GLADIUS400(VK58A)-since 2009-

グラディウス400

「美しさの中に宿る、鼓動。」

GLADIUS400も先代同様SFV650(GLADIUS650)の兄弟モデルとして登場。名前の由来はファミコンのグラディウスではなく古代ローマの短剣グラディウスから。

これぞスズキと言わんばかりの流麗を通り越して粘りが出たような凄いデザイン。

サイドビュー

ピボット&シートフレームと重なる後半分部分からシートフレームまでカバーが掛かったオシャレなトラスフレームに、一枚物の剣と思しきステップのヒールガード、更にその流れを止めないマフラー。

他にもSFV650 GLADIUS(VP55A)の系譜で書いた通りクランクケースカバーのロゴの向きやボルトレイアウトまで考えられている非常にこだわりが感じ取れるデザイン。

VK58Aカタログ写真

ちなみに日本車離れしたデザインである事からも分かる通りGLADIUSは欧州(独や仏)をメインターゲットにしたもの。

しかしコレが意外なことに日本の女性にもウケたようで、広報の方いわく購入者の三割は女性だったそう。

VK58A

スズキとしては貴重な女性ウケの良いバイクだったんですね。

そう考えると生産終了は勿体無い気が・・・

そんなGLADIUS400ですが少し深読みすると

「SV400の教訓が本当に生きてるな」

と感じます。

というのも『53馬力/4.2kg-m』と先代SV400並の侮れないパワーは相変わらず持ち合わせているんですが、それが嘘のようにジェントル。

良くも悪くもVツインであることを忘れるくらいスムーズなんです。

グラディウス400リアビュー

これは厳しくなった騒音規制が要因なんですが、それを逆手に取った面も強いかと。

日本ではヒュイーンというモーターの様に回る直四フィーリングを好む人が多く、ドコドコという不等間隔のパルス感を嫌う人が400でも多いという事がSV400でわかった。

グラディウス透視図

GLADIUS400がいわゆるVツイン感を大きく抑えてあるのはそこを打開するため。

だから正直に言うといわゆるVツイン好きがGLADIUS400に乗ってもピンと来ない人が多いと思います。

ただ逆にVツインに興味が無い人やVツインがあまり好きじゃない人が乗ると

「意外とスムーズだな」

と絶対に思う・・・GLADIUS400の狙いはソコ。

Vツインの魅力というと

『パルス感・鼓動感』

といった強い味がよく上げられますが本当はそれだけでなく

『寝かし込みの軽さやトラクション感』

といった分かり辛いけど確かに感じる味もあり、その味を伝えるために強い味であるパルス感や鼓動感を抑えてる面がある。

グラディウスキャラバン

『グラディウスキャラバン』

と称し全国津々浦々グラディウスの試乗会をスズキ主催のニューモデル試乗会とは別に開いて回ったのもそれを知って欲しかったからでしょう。

つまりGLADIUS400は従来のVツイン層ではなく、SV400で振り向いてくれなかったアンチVツイン層に向けている面が強いVツインスポーツ。

GLADIUS400

グラディウスキャラバンは既に全日程を終えているのでGLADIUS400に試乗する機会はあまり無いかもしれませんが、もし機会があったらVツインを食わず嫌いしている人ほど率先して乗ってみることです。

「意外とスムーズだな」

と思ってしまうこと間違いなし。

主要諸元
全長/幅/高 2130/760/1090mm
シート高 785mm
車軸距離 1430mm
[1415mm]
車体重量 206kg(装)
燃料消費率 40.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 14.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC2気筒
総排気量 399cc
最高出力 55ps/11000rpm
最高トルク 4.1kg-m/8500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後160/60ZR17(69W)
バッテリー YT12A-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR8EIA-9
または
IU24D
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.0L
交換時2.4L
フィルター交換時2.75L
スプロケ 前15|後44
チェーン サイズ520|リンク112
車体価格 770,000円(税別)
系譜図
SV400/S 1998年
SV400/S(VK53A)
2009年
GLADIUS400(VK58A)

【関連車種】
CB400の系譜XJR400Rの系譜GSR400の系譜ZRX/ZZR400の系譜

SV400/S(VK53A)-since 1998-

SV400S

「新たな躍動をはじめたスポーツの感性。」

TL1000Sの流れを組んだ400版としてデビューしたSV400とハーフカウルを装着したSV400S。厳密に言うと丸目ネイキッドモデルは後からで最初はSのみ。

色々と言われるTL1000Sの兄弟という事で身構えてしまいそうですが、優等生ではないにしろ良く出来た末っ子でした。

SV400アルミトラスフレーム

最大の特徴は400ccとしては初となる楕円断面アルミトラスフレームを採用したという事。

おまけにスイングアームまでアルミという400とは思えない贅沢な骨格を持っています。これは翌年から発売される欧州向け車両SV650と共有化するから可能だった。

SV400/SV400S

アルミトラスフレームってサラッと言いましたが、一般的にトラスフレームというのは剛性値(重量に対する剛性)を高く出来る優れたフレームなんだけど、汎用性が乏しい事と溶接箇所が増える事から大量生産には向いてない。

