タクトDX/フルマーク/フルマークカスタム(AB07後期)-since 1982-

AB07後期

「シャープに一新した。ザ・スクーター」

直線基調でキリッとなった二代目タクトことAB07後期モデル。カタログなどで『新タクト』と表記していた事からニュータクトという愛称で呼ばれたりしています。

ニュータクト

そんなニュータクトの変更点としては、エンジンの見直しとトルクセンサー付きVマチックに改良する事で、3.2馬力から4馬力にパワーアップしつつ燃費は100km/Lと走行性能を大きく向上した事。

また、当時増加傾向にあった原付事故を鑑みてウィンカーをビルトインタイプの大型なものに変更し上品にすると同時に、視認性の向上などの改良も行われました・・・が、ニュータクトのアイコンといえばやっぱりこれ。

AB07後期

『WING VISOR』

車体前方に備えられたプラスチックの板で、開くとなんとステップへの雨風の巻き込みを防ぐサイドバイザーになる機能。

AB07後期カタログ

そんな心ときめくギミックが付いているのが二代目タクト/AB07後期ことニュータクトの特徴になります。ちなみにウィングバイザーは耐久性の問題からかこの代限りだったりします。

話を戻すとモデルというかグレードも再編され
・タクトDX(セル付き/キック式)
・タクトフルマーク(サイドトランク付き)
・タクトフルマークカスタム(上記に加えグローブボックス付き)
の3ラインナップとなりました。

AB07後期モデル

そしてニュータクトで絶対に忘れてはいけないのが、二年目に登場したこれ。

AB07後期クレージュ

『タクト・クレージュ仕様(通称クレタク)』

もはや説明不要かと思いますが当時を知らない人のために解説すると、このモデルはミニスカートの生みの親であるアンドレクレージュというフランスの有名デザイナーが手がけた特別色モデル。

今でこそずいぶんと派手なカラーリングだと思いますが、当時はこのアンドレクレージュが手がけたものがものすごく流行っていた。

AB07後期クレージュ

四輪の方でもこんなホイールを出して大流行するレベル。

そんな流行の最先端を取り入れたスクーターだったためスケバン(死語)というか女性に人気爆発。

フルマーク仕様も含め一万台の限定生産だったものの、あまりの人気に

『ニュータク=クレタク』

という勘違いまで生む事態となりました。

主要諸元
全長/幅/高 1555/630/960mm
シート高
車軸距離
車体重量

47kg(乾)
[セル付き:49kg(乾)]
※フルマークは+1kg

燃料消費率 100.0km/L
※30km/h走行テスト値
燃料容量 3.2L
エンジン 空冷2サイクル単気筒
総排気量 49cc
最高出力 4.0ps/6000rpm
最高トルク 0.50kg-m/5000rpm
変速機 無段階変速機(Vマチック)
タイヤサイズ 前後2.75-10-2PR
バッテリー YB4L
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
BP6HS
推奨オイル ウルトラ2スーパー
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
0.9L
Vベルト 23100-GA7-701
車体価格 109,000円
[セル付き:123,000円]
{フルマーク:133,000円}
『フルマークカスタム:141,000円』
系譜図
AB071980年
タクトDX/フルマーク
(AB07)
AB07後期1982年
タクトDX/フルマーク/フルマークカスタム
(AB07後期)
af091984年
タクト/フルマーク/フルマークS
(AF09)
af161987年
タクトフルマーク
(AF16)
af241989年
タクト/ベーシック
(AF24)
af30-af311993年
タクト/スタンドアップ/S
(AF30/AF31)
AF511998年
タクト/スタンドアップ
(AF51)
af75-af792015年
タクト/ベーシック
(AF75/AF79)

タクトDX/フルマーク(AB07)-since 1980-

初代タクト

「ザ・スクーター」

1980年に発売されたタクトDX/AB07型。ホンダ初のファミリースクーターであり、今なお続くタクトの初代モデルになります。

ちなみに音楽で指揮者が持っている『指揮棒(タクト)』が名前の由来。自分の思うように操れるというコンセプトからそう名付けられました。

初代タクトコンセプトデザイン

この頃のホンダはまだまだスーパーカブがイケイケだったわけですが、かの有名なHY戦争(ホンダとヤマハのシェア争い)によりタクトは生まれる事になりました。

というのも、ホンダはもともと1976年にロードパルという漕ぐ必要がないエンジン付き自転車みたいな簡易原付、俗に言うソフトバイクを発売し、主婦層など潜在需要の掘り起こしに成功し大ヒットしていました。

この流れでスカートでも乗れるATバイクであるファミリースクーターがライバルメーカーから出ると更なる大ヒット。女性を中心に人気が出ていたことからホンダとしても出そうとなり、開発されたのがタクトの経緯になります。

初代タクト

タクトはそんなホンダ版ファミリースクーターの急先鋒モデルだった事もあり、小柄なボディとステップスルーというスクーターのツボを抑えていた事はもちろん、初代にして非常に豪華な造りとなっていました。

具体的にいうとパワートレインは完全新設計2st強制空冷エンジンとVマチックを兼ね備えたパワートレインで、当時何より求められていたセル付きグレードも用意。さらにオートチョーク/コック機能も付けて始動性を向上させるなど、非常に親切な設計。

初代タクトの解説

ただ何より好評だったのは、原付にも関わらずボトムリンク式フロントサスと油圧リアダンパーを備えた上にクッション性の優れる分厚いシートで非常に乗り心地が良かった事にあります。

このおかげでタクトは市場から非常に評価され、初代にして大ヒットのモデルとなりました。

ただ大ヒットの要因はもう一つあります。

それは翌1981年に追加販売されたセル付きタクトをベースにしたタクトフルマークというモデル。

初代タクトフルマーク

フルマークはボディ右側に鍵付きサイドトランクを備えたモデル。

当時のスクーターはシート下にはエンジンが鎮座しておりシートメットインなどという概念が無い時代。そんな中で荷物を収納できるだけでなくシャレオツな見た目という事で、それはそれは人気となりました・・・というか無印よりフルマークの方が人気だったのではないかと思うくらい。

さらに当時はHY戦争という仁義なき戦いの最中という事もあり、フルマーク発売後すぐに手を緩めることなく豪華な装備を施した特別仕様

『スーパーカスタム』『スポーツ』『フルバック』

と追加ならぬ追撃モデルを販売。

スポーツ・スーパーカスタム・フルバック

・フロントにボックスを備えたスポーツ
・収納特化のフルバック
・スクリーンやボックスを付けた豪華なスーパーカスタム

となかなか個性的な特別仕様となっています。面白いのがスーパーカスタムで、原付ながらディッシュホイールを履きつつフェンダーにフードクレストマークを付けるという豪華っぷり。

タクトのフードクレストマーク

「原付でそこまでやる必要があるのか」

とも思うんですが、それだけ当時はライバルより一歩でも秀でる事に必死だったというわけですね。初代にしてDXという名前が付けられている事からもそれが読み取れます。

ただ特別仕様でもう一つ話しておかないといけないのが、フルバックと呼ばれるモデル。

初代タクトフルバック

フルマークと一緒にされがちなんですが、フルバックはサイドトランクを右側だけでなく左側にも備えたモデル。インナーラックとステップカバーも付いているのも特徴で、フルマークと同様に人気となりました。

