CBR1000F(SC24)-since 1989-

1989CBR1000F

若干のスラントノーズ化とシート形状の変更、ラジアルタイヤの標準装着とサスペンションの見直し、5馬力アップと見た目も中身もスポーティさが増した二型のSC24。

とはいうもののCBR1000Fはあくまでもツアラーに大きく舵を取っているスポーツツアラー。

sc24サイド

ちなみにライトの上に付いているダクトはキャブに外気を送るためのダイレクトエアインダクションシステムでラムエアではありません。

そしてこのモデルからホンダがフルカバードカウルと同様に推していた「Hurricane」というペットネームが国内外問わず付かなくなりました。

sc24カタログ写真

本当に短命なペットネームでしたね。

主要諸元
全長/幅/高 2235/740/1200mm
シート高 780mm
車軸距離 1490mm
車体重量 264kg(装)
燃料消費率
燃料容量 24L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 998cc
最高出力 132ps/8600rpm
最高トルク 8.36kg-m/6500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17
後170/60ZR17
バッテリー
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量4.5L
交換時3.6L
フィルター交換時3.8L
スプロケ
チェーン
車体価格
※国内正規販売なしのため
系譜図
SC211987年
CBR1000F
(SC21)
sc241989年
CBR1000F
(SC24)
sc311993年
CBR1000F
(SC31)
sc351996年
CBR1100XX
(SC35前期)
sc35-21999年
CBR1100XX
(SC35中期)
X111999年
X11
(SC42)
sc35-32001年
CBR1100XX
(SC35後期)

CBR1000F(SC21)-since 1987-

1987CBR1000F

ホンダ初の水冷リッター直四になるCBR1000F。

ホンダのフラッグシップモデルとして登場した「Fコンセプト」の始まりでもあります。

ただこの頃はまだ国内750cc規制があったので、国内の方は750cc版であるCBR750Fが用意され、この1000は欧米メイン。国内での正規販売はされませんでした。

SC21

ホンダが推していたフレームまでをも隠すフルカバードカウルが時代を感じさせますね。

ちなみにFコンセプトとは、ツーリングからサーキット走行までこなせるオールラウンドスポーツとして1987年に発足したコンセプトの事です。

1987CBR1000F

余談ですが、後にこのCBR1000Fの為に開発された新設計の水冷エンジンを見たデザイナーが

「せっかくの造形なのにカウルで隠すなんて勿体ないなあ」

とエンジンを魅せるタイプのバイクを自己満足で描いた事がキッカケで生まれたのが

CB1000SF参考出展

今も有名なCB1000SFだったりします。

主要諸元
全長/幅/高 2245/725/1185mm
シート高 780mm
車軸距離 1490mm
車体重量 248kg(装)
燃料消費率
燃料容量 24L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 998cc
最高出力 132ps/9500rpm
最高トルク 10.5kg-m/8000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ
バッテリー
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
スプロケ
チェーン
車体価格
※国内正規販売なしのため
系譜図
SC211987年
CBR1000F
(SC21)
sc241989年
CBR1000F
(SC24)
sc311993年
CBR1000F
(SC31)
sc351996年
CBR1100XX
(SC35前期)
sc35-21999年
CBR1100XX
(SC35中期)
X111999年
X11
(SC42)
sc35-32001年
CBR1100XX
(SC35後期)

CB-1(NC27) -since 1989-

CB-1

「最新伝説」

CBX400Fから時代は少し飛んで1989年、まだレーサーレプリカ人気が高い時代に登場したCB-1/NC27。

カリカリのレーサーレプリカCBR400RRのエンジンをベースに中低速寄りにチューニングしたものを専用のスチールダイヤモンドフレームに搭載。

CB-1フレーム

少しナローにすることで町中でも使いやすく配慮したスポーツネイキッドという立ち位置なんですが、先にも言った通りレーサーレプリカ全盛で既に何台ものネイキッドが出ては消えていった時代にどうしてこんなバイクを出したのかと言うと、市場の好みが二極化していた事があります。