日本メーカーがあまりトラスフレームを作らないのはこういった理由があるからなんですが、日本におけるSV400も欧州におけるSV650も知っての通り高級車というよりは大衆車。そんな車種なのにトラスフレームでしかもアルミというのは実はとても凄い事で、それがあったからこそSV400は乾燥重量159kgという驚異的な軽さを持てたわけです。

もう一役買ってるのが合理的な90°バンクのVツインエンジン。エンジンについてはいい加減しつこいので>>二気筒が七変化した理由を参照。

SV400

これも兄貴分であるSV650と共有のエンジンなものの、ただスケールダウンしただけではなくボアよりもストロークを大きく短くしてる。

そしてコレが結構やり過ぎで、ボア(内径72mm)×ストローク(行程49mm)という400ccの二気筒としてはかなり極端な比率。一昔前の二気筒スポーツを鼻で笑えるくらいのビッグボア。

この事からSV400は”4.2kg-m/8000rpm”という4st400ccでは最大となるトルクを叩き出すバイクに。

スズキSV400

「公道最速400はSV400」

と一部で言われてるのは別に贔屓目ではなくこういう根拠があってのこと。

SV400とSV400S

それなのに知名度が低いのは不人気だったから・・・ただこれはSV400が不人気だったというよりVツインが不人気と言ったほうが正しいかと。日本はどちらかというと等間隔燃焼の直四が好まれる傾向が強いから。

最初に言ったトラスフレームをあまり作ってこなかった事から来るトラスフレームに対する認知が弱かった事もあるでしょうね。

SV400カタログ写真

見た目も含めて日本人には未知の生物だったわけですね。

逆にツインやトラスフレームの文化が根付いていた(好まれる)欧州においてはSV650が大ヒットしたんですよ。向こうでスズキといえばSVと言われるくらいの大出世を遂げています。

SV400後期

だから650はモデルチェンジされ後継まで出てるんだけど、SV400は2002年にダブルディスクブレーキにマイナーチェンジされたのを最後に2007年の排ガス規制をもって生産終了となりました。

SV400/Sはお世辞にも売れたと言えないし乗ってる人も少ないんだけど、今でも惚れ込んで乗り続けるオーナーがいるのも事実。

その理由は”最速400ccだから”という理由ではないでしょう。

SV400壁紙

SV400はエンジンとフレームが素晴らしいという長所がある一方で、ヘッドライトが暗い、始動性が悪い、といった分かりやすい短所もあります。

何不自由なく乗りっぱなしに出来る400というよりかは少し手が掛かる400。

SV400ポスター

これの何処が魅力なのかというとアメリカのコンシューマリポート結果でも出ていましたが、人間不思議なもので手のかかる物ほど愛着が湧くんです。

つまりSV400が多くの人に好まれなかった反面、一部の人に強く好まれているのは、ただ速いだけではなくこういった少し抜けてるドジッ子のような”惜しさ”があったから。

主要諸元
全長/幅/高 2070/750/1060mm
[2040/740/1130mm]
シート高 785mm
車軸距離 1430mm
[1415mm]
車体重量 163kg(乾)
[167kg(乾)]
燃料消費率 37.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 16.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC2気筒
総排気量 399cc
最高出力 53ps/10500rpm
最高トルク 4.2kg-m/8000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/60ZR17(55W)
後160/60ZR17(69W)
バッテリー FTX9-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR8E
または
U24ESR-N
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量2.7L
交換時2.3L
フィルター交換時2.4L
スプロケ 前15|後45
チェーン サイズ520|リンク108
車体価格 559,000円(税別)
[656,000円(税別)]
※[]内はSモデル
系譜図
SV400/S 1998年
SV400/S(VK53A)
2009年
GLADIUS400(VK58A)

TEMPTER(NK43A)-since 1997-

テンプター

「大人のスタンダード」

1997年に登場したテンプター/NK43A型。Savageが”獰猛なやつ”という意味だったのに対しこちらは

「Tempt(誘惑)+er(する人)=TEMPTER(誘惑する人)」

という意味。

ちなみにこれは通称名という一種のあだ名みたいなもので正式な機種名はST400Vといいます・・・そう、クラシックな見た目からも分かる通りST250のお兄さん的な立ち位置で登場したバイクなんですね。

ST400V

特徴としてはサベージと同じエンジンを王道のようなセミダブルクレードルフレームに搭載する形で他にも

・アルミバフ仕上げの二連メーター
・バフ仕上げのシリンダーヘッドカバーキャップ
・懐かしい円筒クロムメッキウィンカー
・スリムさを重視したタンクとシート
・パイプ状のグラブバー
・デュアルツーリーディングブレーキ
・アルミH型リムスポークホイール

