先に紹介したモデルKの後継で実質的なスポーツスターの始まりと言えるXL。
一番の変更点はヘッドカバーの形がショベルの形に似ていたことからショベルヘッドと呼ばれるOHVエンジンになった事。
モデルチェンジの理由はもちろん先代から始まった英国勢に勝つためで、OHV化とショートストローク化で排気量はKHに習って883ccながら42馬力。
他のシリーズと違ってシリンダーとヘッドが鉄な事から『アイアンスポーツ』という俗称が有名ですね。
そんなXLですが手を緩めることなく発売の翌年である1958年には圧縮比を7.5から9まで上げたホットモデルXLHを発売。
更にレースのためのコンペティション(レース用)モデルであるXLHCモデルも同年に登場。
このXHLCはレース用で保安部品が付いていなかったのですが、55馬力というハイスペックだった事から市場でも話題となり
「市販化(公道化)してくれ」
という要望が多く寄せられた事から市販化された歴史があります。
上の写真は初期型(~1962)のスクランブラータイプ。
アイアンスポーツはここからXLHとXLCHの二台体制でしばらく行くことになります。
大きく変わったのは約14年後の1972年でライバルに対抗するため1000cc化などが行われたんですが、そんな中で紹介しておきたいのが1977年に出たXLCRというモデル。
これはハーレー界の神様と呼ばれているウィリーGというデザイナーが個人的に造った事が発端のカフェレーサー。
既存のKフレームではなく新作フレームでロングタンクとビキニカウルが特徴的。
日本で有名なZ1-Rと被る事からも分かる通りカフェレーサーブームに合わせたもの。
ハーレーとしては非常に珍しい純正カフェスタイルとして今では一部に絶大な人気があります・・・が、当時は本当に不人気でした。
後期で9本スポークホイールなどの改良も行われたんですが、それでも人気は全く出ずわずか2年ほどで生産終了。
このモデルのために造ったフレームは通称CRフレームとして生産終了の1979年から全スポスタに引き継ぐ形に。
しかしこのCRフレームも剛性面でお世辞にも出来が良いフレームと呼べるものではなかった為に1982年からは再び新作された30thフレーム(またはエボリューションフレーム)に変更。
形はそのままにガゼット(補強)を追加し剛性不足を解消したもので、こちらは出来が良く次世代まで使われることになります。
そんなショベルヘッド時代の最後を飾ったのは1983年に出たXLX-61。
圧縮比を上げられた専用エンジンを積んだスペシャルモデル。
AMF傘下から脱して初めて造られたモデルで非常に人気が出ました。AMFについては次のページにて。
ハーレーの見分け方 ※ハーレーが分からない人向け | |
1952年 フラットヘッド世代 | |
1957年 ショベルヘッド世代 | |
1986年 ブロックヘッド世代 | |
2004年 ニューブロックヘッド世代 | |
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