これらの確かな造りと親切心の塊のようなモデル展開により、初代タクトは結果としてわずか二年間で72万台もの販売台数を記録するメガヒット。

初代タクトのカタログ

ホンダがHY戦争において販売シェア一位を死守出来たのは間違いなくこのタクトのおかげ。

ちなみに上のカタログ写真でもチラチラ出ていますが、ホンダはこのタクトにイージーライダー(Born To Be Wild)の主人公役で有名なピーターフォンダ氏を起用していました。なんとも贅沢な話ですが・・・ターゲット層が違う気がしないでもない。

主要諸元
全長/幅/高 1520/360/960mm
シート高
車軸距離 mm
車体重量

49kg(乾)
[セル付:51kg]

燃料消費率 76.0km/L
※30km/h走行テスト値
燃料容量 3.2L
エンジン 空冷2サイクル単気筒
総排気量 49cc
最高出力 3.2ps/6000rpm
最高トルク 0.44kg-m/4500rpm
変速機 無段階変速機(Vマチック)
タイヤサイズ 前後2.75-10
バッテリー YB4L
[セル付:YB4L-B]
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
BP5HS
推奨オイル ウルトラ2スーパー
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
0.9L
Vベルト 23100-GA7-701
車体価格 108,000円
[セル付:118,000円]
系譜図
AB071980年
タクトDX/フルマーク
(AB07)
AB07後期1982年
タクトDX/フルマーク/フルマークカスタム
(AB07後期)
af091984年
タクト/フルマーク/フルマークS
(AF09)
af161987年
タクトフルマーク
(AF16)
af241989年
タクト/ベーシック
(AF24)
af30-af311993年
タクト/スタンドアップ/S
(AF30/AF31)
AF511998年
タクト/スタンドアップ
(AF51)
af75-af792015年
タクト/ベーシック
(AF75/AF79)

PCX/e:HEV/160(JK05/JK06/KF47)-since 2020-

PCX JK05

「Personal Comfort Saloonとしての更なる進化」

わずか三年ほどでフルモデルチェンジされ早くも五代目となったPCX/JK05とe:HEV/JK06とPCX160/KF47。

最初に変更点をあげると

・4バルブの新型エンジンesp+を搭載
・スロットルボディ径をΦ26から28へ拡大
・吸/排気系を新設計
・上記改良によりにより0.27馬力UP
・プーリーサイズの拡大およびクラッチ形状の見直し
・ヘッドパイプの剛性を高めつつ760g軽量化した新設計フレーム
・ハンドルをラバーマウント化
・リアのディスクブレーキ化とABSを標準化
・トラクションコントロールシステムの搭載
・ラゲッジボックスを2.4L拡大し30.4Lへ
・グローブボックスに3AのUSB Type-Cソケット
・前後タイヤサイズをアップ&リアを13インチにダウン
・リアアスクルのストローク量を10mm増加
・ABSを標準化しコンビブレーキは廃止
・全体的なデザインの刷新
・反転型デジタル液晶メーター

JK06

以下PCX e:HEV/JK06
・名称をHYBRIDからe:HEVに変更
・ラゲッジボックスを23.0Lから24.0Lへ拡大

KF47

以下PCX160/KF47
・排気量を7cc上げて156cc/15.8馬力に

などとなっています。

このモデル最大の特徴としてはまず何と言っても新型エンジンeps+かと。

esp+エンジン

ボア径を大きくして面積を広げて4バルブ化した形で、ピストン裏にオイルを噴射して冷却効率を上げる事で圧縮比も向上。

125:ボアΦ52.4,mm→53.5mm、ストローク57.9→55.5mm、圧縮比11.0→11.5

160:ボアΦ57.3,mm→60.0mm、ストローク57.9→55.5mm、圧縮比10.6→12.0

この改良の狙いは単純に出力を稼ぐためではなく、燃費と出力それに静粛性など全てを向上させるのが狙い。

esp+ピストン

そのためにクランク新造とクランクベアリングをボールベアリングからローラーベアリングに変更する事で高剛性化。さらにカムチェーンテンショナーも追従性に優れる油圧式に変更するなどして騒音や振動を低減させる改良が加えられています。

その意匠は車体の方にも現れていて、分かりやすいのがステム周り。

ステム周り

不快な振動を抑えるためにハンドルホルダーがラバーマウントに変更されました。しかしラバーマウントにはハンドリングのダイレクト感が少し損なわれてしまうデメリットもある。そこでPCXはその分メインフレームのヘッドパイプの剛性を上げる改良を加えて捻じれを抑える事でダイレクト感を損なわないようにしている。

ホイールもインチダウンさせてリアのストローク量を稼ぐことで底付きを防ぎつつ、減ったエアボリュームによる乗り心地の悪化はワイドタイヤにすることでクリアしている。

JK05

この様にとにかくネガな部分を潰して全性能、コンフォートサルーン性能を向上させる改良がアチコチに見て取れるのが五代目PCXというわけです。

しかしながら

「いくら何でもモデルチェンジ早すぎるのでは」

とも感じてる人も多いかと。先代から3年弱しか経ってないんですから。

コンセプトデザイン

これについてはどうもアジア(特にインドネシア等)の方で、永遠のライバルが出したブルーコアエンジンのモデルの攻勢が凄くて、熾烈な争いが起こっているんだとか。当たり前のように半年納車待ちとかなってる日本からすると信じられない話ですね。

以下ちょっと余計な余談ですが、車やバイクのキャッチコピーで

「クラスを超越」

なんて表現が使われているのをよく目にしますが、このPCXは本当にその言葉がピッタリなモデルだなと思います。

というのもPCXは当然ながらコミューターと呼ばれるクラスなんですが、これをコミューターとして使うにはそれなりの覚悟が必要になるから。

KF47アクセサリー

PCXはいま説明してきた通り、フルスペックという言葉ですら足りないほどの性能に加え、見て分かる通り非常に高く洗練されているデザインと質感を兼ね備えているから、狭いところを走って擦ってしまう事はもちろん、雑に乗ろうとして外装を蹴ってしまった時の精神的ダメージは他のコミューターの追随を許さないほどのモノがある。

ついでに言うなら盗難の心配もする必要がある。

JK05

だからコミューターつまり下駄として使うにはそれなりの勇気と覚悟が必要というのはそういう事からなのですが、どうしてそんなネガな事を言うのかといえば、それこそがクラスを超越している証だから。

そんな気遣いをしてしまうというのは、言い換えればそれだけ所有欲を満たしてくれるとも言える。メットイン機能付きの小型コミューターでそうなってしまうモデルなんてそうそう無い。

JK05メーター周り

ただ、クラスを超越していると思う根拠はそんな見た目だけではなく運転している時の感覚もそう。

PCXは決して大きくはないのだけど小さくもない車体とフロント14インチと整ったエアロダイナミクスによって、操安性がクラスにあるまじき高さを持っており、さらに150や160は当然のことながら125でも超低燃費エンジンとは思えないほどパワフルに走る。

