・物凄いザックリですが。

スーパーカブ110

まあ原付のページですし小難しい話は置いておきましょう。構造こそ違えど仕組みはスクーターのクラッチとだいたい一緒です。

だからカブに乗ったことないライダーなんかは、エンストを避けるためにアクセルを煽ってから一速に入れちゃうから一気にクラッチが繋がってウィリー・・・っていうカブあるある。

スーパーカブ50周年

ちなみに排ガス規制によるFI化という世代交代はもちろんメインのカブだけでなく派生モデルへも影響しています。

リトルカブもFI化され、プレスカブはスーパーカブPROとしてこの代からラインナップに常駐するようになりました。

リトルカブとプロ

これらは引き続き熊本産。

そしてこれも。

MD110

実に40年ぶりにフルモデルチェンジというか、初のフルモデルチェンジで90から110になったMD110。

「四速になってキックから開放された(セル付)」

と郵便局員さん大喜びでした。

最後に少し小話を。

一見するとデザインが少し変わっただけに見えるFIカブですが、排ガス規制に対応させるために中身は大きく変わっています。

FI化と簡単に言っていますが、それには各種センサーや、化学反応を起こして排気ガスをクリーンにする触媒などエンジンを管理&監視する補機が大量に必要になる。

各種センサー

そんな中でも大変だったのが燃料を吹く通路のスロットルボディで、スーパーカブ50はスロットルボディの口径が5mmも大きい18mmとなりました。

ただこれは正確に言うと”大きくなってしまった”という方が正しい言い方。本来ならもっと絞ったほうが低速トルクが出せて燃費も稼げる。

スロットルボディ

ではどうして大きくなってしまったのかというと、口径をこれ以上絞ってしまうと人の指が入らず組み立てる事が出来なくなるから。

これでもかなり小型化している世界最小サイズのスロットルボディなんですよ。ガソリンを吹くインジェクターはもちろんアイドルコントロール用バルブとバイパス、圧を測るセンサーやユニットまでモジュール化した高性能スロットルボディとしては現状このサイズが最小。

なんかこういう技術的な問題やスペースの問題と格闘している話を聞くと

JA07壁紙

「開発が一番大変なのは原付なのでは」

と思いますよね。

主要諸元
全長/幅/高 1840/660/1010mm
[1830/710/1040mm]
シート高 735mm
車軸距離 1175mm
[1190mm]
車体重量 79kg(装)
[93kg(装) ]
燃料消費率 110km/L
[63.5km/L]
※定地走行テスト値
燃料容量 3.4L
[4.3L]
エンジン 空冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 49cc
[109cc]
最高出力 3..4ps/7000rpm
[8.2ps/7500rpm]
最高トルク 0.39kg-m/5000rpm
[0.86kg-m/5500rpm]
変速機 自動遠心式三速リターン
[常時噛合式四段リターン]
※停止中のみロータリー
タイヤサイズ 前2.25-17(33L)
後2.25-17(33L)
[前2.25-17(33L)
後2.50-17-(43L)]
バッテリー YT4L-BS
[YTZ7S]
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CPR6EA-9S/CPR7EA-9S
または
U20EPR9S/U22EPR9S
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量0.8L
交換時0.6L
[全容量1.0L
交換時0.8L]
スプロケ 前13|後40
[前14|後34]
チェーン サイズ420|リンク98
車体価格 155,000円
[249,900円]
※スペックはスタンダード
※[]内は110
系譜図
カブ号F型1952年
Cub F号
初代C1001958年~
SuperCub
C100
1964年式1966年~
SuperCub
C50/65/70/90
1971年式~1971年~
SuperCub
C50/70/90
1980年式~1980年~
SuperCub
50/70/90
2000年式1997年~
SuperCub
50/90
2008年式2008年~
SuperCub
(AA01/JA07)
2012年式50/1102012年~
SuperCub
(AA04/JA10)
2017年式50/1102017年~
SuperCub
(AA09/JA44)