一番人気は勿論ゴージャスの極致にあったレーサーレプリカだったんですが、その一方でシングルスポーツの味があるシンプルさを楽しむ人達もいた。

そこで

CB-1コンセプトスケッチ

「両方を併せ持つバイクを造れないか」

と考え造られたのがこのCB-1なんです。

だからCB-1は性能だけではなくヘアライン加工サイドカバーやジュラルミンステップなど見た目にもコストを掛けています。

カタログ裏面

マフラーも最初は4-2-1だったんだけど美しさを取るために4-1に変更しもっと見えるように土壇場でエンジン搭載位置から作り直すほどのこだわりっぷり。

これらの狙いはもちろんレーサーレプリカのゴージャス美とシングルスポーツのシンプル美を併せ持たせるため。

翌91年にはサスペンション改良が施され、更に92年には自主馬力規制に合わせてアップライトハンドルで使い勝手を向上させたTypeIIを販売。

CB-1タイプ1とタイプ2

3層塗装されたフューエルタンクなど品質を更に上げた上に値下げされたお買い得モデルでした・・・が、ホンダの肝いりとして登場したもののレーサーレプリカ時代にこのコンセプトが理解されることはなく残念ながら人気は出ず。

ホンダ(岸デザイナー)はこのCB-1が受け入れて貰えなかった反省からCB-SFを生み出すことになります。

CB-1ジャケット写真

現代的に言えば400ストリートファイターというのがピンと来るバイクだけど、もう少し具体的に言うと

「ゴージャスだけどシンプルに楽しめるバイク」

という開発コンセプトだったのがCB-1なんです。

主要諸元
全長/幅/高 2035/705/1025mm
[2035/705/1155mm]
シート高 775mm
車軸距離 1375mm
[1385mm]
車体重量 183kg(装)
[186kg(装)]
燃料消費率 35.0km/L
[33.0km/L]
※定地走行テスト値
燃料容量 11L
[13.0L]
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 399cc
最高出力 57ps/11500rpm
[53ps/11000rpm]
最高トルク 4.0kg-m/9500rpm
[3.7kg-m/9500rpm]
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前110/70-17(54H)
後140/70-17(66H)
バッテリー FTX9-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR8EH-9/CR9EH-9
U24FER9/U27FER9
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.5L
交換時2.9L
フィルター交換時3.1L
スプロケ 前15|後40
[前15|後37]
チェーン サイズ525|リンク104
車体価格 646,000円(税別)
[609,000円(税別)]
※[]内はTypeII
系譜図
CB350FOUR1972年
DREAM CB350FOUR
(CB350)
CB400FOUR1974年
DREAM CB400FOUR
(CB400/F)
CBX400F1981年
CBX400F
(NC07)
CB-11989年
CB-1
(NC27)
cb400sf1992年
CB400SF
(NC31)
CB400SF ver.R1995年
CB400 ver.R
(NC31)
CB400SF ver.S1996年
CB400SF ver.S
(NC31)
CB400FOUR1997年
CB400FOUR
(NC36)
CB400SF HYPER VTEC1999年
CB400SF
HYPER VTEC
(NC39前期)
CB400SF SPEC2

2002年
CB400SF
HYPER VTEC SPEC2
(NC39中期)

CB400SF SPEC32003年
CB400SF
HYPER VTEC SPEC3
(NC39後期)
CB400Sb2005年
CB400SF/SUPER BOL D’OR
(NC39後々期)
NC422007年
CB400SF
CB400SB
HYPER VTEC Revo
(NC42)
NC42後期2014年
CB400SF
CB400SB
HYPER VTEC Revo
(NC42後期)