JK05サイド

加えてステップスルーではなく跨って乗るタイプだから、運転すると少し大きい原二スクーターというよりも

『小さいビッグスクーター』

という表現が適切のような感覚を覚える。

だから普通ならちょっとキツいと感じたり、止めておこうと考える距離でも楽に走れてしまうモノを持っており、休日もこれで済ませてしまう恐れすらある。

JK05カタログ写真

パーソナルコンフォートサルーンというコンセプトは伊達じゃない。

PCXがクラスを超越していると思える理由でした・・・例えるなら上のクラスを食っちゃうバイク版N-BOXですかね。

【関連車種】

LEADの系譜CYGNUSの系譜TRICITYの系譜Addressの系譜

主要諸元
全長/幅/高 1935/740/1105mm
シート高 764mm
車軸距離 1315mm
車体重量 132kg(装)
{136kg(装)}
[132kg(装)]
燃料消費率 47.4km/L
[51.2km/L]
[45.2km/L]
※WMTCモード値
燃料容量 8.1L
エンジン 水冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 124cc
[156cc]
最高出力 12.5ps/8750rpm
+{1.9ps/3000rpm}
[15.8ps/8500rpm]
最高トルク 1.2kg-m/6500rpm
+{0.44kg-m/3000rpm}
[1.5kg-m/8500rpm]
変速機 Vマチック
タイヤサイズ 前110/70-14(50P)
後130/70-13(63P)
バッテリー GTZ8V
{GTZ6V}
[WTZ8VIS]
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
LMAR8L-9
推奨オイル
(トランスミッション含む)
Honda純正ウルトラE1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量0.9L
交換時0.8L
トランスミッションオイル容量 全容量0.14L
交換時0.12L
Vベルト 23100-K1Y-J11
[23100-K1Z-J11]
車体価格 357,000円(税別)
{448,800円(税別)}
[407,000円(税別)]
※{}内はe:HEV(JK06)
※[]内はPCX160(KF47)
系譜図
2010年
PCX
(JF28)
1502012年
PCX/150
(JF28後期/KF12)
20142014年
PCX/150
(JF56/KF18)
20182018年
PCX/HYBRID/150
(JF81/JF84/KF30)
20202020年
PCX/e:HEV/160
(JK05/JK06/KF47)

PCX/HYBRID/150(JF81/JF84/KF30)-since 2018-

PCX JF81

「Personal Comfort Saloon」

三代目となったPCXもコンセプトは変わらず・・・ながらコレまた大きく変わった部分があります。

PCXコンセプトスケッチ

デザインじゃないですよ・・・確かに更に四眼みたいなヘッドライトのインパクトは凄いですが。

何が大きく変わったのかというとフレームです。

PCXのフレーム

従来モデルはコレで一般的なスクーターと同じアンダーボーンフレームだったんですが、このモデルからフォルツァに近いダブルクレードルフレームに。

2018年型PCXのフレーム

アンダーボーンタイプの一般的な原二に乗ってる人は分かると思うのですが、アンダーボーン(ましてエンジンがラバーマウントのスクーター)というのはどうしても剛性が低くなりがちで、スピードを上げたりフロントブレーキを強く掛けたりするとフレームが負ける事が多々ある。

今回それがダブルクレードルフレームによる剛性アップで大きく改善されたというわけ。

リアサス

これに合わせてリアサスもマウント位置やバネレートを始めとした見直しが入り、ストローク量15mmアップで突き上げを軽減しています。

ついでにタイヤも100/80R14と120/70R14と一回りワイドなりました。細いのが嫌だと言っていた人もコレでイチコロですね。

パワーカーブ

エンジンの方もスロットルボディの大径化を始めとした給排気系、ラジエーター周りの新設計で冷却系などの変更し、上が伸びる様になっています。

キーレス

まあ一番ありがたいの変更はキーレスですけどね。

ただ恐らく皆が一番注目しているのはHYBRIDモデルの方じゃないかと。

PCXハイブリット

これね・・・実は最初のPCX/JF28が出た時にも言われていたんですよ。

初代モデルで説明しましたが、PCXはセルモーターがなくジェネレーターがモーターを兼ねるACGになっています。

要するに回って発電はもちろん、電力でクランクを回す事も出来るわけです・・・という事は

ハイブリットシステム

「余分な電力を蓄えるバッテリーを設ければHYBRIDになるのでは」

って話になりますよね。

このツッコミに対し、当時は

「費用対効果が・・・」

という旨の返答をされていました。

それから10年弱・・・ハイブリット普及でコストが下がった為かPCXから始まった高級125普及の為か分かりませんが、遂に登場となったわけです。

マイルド

ちなみに電気の力だけで走るのではなく発進時や加速時に最大3秒間トルクをアシストする形。

いわゆるマイルドハイブリッドってやつです。

まあただ率直に言うと費用対効果があるかというと微妙なラインで、受注生産扱いなのを見てもホンダも数が出るとは思っていないようです。

そもそもPCXってアシストが必要になるほど遅くないどころか125ではかなり速い方ですからね。

2018年式PCX

じゃあどういう人にHYBRIDがオススメかと言えばシグナルGPで絶対に負けたくない人。

同じPCXのガソリンモデルを含む有象無象な125はもちろん、250ビッグスクーターにすら勝てる加速を持っているわけですから。

最後にちょっと小ネタ。

恐らく歴代PCXユーザーの多くが抱えているであろう疑問・・・それはホーンとウィンカーの位置。

2018年式PCX

PCXは通常ならばウィンカーがある位置にホーンがデカデカとあってウィンカーはその下にあります。

「明らかに逆だろう」

と思うんですが、実はそう思ってるのは日本だけ。海外(特にアジア)ではホーンを活用するのでとっても好評。

文化や国民性の違いというやつですね。ちなみにリードやディオも同じです。

主要諸元
全長/幅/高 1925/745/1105mm
シート高 764mm
車軸距離 1315mm
車体重量 130kg(装)
{135kg(装)}
[131kg(装)]
燃料消費率 50.7km/L
[51.9km/L]
[46.0km/L]
※WMTCモード値
燃料容量 8.0L
エンジン 水冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 124cc
[149cc]
最高出力 12ps/8500rpm
+{1.9ps/3000rpm}
[15ps/8500rpm]
最高トルク 1.2kg-m/5000rpm
+{0.44kg-m/3000rpm}
[1.4kg-m/6500rpm]
変速機 Vマチック
タイヤサイズ 前100/80-14(48P)
後120/70-14(55P)
バッテリー GTZ8V
{GTZ6V}
[GTZ8V]
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
MR8K-9
推奨オイル
(トランスミッション含む)
Honda純正ウルトラE1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量0.9L
交換時0.8L
トランスミッションオイル容量 全容量0.14L
交換時0.12L
Vベルト 23100-K96-V01
[23100-K97-T01]
車体価格 317,000円(税別)
{346,000円(税別)}
[366,000円(税別)]
※{}内はHYBRID(JF84)
※[]内はPCX150(KF30)
系譜図
2010年
PCX
(JF28)
1502012年
PCX/150
(JF28後期/KF12)
20142014年
PCX/150
(JF56/KF18)
20182018年
PCX/HYBRID/150
(JF81/JF84/KF30)
20202020年
PCX/e:HEV/160
(JK05/JK06/KF47)

