GSX250T/L(GJ51A/E)-since 1981-

GSX250E

先に紹介したGSX250Eの好評に気を良くしたスズキが出した派生モデルになるGSX250TとGSX250L

Traditionalの頭文字を取ったT型は文字通り旧来のオーソドックスネイキッドモデル。

GSX250L

L型はLuxuryのLで当時プチ流行していたナンチャッテアメリカン。

両車の違いはハンドルくらいだったりするんだけど、TとLどちらも83年にベースのE型がモデルチェンジしたのを機に廃盤となったから僅か3年ほどしか売られてない。

T型ですらどちらかと言えばマイナーなのに更にマイナーなバイク。

主要諸元
全長/幅/高 2055/840/1105mm
シート高 745mm
車軸距離 1410mm
車体重量 154kg(乾)
燃料消費率 43.5km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 16.0L
エンジン 空冷4サイクルDOHC2気筒
総排気量 249cc
最高出力 29ps/10000rpm
最高トルク 2.2kg-m/8000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前3.00S18-4PR
後3.50S17-4PR
バッテリー FB10L-A2
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
D8EA
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量2.5L
スプロケ
チェーン
車体価格 329,000円(税別)
※スペックはGSX250T
系譜図
GSX250E1980年
GSX250E(GJ51B)
GSX250T/L1981年
GSX250L/T(GJ51A)
GSX250Eカタナ1982年
GSX250E KATANA(GJ51B)
INAZUMA2502012年
GSR250(GJ55D)
GSR250s2014年
GSR250/S/F(GJ55D)
GSX250R2017年
GSX250R(DN11A)

GSX250E(GJ51B)-since 1980-

GSX250E

ホントのところを言うとこのバイクとGSR250やGSX250Rはほとんど繋がりは無いんだけど、同じスズキのパラツイン250ということでご紹介しようと思います。

時はさかのぼって70年代、スズキはGSシリーズやGTシリーズなど大型では名車を生んでたんだけど中型の方ではデザインの面で他社に引けを取っていた。

「スズキのバイク=実用バイク」

というイメージがユーザーに定着していたんです。

そんなイメージを払拭するために作り出されたスズキ初の4st250がこのGSX250E(通称ザリ)

ザリっていうのは「タンクの形状が丸みを帯びててザリガニみたい」という印象からユーザーの間で広まったアダ名で決してスズキが名付けたわけじゃない。

ザリ

ザリガニみたいと聞くと評判は良くなかったのかと思うかもしれないけどそれは逆で
「戦闘機スタイル」と言われスズキらしからぬデザインが好評だった。

しかしGSX250Eの素晴らしいところはデザインだけではありません。

GSX250E

当時250は400のお下がりが基本だったから「遅くて重い」が当たり前だったんだけど、スズキは中型部門で巻き返しを図るために兄貴分であるGSX400Eとは別に250専用設計のフレームを用意。

斬新なデザインと250専用設計で軽いという二つのアピールが販売面で功を奏したわけです。

主要諸元
全長/幅/高 2060/755/1090mm
シート高
車軸距離 1360mm
車体重量 153kg(乾)
燃料消費率 45.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 14.5L
エンジン 空冷4サイクルDOHC2気筒
総排気量 249cc
最高出力 29ps/10000rpm
最高トルク 2.2kg-m/8000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前3.60S18-4PR
後4.10S18-4PR
バッテリー FB10L-A2
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
D8EA
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量2.5L
スプロケ 前14|後47
チェーン サイズ520|リンク110
車体価格 320,000円(税別)
系譜図
GSX250E1980年
GSX250E(GJ51B)
GSX250T/L1981年
GSX250L/T(GJ51A)
GSX250Eカタナ1982年
GSX250E KATANA(GJ51B)
INAZUMA2502012年
GSR250(GJ55D)
GSR250s2014年
GSR250/S/F(GJ55D)
GSX250R2017年
GSX250R(DN11A)