などなどちょっとした細かい部品にクラシカルというかイギリス臭プンプンな拘りを散りばめたような形になっています。

テンプターの細部

そんな中でも面白いのが足回りブレーキで、このテンプターは相変わらず聳え立ってるエンジンも目立つんだけどこれが一番の特徴。

『機械式デュアルツーリーディングドラムブレーキ』

を採用しているんです。

テンプターブラックスタイル

デュアルツーリーディングっていうのは簡単に言うとトラックなどに多い強力なドラムブレーキのことで、例えるならWディスクブレーキならぬWドラムブレーキみたいな感じ。

ツーリーディングドラムブレーキ

なんでこれが特徴かと言うとこのブレーキシステムが使われていたのは遥か昔、まだディスクブレーキが普及してない頃に制動力をなんとかするために使われていたドラムブレーキだから。

ただしこれ正に二重苦で調整が非常に難しく、フィーリングも簡単にカックンブレーキになるからディスクブレーキの普及で廃れました。スズキが採用していたのも1972年の水牛ことGT750まで。

それをわざわざH型アルミリムと共に復刻させたんですね。当然ながらこの時代にこんなドラムブレーキが付いていたのはこのテンプターだけ。

デュアルツーリーディングブレーキ

なんで今更そんな大昔のホイール周りを復活させたのかというと

・当時ドラムブレーキによるレトロ化が流行っていた

・1950年代のイギリス車がこういうスタイルだった

という事からでしょう。

そんな昔風を通り越して本当に昔にするという加減を知らずのテンプターだったんですが、残念な事に2000年をもってモデルチェンジされることなくカタログ落ちとなりました。

スズキテンプター

理由はハッキリ言ってしまうとSR400の壁が厚すぎたから。

これなんとも因果な話で、前のページで話した通りサベージは主に北米などでエントリーであると同時にカスタムベースとしても人気が出てカスタムビルダーも参加した。

これによってカスタマイズ性の豊富さというアドバンテージ、言い換えるなら

「買った後も楽しめる付加価値であり参入障壁」

があったからロングセラーになった。

テンプター カタログ

一方でテンプターもサベージと同じように美しくもシンプルな形でカスタムにも持ってこいのポテンシャルは持っていた。

しかしそのポテンシャルを既に持っているライバルが居たことで、育ててくれる時間も環境も人も与えられなかったから短命に終わってしまったという話。

一番最初に市場に出ることで多大な利益を得る『先行者利益』という要素は親しい2つのモデルの評価をこれほどまでに変えてしまう力を持っているんですね。

しかもテンプターの場合さらに可哀想なことに上で紹介した通りホイール周りが完璧だった事からそれだけ取られて重宝されるという仕打ちまでうけました。

テンプター400カタログ写真

しかしそんなテンプターも最近はカスタムブームが落ち着いてきてレトロもパッケージングが求められる時代なったためか、当時が嘘のように再評価され中古が値上がりしているっていう。

もう少し早く出すか遅く出すかしていたらまた違った結果になっていたのではなかろうかと思うんですが、まあそれでこそのスズキとも言えるわけで。

主要諸元
全長/幅/高 2110/730/1040mm
シート高 780mm
車軸距離 1430mm
車体重量 159kg(乾)
燃料消費率 43.5km/L
※60km/hテスト値
燃料容量 12.0L
エンジン 空冷4サイクルSOHC単気筒
総排気量 396cc
最高出力 27.0ps/7000rpm
最高トルク 3.0kg-m/5000rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前100/90-18(56S)
後130/80-17(65S)
バッテリー FTX9-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
DPR8EA-9
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量2.4L
交換時1.8L
フィルター交換時2.4L
スプロケ 前15|後45
チェーン サイズ520|リンク110
車体価格 469,000円(税別)
系譜図
サベージ 1986年
LS650/400
SAVAGE
(NP41A/NK41A)
テンプター 1997年
TEMPTER
(NK43A)

LS650/LS400Savage(NP41A-B/NK41A-B)-since 1986-

サベージ

「ビッグ・シングル 独立宣言」

ビッグシングルクルーザーのLS650Savage/NP41A型とLS400Savage/NK41A型。

スズキいわく獣のような”獰猛さ”という意味がある通称サベージですが最初に構成を紹介すると

・SOHC4バルブ空冷シングル
・オートデコンプ連動セルスターター
・高張力鋼管セミダブルクレードルフレーム
・スズキ初のベルトドライブ(400はチェーン)
・リターン式5速ミッション
・フラットハンドルとアップハンドルの2パターン

などとなっています。

何よりも目につくのはやはり直立不動で鎮座しているビッグシングルエンジンですね。

LS650サベージ

94×94mmというスクエアシングル(400は88×65mm)で、一軸バランサーを組み込むだけでなくクランクとジェネレーターの間にフライホイールを起きフィーリングを重視したエンジン。