CBX400F(NC07) -since 1981-

ホンダCBX400F

「Xの挑戦。」

400ccとしてはホンダ初のDOHC直列4気筒エンジンを搭載したCBX400F/NC07型。

当時を知らない人でもこのカラーリングには見覚えがある人が多いと思います。CBXカラーというやつですね。

まず最初に解きたい誤解があります・・・それは

『CBX400F=ガラの悪い輩のバイク』

というイメージを持たれている事です。

確かに今ではそういうイメージがありますが元々CBX400Fはフルスペックのスーパースポーツとして話題になりそして爆発的な人気となったバイクです。

CBX400Fポスター

・クラストップの48馬力

・DOHC16バルブヘッド

・プロリンク

・インボードディスク

・ジュラルミンセパパン

・アルミスイングアーム

・Xエキゾーストパイプ

などなど本当にこれ以上ホンダ技術が詰め込まれたバイクは無いと言っていいほどのフルスペックでした。

CBX400Fの装備

中でも面白いのがやはりエンジンで、CBX400Fは逆回転クランクになっています。

これは逆回転にする事が狙いだったわけではなくエンジンをコンパクトにするためギアではなくチェーン(でミッションを回す形)にしたから。

CBX400Fエンジン

そしてそのプライマリーチェーンもこれまたピッチを少しでも縮める為にカムチェーンの横ではなく3番と4番の間に配置されてる。つまりこのCBX400FのエンジンはXマフラーだけでなく中身も左右非対称のバラバラなエンジンなんです。

エンジンのイラスト

そんなコンパクト化に注力しつつもトップパフォーマンスを発揮し、ジャイロを打ち消す逆回転クランクでコーナリングもスムーズという本当に凄いエンジンを積んだバイクでした。

ちなみにシート高も抑えるためにオイルパンも削ったのですが、容量が足りないという事からサブタンクをエンジン前方に増設。

CBX400F

どう見てもオイルクーラーにしか見えず実際に冷却効果もあるんですがホンダいわくあくまでもリザーブタンク・・・何故なら当時はオイルクーラーが認可されなかったからっていう。

そもそも四気筒を止めたホンダが何故ここに来て再び復活させたのかと言うと、ホンダがCB400FOURを止めて暫く経つとライバルメーカーが四気筒400を相次いで登場させ人気を博してきたからです。

CBX400F/NC07

これはCB400FOURが原因で生まれた普通自動二輪が大きく関係しています。

それまで何ccでも乗れた状態から中型二輪と限定解除という二種類に分けられ、そして限定解除は非常に厳しかったことから改定から数年でこの400クラスが実質トップクラスになったから。

CBX400F壁紙

だからホンダもここまで手の込んだCBX400Fというスーパースポーツを造ったという話。

翌年には日本で初めてフェアリング(カウル)を装備したインテグラも発売。

CBX400Fインテグラ

当時『鈴鹿四耐(4st400と2st250の耐久レース)』があったのですが、そのレースを睨んだモデルでもありました。その盛り上がりは凄まじく、レース観戦者も出場者も毎年の様に増加。このレースが起点となりレーサーレプリカブームを巻き起こす事になります。