GSX-R400/R/SP(GK73A) -since 1988-

GK73A

「高純度パフォーマンス」

エンジンが再び新しくなり水冷となったGK73A型

今でこそGSX-Rシリーズといえば

「縦目ヘッドライト」

っていう感じだけど当時はこのウーパールーパーみたいな丸目二眼がブームで、その流れに逆らえず(というか一眼のデザインに問題があると思うんだけど)丸目二眼をキープ。

時代による姿勢の違いが面白いですね。

鈴鹿四耐

この頃、鈴鹿四耐(2st250と4st400の混合)やSP400を始めとしたレースが盛んになりだした事からレース向けにレースキット(シングルシート・クロスミッション・前後専用サス)を最初から組み込んだSPモデルまで用意されました。

GSX-R400Sp

翌1989年には通常モデルSP共にリアも17インチ化されてより現代的になり名前にRがもう一個付いてGSX-R400Rに。

ちなみにSP2というレアなグレードはSPベースなんだけどギア比がノーマルと同じでSPベースにより10万円安い69万9000円というかなりお買得なモデル。限定1000台だけどね。

GK73A

そういえば車体価格の話ってあんまりしてませんでしたね。

当時を知らない若いバイク乗りの人は

「こんなハイパワーな400があったなんていい時代だなあ」

なんて思うかもしれないけど、バイトの時給が400円の時代に73万9000円(CBR400RRもFZR400もZXR400もほぼ同値)と非常に高額で、いくらブームといえど若者がおいそれと買えるバイクじゃなかった。

しかもフルモデルチェンジの嵐で値段は上がる一方。レプリカ離れの一因でもあるわけですが最近のSSと似てますね。歴史は繰り返すのか。

GK73Aカタログ

ということでレプリカブームは去りつつあったんだけど、スズキはまだ納得できなかったのかスポーツを諦めたくなかったのか分かりませんが、250ガンマと同じく他所が手を引こうとも歩みを止めなかったんですね。

主要諸元
全長/幅/高 1995/695/1110mm
シート高 735mm
車軸距離 1375mm
車体重量 160kg(乾)
燃料消費率 45.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 15.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 398cc
最高出力 59ps/12500rpm
最高トルク 4.0kg-m/10000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前110/70R17(53H)
後140/60R18(64H)
{前120/60R17
後150/60R17}
バッテリー YTX9-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR8EK
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
2.8L
スプロケ 前14|後45
チェーン サイズ525|リンク110
車体価格 669,000円(税別)
[739,000円(税別)]
※[]内はSP
※{}内は89モデル
系譜図
GSX-R 1984年
GSX-R
(GK71B)
GSX-R400 1986年
GSX-R400
(GK71F)
GK73A 1988年
GSX-R400/R/SP
(GK73A)
GK76A 1990年
GSX-R400R/SP/SP2
(GK76A)

GSX-R(GK71F) -since 1986-

GSX-R-F

「CHASED AGAIN」

GSX-Rの二代目(厳密に言うと3型)となるF型。わずか二年でほぼ全てを維新。

GSX-Rカタログ

まず当時のスズキが全力で推し進めていた水油空冷システムSTACSを搭載した新型エンジン。さらにアルミフレームも二層構造のDC-ALBOXに進化。

86GK71F

ただまあ皆さん見て分かる通り一体全体どこらへんがレプリカなのかよくわからないフルカウルデザインで人気は出ず。

恐らくその大部分を占めているのがヘッドライト。カウル分の重さを何とかするためにヘッドライトを一眼にしたんでしょうが・・・

ヘッドライト

眠そうな何の変哲もない角目が時代遅れな感じをものすごく醸し出してるっていう。

あまりの不人気っぷりにスズキもマズいと思ったのか、このGK71F型はわずか一年しか売られていない非常に珍しいGSX-Rです。性能は悪くなかったんだけどね。

GSX-R400/R
(GK71F)
-since 1987-

s

「華麗なるRの正装」

そしてこれが後期モデル。

レプリカ感の薄かった為に人気が伸び悩んでいた前期型をレーサーレプリカチックにしたモデル。

初めてGSX-R400と名乗ったのはこのGSXなんだけど、実はこれも翌年フルモデルチェンジという事で一年しか販売されてないから存在を覚えてる人は少ないでしょうね。