さらにカムチェーンテンショナーもクランクに内蔵させることでスリムさを犠牲にすること無く、空冷フィンを含めシリンダーをキレイに仕立て上げています。

サベージのエンジン

「ミドルシングルクルーザーにしては色々と創意工夫がされてるんだな」

と思うわけですがそれもそのハズ、実はこのエンジンはDR600の部品を流用しつつもサベージのために用意された新設計したエンジンなんですね。

他にもデザインコンセプトである

『ロー・ロング・ニート』

を表現するためスピードメーターをタンクに設置しセンサーもドライブから取り、フロントまわりをスッキリさせるなどの工夫が施されています。

サベージカタログ

でも更に凄いのはこれだけの事をやっていながら

『499,000円(400は479,000円)』

と50万円を切る破格の安さだったこと・・・この事でサベージは2005年にBOULEVARD S40(LS650B)と改名されつつも2019年まで大きく変わることなく販売される超ご長寿モデルになりました。

LS650B

意外と知られていないんですがアメリカなどでは650モデルが2019年まで約33年間も継続して販売されていたんですよこのモデル。

LS400サベージカタログ

日本では出てはすぐ消えて、クルーザーブームが到来したことで1992年に再度B型として登場したもののまたすぐ消えて・・・を繰り返した事から誰も覚えていないかネタ扱いかのどちらかにされがちですけどね。

じゃあ

「何がそんなにウケたのか」

という話をすると安かったのも勿論あるけどそれだけでロングセラーになったわけじゃない。

このサベージはスズキのグローバルクルーザー戦略における”第二弾”で、スズキは前年にあたる1985年に第一弾としてVS750イントルーダーというVツインのモデルを出しました。

VS750イントルーダー

イントルーダーシリーズの始祖となるモデルなんですがデザインが非常に好評で、ドイツなどでは今でもスズキを代表する三英傑に挙げられるほど好評だった。

そんなVS750の弟分として片肺だけ取り出したような形で翌年に出たのがサベージ。

LS650サベージカタログ写真

VS750の流れを組みつつ圧倒的な安い価格だっただけでなく

・大きすぎず小さすぎない車体
・セオリー無視のビッグシングル
・人畜無害な性能

などによりクルーザーの入門としてこれ以上の最適解はないと主にエントリー層に人気が出たんですが、それだけじゃない。

ブルバードS40

サベージは空冷シングルというシンプルさから

『整備やカスタムにうってつけ』

と人気が出たんです。

ガレージ文化やカスタム文化が盛んな海外でこれは非常に重用な要素で、この需要がカスタムビルダーを呼び、それがサベージを長生きさせることになった。

もちろんこれは市場の流れを変えたり歴史に名を残したりするほどの人気ではなかった。でもそんな需要をスズキ自身も切らずに何年も何十年も応えたからこそここまで来れた。

NK41Bのカタログ

『メーカー×ユーザー×カスタムビルダー』

三位一体となって愛されたからことでサベージそしてブルバードS40はご長寿クルーザーとなれたんですね。

主要諸元
全長/幅/高 2195/690/1080mm
{2195/775/1130mm}
シート高 650mm
車軸距離 1480mm
車体重量 160kg(乾)
[159kg(乾)]
{161kg|160kg(乾)}
燃料消費率 42.0km/L
[40.0km/L]
※60km/h走行テスト値
燃料容量 10.0L
エンジン 空冷4サイクルSOHC単気筒
総排気量 652cc
[396cc]
最高出力 30.0ps/5500rpm
[24.0ps/7000rpm]
最高トルク 4.5kg-m/3000rpm
[2.7kg-m/4000rpm]
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前100/90-19(57H)
後140/80-15(67H)
バッテリー FB14L-B2
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
DP8EA-9
または
X24EP-U9
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量2.4L
交換時1.8L
スプロケ [前17|後50]
チェーン [サイズ520|リンク110]
車体価格 499,000円(税別)
[479,000円(税別)]
※[]内はLS400
※{}内はアップハンドル仕様
系譜図
サベージ 1986年
LS650/400
SAVAGE
(NP41A/NK41A)
テンプター 1997年
TEMPTER
(NK43A)

GSX-R400R/SP/SP2(GK76A) -since 1990-

GK76A

「REVOLUTION」

GSX-R400Rの最終型となるGK76型

アルミダブルクレードルフレームに倒立サスペンション、水冷オイルクーラーなど、もう出し惜しみ無しな作りになりました。スラントシートライト(一枚レンズ)が特徴的ですね。

GK76Aフレーム

もちろんエンジンも新作で、お値段さらに上がって73万9000円。

このGK76型の特徴を端的に表すとすれば”極限までレーサーレプリカな作り”かと。

例えば最初に言ったアルミダブルクレードルフレーム。時代は既に今でも使われるアルミツインスパーフレームに移ってたんだけども、GSX-R400Rは”敢えて”アルミダブルクレードルフレームを選んだ。