PCX/PCX150(JF56/KF18)-since 2014-

2014PCX150

「Personal Comfort Saloon」

キープコンセプトとなった二代目のPCX/JF56型とPCX150/KF18型。

このモデルチェンジはホンダのグローバル車用工場の新造が関係しています。

ホンダはもともと日本向けや北米向けPCXはタイで作っていました。しかし新たに出来たベトナム工場へ移管する事になったんです。

ベトナム工場

スクーター等のコミューターモデルはベトナム工場(Boon Siew Honda)で、グロムやCBR250R等のスポーツバイクはタイ工場(Thai Honda Manufacturing)で生産・・・という分担を行ったわけです。

これは簡単に言うとタイの技術/設備レベルが上がってきたからタイにはもう少し難しいスポーツバイクを造らせようって話。

と言ってもタイでも引き続きPCXは生産されていますし、さらに言うとマレーシアやイタリアなんかでも造られています。

ホンダマレーシア工場

知らない人はビックリするかもしれませんが、PCXは普通に欧州(特にイタリア)でもヒットしてるんですよ。

ただ実は欧州ではPCXを押しのける程の人気なホンダの125スクーターがあります。しかもそれは日本でも販売された事があるモデル。

ホンダSHモード

Sh mode(Shシリーズ)です。

これがピアジオとヤマハの牙城を崩すほどの大ヒット。恐らく16インチが石畳や荒れた路面での使い勝手の良さがハートを掴んだものと思われます。

日本では考えられないですね。

話が反れましたスイマセン。

話をPCXに戻して・・・何が変わったのかという事ですよね。

2014PCXカタログ

外見が新しくなったと共に灯火系をフルLED化という125には贅沢すぎる装備。

売れれば売れただけお金が掛けられるという典型ですね。まあPCXの場合はACGスターターなので電力にシビアなのもあるんでしょうけど。

あと地味ですがエンジンもグローバル仕様になりました。

プーリーケース

先代までは日本向けは日本独自仕様。

これは非常に厳しい騒音規制が問題で、そのために専用のプーリーやトルクカムで回避していました。それが無くなったわけです。

あと挙げるとするならタンク容量が一気に2.1L上がって8Lになり、航続距離が400kmを突破。

PCX

3万円ほど値段が上がったにも関わらず相変わらず人気であっという間に125界No.1になったPCX。

まあ速いし燃費良いし質感高いから当然ですかね。

LEDライト

でもやっぱり一番はLEDライトですよね。本当に嫌らしいくらい明るい。

PCXの登場で

「原付二種はライトが暗くて当たり前」

なんて言われなくなりましたね。

主要諸元
全長/幅/高 1930/740/1100mm
シート高 760mm
車軸距離 1315mm
車体重量 130kg(装)
[131kg(装)]
燃料消費率 50.6km/L
[45.6km/L]
※WMTCモード値
燃料容量 8.0L
エンジン 水冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 124cc
[152cc]
最高出力 12ps/8500rpm
[14ps/8500rpm]
最高トルク 1.2kg-m/5000rpm
[1.4kg-m/5000rpm]
変速機 Vマチック
タイヤサイズ 前90/90-14(46P)
後100/90-14(51P)
バッテリー GTZ8V
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CPR7EA-9
または
U22EPR9
[CPR7EA-9]
推奨オイル
(トランスミッション含む)
Honda純正ウルトラE1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量0.9L
交換時0.8L
トランスミッションオイル容量 全容量0.14L
交換時0.12L
Vベルト 23100-K35-V01
[23100-K36-J01]
車体価格 305,000円(税別)
[334,000円(税別)]
※[]内はPCX150(KF18)
系譜図
2010年
PCX
(JF28)
1502012年
PCX/150
(JF28後期/KF12)
20142014年
PCX/150
(JF56/KF18)
20182018年
PCX/HYBRID/150
(JF81/JF84/KF30)
20202020年
PCX/e:HEV/160
(JK05/JK06/KF47)

PCX/150(JF28後期/KF12)-since 2012-

PCX150

「ゆとりと上質を愉しむ日常へ。」

二代目というより年次改良されたJF28の後期モデルと、合わせて追加販売された152ccのPCX150。

一番の変更点はホンダの次世代小型スクーター用低燃費エンジンであるeSP

enhanced:強化された

Smart:洗練された、精密で高感度な

Power:動力、エンジン

になった事。

eSPエンジン

具体的にどう変わったのかというと

・ローラーロッカーアーム

・オフセットシリンダー

この二点があげられます。

ローラーロッカーアームについては『CBR250Rの系譜』で話したのでそちらを読んでもらうとして、主流になりつつあるオフセットシリンダーについて。

オフセットシリンダーというのは文字通りシリンダーがオフセットされているエンジンの事。

オフセットシリンダー

これ何のためにしてるのかっていうと、もちろんローラーロッカーアーム同様フリクションロスのため。

簡単に話すと、燃焼/膨張によって真下に下がろうとするピストンに対してコンロッドは回ろうとするので角度差が生まれる。

するとコンロッドから角度のついた反力が生まれ、ピストンをシリンダー側面に押し付けるような力が働くわけです。もちろんフリクションロスです。

オフセットシリンダー2

そこでシリンダーをオフセットすることでコンロッドとの角度差を無くし、横方向へ力が働かないようにしてフリクションロスを減らすというわけ。

このオフセットシリンダー最近では車の方でも採用が増えている様ですね。

espメカニズム

もちろんその他もろもろフリクションロス低減の改良があちこちに。

まあ53.2km/Lと先代から0.2km/Lしか伸びていないんですけどね。

正直エンジン型式も変わってないので先代もeSPで仕切り直しなのでは・・・というのも、どうもホンダは最初PCXが国内でここまでヒットするとは思ってなかったような感じ。

初代の頃の年間販売計画台数は8,000台と一般的な125よりちょっと少ないくらいでした。対して細部の改良で見た目がほぼ変わっていないこの後期モデルからは19,000台と倍以上に。

PCX150

更には欧州向けがメインだったはずの150も追加。

日本は125ccまでが原付二種で維持費も安いので125がメインなわけでネットじゃ

「150ccなんて誰が買うんだ・・・」

なんて言われていたんですが、税制なんてどこ吹く風で毎年5000台強を売り上げるほどの人気に。

PCXカタログ

昨今の原付二種ブーム、そしてオーバー125クラスの需要を生んだのは間違いなくこのPCXでしょうね。

主要諸元
全長/幅/高 1915/740/1090mm
シート高 760mm
車軸距離 1315mm
車体重量 128kg(装)
[129kg(装)]
燃料消費率 53.2km/L
[49.0km/L]
※定地走行テスト値
燃料容量 5.9L
エンジン 水冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 124cc
[152cc]
最高出力 12ps/8500rpm
[13ps/8500rpm]
最高トルク 1.2kg-m/6500rpm
[1.4kg-m/5500rpm]
変速機 Vマチック
タイヤサイズ 前90/90-14(46P)
後100/90-14(51P)
バッテリー YTZ7S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CPR7EA-9
または
U22EPR9
[CPR7EA-9]
推奨オイル
(トランスミッション含む)
Honda純正ウルトラE1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量0.9L
交換時0.8L
トランスミッションオイル容量 全容量0.14L
交換時0.12L
Vベルト 23100-KWN-901
[23100-KZY-701]
車体価格 285,000円(税別)
[314,000円(税別)]
※[]内はPCX150(KF12)
系譜図
2010年
PCX
(JF28)
1502012年
PCX/150
(JF28後期/KF12)
20142014年
PCX/150
(JF56/KF18)
20182018年
PCX/HYBRID/150
(JF81/JF84/KF30)
20202020年
PCX/e:HEV/160
(JK05/JK06/KF47)