主要諸元
全長/幅/高 2055/680/1155mm
[2050/680/1125mm]
シート高 755mm
車軸距離 1400mm
[1405mm]
車体重量 153kg(乾)
燃料消費率 45.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 18.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 398cc
最高出力 59ps/12000rpm
最高トルク 3.8kg-m/10500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前110/80-17(57H)
後140/80-17(69H)
[前110/70-17(54H)
後140/60-18(64H)]
バッテリー YB10L-B2
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
LR8A
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.0L
スプロケ 前14|後46
チェーン サイズ525|リンク112
車体価格 639,000円(税別)
[699,000円(税別)]
※[]内は後期モデル
系譜図
GSX-R 1984年
GSX-R
(GK71B)
GSX-R400 1986年
GSX-R400
(GK71F)
GK73A 1988年
GSX-R400/R/SP
(GK73A)
GK76A 1990年
GSX-R400R/SP/SP2
(GK76A)

GSX-R(GK71A) -since 1984-

GSX-R

「POWER ENDURANCER」

世間がスズキのガンマに一喜一憂していたわずか一年後に出してきた秘密兵器ならぬ秘密バイク第二弾のGSX-R。そして今もなお続くスズキSSの代名詞でもある”GSX-R”という名前が付けられた最初のバイクでもあります。

ちなみにGSXの意味は
G:Grand
S:Sports
X:4Valve

です。

1984

GSX-Rと名前が付くだけあってスペックは申し分ないもの。単体重量でわずか7kgしかないアルミフレームによるクラス最軽量(乾燥重量152kg)に加えクラストップの59馬力を発揮する水冷直四を積んだとんでもない400スポーツ。

GSX-Rメーター

少し前まであった400ccの59馬力規制が生まれたのは他ならぬGSX-Rのせいです。メーターが3000rpmより下が刻まれてない事からも凄さが分かるかと。

そしてキャッチコピーに「POWER ENDURANCER」とある様にこのバイクもレーサーレプリカの類い。元となったのは耐久レースで目覚ましい戦績(1983年のボルドール24時間耐久レース優勝など)を残していたGS1000R。

GSX-Rハーベーカラー

そのGS1000Rと同じカラーリングを施したHBカラーも限定ながら発売。

正に400のスーパースポーツなわけでそれはもう人気を呼びました。400レーサーレプリカの先駆車です。

ところでなんで400という数字が入っていないのかというと

スズキ曰く

GSX-Rカタログ写真

「もはやこれは400ccではない排気量を超えた速さを持っているから」

との事。

翌1985年にはキャブセッティングなどの微調整が入ってます。

主要諸元
全長/幅/高 2090/710/1185mm
シート高 780mm
車軸距離 1425mm
車体重量 152kg(乾)
燃料消費率 45.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 18.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 398cc
最高出力 59ps/11000rpm
最高トルク 4.0kg-m/9000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前100/90-16(54H)
後110/90-18(61H)
バッテリー YB10L-B2
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
C8HSA
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.0L
スプロケ 前15|後46
チェーン サイズ525|リンク114
車体価格 629,000円(税別)
系譜図
GSX-R 1984年
GSX-R
(GK71B)
GSX-R400 1986年
GSX-R400
(GK71F)
GK73A 1988年
GSX-R400/R/SP
(GK73A)
GK76A 1990年
GSX-R400R/SP/SP2
(GK76A)

Bandit250/LTD(GJ74A)-since 1989-

バンディット250前期

「For stylish men who take pride in their possessions」

“誇りを持ったオシャレな男性に”というキャッチに加え、見慣れないパイプフレーム等これまでの路線とは大きく異なるBANDIT250前期(GJ73A)モデル。先に紹介したCOBRAの二ヶ月遅れで登場。