それは1989年世界耐久レースで見事勝利したGSX-R750Rがアルミダブルクレードルフレームだったから。

89GSX-R750R

さらに言うとGSX-R400は水冷エンジンなんだけど冷却フィンが付いてる。これもGSX-R750Rが油冷エンジンでフィンが付いていたから。見えない部分までも可能な限りレプリカ。

そして有名なのはポジション。
R400は元々ポジションがライバル車と比較しても結構キツめだったんだけど、このGK76型はそのキツい先代から更に7cm近くハンドルが下がってる(シート高参照)

GSX-R400黒

タンクが長いこともあって窮屈ではないけど、ハンドルが遠くて低いっていう一昔前のポジションを突き詰めた形。そのキツさは全バイクの中でもトップレベルで昨今のSSを鼻で笑えるほど。

足回りも想定域を上に絞ってるから、本気で身体入れて走らないと曲がらない。

要するに完全に割りきった作りをしている。いくらレーサーレプリカと言えどここまで公道走行を考慮してないバイクはそうそうないです。

GSX-R400R SP

しかしいま改めて振り返ってみると、この頃のスズキは本当に凄かった。

HY戦争に否が応にも巻き込まれ致命傷を負ってしまい二輪撤退まで囁かれていた中で

ギャグ

GAGという遊び心の溢れるバイクを出して起死回生のヒットを飛ばしたと思ったら

NSR50|YSR50

ホンダやヤマハに後出しジャンケンでボコボコにされ

RG250

RG250Γという2st250ccレーサーレプリカを出してヒットしたと思えば

NSR250|TZR250

またホンダやヤマハにボコボコに

GSX-R

そしてこのGSX-Rという4st400レーサーレプリカを出してヒットしたかと思えば

CBR400RR|FZR400

やっぱりホンダとヤマハ、そしてカワサキまでにもボコボコに。

これは今も続いています。

昨今の市販スーパースポーツの始祖と言えば

CBR900RR|YZF-R1

「CBR900RR(1992年)だ!」「いやYZF-R1(1998年)だ!」

と言われることはあっても

GSX-R750

「GSX-R750(1985年)だろ!」

と言われる事はめったに無い。どれも正解なんだけど何故かGSX-R750だけは言われない。

バイク業界も勝てば官軍か。

話をGSX-R400Rに戻しましょう。

1993年には400ccの馬力規制が59馬力からさらに強化され53馬力になりました。当然GSX-R400Rも例外ではなく1993年モデルからは53馬力に。

これが去りつつあったレーサーレプリカブームのトドメとなりGSX-R400Rも1995年モデルを最後に生産終了となりました。

GSX-R400Rファイナル

決して大人気といえるレーサーレプリカではなかったけど、ガンマと共に時代を開き、最後まで時代に抗ったレーサーレプリカでした。

主要諸元
全長/幅/高1995/710/1060mm
シート高750mm
車軸距離1375mm
車体重量167kg(乾)
燃料消費率36.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量16.0L
エンジン水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量398cc
最高出力59ps/12500rpm
<53ps/12000rpm>
最高トルク4.0kg-m/10000rpm
<3.5kg-m/9500rpm>
変速機常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ前120/60R17(55H)
後160/60R17(69H)
バッテリーFTX7A-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR8EK
推奨オイルスズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.7L
交換時2.8L
フィルター交換時3.0L
スプロケ前14|後44
チェーンサイズ525|リンク108
車体価格739,000円(税別)
[787,000円(税別)]
{797,000円(税別)}
※[]内はSP
※{}内はSP2
※<>内は92年以降モデル
系譜図
GSX-R 1984年
GSX-R
(GK71B)
GSX-R400 1986年
GSX-R400
(GK71F)
GK73A 1988年
GSX-R400/R/SP
(GK73A)
GK76A 1990年
GSX-R400R/SP/SP2
(GK76A)

GSX-R400/R/SP(GK73A) -since 1988-

GK73A

「高純度パフォーマンス」

エンジンが再び新しくなり水冷となったGK73A型

今でこそGSX-Rシリーズといえば

「縦目ヘッドライト」

っていう感じだけど当時はこのウーパールーパーみたいな丸目二眼がブームで、その流れに逆らえず(というか一眼のデザインに問題があると思うんだけど)丸目二眼をキープ。

時代による姿勢の違いが面白いですね。

鈴鹿四耐

この頃、鈴鹿四耐(2st250と4st400の混合)やSP400を始めとしたレースが盛んになりだした事からレース向けにレースキット(シングルシート・クロスミッション・前後専用サス)を最初から組み込んだSPモデルまで用意されました。

GSX-R400Sp

翌1989年には通常モデルSP共にリアも17インチ化されてより現代的になり名前にRがもう一個付いてGSX-R400Rに。

ちなみにSP2というレアなグレードはSPベースなんだけどギア比がノーマルと同じでSPベースにより10万円安い69万9000円というかなりお買得なモデル。限定1000台だけどね。