スーパーカブ 50/90-since 1997-

スーパーカブ

これまた結構とんで1997年頃・・・といっても先に紹介したエコノパワーカブから大きな変更はなく、世代的に言うと前ページと同じでカブ史の中では20年以上続いた最長の世代。

そんな中で敢えて挙げるとするなら1996年から採用されたタフアップチューブというタイヤ。

IRCタフアップ

これはスーパーカブの唯一の欠点とも言えるパンクのしやすさを何とかしようとして開発されたチューブタイヤ。まあスーパーカブの欠点というよりチューブタイヤの欠点なんですが。

チューブタイヤというのは自転車と同じように空気が詰まったチューブが入っているタイプのもので、ご存知のように釘などを踏んで中のチューブに刺さるとアッという間に空気が抜けてしまう。

タフアップチューブ

そこで考えられたのがタフアップチューブ。

チューブを二重構造にし、中にパンク修理剤を封入することで万が一クギなどが刺さって穴が空いてもパンク修理剤が飛び出て塞ぐようにしている仕組み。

タフアップチューブの仕組み

これで長距離も安心・・・なハズなんですが、絶対に防げるかと言うとそうでもないのが現実。

例えば見て分かる通りパンク修理剤が入っているのは接地面だけで横には入っていない。

タフアップチューブのサイド

だから例えば路肩で擦るとか、空気圧不足によってリムで擦り潰してしまうなどのサイド起因によるパンクには無力だし、劣化してくるとパンクしていないのに修理剤の封が破れて溢れてくる。

そして何より構造が複雑な分ノーマルチューブに比べて重い上に値段が倍近い(それでも2000円)という事からあまり普及せず、またホンダも後に採用を取りやめたことで2016年頃をもって取り扱っていたIRCも生産を終了しました。

2002年式スーパーカブ

あとは挙げるとするなら70ccが1998年モデルを最後に廃止となり50と90の二台体制となった事と、1999年モデルから排ガス規制対応で0.5馬力下がった事くらい。

マフラーガード無しが規制前、有が規制後モデルです。

それくらいですね・・・では何故ここで区切ったかというと、一貫して国内生産だったカブはこの世代までというのもあるんですが、もう一つは”アレ”が出た年だからです。

リトルカブ
(A-C50)
-since 1997-

リトルカブのカタログ写真

そう「リトルカブ」です。

郵政カブと同じ14インチホイールを履き全体的にコンパクト&カジュアルになった・・・けどカブのスタイルは崩していないお洒落バージョン。

その見た目通り若者が主なターゲットで

「カブ=仕事バイク」

というイメージを払しょくする狙い通り、見事に若い世代にウケました。1999年には排ガス規制に対応しセル付き四速ミッションのAA01型に。

リトルカブ

このリトルカブは

「ホンダ二輪総生産台数一億台目」

という記念すべき車種に選ばれたバイクでもあり、国産カブの大役をのちに担う事になるバイクでもあります。

リトルカブラ

・・・ちなみにリトルカブにもカブラはありました。

主要諸元
全長/幅/高 1800/660/1010mm
[1805/660/1015mm]
シート高 735mm
車軸距離 1175mm
車体重量 78kg(装)
[84kg(装) ]
燃料消費率 135km/L
[60km/L]
燃料容量 4.0L
エンジン 空冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 49cc
[85cc]
最高出力 4.5ps/7000rpm
[7.0ps/7000rpm]
最高トルク 0.52kg-m/4500rpm
[0.79kg-m/5500rpm]
変速機 自動遠心式三速リターン
※停止中のみロータリー
タイヤサイズ 前2.25-17(33L)
後2.25-17(33L)
[前2.50-17(38L)
後2.50-17-(43L)]
バッテリー FT4L-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR6HSA
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
スプロケ 前13|後40
チェーン サイズ420|リンク98
車体価格 155,000円
[177,000円]
※スペックはスタンダード
※[]内は90デラックス
系譜図
カブ号F型1952年
Cub F号
初代C1001958年~
SuperCub
C100
1964年式1966年~
SuperCub
C50/65/70/90
1971年式~1971年~
SuperCub
C50/70/90
1980年式~1980年~
SuperCub
50/70/90
2000年式1997年~
SuperCub
50/90
2008年式2008年~
SuperCub
(AA01/JA07)
2012年式50/1102012年~
SuperCub
(AA04/JA10)
2017年式50/1102017年~
SuperCub
(AA09/JA44)