今でこそバンディットと言えば1250だけど、その名前が始まったのはこの250と400から。

GJ74A

きれいなダイヤモンドパイプフレームにモノサス、さり気なくXマフラー(1番がクロスしている)など、どちらかというとイタリアンネイキッドスタイル。

Bandit250Limited

翌91年に追加発売されたロケットカウル付きのLimitedモデルなんか正にそれでイタリアの香りがプンプンしますね。

400と車体を共有している事から車格と質感があり、GSX-R250Rのエンジンを低速よりにリセッティングした物を積んでるので走行性能も文句なし。

Bandit250前期カタログ

若干キャブが弱かったりしますが、スズキの250としては初めて市場に暖かく受け入れられたネイキッド。

スズキも自信があったのか、赤や緑やガンメタなどでタンクのみならずフレームやスイングアームまで塗装した多彩なカラーリングを施したバンディットを次々と出しました。

92年モデルからは40馬力規制に合わせ出力やハンドルポジションなどの改良が入っています。

主要諸元
全長/幅/高 2050/730/1060mm
シート高 750mm
車軸距離 1435mm
車体重量 156kg(乾)
燃料消費率
燃料容量 14.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 248cc
最高出力 45ps/14500rpm
[40ps/13500rpm]
最高トルク 2.6kg-m/10500rpm
[2.7kg-m/10000rpm]
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前110/70-17(54H)
後140/70-17(66H)
バッテリー YTX7A-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR8E
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.4L
交換時2.7L
フィルター3.0L
スプロケ 前13|後49
チェーン サイズ520|リンク116
車体価格 515,000円(税別)
※[]内は93年以降モデル
系譜図
GS250FW1983年
GS250FW
(GJ71A/B)
GF2501986年
GF250/S
(GJ71C)
GSX-R2501987年
GSX-R250/R/SP
(GJ72A/GJ73A)
コブラ1989年
COBRA
(GJ73A)
バンディット250前期1989年
Bandit250/LTD
(GJ74A)
アクロス1990年
ACROSS
(GJ75A)
GSX250S カタナ1991年
GSX250S KATANA
(GJ76A)
Bandit250後期1995年
Bandit250/V/VZ
(GJ77A)

COBRA(GJ73A)-since 1989-

スズキCOBRA

「ストリート・スーパースポーツ」

GSX-R250RのネイキッドバージョンにあたるCOBRA。

名前の由来は見て分かる蛇のコブラを意識した通り張り出したラジエーターサイドシュラウドから。

スズキCOBRAカタログ写真

なんかカタログを見ると漫画のコブラも意識してるような・・・

このバイクが出たのはレーサーレプリカブームが去りつつあった事が主な理由なんだけど、それにしてもCOBRAはちょっと異質。

GSX-R250Rのネイキッド版と言えばそれまでなんだけど、ネイキッドでも今流行りのストリートファイターともちょっと違う・・・というのも本当にGSX-R250Rのカウルを剥いただけのバイクだから。

エンジンはもちろんそのまま、ツインチューブフレームと逞しいスイングアームもそのまま、四連キャブもそのまま、タンクもそのまま、カウルもそのまま。だから型式もそのまま。

スズキCOBRA

変わった所と言えばカウルを剥いた代わりに付けたラジエーターガード用のサイドシュラウドと、防水三連メーターに丸目一眼、ハンドル周りくらい。

ただストリートスーパースポーツと名乗るだけあって足を軽くするためにわざわざフロントブレーキをシングル化してる。だからストリートだとGSX-R250Rよりコッチが当たり前のように速い。

本当にGSX-R250Rを剥いただけだからポジションも結構コンパクトでスポーツポジション。

一般的に言われるネイキッドとかストリートファイターに全くもって寄せにも媚びにもいってない。だからこれこそ本当の意味でネイキッドまたストリートファイターと言えるんだけど、全く媚びなかったから全く売れなかった。