GK73A

そういえば車体価格の話ってあんまりしてませんでしたね。

当時を知らない若いバイク乗りの人は

「こんなハイパワーな400があったなんていい時代だなあ」

なんて思うかもしれないけど、バイトの時給が400円の時代に73万9000円(CBR400RRもFZR400もZXR400もほぼ同値)と非常に高額で、いくらブームといえど若者がおいそれと買えるバイクじゃなかった。

しかもフルモデルチェンジの嵐で値段は上がる一方。レプリカ離れの一因でもあるわけですが最近のSSと似てますね。歴史は繰り返すのか。

GK73Aカタログ

ということでレプリカブームは去りつつあったんだけど、スズキはまだ納得できなかったのかスポーツを諦めたくなかったのか分かりませんが、250ガンマと同じく他所が手を引こうとも歩みを止めなかったんですね。

主要諸元
全長/幅/高 1995/695/1110mm
シート高 735mm
車軸距離 1375mm
車体重量 160kg(乾)
燃料消費率 45.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 15.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 398cc
最高出力 59ps/12500rpm
最高トルク 4.0kg-m/10000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前110/70R17(53H)
後140/60R18(64H)
{前120/60R17
後150/60R17}
バッテリー YTX9-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR8EK
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
2.8L
スプロケ 前14|後45
チェーン サイズ525|リンク110
車体価格 669,000円(税別)
[739,000円(税別)]
※[]内はSP
※{}内は89モデル
系譜図
GSX-R 1984年
GSX-R
(GK71B)
GSX-R400 1986年
GSX-R400
(GK71F)
GK73A 1988年
GSX-R400/R/SP
(GK73A)
GK76A 1990年
GSX-R400R/SP/SP2
(GK76A)

GSX-R(GK71F) -since 1986-

GSX-R-F

「CHASED AGAIN」

GSX-Rの二代目(厳密に言うと3型)となるF型。わずか二年でほぼ全てを維新。

GSX-Rカタログ

まず当時のスズキが全力で推し進めていた水油空冷システムSTACSを搭載した新型エンジン。さらにアルミフレームも二層構造のDC-ALBOXに進化。

86GK71F

ただまあ皆さん見て分かる通り一体全体どこらへんがレプリカなのかよくわからないフルカウルデザインで人気は出ず。

恐らくその大部分を占めているのがヘッドライト。カウル分の重さを何とかするためにヘッドライトを一眼にしたんでしょうが・・・

ヘッドライト

眠そうな何の変哲もない角目が時代遅れな感じをものすごく醸し出してるっていう。

あまりの不人気っぷりにスズキもマズいと思ったのか、このGK71F型はわずか一年しか売られていない非常に珍しいGSX-Rです。性能は悪くなかったんだけどね。

GSX-R400/R
(GK71F)
-since 1987-

s

「華麗なるRの正装」

そしてこれが後期モデル。

レプリカ感の薄かった為に人気が伸び悩んでいた前期型をレーサーレプリカチックにしたモデル。

初めてGSX-R400と名乗ったのはこのGSXなんだけど、実はこれも翌年フルモデルチェンジという事で一年しか販売されてないから存在を覚えてる人は少ないでしょうね。

主要諸元
全長/幅/高 2055/680/1155mm
[2050/680/1125mm]
シート高 755mm
車軸距離 1400mm
[1405mm]
車体重量 153kg(乾)
燃料消費率 45.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 18.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 398cc
最高出力 59ps/12000rpm
最高トルク 3.8kg-m/10500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前110/80-17(57H)
後140/80-17(69H)
[前110/70-17(54H)
後140/60-18(64H)]
バッテリー YB10L-B2
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
LR8A
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.0L
スプロケ 前14|後46
チェーン サイズ525|リンク112
車体価格 639,000円(税別)
[699,000円(税別)]
※[]内は後期モデル
系譜図
GSX-R 1984年
GSX-R
(GK71B)
GSX-R400 1986年
GSX-R400
(GK71F)
GK73A 1988年
GSX-R400/R/SP
(GK73A)
GK76A 1990年
GSX-R400R/SP/SP2
(GK76A)

GSX-R(GK71A) -since 1984-

GSX-R

「POWER ENDURANCER」

世間がスズキのガンマに一喜一憂していたわずか一年後に出してきた秘密兵器ならぬ秘密バイク第二弾のGSX-R。そして今もなお続くスズキSSの代名詞でもある”GSX-R”という名前が付けられた最初のバイクでもあります。

ちなみにGSXの意味は
G:Grand
S:Sports
X:4Valve

です。

1984

GSX-Rと名前が付くだけあってスペックは申し分ないもの。単体重量でわずか7kgしかないアルミフレームによるクラス最軽量(乾燥重量152kg)に加えクラストップの59馬力を発揮する水冷直四を積んだとんでもない400スポーツ。