PCX(JF28)-since 2010-

PCX125

「Personal Comfort Saloon」

もう見ない日は無いと言ってもいい程の大ヒットだったホンダのグローバル戦略車の新世代スクーターのPCX。

「クラスを超えた先進デザイン」

「ゆとりの動力性能と高い環境性能」

「快適で便利な使い勝手」

がテーマ。

PCXのネーミングの由来は「PersonalComfortScooter」から。

PCXデザインスケッチ

頭文字だけ取ってPCX・・・って何でPCSじゃなくてPCXなんだって話なんですが、通例でいくとホンダにとって”X”というのは究極という意味なので

『究極のパーソナルコンフォートコミューター』

という事でしょう。

カタログ燃費53.0km/Lに加え、原付二種とは思えない上質さが話題となりましたが、そんな中でも面白いのがクラス初となるアイドリングストップ機能搭載だったこと。

このアイドリングストップの為にPCXはちょっと変わったエンジン始動をします。

一般的な始動方法は皆さんご存知セルフスターター通称セル方式。

セルフスターター

セルボタンを押すセルモーターがエンジン(クランク)を回転させ始動するわけです。ちなみにこれを人力で回して始動させるのがキックスタート。

それに対しアイドリングストップ機能があるPCXはセルモーターが付いていません。ACG式スターター(ACGスターター)を使って始動します。

ACG式

左側がそのセルモーター式の始動方式で、右側がPCXに積まれているACG式の始動方式・・・って図を見ても分からない。

バイクはガソリンが必要不可欠ですが、同時に点火やライトなどが色々あるので電力も必要不可欠ですよね。

だからバイクにはジェネレーターというコイルを巻いたものが積まれていて、これがエンジンと一緒に回ることで発電しているわけです。

ACGスターター

PCXが変わっているのはそんなジェネレーターにスターターを組み込んだ形だから。

一般的にセルダイナモまたはモータジェネレーターと呼ばれているもので、トドのつまり電力をジェネレーターに送ってクランクを回すことで始動しているわけです。

ただしセルモーターに比べて力が弱いので始動を手助けするスイングバック機能が付いています。スイングバックというのはピストンの位置を少し巻き戻す機能。

スイングバック

何故わざわざ巻き戻す必要があるのかというと、エンジンというのは切ってもすぐに止まらず少し回る。じゃあいつ止まるかというと山なりに負荷が大きくなる圧縮行程の途中で止まる。

つまりそこからエンジンを掛けようとするといきなり最大負荷で大変。だから負荷が少ない状態まで巻き戻してから勢いよく回す事で始動性を良くしようというのがスイングバック。

PCXの場合は更にバルブを遅閉じする事で圧縮による負荷を軽減するデコンプ機能も付いています。

JF28リア

これらの機能のおかげでPCXは恐ろしく静かに軽やかに始動します。

デカいバッテリー積んでセルモーターを酷使するなんちゃってアイドリングストップとはワケが違うという事です。

ただ実はこのACGの始まりはPCXよりずっと前、2001年のクレアスクーピーにあります。

クレアスクーピー

ちなみにラジエーター一体型のコンパクトな水冷ビルドインエンジンも初出はここ。

PCXとクレアスクーピーの意外な接点でした。

ビルトイン水冷エンジン

話を戻すとフロント14インチという大径サイズを履いているのを見れば変わる通り、グローバル戦略車といえど東南アジアがメイン市場。

でも125スクーターにしては結構いいお値段がしますよね。※当時299,250円(税込)

2011年式PCX

「こんないい値段がする125がアジアで売れるのか」

って思いますが、なんでも東南アジアも経済成長によって所得が上がってきた。するとコスパ最優先の125に不満を覚える人が増えてきた。

2011年式PCX

その声に応える125を造ろうとなったのがパーソナルコンフォートサルーンPCXの始まり。

そしてそう考えていたのは日本も同じだったから大ヒットに繋がったという話。

主要諸元
全長/幅/高 1915/740/1090mm
シート高 760mm
車軸距離 1305mm
車体重量 126kg(装)
燃料消費率 53.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 6.1L
[5.9L]
エンジン 水冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 124cc
最高出力 12ps/8500rpm
最高トルク 1.2kg-m/6000rpm
変速機 Vマチック
タイヤサイズ 前90/90-14(46P)
後100/90-14(51P)
バッテリー YTZ7S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CPR7EA-9
推奨オイル Honda純正ウルトラE1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量0.9L
交換時0.8L
ギアオイル 全容量0.18L
交換時0.16L
Vベルト 23100-KWN-901
車体価格 285,000円(税別)
系譜図
2010年
PCX
(JF28)
1502012年
PCX/150
(JF28後期/KF12)
20142014年
PCX/150
(JF56/KF18)
20182018年
PCX/HYBRID/150
(JF81/JF84/KF30)
20202020年
PCX/e:HEV/160
(JK05/JK06/KF47)

X-ADV(RH10) -since 2021-

RH10

「ADVENTURE URBAN TRANSPORTER」

X-ADVとしては二代目となる2021年3月発売のRH10型。

・1kg軽量化された新設計フレーム
・電子制御スロットルの採用
・新型FIを採用
・給排気やバランサーの見直しで4馬力向上と1.4kg軽量化されたエンジン
・メットインスペースが+1Lで23Lに
・ウインカーオートキャンセラー
・エマージェンシーストップシグナル
・新型スクリーン

など2021年モデルのNC750X/RH09と共通の変更が多くなっているのですが、X-ADV/RH10はそれに加えて

・DRLの採用
・HSVCSを搭載
・シート前方を絞って足つき性向上(日本仕様はダウンサスも継続採用)
・4速から6速までをロングレシオ化
・DCTのシフトスケジュール設定を2段階から5段階に
・グラベルが加わった5つのライディングモード
(スポーツ/”グラベル”/スタンダード/レイン/ユーザー)
・メットインスペース内にUSB Type-C(15W/5V,3.0A)
・スマートキーのメインスイッチをノブ式からプッシュ式へ変更
・パーキングブレーキをハンドル右側へ移設
・空いたスペースにフェアリングポケットを新設
・4つの表示パターンを選べる多機能5インチカラーTFTメーター
・純正パニアケースをOPで用意(トップはスマートキー連動型)