さて・・・待望の直四CBとして登場し累計6万台以上売れたCBX400Fですが、これまたヨンフォアと同じ様にモデルライフはそんなに長くありませんでした。

CBX400F

発売期間は僅か3年ほどと人気の割には実は販売期間はそれほど長くない。

これはいま話したレースの激化に対応するためのスペックアップ、要するにモデルチェンジをする必要があったから。

しかし後継であるCBR400Fが出た後も再販を望む声が非常に多かったことから1年後の1984年に再び登場。

2トップ体制となりどちらも人気に。もうこの頃からブランド化していたわけですね。

ホンダCBX400Fカタログ

「400マルチ、いまクライマックス」

正にこの言葉通りこのCBX400Fの登場により時代は前代未聞のバイクブームという最高潮を迎える事となります。

※CBX400CUSTOM(NC11)は系譜の外側
※CBR400F(NC17)はCBR400Rの系譜
で書いてしまったので割愛させてもらいます。

主要諸元
全長/幅/高 2060/720/1080mm
シート高 775mm
車軸距離 1380mm
車体重量 189kg(装)
燃料消費率 40.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 17.0L
エンジン 空冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 399cc
最高出力 48ps/11000rpm
最高トルク 3.4kg-m/9000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前3.60H18-4PR
後4.10H18-4PR
バッテリー FB12A-A
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
DP8ZEA-9
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.0L
交換時2.2L
フィルター交換時2.5L
スプロケ 前15|後45
チェーン サイズ520|リンク104
車体価格 470,000円(税別)
系譜図
CB350FOUR1972年
DREAM CB350FOUR
(CB350)
CB400FOUR1974年
DREAM CB400FOUR
(CB400/F)
CBX400F1981年
CBX400F
(NC07)
CB-11989年
CB-1
(NC27)
cb400sf1992年
CB400SF
(NC31)
CB400SF ver.R1995年
CB400 ver.R
(NC31)
CB400SF ver.S1996年
CB400SF ver.S
(NC31)
CB400FOUR1997年
CB400FOUR
(NC36)
CB400SF HYPER VTEC1999年
CB400SF
HYPER VTEC
(NC39前期)
CB400SF SPEC2

2002年
CB400SF
HYPER VTEC SPEC2
(NC39中期)

CB400SF SPEC32003年
CB400SF
HYPER VTEC SPEC3
(NC39後期)
CB400Sb2005年
CB400SF/SUPER BOL D’OR
(NC39後々期)
NC422007年
CB400SF
CB400SB
HYPER VTEC Revo
(NC42)
NC42後期2014年
CB400SF
CB400SB
HYPER VTEC Revo
(NC42後期)

CBX750F/ボルドール/ホライゾン(RC17/18) -since 1983-

CBX750F

「EXTRA」

CB750Fの後継として登場したCBX750FのRC17型。

背面ジェネレーターに油圧式バルブクリアランス、更にはこの時代にバックトルクリミッターまで採用した新設計エンジンを搭載しています。

・・・が、こう言ってはなんですがこのバイクを知らない人や覚えていない人は多いのではないかと思います。

理由は大きく分けて二つあります。

一つは名前と見た目のギャップ。

CBX750Fカタログ

「これCBXか」

と今でも思うように、当時もこれをCBXと呼ぶことに抵抗がある人が多かった。

ただ仕方のはない話で、この頃というのはカウルが解禁された事で

「大型=高性能=カウル付き」

という定石みたいなもので市場が固まっていたんです。

そしてもう一つはホンダの方針転換。

ホンダはCBX750Fを出す一年前にもう一つナナハンを出しました。

VF750F

FORCEの始まりであるVF750です。

そしてそれと同時にホンダは

「レースはV4、ストリートは直四」

という方針に変更。

そのためこのCBX750Fもスーパースポーツと言ってきたそれまでのCBからストリート重視のモデルになりました。

派生として登場した大きなカウルを付けたボルドール/RC17や、シャフトドライブでローシートのホライゾン/RC17なども完全なストリート。

CBX750Fホライゾン&ボルドール

要するにもうCBがレーサーでは無くなってしまった。

決してCBXが悪いわけでも、遅いわけでもないですよ・・・ただホンダの中でのポジションが変わってしまっただけ。

CBX750Fボルドール

でもそれはナナハンに乗る人にとっては非常に大きなウェイトだったんです。

主要諸元
全長/幅/高 2145/740/1240mm
シート高 795mm
車軸距離 1465mm
車体重量 238kg(装)
燃料消費率 36.0km/L
※定置走行テスト値
燃料容量 22L
エンジン 空冷4サイクルDOHC4バルブ並列4気筒
総排気量 747cc
最高出力 77ps/9500rpm
最高トルク 6.5kg-m/7500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前110/90-16 59H
後130/80-18 66H
バッテリー FB14-A2
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
D8EA
X24ES-U
推奨オイル 不明
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
不明
スプロケ 前16|後45
チェーン サイズ530|リンク114
車体価格 698,000円(税別)
系譜図
CB750FOUR1969年
Dream
CB750FOUR
CB750FOUR-Ⅱ-1975年
Dream
CB750FOUR-II
/K/AERA
cb750f1979年
CB750F(RC04)
CB900F(SC01/09)
CB1100R1981年
CB1100R/F
(SC05/08/11)
CBX750F1983年
CBX750F
/Horizon
/BOLD’OR
(RC17)
cb7501992年
CB750/T
(RC42/RC39)
cb1000sf1992年
CB1000SF
(SC30)
cb1300sf1998年
CB1300SF
(SC40)
sc542003年
CB1300SF/SB
(SC54)
ST2008年
CB1300SF/SB/ST
(SC54中期)
sc652010年
CB1100
(SC65)
SC65中期2014年
CB1100/EX/RS
(SC65後期)
sc54後期2014年
CB1300SF/SB
(SC54後期)