スーパーカブ 50/70/90-since 1980-

スーパーカブ90

次に大きな変更が加わったのが1980年のこと。

まずそれまでベンリィベースの別物だった90が70のストロークアップ版となり、50と70も翌81年に準拠する共通ボディに変更され完全な三兄弟体制になりました。

スーパーカブ50

そのためかこの世代からスーパーカブ50/70/90と、Cの文字が無くなっています。

※先に話した通りMD90はC90のまま

そして1982年に出たのがカブマニアなら知らぬ者は居ない初代角目モデルのスーパーカブ50スーパーデラックス。

スーパーカブ50デラックス

エコノパワー技術という超低燃費技術により何かの間違じゃないかと思うリッター150kmという驚異的な燃費に。

でも凄いのはただ燃費がいいだけでなく、馬力も5.5馬力と歴代トップな上に四速という文字通りデラックスなこと。

赤カブ

ちなみにしてその時に発売されたのが非常にレアな赤ボディの赤カブです。

しかし驚くのはまだ速い。翌1983年にはスーパーデラックスより更に凄いスーパーカスタムが登場。

スーパーカブ50スーパーデラックス

なんとリッター180km。馬力を0.5落とした代わりに燃費を更に伸ばした燃費スペシャルモデル。

これがカブシリーズで最も低燃費なモデル、つまり原付で最も低燃費なモデルでもあり、いまだにその記録は破られていません。

というか排ガス規制の関係上、もうこれを超える低燃費車は出てこないと思われます。

1986年には電装系が6Vから12Vに変更されハロゲンライトになり、スーパーカスタムの名前はカスタムに変更。

スーパーカブ50スーパーデラックス

断っておくとスーパーカブは飽くなき耐久性と燃費の追求から年次改良が毎年のように入っています。(特にこの頃)