など更に様々な改良と追加が入っています。

X-ADVデイタイムランニングライト

DRLというのはデイタイム・ランニング・ランプといって簡単に言うと

「シグネーチャーランプを昼間点灯の代わりにしてもOK」

という2020年末から解禁された制度で、ホンダとしてはこのX-ADVが第一号。

光るロゴ

ちなみにDRL点灯中は目尻にあるロゴも光る遊び心つき。

あともう一つ説明が必要だと思われる新機能が

『HSVCS(Honda Smartphone Voice Control system)』

というやつで、簡単に言うとスマホとヘッドセットのBluetooth接続を補佐するシステム。

HSVCS

スマートフォンとヘッドセットを直接ペアリングするのではなく、間に本体に内蔵されたBluetoothユニットを挟む形で

・ナビ(GoogleMapで矢印をメーター表示)
・電話
・メッセージ送受信(SMS)
・音楽

をスマホを操作せずバイクに乗りながら行えるようになる。※2021/11/28時点ではBluetooth4.2以上のAndroidのみ

これだけだとバイクが介入する必要性があまり無いように感じられるもののそうでなく、これの肝となる部分は左ハンドルに備え付けられたセレクトスイッチ。

HSVCSスイッチ

例えば電話やSMSなどが来るとヘッドセットから

「電話に出るor電話に出ない」

「SMSを読み上げるor読み上げない→音声入力で返信するor返信しない」

という風に二択方式の案内が入り、ハンドルについている物理スイッチの左右でそれぞれYES/NOを選択出来るようになる。説明するまでもないですが、こうすることでグローブをつけたままで確実な操作が出来るようになる。

更にはアプリがフリーズなど応答を停止した場合も自動で再起動を掛けてくれる機能付きだから、スマートフォンはメットインスペースに新たに設けられたUSB Type-Cソケット(15W/5V,3.0A)に繋いで放り込んでおけばOK。

HSVCSスイッチ

より洗礼されたスマートキーも合わさって

「煩わしさを徹底して排除した形」

になったのが今回の一番の変更点じゃないかと。フレームもステア周りの剛性が上げられて走りにも磨きが掛かっているんですけどね。

ところでX-ADVがこれほど贅沢というか高待遇な改良が加えられたのは、弟分などが登場している事からもお分かりの通り大成功を収めたからというのがあります。

X-ADVのフロントとリア

X-ADVは約120万円とNC兄弟の中でも最高値なのですが、それにも関わらず初代モデルはMCN(イギリスのバイク誌)によると、2019年までに世界で約32,000台(ヨーロッパだけで7,500台)のセールスを記録。近年のホンダ車を代表するスマッシュヒットモデルとなりました。

ちなみに免許制度の関係で需要が小さいであろう日本でも年間500台前後の販売となっています。

このヒットの要因が何処にあるのかといえばズバリ

「ビッグスクーターの概念を覆したモデルだったから」

という点に尽きるかと思います。

X-ADVサイドビュー

先代でも少し話しましたがビッグスクーターは

・パワーユニットが埃を被る下側にある
・車重やバネ下が重くなりがち
・メットイン機能でシート高が上がるので大径ホイールが難しい
・同理由でロングストロークのサスペンションなども難しい

といった問題があることから

「オフロードとスクータースタイルを両立させるのは難しい」

というのが現実問題としてあった。だからオンロードとしてコンフォートやスポーツに振るしか無かった。X-ADVはそんな定石を覆した形。

クロスオーバースタイル

とはいえ実際のところNC派生の新型スクーター(X-ADV)を造るプロジェクトが始まった際も、最初からこのSUVスタイルだったわけではなく、インテグラのような従来スタイルの案もあった。

では何故SUVスタイルに方針決定されたのかというと、レジャーでも使えるビッグスクーターがほしいという要望がフランスやイタリアからあったというのも要因なのですが、決定打となったのはプロジェクトリーダーの見崎さんいわく

「こういうバイクがあったら楽しいよね」

というEZ-9に通ずる実にホンダらしい至極単純な理由から。

SUVデザイン

そしてそれに呼応するようにそういうのが大好きなイタリアホンダ(アフツイと同じMaurizio Carbonaraさん)がノリノリでSUVコンセプトデザインを作成。これがX-ADVの始まりになります。

参照:How the Honda X-Adv went from concept to reality|MCN

実際に形にすることが出来たのはX-ADVのパワーユニットがスクーターではなく一般的なオートバイだからというのが大きいというのは先代でも話した通り。

ディメンション

でもX-ADVが絶妙だったのはここから。

というのも見てわかるようにメットイン機構を設け、そのためにリアホイールを15インチにインチダウンするなど、決してスクーターが持つ利便性という武器を捨ててまでオフロード偏重にしているわけではないから。

ラゲッジスペース

「じゃあオフロードっぽいのはただの飾りか」

っていうと決してそうではなく、開発にはホンダのフラッグシップアドベンチャーでありガチンコアドベンチャーでもあるアフリカツインのメンバーも招集されノウハウが注入されました。

しかしそこで目指したものはアフリカツインに迫れるような性能を持つ優れたアドベンチャーというわけではなく

「オフロードを走ってもワクワク出来るエモーショナルを持たせる」

ということでした。

大ヒットとなった要因は間違いなくここで、X-ADVはコンセプトとパフォーマンスそのどちらも大事にしたのは心を躍らせる『ワクワク感』だったわけです。

2021X-ADV

今までにないタフなルックスを見て心が躍る・・・だけじゃない。

乗ってみるとメットインがあってゆったり座れるポジションだから街乗りも楽だけど、あくまでスクーターに擬態した形だから足回りのバタつきや鈍重さが無いからスポーティな走りを楽しめる。

豊富な低速トルク&超低燃費なエンジンとクラッチ不要のATだからストップアンドゴーの多い街乗りに最適だけど、ベルトによる無段階変速ではなくDCTだからエンジン回転数の変化を楽しみながらの走ることも出来る。

そして何よりエンストの心配無用でアクセルワークに集中できるから、躊躇なく道を外れて悪路を楽しく走ることだって可能。

X-ADVフランス仕様

X-ADVはコミューターの要件を満たすプレジャー要素の塊みたいなモデルになっているから、それが結果として

「平日はコミューターとして、休日はアドベンチャーとして使えるバイク」

という評価を獲得し、多くの人をワクワクさせているという話。

コミューターとして使うも、アドベンチャーとして使うもオーナー次第。スポーツ多目的車(Sport Utility Vehicle)というコンセプトに偽りなしですね。

余談・・・

ご存知の方も多いとは思いますが、ホンダは昔からAT(クラッチレス)の可能性を広げるために色んなタイプのAT車を出しては受け入れられず消えていった歴史がある。

そんな歴史を持つだけにX-ADVのヒットは本当に感慨深いものがあるし、同時にそんな歴史があるからこそX-ADVを造れたんだろうなと。

主要諸元
全長/幅/高 2200/940/1340mm
シート高 790mm
車軸距離 1580mm
車体重量 236kg(装)
燃料消費率 27.7km/L
※WMTCモード値
燃料容量 13L
エンジン 水冷4ストロークOHC4バルブ直列2気筒
総排気量 745cc
最高出力 58ps/6750rpm
最高トルク 7.0kg-m/4750rpm
変速機 電子式6段変速(DCT)
タイヤサイズ 前120/70R17(58H)
後160/60R15(67H)
バッテリー YTZ12S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
FR6G-11K
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量 全容量4.0L
交換時3.1L
フィルター交換時3.4L (クラッチ含む)
スプロケ 前17|後38
チェーン サイズ520|リンク118
車体価格 1,200,000円(税別)
系譜図
NC700S2012年
NC700S/X/INTEGRA
(RC61/63/62)
NC750S2014年
NC750S/X/INTEGRA
(RC70/72/71)
2016NC750S2016年
NC750S/X
(RC88/90/89)
XADV2017年
X-ADV
(RC95)
2021NC750X2021年
NC750X
(RH09)
RH102021年
X-ADV
(RH10)