CB1100R/F(SC05/SC08/SC11) -since 1981-

CB1100R

「コードMA3」

今やCBシリーズ定番となっている赤/白カラーの元ネタでもあるCB1100R。

ちなみにこの色が何処から来ているのかと言うとF1のナショナルカラー。

RA271

つまりこれ日の丸カラーなんです。

ベースとなっているのは先代で目覚ましい活躍を見せたファクトリーCB750F、早い話がRS1000(写真下)の公道仕様モデル。

RS1000

混乱している人が居ると思うので纏めると

CB750FOUR

RCB(FOURのファクトリーチューン)

CB750/900F(RCBレプリカ)

RS1000(Fのファクトリーチューン)

CB1100R(RS1000レプリカ)

という形。

ワークスチューニングが最初から施されている豪華装備でしかも全てが手組という事もあり、お値段はCB750Fが四台買えてしまう250万円。

CB1100RC

そもそも何故CB1100Rが造られたのかというとRS1000のトップクラスとは別のプロダクションレース(改造範囲が狭い)クラス、今でいうスーパーバイクがキッカケ。

トップレースでRS1000が快勝していた反面、プロダクションクラスではCBの900という排気量のハンデが大きく結果を残せていなかった。(当時は排気量無制限)

そんな状況を打破するために

「そのままでも勝てるマシン」

をコンセプトに開発。

集まったメンバーは山中さんはもちろん仙波さんや浅野さんなど無敵艦隊HERTのメンバーだった錚々たる面々。

CB1100Rデザイン

ちなみにプロジェクト始動時の目標は

『8ヶ月後のレースに間に合わせること』

つまり実質的な開発期間は半年足らずという非常識な短さ。だからもうとにかく各々がRS1000で培ったノウハウを元に、考える前に行動な日々。

何故これほどの急ピッチかつ突貫的な開発になったのかというと皆の根底に

「CBが負ける状況を一刻も早く何とかしたい」

という忸怩たる思いがあったから。

そんなこんなで当初の目標から一ヶ月遅れたものの完成し、カストロール6時間耐久に出場。

しかし実はこれも間に合わないとして走行性能だけ完成させカウルなどの造形物は後回しという苦肉の策で間に合わせたCB1100RB1という急造品。

CB1100RB1

だから耐久レースなのに何故かホンダだけ時代に逆行したネイキッドという異様な光景でした。

しかしソコはさすがHERT製と言うべきか、性能は申し分なく堂々のデビュートゥウィン。

CB1100RB2

そして少し遅れて何とかカウルまで造られた『CBR1100R/SC05(RB2)』を限定1050台で正式に販売となったわけです。

ただ開発チームも満足していなかったのか、二年目のCBR1100RC/SC08(限定1500台)ではカウルをFRPとカーボンのフルカウルにし、ホイールも新設計の18インチコムスターホイールに変更。