だから同世代でもピストンやバルブヘッドが違うなんて当たり前。恐らく年式による仕様違いを全て把握している人は居ないと思います。

だから余計なお世話ですが、中古を買おうと思われている方は出来るだけ年式の新しいものを、弄るつもり人もそこら辺を注意して下さい。

そしてここで派生モデルを紹介すると1981年に復活したのが相変わらずハンターカブという名前は付かないCT110

CT110

スーパーカブ90をベースに105ccまでボアアップしてパワーを増したモデル。

今回は副変速機はオミットされています。

更に1988年に出たのがニュースカブの後継となるプレスカブ。

初代プレスカブ

サブライト付きの大型バスケットとリアキャリア、積載を考えて大型化されたリアドラムブレーキを搭載した新聞配達特化モデル。

ノーマルタイプとグリップヒーター付きデラックスの二種類で、今あるPROシリーズのご先祖様ですね。

そして帰国子女のようなハイスペックカブことカブ100EX。

初代タイカブ

別名タイカブと言われるタイホンダから引っ張ってきたモデル。

タイカブという名前から全く違う系統と思いがちですが、エンジンの源流はC65なので立派なスーパーカブ。

ただ何人も乗せたりする過酷な使い方を考慮してロングシートとテレスコピックサスペンションを採用しています。

スーパーカブ100

限定3000台だったものの、想定を上回る人気だった為93年から再びスーパーカブ100の名前で輸入されています。ちなみに向こうではドリーム100という名前。

最後にもう一つ紹介しておきたいのが1993年に出たCOBRA・・・じゃなくてCUBRA(カブラ)。

カブラ

これは正確に言うとホンダアクセスが用意した一体型サイドパニア(既存ボディの上から被せる)を始めとしたアクセサリーを標準装着したモデル。

CUBRA

見た目が野菜のカブの様に膨らむことから、関西でそのカブを示す方言カブラと命名。

だけどこのグラマラスに膨らんだラインといい、アクセサリーヘルメットのレーシングストライプといいコブ・・・

主要諸元
全長/幅/高 1835/660/1035mm
[1835/660/1030mm]
{1840/660/1035mm}
シート高
車軸距離 1180mm
[1180mm]
{1185mm}
車体重量 82kg(装)
[83kg(装) ]
{86kg(装) }
燃料消費率 150km/L
[80km/L]
{80km/L}
燃料容量 4.0L
エンジン 空冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 49cc
[72cc]
{85cc}
最高出力 5.5ps/9500rpm
[6.0ps/7500rpm]
{7.0ps/7500rpm}
最高トルク 0.48kg-m/6500rpm
[0.66kg-m/5500rpm]
{0.79kg-m/5500rpm}
変速機 自動遠心式四速ロータリー
[自動遠心式三速ロータリー]
{自動遠心式三速ロータリー}
タイヤサイズ 前2.25-17-4PR
後2.25-17-4PR
[前2.25-17-4PR
後2.50-17-6PR]
{前2.50-17-4PR
後2.50-17-6PR}
バッテリー
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
C7HSA
[CR6HSA]
{CR6HSA}
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
スプロケ
チェーン
車体価格 137,000円
[149,000円]
{160,000円}
※スペックはSDX
系譜図
カブ号F型1952年
Cub F号
初代C1001958年~
SuperCub
C100
1964年式1966年~
SuperCub
C50/65/70/90
1971年式~1971年~
SuperCub
C50/70/90
1980年式~1980年~
SuperCub
50/70/90
2000年式1997年~
SuperCub
50/90
2008年式2008年~
SuperCub
(AA01/JA07)
2012年式50/1102012年~
SuperCub
(AA04/JA10)
2017年式50/1102017年~
SuperCub
(AA09/JA44)

スーパーカブ C50/70/90-since 1971-

スーパーカブC50DX

1971年からはデラックスグレードが追加。

これはシート下の燃料タンクがボディと一体型になっているモデルで、これから先ずっと続くことになるボディラインの始まりです。

他にもカモメの羽のような形をしていることからカモメハンドルと呼ばれる形のハンドルも特徴的。

ちなみにこのカモメハンドルと行灯というポイントを二つも備えたカブはこのスーパーカブDXだけで一部のカブマニアの間では非常に人気のモデルだったりします。

次に大きな変更点が加わったのが1978年。

スーパーカブC50DX

騒音規制をキッカケにモデルチェンジされたモデル。

行灯のようなポジションライトが廃止となり、モナカ合わせだったマフラーがメガホンタイプに変更。

更にミッションが1→N→2→3だったのがボトムニュートラルのN→1→2→3になりました。

昔のモデルはスポーツバイクと同じで二速にする場合は二回踏み込む必要があったんですよ。

さて、この頃からカブの仕事人仕様が本格的に始動します。

一つはニュースカブというモデル。

ニュースカブ

皆が知る新聞配達用のプレスカブの先駆け的なモデル。新聞協会からの要請によって作られました。

大型のバッグを装備し、スタンドとブレーキを強化、さらに夜間でも見やすいように黄色く塗って視認性を高めたモデル。

そしてもう一つが更にもっと皆が知るモデル。Mail DeliveryのMDシリーズです。

MDカブ

郵政省からの要請により開発されたモデルでフロントフォークがボトムリンク式ではなく、テレスコピック方式で14インチとなっているのが特徴。

チェーンをかけやすいようにフェンダークリアランスが大きめに取ってある割れない鉄フェンダー、グリップヒーター、ハイマウントヘッドライトなど細部まで丁寧に作られています。