X-ADV(RC95) -since 2017-

RC95

「GO EVERYWHERE with EXCITMENT」

スクーター版アドベンチャーと言えばいいのか、スクーターの皮を被ったアドベンチャーと言えばいいのか・・・公式的にはSUV感があふれるビッグスクーターなX-ADV。

X-ADVコンセプトスケッチ

日本ではあまり見ないもののイタリアなどでは一定の成功を収めているインテグラにオフロード要素を取り入れたモデルです。

未舗装路の走行を想定したスクーターといえば・・・

イージー9カタログ

EZ-9を思い出しますね。これは公道走行不可でしたが。

ちなみに雪道用のEZスノーというモデルもありました。

イージースノー

更にいうならばこのEZ-9はアメリカではCUBいう名前で販売されていた歴史があります。

X-ADVサスペンション

それよりX-ADVの話ですよね。

何故ベースのINTEGRAから20万円アップの120万円もするのかという話ですが、一番大きいところは何と言っても足回り。

新設計の倒立フォーク、ラジアルマウントキャリパー、ダブルディスクブレーキ、17インチスポークホイール。

X-ADVサスペンション

そしてリアも専用設計でホイールベースを伸ばすアルミスイングアームと15インチスポークホイール。

フラットダート等コンディションが良くない路面でもしっかり追従し軽快に走れるように足回りが本当に豪華に。インテグラにアフリカツインの足回りを突っ込んだみたいな形。

ちなみに本当はサスのストローク量をアップしているのでINTEGRAから更に足つきが悪くなっているんですが、日本仕様はサスペンション長を変更して30mmダウン。INTEGRAと同じ最低地上高になっています。

X-ADV灯火系

他にも灯火系はフルLED、キーレス、多機能デジタルメーター、五段階可変式スクリーン、ETC、グリップヒーター、ハンドガード、ローレシオ化されたDCTなどなど。

DCTの基本的な仕組みについては「>>VFR1200X(SC70)の系譜」をどうぞ

2018年モデルからはNCシリーズと同じようにレッドが500rpm上がりトラクションコントロールも装備。

ただX-ADVは更にアフリカツインと同じ様に

「G(グラベル)モード」

も装備しました。

これはDCT(クラッチ)制御で、半クラの時間を短くしてアクセルに対するツキの良さを増す制御スイッチ。

X-ADVファイナルスケッチ

さて・・・ベースとなっているINTEGRAでよく言われていたのが

「INTEGRAはビッグスクーターか否か」

という事。

「どう見てもビッグスクーター」

という意見が圧倒的だとは思いますが、少なくともX-ADVが誕生できたのはINTEGRAがビッグスクーターではなかったからという面が大きいんです。

RC95

起伏の少ない林道やフラットダートなどのあまり荒れていない未舗装路というのは走破性よりも安定性が大事なので、低重心でロングスイングアームでエンストの心配がないビッグスクーターというのは(小径ホイールを除けば)意外と悪くなかったりする。

もちろんスタックの恐れがあるゲロデロな道や、腹を打つようなガレ場はまず無理ですが、スクーターで突撃している猛者も昔からチラホラ居ます。

X-ADVダート

「そもそもそんな軽度な未舗装路なら何でも大丈夫」

と突っ込まれそうですがでは何故いままでX-ADVの様にファッションだけでなく本当に大径ホイールとロングストロークサスを履いて走破性を上げたビッグスクーターアドベンチャーが存在しなかったのかというと

「そういう道をビッグスクーターでガンガン走るのは構造的にマズいから」

というのがあります。

その典型なのがエアクリーナーボックスの位置。

ビッグスクーターのエアクリーナーボックス

スクーターに広く採用されているユニットスイング式のエアクリーナーボックス(吸気口)というのはリアタイヤの脇にあります。

この様に低い位置に吸気口があると前輪が巻き上げた砂や埃を大量に吸ってしまう。まして未舗装路ならなおのこと。

砂煙

エアクリーナーボックスを開けたことがある人ならわかると思いますがオンロードのみでも結構ゴミを吸っていたりします。

砂や埃を大量に吸ってしまうとフィルターを詰まらせるだけでなく、フィルターを通り抜けてエンジンまで届くと当然ながらマズい。ボックスの浸水も当然アウト。

だから上で紹介したEZ-9もエアクリーナーはわざわざシート裏に設置されています。

ところがX-ADV(INTEGRA)は中身がNC系。

言ってみればビッグスクーターに擬態したロードバイク、つまりエアクリーナーボックスも一般的なオートバイと同じ位置にある。

インテグラのエアクリーナーボックス

コレがミソ。※上の写真はベースのインテグラ

上の方にあるから防塵性が高いんです。

もちろんインジェクション等も高い位置に事や、異物で千切れたり滑ってたりしてしまうベルトではなくDCTなのも大きな要因。

要するにビッグスクーターアドベンチャーなんていうニッチなバイクに仕上げる事が出来たのは、ベースにあたるインテグラがビッグスクーターではなく

「ビッグスクーターに擬態したロードバイクだったから」

というわけ。

X-ADVトラベルエディション

だからビッグスクーターの低重心な姿を保ったままアドベンチャー要素を取り入れる事が出来た。

有りそうで無かったのは何処も作らなかったわけではなく、何処も作れなかったから。

X-ADVはビッグスクーターに擬態している事を最大限活かしたビッグスクーターアドベンチャー・・・と言うより

X-ADV壁紙

「ビッグスクーター”モドキ” アドベンチャー」

と言ったほうが正しいかもしれないですね。

主要諸元
全長/幅/高 2230/910/1345mm
シート高 790mm
車軸距離 1580mm
車体重量 238kg(装)
燃料消費率 27.0km/L
※WMTCモード値
燃料容量 13L
エンジン 水冷4ストロークOHC4バルブ直列2気筒
総排気量 745cc
最高出力 54ps/6250rpm
最高トルク 6.9kg-m/4750rpm
変速機 電子式6段変速(DCT)
タイヤサイズ 前120/70R17(58H)
後160/60R15(67H)
バッテリー YTZ14S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
FR6G-11K
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量 全容量4.1L
交換時3.2L
フィルター交換時3.4L (クラッチ含む)
スプロケ 前17|後38
チェーン サイズ520|リンク118
車体価格 1,209,600円(税別)

主な変更

2018年:ホンダセレクタブルトルコン(二段階+OFF)を装備

2019年:ETC2.0を標準装備

系譜図
NC700S2012年
NC700S/X/INTEGRA
(RC61/63/62)
NC750S2014年
NC750S/X/INTEGRA
(RC70/72/71)
2016NC750S2016年
NC750S/X
(RC88/90/89)
XADV2017年
X-ADV
(RC95)
2021NC750X2021年
NC750X
(RH09)
RH102021年
X-ADV
(RH10)