GSX-Rメーター

少し前まであった400ccの59馬力規制が生まれたのは他ならぬGSX-Rのせいです。メーターが3000rpmより下が刻まれてない事からも凄さが分かるかと。

そしてキャッチコピーに「POWER ENDURANCER」とある様にこのバイクもレーサーレプリカの類い。元となったのは耐久レースで目覚ましい戦績(1983年のボルドール24時間耐久レース優勝など)を残していたGS1000R。

GSX-Rハーベーカラー

そのGS1000Rと同じカラーリングを施したHBカラーも限定ながら発売。

正に400のスーパースポーツなわけでそれはもう人気を呼びました。400レーサーレプリカの先駆車です。

ところでなんで400という数字が入っていないのかというと

スズキ曰く

GSX-Rカタログ写真

「もはやこれは400ccではない排気量を超えた速さを持っているから」

との事。

翌1985年にはキャブセッティングなどの微調整が入ってます。

主要諸元
全長/幅/高 2090/710/1185mm
シート高 780mm
車軸距離 1425mm
車体重量 152kg(乾)
燃料消費率 45.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 18.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 398cc
最高出力 59ps/11000rpm
最高トルク 4.0kg-m/9000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前100/90-16(54H)
後110/90-18(61H)
バッテリー YB10L-B2
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
C8HSA
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.0L
スプロケ 前15|後46
チェーン サイズ525|リンク114
車体価格 629,000円(税別)
系譜図
GSX-R 1984年
GSX-R
(GK71B)
GSX-R400 1986年
GSX-R400
(GK71F)
GK73A 1988年
GSX-R400/R/SP
(GK73A)
GK76A 1990年
GSX-R400R/SP/SP2
(GK76A)

ZXR400/R(ZX400L/M最終) -since1993-

ZXR400final

「本当に作りたかったレーサーレプリカ」

ZXR400/Rの最終型になる93年以降(L3~/M3~)は自主馬力規制で53馬力に落とされ、中低速寄りにデチューンされました。厳密に言うと再びリファインされた翌年94年のL4~/M4~が最終ですが。

1993ZXR400カタログ

結局レーサーレプリカブームが去ったことと、馬力規制から市場が縮小し全日本ロードレース選手権TT-F3(4st400cc)が無くなってしまったためZXR400/Rもあえなく生産終了。

ただ筑波など辛うじて存続している地方400レース(4st400cc/2st250cc)では生産終了して15年以上経った今でもZXR400Rが当たり前のように走っています。

ZXR400Rでレースしてる人が居るというのが正しいけどね。他にもNSR250RとかCBR400RRとかも走ってるので、まるでレーサーレプリカ時代にタイムスリップしたかのような・・・話がソレました。

ZX400L4

そんなZXR400だけど本当ならばコレは世に出るはずではなかったバイクなんです。

このバイクの指揮を取ったのはレーサーZXRシリーズも担当していたデザイナー兼エンジニアの西村さんという方だったのですが、この方は91年のL1/M1型を最後にカワサキを退社されています。

エンジニアがキャリア最後の花としてフラッグシップモデルやスポーツモデルを担当するのは珍しい事ではないのでこれだけ聞くと大した事ではないように思えますが、裏には壮絶な実際は壮絶なドラマがあったんです。

ZXR400R/L3

何度も言ってきましたがカワサキは大成功したGPZ900Rの経験からアンチレーサーレプリカ路線、つまり

「レーサーレプリカは作らない」

という方針でした。先に出た2st250のレーサーレプリカであるKR-1の商業的失敗でその考えは更に強くなっていたと思います。

しかし西村さんを筆頭にカワサキのエンジニア達はレース技術を市販車に生かせない状況に我慢の限界が来ていた。

でも上は絶対にレーサーレプリカを承認しない。そこで上への報告用にアンチレーサーレプリカのダミー車を用意し、ZXR400/Rは秘密裏に開発するという荒業・・・というかお世辞にも褒められない手段を取りました。

もしかしたらそれがZX-4だったのかも知れないですね。わざわざ同じ四気筒400ccエンジンを新規でもう一つ作ったのもこれなら納得がいきますし。

ZX400L4

「一切妥協のない最速400を作ろう」

と西村さんはメンバーを説得し、皆もそれに呼応したわけです・・・わけですが、そう事は上手く行かず虚偽の報告が上にバレて西村さんは会社と喧嘩し辞めることに。

ここでZXRプロジェクトは頓挫するハズだったのですが、残されたメンバーたちが署名活動を行い、会社や西村さんに直訴することで西村さんはプロジェクトに復職。完成させる事が出来たわけです。

ZXR400/Rがとてつもない性能で登場し、フルモデルチェンジに近い年次改良を行い、その翌年には更に上を行くフルモデルチェンジという青天井な改良を重ね、卑怯と言われるまでの速さを誇った事。おまけで整備性や耐久性を軽視している事。