ただでさえ高耐久なカブを更に高耐久にして足回りを強化したモデルだから払い下げ品が人気なのが有名ですね。もちろんMDはMDでマイナーチェンジを繰り返しています。

ここでまたちょっと脱線して役に立たない話を・・・

このMDシリーズはカブベースなのでカブと同じようにMD50-MD70-MD90とそれぞれありました。

MD50-70はそれぞれ50ccと70ccのカブエンジンをそのまま使っているため、改良なども足並みも揃えている。

それに対し何故かMD90だけはスーパーカブ90のエンジンが70ベースに新しくなっても、ずっと変わりませんでした。

CS90

つまりにホンダはCM90から始まったこのベンリィエンジンを1980年に市販車が無くなった後も、郵政カブMD90のためだけに2008年まで作り続けた事になる。

強化ミッションや強化クラッチなど専用部品を収まるように作っていたからなのか・・・郵政カブの謎。

主要諸元
全長/幅/高 1805/655/985mm
[1805/655/985mm]
{1820/655/990mm}
シート高
車軸距離 1175mm
[1175mm]
{1180mm}
車体重量 76kg(装)
[78kg(装) ]
{87kg(装) }
燃料消費率 85km/L
[60km/L]
{65km/L}
燃料容量 3.0L
[4.5L]
エンジン 空冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 49cc
[72cc]
{89cc}
最高出力 4.8ps/10000rpm
[6.2ps/9000rpm]
{7.5ps/9500rpm}
最高トルク 0.37kg-m/8200rpm
[0.67kg-m/7000rpm]
{0.67kg-m/6000rpm}
変速機 自動遠心式三速リターン
タイヤサイズ 前2.25-17
後2.25-17
[前2.25-17
後2.50-17-6PR]
バッテリー NP4-6
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
C5HSA
推奨オイル honda純正ウルトラオイル(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
0.7L
[0.7L]
{}
スプロケ
チェーン
車体価格 68,000円
[74,000円]
{84,000円}
※スペックはセル付きDX
系譜図
カブ号F型1952年
Cub F号
初代C1001958年~
SuperCub
C100
1964年式1966年~
SuperCub
C50/65/70/90
1971年式~1971年~
SuperCub
C50/70/90
1980年式~1980年~
SuperCub
50/70/90
2000年式1997年~
SuperCub
50/90
2008年式2008年~
SuperCub
(AA01/JA07)
2012年式50/1102012年~
SuperCub
(AA04/JA10)
2017年式50/1102017年~
SuperCub
(AA09/JA44)

スーパーカブC50/C65/C70/C90-since 1966-

C50

恐らく多くの人が思い描くスーパーカブの姿になった1966年~の第二世代スーパーカブ。

ノーマルタイプとM(セル付き)の2モデル展開となったわけですが、最大の特徴はエンジンがOHVから耐久性と燃費向上を図ってOHC化され4.8馬力にまで馬力がアップしたこと。