主要諸元
全長/幅/高 1990/695/1010mm
シート高 730mm
車軸距離 1380mm
車体重量 139kg(乾)
燃料消費率
燃料容量 13.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 248cc
最高出力 45ps/11500rpm
最高トルク 2.6kg-m/10500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前110/70-17(54H)
後140/60-18(64H)
バッテリー YTX7A-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR8E
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.4L
交換時2.8L
フィルター3.2L
スプロケ 前14|後48
チェーン サイズ520|リンク112
車体価格 539,000円(税別)
系譜図
GS250FW1983年
GS250FW
(GJ71A/B)
GF2501986年
GF250/S
(GJ71C)
GSX-R2501987年
GSX-R250/R/SP
(GJ72A/GJ73A)
コブラ1989年
COBRA
(GJ73A)
バンディット250前期1989年
Bandit250/LTD
(GJ74A)
アクロス1990年
ACROSS
(GJ75A)
GSX250S カタナ1991年
GSX250S KATANA
(GJ76A)
Bandit250後期1995年
Bandit250/V/VZ
(GJ77A)

GSX-R250(GJ72A)-since 1987-

GSX-R250

「BATTLE IN CIRCUIT」

それまでの考えを改め、GSX-Rという名前で登場した末っ子のGSX-R250。

完全新設計の4バルブエンジンでボア・ストロークが49mm✕34mmとかなりのビッグボアショートストローク。

初代GSX-R250

耐久レーサーを彷彿とさせるイエローバルブの丸目二眼などレーサー色を一気に強めた・・・んだけど、じゃあ

「GSX-R250はカリカリのレーサーレプリカか?」

というとそうでもなかったります。分かり易いのがポジション。

GSX-R250前期

レーサーレプリカというわりにはそれほどハンドルも低くなく、足つきもいうほど悪くない。

他にもシート形状がセパレート(タンデムシート別体)ではなく、積載性やタンデムを考えたダブルシート(タンデムシート一体)になっていることや、ブレーキペダルが転倒による破損に強い事からオフロードバイクに多く採用されているオーバーステップタイプだったり。

R250

もともとこのクラス(4st250cc四気筒)というのはどのメーカーのもレーサーレプリカとしては比較的優しいんだけど、それを考慮してもこのGJ72A型(GSX-R250前期)はかなり優しい。

FWのコンセプトを捨てきれ無かったのかは分かりません・・・が、これが最後の良心というか優しさ。

GSX-R250R/SP
(GJ73A)
-since 1989-

GSX-R250R

フルモデルチェンジされ末尾にRが付いた事からもカリカリになったのが伺えるGJ73A型(GSX-R250R後期)