これらは会社はもちろんマーケティングやバイク屋そして購入して乗るライダーすらも無視し、エンジニアたちが作りたいように作ったからなんですね。

その好き勝手っぷりの締めとなるのは西村さんが最後に手掛けたとされるZX400L1型(初年度)にあたる1991年式ZXR400のボディーカラー。

初年度カラー

レーサーレプリカといえばスポンサーカラーやメーカー・チームカラーを連想させる多彩な色使いが当たり前の時代に、青や赤の単色カラーというレーサーレプリカにもカワサキにも全く関連性のない色。しかも黒フレーム。

ZXR400ラフデザイン

これは空力を考え抜いて作り上げた造形が”一番栄える色”という理由から。もう本当に、完全に自己満足ですね。

引責なのか自主的なのかは分かりませんが、指揮を取った西村さんはこのZXR400(L/M型)の完成を最後に退社することとなりました。今にして思えばアンチレーサーレプリカのゼファーとバッティング、矛盾するようなラインナップとなったものこの為でしょう。

ZXR400L1ブルー

現代のZXRであるZX-Rなどでも稀に出てくる青や赤の単色カラーは、もしかしたらこれの名残なのかも知れないですね。

お世辞にも商業的に成功したとは言えないZXR400/Rは

「カワサキの400レーサーレプリカ」

と言われるのが一般的ですが、その言葉の中には

ZXR400ファイナル

「カワサキの(エンジニア達がクビを覚悟で作った)400レーサーレプリカ」

という見えないドラマが隠されているわけです。

主要諸元
全長/幅/高 1995/710/1080mm
シート高 780mm
車軸距離 1385mm
車体重量 160kg(乾)
[159kg(乾)]
燃料消費率 45.5km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 16.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 398cc
最高出力 53ps/12000rpm
最高トルク 3.6kg-m/10000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/60R17(55H)
後160/60R17(69H)
バッテリー FTX9-BS
プラグ CR9EK
または
U27ETR
推奨オイル カワサキ純正オイル
または
MA適合品SAE10W-40
オイル容量 全容量3.0L
交換時2.8L
フィルター交換時3.0L
スプロケ 前15|後45
[前16|後45]
チェーン サイズ520|リンク110
車体価格 739,000円(税別)
[839,000円(税別)]
※[]内はRモデル(M型)
系譜図
ZX400G1988年
ZX-4
(ZX400G)
ZX400H1989年
ZXR400
(ZX400H/J)
ZX400L

1991年
ZXR400
(ZX400L/M)

ZXR400最終

1993年
ZXR400
(ZX400L/M最終)

ZXR400/R(ZX400L/M) -since1991-

ZX400L

「未確認走破物体」

今まで我慢して溜まりに溜まった熱を一気に爆発させたかのようなZXR400だったけど、まだまだ熱が冷めやらぬようで3年目で再び大きくフルモデルチェンジ。

エンジン・キャブ・サスペンション・ブレーキ・フレーム、もうとにかくほぼ全て見直し。先代の時点でも驚異的な速さだったんだけど、このモデルでその速さは卑怯と言われるほどに。

ZX400L1

最後に登場して最後まで渾身のモデルチェンジを繰り返し頭一つ抜きん出た速さを持っていたため、もうこの頃になるとレースに出たいならZXR400R一択とまで言われる状況になりワンメイク状態。

しかもプロダクションモデルのRは緑しかなかったらレースも一面がグリーン一色になったりして、バッタしか居ないバッタレースとか言われる始末。

4st400ccレーサーレプリカ市場において締めを取ったのは間違いなくこのZXR400/Rでしょうね。

ZX400Lカタログ

熱い宇宙推しなカタログも話題になりました。

※ZXR400のネイキッドモデルになるザンザスは系譜の外側で書いてしまったので申し訳ないですが飛ばさせてもらいます。読まれたい方は「ザンザスの系譜|系譜の外側」をどうぞ。

主要諸元
全長/幅/高 1995/710/1080mm
シート高 780mm
車軸距離 1385mm
車体重量 160kg(乾)
[159kg(乾)]
燃料消費率 45.5km/L
[46.0km/L]
※定地走行テスト値
燃料容量 16.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 398cc
最高出力 59ps/12000rpm
最高トルク 4.0kg-m/10000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/60R17(55H)
後160/60R17(69H)
バッテリー FTX9-BS
プラグ CR9EK
または
U27ETR
推奨オイル カワサキ純正オイル
または
MA適合品SAE10W-40
オイル容量 全容量3.0L
交換時2.6L
フィルター交換時3.0L
スプロケ 前15|後45
[前16|後45]
チェーン サイズ520|リンク110
車体価格 739,000円(税別)
[839,000円(税別)]
※[]内はRモデル(M型)
系譜図
ZX400G1988年
ZX-4
(ZX400G)
ZX400H1989年
ZXR400
(ZX400H/J)
ZX400L

1991年
ZXR400
(ZX400L/M)

ZXR400最終

1993年
ZXR400
(ZX400L/M最終)