少しややこしいのですが、この第二世代スーパーカブC50には元となっているモデルがあります。それはC50の2年前に出ていたC65という63ccのスーパーカブです。

C65

スーパーカブ初のOHCエンジンを積んだモデルはこれで、いわゆる先行量産型というやつ。ヘッドライトが少し大きなC100系デザインのバイク。

そしてこの頃のスーパーカブは速くて燃費良くて壊れない上に

「二年5万km保証」

という長期保証によって更に爆発的な人気となり累計生産台数も500万台を突破。

勢いそのままに1968年にはマイナーチェンジが入り先行開発型だったC65も同一ボディのC70に。

C50 C70 C90カタログ写真

特徴は何と言っても二輪初となるポジションライトの採用です。

「行灯カブ」という愛称で今も親しまれています。

少しモデルが多すぎて混乱している人が多いと思うのでここまでを纏めると

C50 C70 C90系譜図

こういう形で、要するにC50はC100の後継なんだけど新設計ボディとC65ベースのエンジンだから厳密に言うと別のモノ。

なんでこんなややこしいことをしたのかというと、フル稼働しているスーパーカブC100の製造ラインを止めることなくOHC化への流れを作らないといけなかったから。

ちなみにC65で作られたエンジンはなんと2000年代のキャブ最終までベースとして続きます。

そしてこの代で出た派生モデルが1968年のCT50です。

初代ハンターカブ

アメリカで先行販売していたハンターカブC105Hの日本版、ただハンターカブという名は付きません。

登坂力18度とアピールしている通り、副変速機という面白い機能を付けています。

CT50

クランクの下にあるレバーによる切り替え方式。

これは要するにドライブスプロケット内にもギアが一つあって変速している内蔵型ダブルスプロケット。

三速でも30kmしか出ないようになる代わりに、圧倒的なトルクで道も荷物も選ばずに走破できるというわけ。

ところで少し話が脱線しますが

「蕎麦屋が片手で運転できるバイク」

というのがスーパーカブのコンセプトだったわけですが、出前のカブとして欠かせないのが「出前機」ですね。

出前機

最近は車やベンリィといったトライクに取って代わられつつあるのであまり見なりましたが、カブと一緒に歴史を歩んできた必須アイテム。

最初はホンダもオプションで発売していましたが、今はマルシンさんだけとなっています。

構造は比較的シンプルで、要はエアサス。

出前機の仕組み

すごく簡単に表すとこんな感じです。本当は一番上の段は吊り下げているんですが。

ちなみにマルシンの出前機は東京オリンピックでは聖火まで出前した(予備の聖火として付いて行った)歴史があります。

出前機セドリック

積んだのはカブじゃなくてセドリックだけどね。

主要諸元
全長/幅/高 1795/640/975mm
[1795/640/975mm]
{1830/640/995mm}
シート高
車軸距離 1185mm
[1185mm]
{1190mm}
車体重量 74kg(装)
[78kg(装) ]
{87kg(装) }
燃料消費率 90km/L
[85km/L]
{80km/L}
燃料容量
エンジン 空冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 49cc
[72cc]
{89.6cc}
最高出力 4.8ps/10000rpm
[6.2ps/9000rpm]
{7.5ps/9500rpm}
最高トルク 0.37kg-m/8200rpm
[0.53kg-m/7000rpm]
{0.67kg-m/6000rpm}
変速機 自動遠心式三速リターン
タイヤサイズ 前2.25-17
後2.25-17
バッテリー
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
C5HSA
[C5HSA]
{D6HA}
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
スプロケ
チェーン
車体価格 60,000円
[66,000円]
{76,000円}
※スペックは69(行灯)カブ
系譜図
カブ号F型1952年
Cub F号
初代C1001958年~
SuperCub
C100
1964年式1966年~
SuperCub
C50/65/70/90
1971年式~1971年~
SuperCub
C50/70/90
1980年式~1980年~
SuperCub
50/70/90
2000年式1997年~
SuperCub
50/90
2008年式2008年~
SuperCub
(AA01/JA07)
2012年式50/1102012年~
SuperCub
(AA04/JA10)
2017年式50/1102017年~
SuperCub
(AA09/JA44)