NC750S/X/INTEGRA(RC88/90/89) -since 2016-

2016年式NC750

売れてるからか二年でまたモデルチェンジしたNCシリーズのNC750S(RC88)とNC750X(RC90)。

基本的な構造は先代のままだけど見た目が大きく変わったからインパクトはありますね。

グローバルのコストパフォーマンスモデルなのにLEDを装着とは。もしかして時代は進んで今やハロゲンとあんまりコスト変わらないんだろうか。

LEDヘッドライト

リアのテールランプこれグロムと同じやつかと。LEDなら流用は歓迎ですね。

LEDテールライト

当然ですがLEDパーツ流用して見た目を新しくしただけじゃありませんよ。

このモデルで大きく進化した点は2つ。

1つ目の進化はデュアルベンディングバルブフロントフォーク。

フロントフォーク

これはSHOWAが開発した新しい構造のサス・・・というより減衰方式で、それまでのオリフィスの穴による抵抗から、多重構造バルブにすることでプログレッシブな減衰を可能にした新しいサスペンション。

フロントフォーク

ザックリ簡単に説明するとインナーチューブにあるフォークオイルの出入り口を変えるだけなので、従来形状のまま付けるだけというお手軽さが売り。そんなお手軽変更でもピッチングモーションが抑えられジェントルなワンクラス上のサスに。

既存のサスにも後付け出来るようなキットを売れば爆発的な人気が出る様な・・・売って欲しいですがSHOWAだし無理か。

そして2つ目はマフラー。

2016NC750Xアクセサリー

見て分かる通り形状がよりスタイリッシュになりましたが、進化したのはソコじゃありません中身です。

注目して欲しいのはエンド付近のパンチング孔とレゾネーター室。

muffler

パンチング孔はまだしも”レゾネーター室とはなんぞや”とお思いの人も多いでしょう。

レゾネーターというのは別名ヘルムホルツと言い、笛などにも使われている共鳴器の事。つまりこの構造にしたことで低周波域が強調されてる。つまり270度クランク(Vツイン)特有のパルス感が強調されるようになったという話。

先代の750が二軸バランサーも相まって非常にジェントルな特性になってたんだけど、今回は逆に強調させるようにキャラ立てしてきたわけです。

RC90

消音には人一倍うるさく、チェーンの音しか聞こえない事を正義の様に思ってるホンダがこんなことをしてくるとは少し意外ですね。騒音規制が国際基準化で少し緩和されたのも影響してるのかな。

ちなみにエンジンとフレームは変わってないので先代と互換性があり、ジェントルな先代にもパルス感溢れるこの代にもなれる模様。まあそれだけで現行ってわけには行きませんが。

他にはDCTも進化して3段階調節が付くように。

DCT

クラッチにも改良が加わっており更にスムーズにシフトチェンジフィールが改善。

あとはスクリーンの大型化(750X)とかかな。まあとにかく結構色んな改良が加わってて、まあその分お値段も五万円ほど上がってるのが痛い所ですがそれでも大型バイクとしてはかなり安い部類かと。

ウェイブキー

あとウェーブキーも採用。調べてみると最近ホンダ車はウェーブキーの採用を進めているみたいですね。耐久性、防犯性に優れる既存の鍵とは違うちょっと変わった鍵。

これに伴ってハンドルロックとキーシリンダーも強化タイプに変わったそうです。

キーシリンダー強化はありがたい話。ハンドルロックが壊れて解除出来なくなった経験をした事ある人は多いと思います(最近のバイクはそうでもないのかもしれないけど)

ところで本当はインテグラもフルモデルチェンジしててRC89となったんだけど、何故か日本では同時発売はされず。

2016インテグラ

TMAXもそうだったんですよね。やっぱり売れる市場を優先してるからだろうか。まあ日本ではこのクラスは無いに等しいしね・・・

最後に

ホンダがどうしてこんな異質なバイクを作ったかといえば当然ながら根拠があります。

ホンダが日米欧で調査をしたところ、普段使いのライダーの9割が日常では6000rpm以下で走行、最高速は140km以下という調査結果が出ました。

この調査結果を見て

「1割を捨て、9割を取った新しいバイクを作ろう。」

となったわけです。

加速性能

ご存知のようにホンダに限らずほとんどの大型バイクは9割の人間が使わない6000rpm以上の部分に多くのコストを割いています。何故なら馬力や速さというのは数字で表せる分かりやすいセールスポイントですし、作り手としても技術力を表す燃える部分だからです。

もちろんだからといって「そんな馬力あって何処で使うの」「無駄の極み」「盆栽バイク」と否定するのも違います。その1割の魅力はとても強く、魅了されている人が多いのが事実ですから。大型バイクの特権ですしね。

ただ、そんな1割の為に9割を捨てているバイクがあるなら、9割を取って1割を捨てたビッグバイクがあっても不思議ではないでしょう。 NCはそんな”1割を捨てた勇気あるバイク”です。

NC開発陣

ちなみに左から二番目がNCの生みの親である青木主査なんですが、実はこの人あのNSR250(88以降全て)を開発された方だったりします。

そんなホンダの開発陣いわくNCシリーズの魅力を一言で言い表すなら

NC750S壁紙

「普段使いの最高性能バイク」

との事です。

開発された方なだけあって本当なわかりやすい例えですね。

主要諸元
全長/幅/高 2230/845/1350mm
[2215/775/1130mm]
{2215/845/1320mm}
シート高 830mm<LD:800mm>
[790mm]
{800mm}
車軸距離 1535mm
[1525mm]
{1520mm}
車体重量 218kg(装)
[216kg(装)]
{X:231kg/S:221kg(装)}
燃料消費率 28.3km/L
※WMTCモード値
燃料容量 14L
エンジン 水冷4ストロークOHC4バルブ直列2気筒
総排気量 745cc
最高出力 54ps/6250rpm
最高トルク 6.9kg-m/4750rpm
変速機 常時噛合式6段リターン
または
電子式6段変速(DCT)
タイヤサイズ 前120/70R17(58W)
後160/60R17(69W)
バッテリー YTZ14S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
IFR6G-11K
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量 全容量3.7L
交換時3.1L
フィルター交換時3.4L
または
【全容量4.1L
交換時3.2L
フィルター交換時3.4L (クラッチ含む)
※DCTモデル】
スプロケ 前17|後43
チェーン サイズ520|リンク114
車体価格

668,000円(税別)
[619,000円(税別)]
※スペックはNC750X(RC90)
※[]内はNC750S(RC88)
※INTEGRA(RC89)は日本未発売
※ABSモデルは+2kg
※DCTモデルは+12kg
※{}内はABSとETC2.0を標準装備した18年モデル

系譜図
NC700S2012年
NC700S/X/INTEGRA
(RC61/63/62)
NC750S2014年
NC750S/X/INTEGRA
(RC70/72/71)
2016NC750S2016年
NC750S/X
(RC88/90/89)
XADV2017年
X-ADV
(RC95)
2021NC750X2021年
NC750X
(RH09)
RH102021年
X-ADV
(RH10)
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