CB1100RC

エンジンも120馬力にまで上がったのですが、何よりシートがシングルからタンデム可能なカバータイプに変更された事が好評でした。

そして最終となるのが83年のCBR1100RD/SC08後期型。

CB1100RD

カウルがアクスルより前に出してはいけないというレギュレーション変更に合わせ少しカットしてあるのが特徴。

他にもスイングアームを現代的なボックスタイプに変更し、サスペンションも可変ダンパーとアルミリザーブタンクを装備。

キャンディカラーで質感が高く1500台限定でした。

それともう一つ紹介しておきたいのが晩年の1978年に発売されたCB1100F/SC11型。

CB1100F

これはいわゆるスペシャルマシンだったCB1100Rのネイキッド版レプリカとして一般向けに販売されたモデル。

あくまでもレプリカな上に、時代の不運にも見舞われ僅か一年のみの販売でした。

ホンダとしては60年代以来となる市販レーサーとして登場したCB1100Rは性能の凄さ、そしてそのド派手なカラーリングで多くの者を惹きつけました。

CB1100RD

皮肉なことに惹き付け過ぎてレースで勝つために造ったのにコレクションとして大事に保管してしまう人が続出してしまったんだそう。

主要諸元
全長/幅/高 2115/770/1340mm
シート高 795mm
車軸距離 1490mm
車体重量 233kg(乾)
燃料消費率 不明
燃料容量 26L
エンジン 空冷4サイクルDOHC4バルブ並列4気筒
総排気量 1062cc
最高出力 120ps/9000rpm
最高トルク 10.0kg-m/7500rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前3.25H19-4PR
後4.00H18-4PR
バッテリー YB12ALA2
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
D9EA
推奨オイル 不明
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
不明
スプロケ 不明
チェーン 不明
車体価格 約250万円
系譜図
CB750FOUR1969年
Dream
CB750FOUR
CB750FOUR-Ⅱ-1975年
Dream
CB750FOUR-II
/K/AERA
cb750f1979年
CB750F(RC04)
CB900F(SC01/09)
CB1100R1981年
CB1100R/F
(SC05/08/11)
CBX750F1983年
CBX750F
/Horizon
/BOLD’OR
(RC17)
cb7501992年
CB750/T
(RC42/RC39)
cb1000sf1992年
CB1000SF
(SC30)
cb1300sf1998年
CB1300SF
(SC40)
sc542003年
CB1300SF/SB
(SC54)
ST2008年
CB1300SF/SB/ST
(SC54中期)
sc652010年
CB1100
(SC65)
SC65中期2014年
CB1100/EX/RS
(SC65後期)
sc54後期2014年
CB1300SF/SB
(SC54後期)

CB50S(AC02) -since 1980-

XL80S/XL50Sカタログ

「青春のストーリーを乗せて。」

先に紹介したXL50S/80Sと同時期にフルモデルチェンジされSが付いたCB50S、残念ながら90の方は続くことが出来ませんでした。

フロントブレーキが機械式から一般的な油圧式となり、ヘッドライトやウィンカーの光量を改善、さらに見た目もよりスポーティになり馬力も0.3馬力向上。

ホンダCB50S

・・・なんですが、これまたVTと同じ道を歩むというかVTが同じ道を歩んだと言ったほうが正しいんですが、さすがのホンダも市場の要望を無視できず4stによる打倒2stを諦め、MBシリーズという2stのカリカリロードスポーツを出したわけです。

MC50_CB50

Sが付く前の6馬力CB50がある中で7馬力のMB50(しかもホンダ初の2st50cc)、2stと4stという違いこそあれどどちらもロードスポーツモデル。2stなのに加え目新しさがあったMB50の前にCB50は非常に窮地に陥りました。

いくら4stであるCB50の方が乗りやすかろうと、最高速が90km/h近かろうと、やはりカタログスペックを見比べたときにどうしても引けを取ってしまうわけです。CB50はCB50で売れてたんですけどね。

どうしてこんな食い合う様な事をしたのかというと、上で言った市場からの要望ですがそれは表の理由。本当の所はヤマハとのシェア争い(HY戦争)です。

HY競争

一台でも多く売るために信念もヘッタクレも無い状況。

翌81年にはヤマハから水冷2stロードスポーツRZ50という強烈なカウンターが頭に来たのか、翌82年にはホンダからお返しとばかりにRZ同様水冷化されたMBX50投入。