アルミツインチューブ&スタビ付きスイングアームへの変更で大幅な剛性アップ。そしてそのフレームに搭載されるエンジンもボア/ストローク比こそ先代のままだけど

・クランクシャフトの軽量化

・吸気バルブの大径化およびストレートポート化

・2バレルキャブから4連キャブに変更

・フレッシュエアーをエンジンヘッドやキャブへ積極的に当てることで冷却すSCAI

などなど・・・もう完全にレーサーになりました。

これはアマチュアのSPレースが盛り上がっていた事からでそのレースに向けたプロダクションのSPモデルはソコからさらに

・1-3速までをクロス化

・シングルシートカウル

・多段減衰力調節機能付きサスペンション

などなど。

今までのコンセプトは何だったのかと言われても仕方ないほど吹っ切れてる。

GSX-R250R SP

レースが絡むと目の色が変わるスズキでした。

主要諸元
全長/幅/高 2000/700/1105mm
{1990/695/1080mm}
シート高 734mm
[730mm]
車軸距離 1370mm
[1380mm]
車体重量 138kg(乾)
[143kg(乾)]
燃料消費率
燃料容量 13.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 248cc
最高出力 45ps/14500rpm
[{45ps/15000rpm*]
最高トルク 2.5kg-m/10500rpm
[{2.6kg-m/10500rpm}]
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前100/80-17(52H)
後130/70-17(62H)
[{前110/70-17(54H)
後140/60-18(64H)}]
バッテリー FT12A-BS
[{FTX7A-BS}]
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
L8A
または
U24FS-U
[{CR9E}]
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量2.6L
交換時2.0L
フィルター交換時2.3L
[{全容量3.4L
交換時2.8L
フィルター交換時3.2L}]
スプロケ 前13|後47
[{前14|後48}]
チェーン サイズ520|リンク108
[{サイズ520|リンク112}]
車体価格 539,000円(税別)
[599,000円(税別)]
{617,000円(税別)}
※[]内はRモデル
※{}内はSPモデル
系譜図
GS250FW1983年
GS250FW
(GJ71A/B)
GF2501986年
GF250/S
(GJ71C)
GSX-R2501987年
GSX-R250/R/SP
(GJ72A/GJ73A)
コブラ1989年
COBRA
(GJ73A)
バンディット250前期1989年
Bandit250/LTD
(GJ74A)
アクロス1990年
ACROSS
(GJ75A)
GSX250S カタナ1991年
GSX250S KATANA
(GJ76A)
Bandit250後期1995年
Bandit250/V/VZ
(GJ77A)

GF250/S(GJ71C)-since 1985-

GF250

「遊びの優等生」

先代GS250FWの後継モデルとなるGF250。

基本的な作りは先代譲りなものの、サスペンションがアンチノーズダイブからポジティブダンピングに変更され、リアブレーキもディスク化。さらにキャリパーは対向4POTと足回りの大幅な強化が特徴。

でも一番大きいのは車重が軽くなったこと。ハーフカウルやスクリーン、グラブバーなど快適装備を削ぎ落として軽量化。これは先代GS250FWに対し”重い”とか”遅い”とかいう意見が多かったから。

GF250サイド

でもスズキはGS250FWもこのGF250もそんなスポーツ一辺倒なバイクにするつもりは無かったんですよ。

あくまでも街乗りからツーリングそしてスポーツまで幅広くオールマイティに使える直列4気筒250というコンセプトだった。

「速い250はガンマの役目」

というのがスズキの考え。でもそれが理解されなかったというわけ。素行の良さと足つきの良さもあって女性にはソコソコ売れたようですが。

GJ71C

その考えを改める事となったのがGF250が出て直ぐのこと。

ヤマハから45ps/14500rpmというとてつもないジェットマシンFZ250PHAZERが登場し多くライダーが心を打たれました。コレを見たホンダも対抗しカムギアトレーンのCBR250Rを発売。

GJ71C

非常に人気だった二車に比べ41馬力と馬力が低かったGF250は

「馬力が低い=低性能」

という負のイメージが出来てしまい、世界初の水冷直四250ccという肩書がウソのように見向きもされなくなる。

こうなってしまってはもうオールマイティなんて言っていられる状況ではなく、対抗するためハイパワーのSモデルを追加。

GF250S

エンジンのピークを上げライバル同様45馬力にし、ハーフカウルにダブルディスクブレーキでスポーツ特化。

「45馬力を出せなかったわけではなく、出さなかっただけ」

GS250Sスペシャル

というスズキのコンセプトを裏付けるバイク、そしてそのコンセプトを捨てた証でもあるGF250S。

他所に比べて体力も無く、巻き込まれる形で負ってしまったHY戦争の傷も癒えていなかった状況ではそのコンセプトを貫く事ができなかった。

時代がそれを許さなかったのもありますが。

主要諸元
全長/幅/高 2040/720/1085mm
[2040/720/1120mm
シート高 750mm
車軸距離 1370mm
車体重量 139kg(乾)
[141kg(乾)]
燃料消費率
燃料容量 15.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 248cc
最高出力 41ps/12500rpm
[45ps/13000rpm]
最高トルク 2.4kg-m/10500rpm
[2.6kg-m/13000rpm]
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前100/90-16(54S)
後110/90-18(58S)
バッテリー FB10L-A2
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
C8HSA
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量2.6L
スプロケ 前13|後48
チェーン サイズ520|リンク108
車体価格 459,000円(税別)
[489,000円(税別)]
※[]内はGF250S
系譜図
GS250FW1983年
GS250FW
(GJ71A/B)
GF2501986年
GF250/S
(GJ71C)
GSX-R2501987年
GSX-R250/R/SP
(GJ72A/GJ73A)
コブラ1989年
COBRA
(GJ73A)
バンディット250前期1989年
Bandit250/LTD
(GJ74A)
アクロス1990年
ACROSS
(GJ75A)
GSX250S カタナ1991年
GSX250S KATANA
(GJ76A)
Bandit250後期1995年
Bandit250/V/VZ
(GJ77A)