スーパーカブ-since 1958-

SUPERCUB C100

「ホンダが送る豪華版 スーパーカブ号」

今や世界160ヶ国以上で販売され総生産台数一億台を超えた名車スーパーカブの初代であるC100型。

スーパーカブC100

先に紹介したカブF号で成功を収めていたホンダだったんだけど、バイク戦国時代ということで他メーカーに追従されジリ貧状態でした。

そんな中で本田宗一郎はスバルのラビットや三菱のシルバーピジョンといった当時としては高級な乗り物だったスクーターを売ろうとジュノオK型を発売。

ジュノオK

しかしこれがオーバーヒートを起こすなどお世辞にも完成度が高いバイクとは言えず、わずか1年半で生産終了に。

リベンジを誓っていた本田宗一郎だったんですが、そんなある中で通産省後援による海外視察に行こうと専務(後の副社長)である藤沢さんが本田宗一郎を連れてヨーロッパへ。

ジュノオK

そこで見たものは日本でいうところの原付が生活の足、コミューターとして根付いていた事。

本田宗一郎と藤沢武夫はそれを見てもっと庶民に親しまれるバイクを作らないといけないという結論に。

ちなみに参考にしようとバラして持ち帰ろうとした所、重量オーバーだと空港で止められた際に

「俺が重量オーバーならあの太った人はいいのか」

と言って事なきを得たのは有名ですね。

あとマン島TT参戦を決めたのもこの遠征がキッカケです。

会社が傾いていた上に何のノウハウも無かった中で、世界GPに打って出るというのはあまりにも無謀だと言われていました。

マン島レーサー

しかし終わってみたら前人未到の全クラス制覇。ホンダの名を世界に轟かせる事になったわけですが。

話をカブに戻します。

ヨーロッパから帰ってきて本田宗一郎はすぐに次世代のモペット開発計画

「マルMプロジェクト」

を立ち上げました。

本田宗一郎

欧州のように庶民の足として根付く日本のコミューターとして導き出した答えが

「そば屋が片手で運転できるバイク」

でした。

スーパーカブといえば代表的なのは遠心クラッチ開発によるクラッチレス化が有名ですが、開発において他にも大変だったのがエンジン。

本田宗一郎は元々2st嫌いなのでカブは4stで行くと決まったわけですが、2stのA型ですら1馬力だった中で”4馬力”というあり得ないほどの高い馬力目標を掲げました。