目標だった「打倒2st」が「打倒ヤマハ」になった瞬間です。

ちなみにこの頃が原付販売台数のピークで年間200万台ほど売られていました。

JAMA調べ

これは2015年の販売台数の10倍です。といってもHY戦争による薄利多売が大きいので何とも言えませんが。

結局CB50Sは時代に飲み込まれてしまったわけですね。

主要諸元
全長/幅/高 1790/685/975mm
シート高 715mm
車軸距離 1175mm
車体重量 83kg(装)
燃料消費率 55.0km/L
※60[30]km/h定地走行テスト
燃料容量 8.5L
エンジン 空冷4ストローク
OHC単気筒
総排気量 49cc
最高出力 6.3ps/10500rpm
最高トルク 0.43kgf-m/9500rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前2.50-17-4PR
後2.75-17-4PR
バッテリー 6N2-2A
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
C6HA/U20FS-L
C5HA/U16FS-K※低速時
推奨オイル ウルトラG1(旧名ウルトラU)
10W-30
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量0.9L|交換時0.7L
スプロケ 前14|後42
チェーン サイズ420|リンク104
車体価格 139,000円(税別)
系譜図
CB901970年
BENLY CB90/50
(CB90/50)
CY501973年
NautyDAX/R&P
(CY50/50J/80)
XE751976年
XE75/50/TL50
(XE75/50/TL50)
XL50S1980年
XL80S/50S
(HD04/AD03)
CB50S1980年
CB50S
(AC02)
2001APE502001年
APE100/50
(HC07/AC16)
XR100モタード2005年
XR100/50MOTARD
(HD13/AD14)
2008APE100d2008年
APE100/50
(HC07~13/AC16~18)

XL80S/XL50S(HD04/AD03) -since 1980-

XL80S/XL50Sカタログ

XEの後継にあたるXL50SとXL80S。

ちょっとした林道ブームによってついにXLの名前が4miniクラスにまで下りてきたわけです。

80の方はXEのエンジンではなく一緒に紹介したエンデューロXR75の物を積んだ為パワーが少し上がって6.3馬力となりました。

XL50S/XL80Sカタログ2

とはいうもののXEもそうだったけど公道仕様車ということで速さは無いトコトコ原付トレール。そのかわり燃費も40km/Lを切らない低燃費を持っていました。

もう存在しない原付トレールの最後となってしまったXL50SとXL80S。今出しても売れるか分かりませんが出して欲しいところですね。

MT50、XL50S、XL80S

当時がそうだった様にこういう遊び心を持った原付から本格的にバイクに目覚める人は少なくない言わばエントリークラスの様な物なので、モトクロッサーのCRF50Fが現存してるんだから公道向けにCRF50MでもLでもいいから出して欲しいところですね。

原付が激減していってる今の時代じゃオートバイ業界の盟主でも厳しいかな。

主要諸元
全長/幅/高 1760/755/970mm
シート高 不明
車軸距離 1135mm
車体重量 74kg(乾)
[71kg(乾)]
燃料消費率 75km/L
[80km/L]
※30km/h定地走行テスト
燃料容量 4.5L
エンジン 空冷4ストローク
OHC単気筒
総排気量 79cc
[49cc]
最高出力 6.3ps/8000rpm
[4.5ps/9000rpm]
最高トルク 0.61kgf-m/6000rpm
[0.37kgf-m/8000rpm]
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前2.50-16-4PR|後3.00-14-4PR
[前2.50-16-4PR|後2.75-14-4PR]
バッテリー 6N2-2A-9
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
C7HA
[C6HA]
推奨オイル 不明
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
不明
スプロケ 前15|後38
[前13|後44]
チェーン

サイズ420|リンク96
[サイズ420|リンク98]

車体価格 149,000円(税別)
[139,000円(税別)]
※[]内はXL50S
系譜図
CB901970年
BENLY CB90/50
(CB90/50)
CY501973年
NautyDAX/R&P
(CY50/50J/80)
XE751976年
XE75/50/TL50
(XE75/50/TL50)
XL50S1980年
XL80S/50S
(HD04/AD03)
CB50S1980年
CB50S
(AC02)
2001APE502001年
APE100/50
(HC07/AC16)
XR100モタード2005年
XR100/50MOTARD
(HD13/AD14)
2008APE100d2008年
APE100/50
(HC07~13/AC16~18)