GS250FW(GJ71A/B)-since 1983-

GS250FW

「THE QUARTER MULTI」

250ccクラスとしては世界初となる直列4気筒エンジンを搭載した歴史的なバイク・・・なのにあまり知名度がない。

このバイクはGSX400FWの弟分として登場したバイク。兄がGSXなのに対し、弟のGS250FWはGSと名付けられている通り250の方は2バルブでした。(スズキでXは4バルブ)

GS250FWカタログ写真

直四のわりには36馬力とお世辞にも高馬力と言えないのはDOHCなのに2バルブという事もあるんだけど、四気筒ということで大きくなってしまう車体のスリムコンパクト化を考えキャブレーターを4連ではなく(1つのキャブで二気筒担う)2バレルにしたりという配慮があったりするから。

まあこれでも当時としてはクラス最高馬力なんですけどね。

車体のほうは細部まで世界初の250直四の名に恥じないレーサーを意識した作り。

当時のスポーツバイクの証だった16インチフロントホイールに、フルフローターサス(いわゆるモノサス)、高剛性のL・BOXスチールフレームに空力を考えられたフェアリングなど、レーサーRGガンマの技術が一月前に出たRG250ガンマ同様に奢られています。

GS250FWカタログ2

これはGSX400FWと共有化したからこそ可能となった装備なんですが、ただ代償として車重が増加。結果として四気筒とは思えない遅さに肩透かしをくらった人が多かった。

まだそこまで騒音規制が厳しくなかった時代で、かなり拘ったとされる完璧な透き通る直四サウンドだったからなお事。

GS250FW後期

翌年の後期モデル(GJ71B)でセッティングを見直し1馬力上げていますが、恐らく歴代直四250ccで一番大人しいバイクじゃないかな。

GS250FWカタログ

世間でも言われている通りGS250FWはスポーツ性能は正直いまひとつでした。

でもツアラーとして見たら大きなアッパーカウルとエンジン特性が非常にマッチした良いバイクでもある。

GS250FW後期

「世界初の250直列四気筒」

という”速いとしか思えない前代未聞の肩書”が個性を見え難くしてしまったんだね。

主要諸元
全長/幅/高 2045/745/1185~1240mm
{2045/735/1225mm}
シート高 770mm
車軸距離 1400mm
車体重量 157kg(乾)
燃料消費率 46.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 15.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 248cc
最高出力 36ps/11000rpm
[38ps/11500rpm]
最高トルク 2.3kg-m/10000rpm
[2.4kg-m/10500rpm]
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前100/90-16(64S)
後100/90-18(56S)
バッテリー FB10L-A2
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
D9EA
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量2.6L
交換時2.0L
フィルター交換時2.3L
スプロケ
チェーン サイズ520|リンク108
車体価格 479,000円(税別)
[484,000円(税別)]
※[]内は後期(GJ71B)
系譜図
GS250FW1983年
GS250FW
(GJ71A/B)
GF2501986年
GF250/S
(GJ71C)
GSX-R2501987年
GSX-R250/R/SP
(GJ72A/GJ73A)
コブラ1989年
COBRA
(GJ73A)
バンディット250前期1989年
Bandit250/LTD
(GJ74A)
アクロス1990年
ACROSS
(GJ75A)
GSX250S カタナ1991年
GSX250S KATANA
(GJ76A)
Bandit250後期1995年
Bandit250/V/VZ
(GJ77A)