これはまだまだ未舗装路の多い日本ではパワーが無いと荷物を載せて走れないという考えから。

このエンジンを任されたのはF号に続き星野さんだったんですが、来る日も来る日も燃焼室の設計を見直す毎日。

C100エンジン

そんな中でも面白いのが

「バルブを大きくするしか道はない」

という事でNGKに当時14mmが当たり前だったネジ径に対し、10mm径の特注プラグを特別に用立ててもらった事。

1958年のチラシ

これによってバルブ径を大きく取ることができ、4.5馬力を発揮するエンジンがなんとか完成。

このように一番初めのスーパーカブであるC100というのは特注部品のオンパレードでした。

スーパーカブC100

馬力だけでなく走破性を上げるために採用した17インチという大径のリムとタイヤもそうですし、泥除けのプラスチックカバーもそう。

コミューターにあるまじきスペックと専用装備を誇っていた。

そのためC100は当時5万5000円と他所よりも3割近く高い車体価格・・・と言ってもこれだけスペシャルパーツを奢っているので普通に売っても採算が取れない。

しかし影の本田宗一郎こと藤沢さんには考えがありました。

C100カタログ

全メーカーの総生産台数が3万台強の時代に

「月3万台売れば量販効果で元が取れる」

として強気な投資/生産を決定。お互いのやることに口出ししないという約束通り本田宗一郎も全幅の信頼を置いていたので何も言わず。

スーパーカブC100

実際どうだったのかというと、初年度こそ目標には届かなかったものの

「速くて燃費が良くて壊れない」

という口コミ、そして鉄の塊のようなバイクしか無かった時代だったので

「スタイリッシュでカッコいい」

という評判もあり二年目には月産3万台という目標を見事に達成。

とにかく造れば造るだけ売れる状況で、完成待ちの卸売業者が工場の外で待機するほど。

そして遂にはスーパーカブ専用の工場まで設立。

鈴鹿製作所

いまホンダのNシリーズ等の軽やFITなどを作っているこの鈴鹿製作所はもともとスーパーカブを造るため、スーパーカブによって建てられた工場だったんですよ。

その鈴鹿製作所が出来てからは月産5万台を超えるほどのペースに。

C100はあまりの売れっぷりから時期によって形や色が少し違うモデルがいくつもあります。

C100のバージョン違い

これが何故かいうと部品メーカーの供給が追いつかなくなったから。

一社のみの供給では間に合わなくなり、色んなメーカーから掻き集める様な形になったんです。

C100のチラシ

当時のチラシでも追いついていないのが分かりますね。

このC100の登場と、強気な戦略のおかげでホンダはバイク業界の盟主として圧倒的な地位を築きました。

そしてスーパーカブは日本だけでなくアメリカでも成功を収めています。

CA100

これはC100の三年後にあたる1962年にアメリカ向けに作った赤いボディとダブルシートが特徴的なCA100。

それまでバイクと言えばハーレーなどの娯楽的なものという文化だったアメリカにおいて、実用バイクという新しい風を吹き込むことに成功。

C105H

1963年に出たスクランブラースタイルのハンターカブC105Hと共にホンダのアメリカ市場の足がかりとなりました。

ちなみにこのスクランブラースタイルのハンターカブは後に日本でも短期間ながら発売される事となります。

このようにスーパーカブというと色んな派生モデルがあり、アジアのウェイブやアストラなどまで挙げだすとキリがないので基本的に国内向けのモデルに絞って紹介していきたいと思います。

ではC100にはどんな派生モデルがあったのかというと・・・

C102型

二年後1960年には要望の多かったセルモーター付きのC102(写真上)と、若者向けに5馬力までチューニングしたエンジンとスポーティなボディのスポーツカブC110(写真下)を発売。

スポーツカブC110

ちなみにこのスポーツカブをベースにしたレースマシンがCR110で、少し前にDream50として復活しました。>>Dream50の系譜|系譜の外側

まだあります。

翌1961年には免許改定に合わせ二人乗り出来るように54cc化して原付二種となったC105とセル付きのCD105、更に1963年にはもっとパワーが欲しいという声に答えて90ccの上位モデルCM90を発売。

CM90

ちなみにこれが皆さんよく知るカブ90の初代モデルなんですが、実はスーパーカブ90は系譜的に言うとスーパーカブC100とは縁もゆかりもないモデル。

というのもこのCM90はC100系とは違いベンリィCD90のエンジンをC100よりも大型なボディに積んだ物。つまり中も外もスーパーカブとは違うモデルなんです。

CM90については後述するとしてC100に話を戻すと、1962年にはギアを一つ減らしウィンカーやブレーキランプを取っ払った廉価版ポートカブC240を発売。

ポートカブ

ポートは文字通り港という意味で、世界中の港で見るように(世界中で売れるように)という意味が込められています。

一応C100の派生カブと呼ばれるのはこれだけ。

最後に初代スーパーカブC100のデザインをされた木村さんが当時を振り返ってこう言われていました。

木村讓三郎さん

「簡単に決まったのは車名だけだった」

デザイン、遠心クラッチ、耐久性、高馬力、低燃費。

スーパーカブC100が空前の大ヒットとなったのは、ホンダ技術者たちの苦労の連続があったからこそという事ですね。

主要諸元
全長/幅/高 1780/575/945mm
シート高
車軸距離 1180mm
車体重量 55kg(乾)
[53kg(乾)]
燃料消費率 90.0km/L
[100km/L]
燃料容量 3L
エンジン 空冷4ストロークOHV単気筒
総排気量 49cc
最高出力 4.5ps/9500rpm
最高トルク 0.34kgf-m/8000rpm
変速機 常時噛合式三速
[常時噛合式二速]
タイヤサイズ 前2.25-17-4PR
後2.25-17-4PR
バッテリー 6N2-2A-7
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
C7H
推奨オイル ホンダウルトラ
夏季#30
冬季#20W,#10W
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量0.6L
スプロケ
チェーン
車体価格 55,000円
[43,000円]
※スペックはC100
※[]内はポートカブ(C240)
系譜図
カブ号F型1952年
Cub F号
初代C1001958年~
SuperCub
C100
1964年式1966年~
SuperCub
C50/65/70/90
1971年式~1971年~
SuperCub
C50/70/90
1980年式~1980年~
SuperCub
50/70/90
2000年式1997年~
SuperCub
50/90
2008年式2008年~
SuperCub
(AA01/JA07)
2012年式50/1102012年~
SuperCub
(AA04/JA10)
2017年式50/1102017年~
SuperCub
(AA09/JA44)